複素関数論からフーリエ変換を導く方法

<複素関数論からフーリエ変換を導く方法>

 f(t)=∫[-∞、∞] F(ω) eiωt dt

   F(ω)=1/2π・∫[-∞、∞] f(t) e-iωt dt

 

<コ-シ-の積分公式>

F(z)が有限領域Dで正則であり、領域D内部の単一閉曲線Cz内の点zにおける値は、

 F(z)=1/2πi・∫Cz F(ξ)/(ξ-z) dξ

と表される。

 

F(z)をn回微分すると

 F(n)(z)=n!/2πi・∫Cz F(ξ)/(ξ-z) n+1

となる。よってz=0のとき

   F(n)(0)/ n!=1/2πi・∫C0 F(ξ)/ξn+1 dξ ・・・(1)

である。いま

   Σn=Σn=-∞~∞

と略記する。関数F(z)をz=0の周りでローラン展開すると、F(z)は

 F(z)=Σn F(n)(0)/ n!zn

と表される。(1)式を代入すると

 F(z)=Σn [1/2πi・∫C0 F(ξ)/ξn+1 dξ] zn  ・・・(2)

と書ける。

 ei2π(t+T)/T=ei2πt/T・ei2π=ei2πt/T

であるから、関数f(t)を

 f(t)=F( ei2πt/T)  ・・・(3)

と定義すると、関数f(t)は

 f(t+T)=f(t)

により、周期Tの周期関数になる。(2)式を用いると

 f(t)=Σn [1/2πi・∫C0 F(ξ)/ξn+1 dξ] ( ei2πt/T) n  

  =Σn C n ( ei2πt/T) n  

と書ける。いま、ξ=ei2πs/T によってξからsに変数変換する。

 dξ=i2π/T・ei2πs/T ds

s=-T/2のとき、ξ=ei2π(-T/2)/T=e-iπ=-1

s=+T/2のとき、ξ=ei2π(+T/2)/T=e+iπ=-1

つまりξが半径1の円周C0上を動くとき、sは-T/2からT/2に動くことに注意すると、

C n=1/2πi・∫C0 F(ξ)/ξn+1

    =1/2πi・∫[-T/2、T/2] F(ei2πs/T)/ (ei2πs/T)n+1 2πi /T・ei2πs/T ds

 =1/T∫[-T/2、T/2] F(ei2πs/T)/ (ei2πs/T)n+1・ei2πs/T ds

 =1/T∫[-T/2、T/2] F(ei2πs/T) (ei2πs/T)-n ds

 =1/T∫[-T/2、T/2] f(s)e-i2πsn/T ds

となる。

 ωn=2πn/T

とおくと、

 Δω=ωn+1-ωn=2π/T → 0 as  T → ∞

 1/T=Δω/2π

なので、

f(t)=Σn C n eiωn t 

  =∫ [-∞、∞] dω[∫[-T/2、T/2] f(s)e-iωs ds] eiωt

    =∫ [-∞、∞] dω[1/2π∫[-∞、∞] f(s)e-iωs ds] eiωt

    =∫ [-∞、∞] F(ω) eiωt

F(ω)=1/2π∫[-∞、∞] f(s)e-iωs ds

が示された。

テ-タ関数の変換公式の証明

  <テータ関数の変換公式>

s>0のとき

 θ(s)=Σn=-∞~∞ exp(-πsn2)

に対して、

 θ(1/s)=√s・θ(s)

が成り立つ。

[証明] 関数f(t)を

 f(t)=exp(-πst2)

とおくと、

 θ(n)=Σn=-∞~∞ f(n)

である。f(t)のフーリエ変換をF(m)とすると

 F(m)=∫[-∞、∞] exp(-πst2)e-i2πmt dt

である。これをmで一回微分すると

 d F(m)/dm=∫[-∞、∞] exp(-πst2) (-i2πt)e-i2πmt dt

       =i/s・∫[-∞、∞] (-2πst)exp(-πst2) e-i2πmt dt

                    =i/s・∫[-∞、∞] (d/dt)exp(-πst2) e-i2πmt dt

                  =i/s・[exp(-πst2) e-i2πmt]t=-∞、∞-i/s∫[-∞、∞] exp(-πst2) (-i2πm) e-i2πmt dt

       =-2πm/s・∫[-∞、∞] exp(-πst2) e-i2πmt dt

       =-2πm/s・F(m)

となる。微分方程式を解くと

 [logF(m)]’=F’(m)/ F(m)=-2πm/s
    logF(m)=-πm2/s

を解いて、
   F(m)=F(0)exp(-πm2/s)

が得られる。

 F(0)=∫[-∞、∞] exp(-πst2) dt

ここで、u=√(πs)・t と置くと

 F(0)=1/√(πs)∫[-∞、∞] exp(-u2) du

   =1/√(πs)・√π =1/√s

従って、フ-リエ変換後の関数は

  F(m)=1/√s ・exp(-πm2/s)

となる。ここで

f(t)=exp(-πst2) は[-∞、∞]区間上の連続関数であるから、Poissonの和公式より

 Σn f(n)=Σn F(n)

すなわち

 Σn exp(-πsn2)=Σn 1/√s ・exp(-πn2/s)

が成り立つ。いま、θ(s)=Σn=-∞~∞ exp(-πsn2) より

 θ(s)=1/√s ・θ(1/s)

が成り立つことが示された。

 

[補題] 正の実数xに対して、

 Σn exp[-π(n+α)2/x]=√x Σn exp[-πn2x+ i2πnα]

が成り立つ。

・α=0を代入すると、θ(1/x)=√x ・θ(x) が成り立つ。

[証明] 

  fαx(y)=exp[-π(y+α)2/x]

とおいて、

  Σn fαx(y)=√x Σn exp[-πn2x+ i2πnα]

を示す。Poissonの和公式より

 Σn fαx(n)=Σn [-∞、∞] fαx(y) e-i2πny dy

=Σn [-∞、∞] exp[-π(y+α)2/x] e-i2πny dy

ここで、y+α=xuとおくと、

  Σn fαx(n)=Σn [-∞、∞] exp[-πxu2] e-i2πn(xu-α) dy

                 =Σn ei2πnα[-∞、∞] exp[-πxu2] e-i2πnxu xdu

ここで

    -πxu2-i2πnxu=-πx(u2+i2nu)=-πx(u+in) 2-πxn 2

であるから、

     Σn fαx(n)=xΣn ei2πnαexp[-πxn 2]∫[-∞、∞] exp[-πx(u+in)2] du  

       =xΣn ei2πnαexp[-πxn 2]・limN→∞ I(N)

ここで
    I(N)=∫[-N、N] exp[-πx(u+in)2] du=∫A exp[-πx(u+in)2] du  

とした。この積分の経路は複素平面で、

  A:z=u+in(-N≦u≦N)

である。コーシ-の定理より、非積分関数は正則関数なので、経路A上の複素積分を以下のB→C→Dに変えることができる。

   I(N)=∫B→C→D exp[-πx(z)2] dz  

において

 B:z=-N+it、0≦t≦n

 C:z=t、-N≦t≦N

 D:z=N+it、0≦t≦n

経路Bでの積分は

 IB(N)=∫[n、0] exp[-πx(-N+it)2] dt  

          =-exp[-πxN2]∫[0、n] exp[(1-it/N)2] dt 

ここでt’=t/N とおくと、

  IB(N)=∫[0、n] exp[(1-it/N)2] dt

       =1/N・∫[0、n/N] exp[(1-it’)2] dt’ → 0 as N→∞

となり、N→∞での積分値はゼロになる。

同様に経路Dでの積分は

   ID(N)=∫[0、N] exp[-πx(N+it)2] dt

          =1/N・∫[0、n/N] exp[(1+it’)2] dt’ → 0 as N→∞

となり、N→∞での積分値はゼロになる。経路Cでの積分は

   IC(N)=∫[-N、N] exp[-πxt2] dt  

   =1/√(πx) ・∫[-N、N] exp[-t2] dt → √π/√(πx)=1/√x as N→∞

となり、N→∞での積分値は1/√xとなる。

従って

 limN→∞ I(N)=limN→∞{IB(N)+IC(N)+ID(N)}=1/√x 

を得る。結局

  Σn fαx(n)=x Σn ei2πnαexp[-πxn 2]・limN→∞ I(N)

    =x Σn ei2πnαexp[-πxn 2] 1/√x
              =√x・Σn exp[-πxn 2+i2πnα]

が成り立つことが示された。

ポアソンの和公式の証明

<Poissonの和公式>

[-∞、∞]区間上の任意の連続関数f(x)とそれをフーリエ変換した関数

 F(n)=∫[-∞、∞] f(t)e-i2πnt dt

に対して、

 Σn=-∞~∞ f(n)=Σn=-∞~∞ F(n)

が成り立つ。

[証明]  連続関数f(t)に対して

 g(t)=Σn=-∞~∞ f(n+t)

を定義する。

 g(0)=Σn=-∞~∞ f(n)

であり、g(t)は

 g(t+1)=g(t)

なる周期性を持つので、フ-リエ級数展開

 g(t)=Σn=-∞~∞ cn ei2πnt

ができる。t=0のとき

 g(0)=Σn=-∞~∞ cn

が成り立つ。一方、

 F(m)=Σn=-∞~∞ [n、n+1] f(t)e-i2πmt dt

   =Σn=-∞~∞ [0、1] f(t+n)e-i2πm(t+n) dt

   =∫[0、1]n=-∞~∞f(t+n)] e-i2πmt dt

   =∫[0、1] g(t) e-i2πmt dt

   =∫[0、1]n=-∞~∞ cn ei2πnt] e-i2πmt dt

   =Σn=-∞~∞ cn・[∫[0、1] ei2π(n-m)t dt]

   =Σn=-∞~∞ cn・δnm

   =cm

従って

 g(0)=Σn=-∞~∞ f(n)=Σn=-∞~∞ F(m)

が成り立つ。

 

複素積分でディリクレ積分を求める

ディリクレ積分

 ∫[0,∞] sin(x) /x dx=π/2 

を複素積分

 ∫C  eiz /z dz=0

で求めます。

閉積分経路Cを

 C=C1+C2+C3+C4

に分けます。ここで

 C1:z=Reiθ 0≦θ≦π

 C2:z=x –R≦x≦-δ

 C3:z=δeiθ  0≦θ≦π

 C4:z=x δ≦x≦R

とします。閉積分経路C内にz=0の極は含まれないので、Cでの積分はコーシ-の定理よりゼロになります。

(1)C1の積分

 0≦sinθ≦1 かつ 2θ/π≦sinθ(0≦θ≦π)、

ですから、

 |exp(iReiθ)|=|exp{iR(cosθ+ i sinθ)}|

       =|exp{iRcosθ}・exp{-R sinθ)}]|

       =e-R sinθ

       ≦e-R2θ/π

従って

 |∫C1 eiz /z dz|=|∫[0,π]  exp(iReiθ) /Reiθ ・iReiθdθ|

         ≦∫[0,π] e-R2θ/π

         =-π/2R・[e-R2θ/π] θ=0,π

          =π/2R・(1-e-2R) → 0 as R→∞

C1の積分はRが無限大になるとゼロになります。

(2)C2の積分

ここで x’=‐xに置き換えると

 ∫C2  eiz /z dz=∫[R,δ]  e‐ix’ /x’ dx’=-∫[δ、R]  e‐ix’ /x’ dx’

となります。

(3)C3の積分

  ∫C3  eiz /z dz=∫[π,0]  exp(iδeiθ) /δeiθ ・iδeiθ

 =i∫[π,0]  {1+(iδeiθ)+O(δ2)}dθ

 → i∫[π,0] dθ=-iπ as δ→0

(4)C4の積分

 ∫C3  eiz /z dz=∫[δ、R]  eix /x dx

となります。以上より

0=∫C1 eiz /z dz+∫C2 eiz /z dz+∫C3 eiz /z dz+∫C4 eiz /z dz

  =∫CR eiz /z dz-∫[δ、R]  e‐ix /x dx+∫[δ、R]  eix /x dx-iπ

  =∫CR eiz /z dz +∫[δ、R] (eix-e‐ix) /x dx-iπ

  =∫CR eiz /z dz +2i∫[δ、R] sin(x) /x dx-iπ

ここで δ→0かつR→∞ とすると

 2i∫[0、∞] sin(x) /x dx-iπ=0

すなわち

 ∫[0、∞] sin(x) /x dx=π/2

が得られます。複素積分を用いると簡単にディリクレ積分の値が求められました。

ディリクレ積分からフーリエ変換へ

ペーター・グスタフ・ディリクレ(Peter Gustav Dirichlet, 1805年~1859年)はフランス生まれのドイツ人数学者です。ディリクレは現代的な関数概念(写像)を与えたことで知られています。家族の名前Dirichletは祖父がベルギ-のリシュレの街の出身だったことに由来しています。ペータ-はガウスの「整数論」を持ってフランスへ行き、パリ大学などで、フ-リエ(指導教官)、ラプラス、ルジャンドルらから数論と解析学を学びます。ペータ-は22歳の時にドイツに戻り、10年間ベルリン大学に滞在し、レベッカ・メンデルスゾーンと結婚します。妻のお兄さんは有名な作曲家で、彼の家は絶えず賑やかだったそうです。ディリクレは1855年からガウスの後継として、ゲッティンゲン大学で教授を務めます。友達の数学者にカ-ル・グスタフ・ヤコビがいます。彼の教え子たちにはアイゼンシュタイン、リーマン、クロネッカー、リプシッツがいます。友人の数学者リヒャルト・デ‐デキントが彼の研究結果をまとめて『整数論講義』を出版しました。ディリクレの名前が付けられた定理は、数論や解析学で数多く出てきます。ディリクレの積分定理は師匠のフーリエ変換の数学的基礎づけを行うためのものです。

<ディリクレの積分定理>

区分的に滑らかな関数f(x)に関して

 Lim λ→∞[-a,-a] f(x)sin(λx)/x dx=π/2・[f(+0)+f(-0)]

が成り立つ。ここで

 f(+0)=Lim x→0 f(x)  for x>0

 f(-0)=Lim x→0 f(x)  for x<0

のことです。f(x)がx=0で連続ならば、

 Lim λ→∞[-a,-a] f(x)sin(λx)/x dx=π・f(0)

となります。「区分的に滑らか」とは積分区間で有限個の有限な不連続点があり、その間は1回微分可能であることを意味しています。

[証明]

I(λ)=∫[b,c] f(x)sin(λx) dx

とおくと、

 Lim λ→∞ I(λ)=0  ・・・(1)

が成り立ちます。(1)式は後で証明します。一方

 ∫[0,∞] sin(λx) /x dx=π/2 (λ>0) ・・・(2)

が成り立ちます。この積分をディリクレ積分と呼びます。ディリクレ積分は収束しますが、絶対収束しない積分として有名です。(2)式も後で証明します。

I(λ)において、f(x)→{f(x)-f(+0)}/x と置き換えると、

  f’(0)=Lim x→0{f(x)-f(+0)}/x

は存在しているので、

 ∫[0,a] {f(x)-f(+0)}/x ・sin(λx) dx+∫[-a,0] {f(x)-f(+0)}/x ・sin(λx) dx →0 λ→∞

が成り立ちます。すなわち

 ∫[-a,a] f(x) sin(λx)/x dx=f(+0)∫[0,a] sin(λx)/x dx+f(-0)∫[-a,0] sin(λx)/x dx

x’=-x とおくと

 ∫[-a,0] sin(λx)/x dx=-∫[+a,0] sin(λx’)/x’ dx’=∫[0,a] sin(λx)/x dx

であるから、

 ∫[-a,a] f(x) sin(λx)/x dx=[f(+0)+f(-0)]・∫[0,a] sin(λx)/x dx

となります。a→∞をとると、(2)式より

 ∫[-∞,∞] f(x) sin(λx)/x dx=[f(+0)+f(-0)]・π/2

が得られます。

f(x)=1のとき、x’=λxとおくと

 ∫[-∞,∞] sin(λx)/x dx=∫[-∞,∞] sin(x’)/x’ dx’=π/2

が成り立ちます。

次に(1)式の証明を行います。x=y+π/λ とします。

  Sin(λ(y+π/λ))=sin(λy+π)=-sin(λy)

 I(λ)=-∫[b-π/λ、c-π/λ] f(y+π/λ) sin(λy)dy・・・(3)

となります。

 I(λ)=∫[b,c] f(x)sin(λx) dx・・・(4)

(3)+(4)を行うと、積分区間を

  [b -π/λ、c]=[b-π/λ、b]+[b、c-π/λ]+[c-π/λ、c]

に分割できるので、

 2 I(λ)=-∫[b-π/λ、b] f(x+π/λ)sin(λx) dx+∫[b、c-π/λ] [ f(x)-f(x+π/λ)]sin(λx) dx

     +∫[c-π/λ、c] f(x)sin(λx) dx

となります。ワイエルシュトラスの最大値定理より、閉区間[b、c]において、最大値M>0が存在して

 |f(x) sin(λx)|≦|f(x)|≦M となるので、

 2|I(λ)|≦2Mπ/λ+∫[b、c-π/λ] |f(x)-f(x+π/λ)|dx <2ε

となります。任意のε>0に対して、λ>0が存在して、

  2Mπ/λ<ε  かつ  |f(x)-f(x+π/λ)|<ε/(c-b)

が成り立ちます。従って

  limλ→∞|I(λ)|=0 

が示されました。

<フーリエの積分定理>

区分的に滑らかな関数f(t)に対して

  F(ω)=∫[-∞、∞]f(t)e-iωtdt

が存在し、

  1/2π・∫[-∞、∞] F(ω) e-iωtdω=1/2・[f(t+0)+f(t-0)]

が成り立つ。

証明) ディリクレの積分定理より、区分的に滑らかな関数f(x)に関して

 Limλ→∞[-a,-a] f(τ)sin(λτ)/τ dτ=π/2・[f(+0)+f(-0)]

が成り立ちます。いま、f(τ)をf(τ+t)と置き換え、a→∞とすると

 Limλ→∞[-∞,-∞] f(τ+t)sin(λτ)/τ dτ=π/2・[f(t+0)+f(t-0)]

t’=τ+tと変数変換すると

 左辺=Limλ→∞[-∞,-∞] f(t’)sin(λ(t’-t))/(t’-t) dt’

となります。

 ∫[0,λ] cosω (t’-t)dω=[sin(ω(t’-t))/(t’-t)]ω=0、λ=sin(λ(t’-t))/(t’-t)

ですから、これを代入すると

 左辺=Limλ→∞[-∞,-∞] f(t’) [∫[0,λ] cosω (t’-t)dω] dt’

となる。ここで

 cosω (t’-t)=1/2(eiω (t’-t)+e -iω (t’-t))

です。ω’=-ωと置くと

 ∫[0,∞] eiω (t’-t) dω=-∫[0,-∞] e-iω’ (t’-t) dω’= ∫[-∞,0] e-iω (t’-t)

となります。

左辺=1/2∫[-∞,-∞] f(t’) [∫[0,∞] eiω (t’-t)dω+∫[-∞,0] e-iω (t’-t)dω] dt’

  =1/2∫[-∞,-∞] f(t’) [∫[-∞,∞] e-iω (t’-t)dω] dt’

  =1/2∫[-∞,-∞] [∫[-∞,∞] f(t’) e-iωt’ dt’ ] eiωt

が得られます。よって

 F(ω)=∫[-∞,∞] f(t) e-iωt dt

とおくと、

 1/2π・∫[-∞,-∞] F(ω)eiωt dω =1/2・[f(t+0)+f(t-0)]

が示されました。

ディリクレ積分

  ∫[0,∞] sin(λx) /x dx=π/2 (λ>0) ・・・(2)

は収束しますが、

 ∫[0,∞] |sin(x) /x|dx=Σk=1~∞[(k-1)π、kπ] |sin(x)|/x dx

           ≧Σk=1~∞[(k-1)π、kπ] |sin(x)|/kπ dx

           =1/π・Σk=1~∞1/k∫[0、π] sin(x)dx

           =2/π・Σk=1~∞1/k =∞

によって絶対収束しません。

命題1 

 ∫[0、∞] e-axsin(x) /x dx=π/2-tan-1(a) a>0

が成り立つ。

部分積分をすると、

I(a)=∫[0、∞] e-axsin(x) dx=-[e-axcos(x)]x=0~∞+∫[0、∞] (-a)e-axcos(x) dx=

   =1-a{[e-axsin(x)] x=0~∞-(-a)∫[0、∞] e-axsin(x) dx}

   =1-a2I(a)

 I(a)=1/(1+a2)

となります。

  ∫[∞、a’] I(a)da=∫[∞、a’][0、∞] e-axsin(x) dx da

 =∫[0、∞] [∫[∞、a’] e-ax da] e-ax da sin(x) dx

ここで

  ∫[∞、a’] e-ax da=-1/x・[e-ax]a=∞~a’= -1/x・e-a’x

であるから、

 ∫[0、a’] I(a)da=-∫[0、∞] e-a’x sin(x)/x dx

一方、

[∞、a’] I(a)da=∫[∞、a’] 1/(1+a2)da

a=tanθ-とおくと、1/(1+tan2θ)=cos2θ、da=1/ cos2θdθ

a:∞→a’、 θ:π/2→tan-1(a’) より

[∞、a’] I(a)da=∫[π/2、tan-1(a’)] 1da=tan-1(a’)-π/2=-∫[0、∞] e-a’x sin(x)/x dx

である。従って

 ∫[0、∞] e-ax sin(x)/x dx=π/2-tan-1(a)

が示された。

上式でa=0のとき

 I(0)=∫[0,∞] sin(x) /x dx=π/2 

が成り立ちます。上式は複素積分で示すこともできます。

ゼ-タ関数の零点分布を調べました

ゼ-タ関数は

 ζ(z)=∑k=1~∞1/kz=1+1/2z+1/3z+1/4z+・・・   Re(z)>1

という複素関数です。ゼ-タ関数の零点とは、ζ(z)=0となるzのことです。今回はゼ-タ関数の零点を計算してみました。前回、ゼ-タ関数は

 ζ(z)=∏p(1/[1-1/pz])=1/[1-1/2z]・[1-1/3z]・[1-1/5z]・[1-1/7z]・・・

のように素数の積で表示できることを示しました。このことが示唆するように、ゼ-タ関数の零点と素数には密接な関係があることが知られています。

前回、イ-タ関数η(z) (前回はη(z)をL(z)と書きました。)

 η(z)=∑k=1~∞(-1)k-1/kz=1-1/2z+1/3z-1/4z+1/5z-1/7z+・・・          Re(z)>0

を使うと、ゼ-タ関数

 ζ(z)=η(z)/(1-21-z)  Re(z)>0 z≠1

の定義域は、Re(z)>0に拡大できることを示しました。ゼ-タ関数は、ガンマ関数を用いて表示することでRe(z)<0にも拡大できます。ゼ-タ関数の零点には、z=-2、-4、-6・・・・に自明な零点があることが分かっています。1859年にリ-マンはゼ-タ関数の非自明な零点はRe(z)=1/2の線上に分布すると予想しました。今回は

 ζ(z)=η(z)/(1-21-z)=0

を満たす非自明な零点の分布を調べて見ました。問題は、無限和を有限和で置き換えると、級数の収束が遅いので、誤差が大きくなってしまうことです。私のパソコンでは、10万項の級数を計算しても、Re(z)=1/2の線上の零点の虚数座標を有効数字4桁の精度(t1=14.13)でしか求められませんでした。そこでクノップ変換を行い級数の収束性を高めました。 N=40(40×40/2=800項)の計算で零点を有効数字7桁の精度(t1=14.13473)で求めることができました。マンゴルトの明示公式の周期項を微分して得た素数スペクトル曲線に12個の零点を入れて9個の素数を再現しました。

クノップ変換では。収束が遅い級数に「1に収束する級数」を挿入して和の順番を変えることで、級数の収束性を高めます。パラメータqの値を変えることで、収束速度と収束領域が変わります。

関数b(k,N)はNが無限大になると1になりますが、Nが有限だと、kがN/2より大きい所では1より小さくなります。 コンラッド・クノップ(1882~1957)は無限級数の収束を研究したドイツ人の数学者です。

 

上司に告白されました。

[相談者]  

呆れて言った言葉を鵜吞みにした上司に・・・焦ってます。

上司に告白されました。上司は見た目もよく社内の状況から収入もかなりだと思います。しかし上司は既婚者、子どももいるわけで、不倫が嫌いな私としては「がっかり」と同時に怒りを覚えたんです。それで「電車の乗り換えみたいに、次の女を見つけてから離婚しようなんて、本気とは思えない。本気なら離婚してから次ですよね?」と言いました。不倫しようなんて男は離婚する気がないので。つまりは「断り文句」でした。そうしたら半年で本当に離婚してきたんです・・・死ぬほどびっくりしました。「きちんと離婚したから。順番をはき違えて申し訳なかった」と、再び告白されました。

さすがに断れなくてokしましたが・・・。初デートを前にして憂鬱です。

そもそも上司というか、社内の人と付き合う気持ちがなかったので、そういえば良かったなあと思ったりして。別れたとき仕事やめなきゃいけなくなるのは大抵女だから。冷静に上司のことをどう思うかというと、条件はとてもいいんですが、なんかこう、ピンとこないというか、つまらなそうなんです。私はちょっと悪いタイプの人とか、マッチョなタイプが好みで。上司はまじめだし見た目もスリムなので男性的な魅力がないんですね。結婚するなら最高だと思いつつも「でもほかの女に惚れて妻子捨てたんだし」と思っちゃって。

これどうしたらいいと思いますか?

仕事やめたくないけど、逃げるしかないのかな。。本気で怖いです。

[ベストアンサ-] 怖がることはないですよ。あなたが「うん」と言わなければ結婚はできないのですから。上司さんは貴女と一緒になるために離婚したのですから、悪いところもあり、面白味のある人です。少しつきあってあげたらどうですか。

スリムタイプの人の方がマッチョタイプより精神的にも肉体的にも無理をしないので健康でいられます。ちゃんと謝まれる男もなかなかいないです。女としては惚れられて結婚するのが一番かっこいいと思います。彼は上司として貴女の中身の価値を良く分かってくれていると思います。貴女に一番最初に出会っていれば貴女にプロポーズしたのです。彼は自分の間違いを正す勇気のある人です。自分のタイプが理想の結婚相手だと考えるのは、男性と交際した経験が少ないからだと思います。

[質問者からのお礼コメント]

上司が真剣なことは確かなので、しばらくこちらも付き合ってみて人柄とか見てみようと思います。奥様とのことも聞いてみて考えます。男らしく力強いタイプは裏を返せばモラハラ体質だったり、俺様気質だったりしますね・・・過去はそんな男が多かったです。

回答数:12

[その他の回答1]

彼が離婚したからといって貴女が付き合わないといけないってことはないです。デートして「すみません好きになれません。他の女性とお付き合いしてください。」でいいんじゃないですか。ほかの女に惚れて妻子捨てたってことは、貴女じゃなくてまた別の女性に惚れることができるでしょう。「君のために離婚した」と言われても「知らんがな」でいいです。妻子の元に戻るかもしれないし。とにかく、貴女は「好きになれない」を貫けばいいです。仕事に支障が出そうなら人事に相談しましょう。

[その他の回答2]

今更ですが、OKしちゃった事が間違いですよね。上司の更に上の人に相談、人事部に相談、警察に相談、離職して離れるって感じで、上司から言い寄られて困ってる、というのを、その前の経緯も含めて話すのが一番でしょうね。ただ、ソレで変にクビだなんだとなった場合、個人的に恨まれる恐れもあるので気を付けてください。

[その他の回答3]

初デートだけ、してみてその後、ハッキリと断る。申し訳ありませんが、私の好みではないです。上司としては尊敬はしておりますが将来を共にするパートナーとして見ることは絶対にありません。離婚されたことについては一般論を申しあげたまでなので。私のためとか、おっしゃられてもお受けできません。かな。

 

 

[12]素数定理の証明手順のまとめ

[12]素数定理の証明手順のまとめ

[0]関数の定義 P;素数の集合

・リーマンのゼ-タ-関数:ζ(s)=Σ[n=1~∞] 1/ns、Re(s)>1

 (nに関する無限級数)

・ファイ関数:Φ(s)=Σ[p∊P] log(p)/ps、Re(s)>1

 (すべての素数に関する和をとる)

・チェビシェフのシータ関数:θ(x)=Σ[p≦x] log(p)

  (X以下の素数pに関する和をとる)

・素数の個数関数:π(x)=Σ[p≦x]1

[Ⅰ]命題1 Re(s)>1、ζ(s)=Π[p∊P] [1/(1-1/ps)] オイラ-積表示の存在

(1)Re(s)>1でζ(s)のディリクレ級数表示は収束する。

(2)ζ(s)のディリクレ級数表示はオイラ-積表示に一致する。

(3)Re(s)>1でζ(s)のオイラ-積表示は収束する。

(4)ζ(s)は、s>0(s≠1)に拡張することができる。

[Ⅱ] 命題2 ζ(s)-1/(s-1)はRe(s)>0で正則である。

(1)∫[1,∞]1/xs dx=1/(s‐1) for s>1

(2)s∫[n,x] 1/ts+1 dt=1/ns-1/xs

(3)|ts+1|=tRe(s)+1 

(4)ζ(s)-1/(s-1)≦|s|ζ( Re(s)+1)  for s>1 

[Ⅲ] 命題3 Φ(s)-1/(s-1)はRe(s)≧1で正則である。

(1)ζ’(s)/ζ(s) +1/(s-1) はRe(s)≧1で正則である。

(2)Φ(s)‐1/(s‐1)=‐[ζ′(s)/ζ(s)+1/(s‐1)]-Σ[p] log(p)/ps(ps‐1)  を示す。

(3)右辺2項目Σ[p] log(p)/ps(ps‐1)はRe(s)>1/2で正則である。

(4)Re(s)=1でζ(s)=0なる零点が存在しない。

[Ⅳ] 命題4 θ(x)=O(x) i.e. ∃k>0 |θ(x)|≦kx

(1)2nlog2≧θ(2n)-θ(n)

(2)2m+1・log2>θ(2m)

  (3) θ(x) ≦4log2・x

[Ⅴ] 命題5 ∫[1,∞] [θ(x)-x]/x2 dxは収束する。

・[Ⅲ] 、[Ⅳ]、[定理A]を用いて証明する。

(1)Φ(s)=s∫[1,∞] θ(x)/xs+1 dx、Re(s)>1

(2)f(t)=θ(et)e-t-1 (t≧0)は有界、g(z)=∫[0,∞] f(t)exp[-zt] dtが存在する

(3)g(z)=Φ(z+1)/(z+1)-1/z  Re(z)>0

(4)g(z)はRe(z)≧0で正則

(5)g(0)=∫[0,∞] f(t) dt=∫[1,∞] [θ(x)-x]/x2 dx が収束する。

[Ⅵ] 命題6 θ(x)~x i.e. lim[x→∞] θ(x)/x=1

・任意のε>0、∃x>0 1-ε<θ(x)/x<1+εを示す。

・背理法を用いて矛盾を示す。任意の正数xに対して、∃ε>0

(1)1+ε≦θ(x)/x は矛盾を生じるので、θ(x)/x<1+ε by [Ⅴ]

(2)θ(x)/x≦1-ε は矛盾を生じるので、1-ε<θ(x)/x  by [Ⅴ]

[Ⅶ] 素数定理 Lim [x→∞] π(x) logx/x=1

(1)1←θ(x)/x≦π(x)log(x)/x by [Ⅵ]

(2)π(x)log(x)/x≦1/(1-ε)・θ(x)/x+log(x)/xε→1/(1-ε) →1

[定理A] Newmanの解析定理

t≧0で有界かつ可積分な関数f(t)に対して、

g(z)=∫[0,∞] f(t)exp[-zt] dt Re(z)>0

がRe(z)≧0で正則であれば、

 g(0)=∫[0,∞] f(t) dt

が存在する。つまり正則関数

 gT(z)=∫[0,T] f(t)exp[-zt] dt

に対して、

 lim[T→∞]gT(0)=g(0)

が存在する。

[定理A] Newmanの解析定理の証明手順

(1)g(0)-gT(0)=1/2πi・∫C [g(z)-gT(z)]ezT(1+z2/R2)/z dz

(2)A=|g(0)-gT(0)|=|1/2πi・∫C [g(z)-gT(z)]ezT(1+z2/R2)/z dz|

   ≦A++A≦A++A-1+A-2 → 2B/R(T→∞)→ 0 (R→∞)

(3)A+≦B/R、Re(z)>0 

(4)A-1=|1/2πi・∫CgT(z)ezT(1+z2/R2)/z dz|≦B/R 

(5)A-2=|1/2πi・∫Cg(z)ezT(1+z2/R2)/z dz|→ 0

[11][Ⅷ] Newmanの解析定理の証明

[Ⅷ] Newmanの解析定理の証明

(1)g(0)-gT(0)=1/2πi・∫C [g(z)-gT(z)]ezT(1+z2/R2)/z dz を示します。

コ-シ-の積分公式より、領域Dで正則な複素関数f(z)のD内の閉曲線C上の積分に関して、

閉曲線Cで囲まれた領域の点αにおいて

  • f(α)=1/2πi・∫C f(z)/(z-α) dz

が成り立つ。閉曲線Cの半径R>0として、

  • f(z)=[g(z)-gT(z)]ezT(1+z2/R2)

を考えると、f(z)は以下で定義される領域Dで正則であることが分かります。

任意の閉曲線C上のgT(z)の積分は、∫C e-ztdz=0より

  • C gT(z)dz=∫C (∫[0,T]f(t)e-ztdt)dz=∫[0,T] f(t) (∫C e-ztdz)dt=0

です。モレラの定理から、gT(z)は任意の閉曲線C内で正則です。解析定理の前提より、g(z)はRe(z)≧0で正則なので、Re(z)=0上の任意の点z=it(-∞≦t≦∞)でテ-ラ-展開でき、その収束円内のzでも正則です。従って、十分大きなR>0と十分小さなδ>0において、「|z|≦R かつ-δ≦Re(z)」となる領域Dの境界線を閉曲線Cとすると、閉曲線Cの内部領域Dでg(z)とgT(z)は正則です。ezT(1+z2/R2)も正則なので、f(z)は正則関数となり、

コ-シ-の積分公式を適用できます。いまz=0で

  • f(0)=g(0)-gT(0)

です。α=0として、コ-シ-の積分公式を適用すると

  • f(0)=g(0)-gT(0)=1/2πi・∫C [g(z)-gT(z)]ezT(1+z2/R2)/z dz

が成り立ちます。

(2)A=|g(0)-gT(0)|=|1/2πi・∫C [g(z)-gT(z)]ezT(1+z2/R2)/z dz|

   ≦A++A≦A++A-1+A-2 → 2B/R(T→∞)→ 0 (R→∞)

を示します。そのために、積分路を

  • C=C+ (Re(z)>0)+C(Re(z)<0)

に分け、

 A+=|1/2πi・∫C+ [g(z)-gT(z)]ezT(1+z2/R2)/z dz|

 A=|1/2πi・∫C[g(z)-gT(z)] ezT(1+z2/R2)/z dz|≦ A-1+A-2

とします。ここで

 A-1=|1/2πi・∫C-’gT(z)ezT(1+z2/R2)/z dz|

 A-2=|1/2πi・∫Cg(z)ezT(1+z2/R2)/z dz|

とします。これから

 A≦A++A≦A++A-1+A-2 → 2B/R(T→∞)→ 0 (R→∞)

を示します。

 

 

 

 

 

 

 

(3)A+≦B/R、Re(z)>0 を示します。

z=Reiθとおいて積分変数をzからθに変換すると、dz=i Reiθ

  A+≦1/2π|∫C|g(z)-gT(z)|eRe(z)T [1+z2/R2]/z dz|

非積分関数

[1+z2/R2]/z=[1+R2e2iθ/R2]/Reiθ=2[R(eiθ+e-iθ)/2]/R2=2Re(z) /R2

より

  A+≦1/2π∫C|g(z)-gT(z)|eRe(z)T 2Re(z) /R2|dz|

いま、|f(t)|≦B(有界)なので

|g(z)-gT(z)|=|∫[T,∞] f(t)exp[-zt] dt|≦B|∫[T,∞] exp[-Re(z)t] dt|

      =-B/ Re(z)[ exp[-Re(z)t]]t=T,=B/ Re(z)・e-Re(z)T

です。従って、

A+≦1/2π∫CB/ Re(z)・e-Re(z)T・eRe(z)T 2Re(z) /R2|dz|=(B/πR2) ∫C|dz|

となります。∫C|dz|=πRより

  A+≦B/R

が得られます。

(4)A-1=|1/2πi・∫CgT(z)ezT(1+z2/R2)/z dz|≦B/R を示します。

Re(z)<0より、C- ’の積分経路を用いる。|Re(z)|=-Re(z)に注意して

 |gT(z)|=|∫[0,T] f(t)e-zt dt|≦B∫[0,T] e-Re(z)t dt=B/(-Re(z))[e-Re(z)t]t=0,T

     =B/(-Re(z))[e-Re(z)T-1]≦B/(-Re(z))e-Re(z)T

 A-1=|1/2πi・∫C-’gT(z)ezT(1+z2/R2)/z dz|

   ≦1/2π・∫C-’|gT(z)|eRe(z)T|(1+z2/R2)/z||dz|

   ≦1/2π・[B/(-Re(z))e-Re(z)T] eRe(z)T[2Re(z) /R2]・∫C-’|dz|

    =1/2π・B/(-Re(z)) [2|Re(z)|/R2]・πR=B/R

(5)A-2=|1/2πi・∫Cg(z)ezT(1+z2/R2)/z dz|→ 0 as T→∞ を示す。

有界閉集合C-上のTを含まない複素関数の絶対値には最大値があり、

 |g(z) (1+z2/R2)/z|≦M

なる正数Mが存在します。

  A-2≦M/2π・|∫CezT dz|≦M/2π・∫CeRe(z)T|dz|

となる。C-上の積分路を弧AB上と直線BC上の2つに分けて、実行します。

1)弧AB上:z=R eiθ (π/2≦θ≦λ)、cos(λ)=-δ/R |dz|=Rdθ

2)直線BC上:z=-δ+it (0≦t≦√(R2-δ2))  |dz|=dt

実軸に対する対称性から、積分経路をIm(z)≧0に限定して、積分値を2倍します。

A-2≦2・M/2π・[∫AB eRe(z)T|dz|+∫BC eRe(z)T|dz|]

  =M/π・[∫[(π/2θ≦λ] eRcos(θ)T Rdθ -∫[0t√(R2δ2)] e-δT dt ]

t=cos(θ)とおくと、dt=-sin(θ)dθ=-√(1-t2) dθより、t:0→cos(λ)=-δ/R

 =M/π・[-∫[(0tδ/R] eRTt R/√(1-t2) dt -√(R2-δ2)・e-δT ]

 ≦M/π・[-∫[(0tδ/R] eRTt R/√(1-(δ/R)2) dt -√(R2-δ2)・e-δT ]

  =M/π・[-R2/√(R2-δ2)・∫[(0tδ/R] eRTt dt -√(R2-δ2)・e-δT ]

ここで

 ∫[(0tδ/R] eRTt dt=1/RT・[eRTt]t=0, δ/R=1/RT・[e-Tδ-1]

ですから、δ>0より、

A-2≦M/π・[R2/√(R2-δ2)・1/RT・[1-e-Tδ]-√(R2-δ2)・e-δT ] → 0 as T→∞

が得られます。

(3)~(5)より、

  |g(0)-gT(0)|=A≦A++A≦2B/R → 0  as  T→∞, R→∞

が成り立ちます。よって

 lim[T→∞]gT(0)=g(0)

が存在することが証明されました。

 

<コ-シ-の積分公式>

領域Dで正則な複素関数f(z)のD内の閉曲線C上の積分に関して、Cで囲まれた領域の点z=αにおいて

  • f(α)=1/2πi・∫C f(z)/(z-α) dz

が成り立つ。Cの向きは反時計回りを正とする。

証明)z=αの近傍で、正則関数f(z)を

  • f(z)=f(α+z-α)=f(α)+f’(α) (z-α)+1/2・f’’(α) (z-α)2+・・・

と展開すると、正則関数1,z、z2、z3、・・は閉曲線C内に極をもたないので、コーシ-の積分定理よりC上の積分でゼロになります。

C f(z)/(z-α) dz=∫C[f(α)+f’(α) (z-α)+1/2・f’’(α) (z-α)2+・]/(z-α) dz

 =f(α)・∫C 1/(z-α) dz +f’(α)∫C dz+1/2・f’’(α) ∫C (z-α) dz+・・・

 =f(α)・∫C 1/(z-α) dz

となります。z=α+eとおくとdz=iedθ、θ=0~2πより

 ∫C 1/(z-α) dz=∫[0≦θ≦2π]i e/edθ=2πi

従って

 ∫C f(z)/(z-α) dz=2πi f(α)

となります。

 

<モレラの定理>~コ-シ-の積分定理の逆

閉曲線C上の連続関数f(z)の積分に関して、∫C f(z)dz=0 ならば、f(z)は閉曲線C内で正則である。

証明)z0からzまでの積分経路をCとします。

 F(z)=∫C=[z0,z] f(z)dz

zからz+Δzまでの経路Lを、

  • ξ(t)=z+Δz・t (0≦t≦1)

で定義します。

  • dz=ξ’(t)dt=Δzdt

が成り立ち、

 F(z+Δz)=∫C+L f(z)dz

と書けます。以下にF(z)の導関数F’(z)が存在し、F’(z)=f(z)となることを示します。

  |[F(z+Δz)-F(z)]/ Δz-f(z)|=|[∫C+L f(z)dz-∫C f(z)dz] /Δz-f(z)|

 =|(1/Δz)∫[z,z+Δz] f(z)dz-f(z)|=|(1/Δz)∫[0,1] f(ξ(t)) Δzdt-f(z)|

 =|∫[0,1] f(ξ(t)) dt-f(z)|

 ≦∫[0,1]|f(ξ(t))-f(z)|dt ≦∫[0,1]εdt=ε

ここでf(ξ)は連続なので、任意のε>0に対して、|f(ξ)-f(z)|<ε を満たす、|ξ-z|<ΔzなるΔz>0が存在します。ε→0とΔz→0は対応しています。

 Iim[Δz→0]|[F(z+Δz)-F(z)]/ Δz-f(z)|≦Iim[Δz→0]ε(Δz)→0

よって、F(z)の導関数F’(z)が存在し、F’(z)=f(z)となります。F(z)の導関数が存在するから、F(z)は正則です。グルサの定理より、F’(z)も正則になります。F’(z)=f(z)なので、f(z)も正則になります。従って、閉曲線Cに対して、∫C f(z)dz=0 ならば、f(z)はC内で正則であることが示されました。

 

[10][Ⅶ] 素数定理 Lim [x→∞] π(x) logx/x=1 の証明

[Ⅶ] 素数定理 Lim [x→∞] π(x) logx/x=1 の証明

(1)Lim[x→∞]π(x)log(x)/x≧1 を示します。

チェビシェフのシータ関数には

  • θ(x)=Σ[px] log(p)≦{Σ[px]1} log(x)=π(x) logx

なる性質があります。x>0について、[Ⅵ]より

  • π(x) logx/x ≧ θ(x)/x →1 as x→∞

よって、Lim[x→∞]π(x)log(x)/x≧1 となります。

(2)Lim[x→∞] π(x) log(x)/x≦1 を示します。

任意のε>0に対して、十分大きいxをとれば、ε・log(x)を大きくとることができるから、

 log(x)-ε・log(x)≦log(p)≦log(x) → 0<x1-ε≦p≦x 

なる素数pが存在します。

θ(x)=Σ[px] log(p) ≧ Σ[x1-ε<p≦x] log(p) ≧Σ[x1-ε<p≦x] log(x1-ε)

  =(1-ε)log(x)・Σ[x1-ε<p≦x]1=(1-ε)log(x)・(π(x)-π(x1-ε))

よって、

   θ(x) ≧(1-ε)log(x)・(π(x)-π(x1-ε))

   θ(x)/x (1-ε) ≧π(x) log(x)/x-π(x1-ε) log(x)/x

すなわち

  π(x) log(x)/x ≦ 1/(1-ε)・θ(x)/x+π(x1-ε) log(x)/x

                     ≦1/(1-ε)・θ(x)/x+x1-ε・log(x)/x

となる。ここで

    x1-ε・log(x)/x=log(x)/xε=1/ε・log(xε)/xε

より、任意のε>0に対して

  π(x) log(x)/x≦1/(1-ε)・θ(x)/x+1/ε・log(xε)/xε → 1/(1-ε) as x→∞

が成り立つ。極限をとると

    Lim[x→∞] π(x) log(x)/x≦1

となる。

(3)(1)と(2)から、素数定理

  Lim[x→∞] π(x) log(x)/x=1

が証明されました。

 

[定理A] Newmanの解析定理

t≧0で有界かつ可積分な関数f(t)に対して、

g(z)=∫[0,∞] f(t)exp[-zt] dt Re(z)>0

がRe(z)≧0で正則であれば、

 g(0)=∫[0,∞] f(t) dt

が存在する。つまり正則関数

 gT(z)=∫[0,T] f(t)exp[-zt] dt

に対して、

lim[T→∞]gT(0)=g(0)

が存在する。

[9][Ⅵ] θ(x)~x の証明

[Ⅵ] θ(x)~x の証明

 θ(x)~x の定義は、lim[x→∞] θ(x)/x=1 です。これは、任意のε>0、∃x>0に対して、

  1-ε<θ(x)/x<1+εと同値です。あるいは

  • 任意のλ>1に対してθ(x)<λx かつ
  • 任意のλ<1に対してλx<θ(x)

と同値です。この命題を否定して、

  • λ>1に対してθ(x)≧λx かつ
  • λ<1に対してλx≧θ(x)

なるλが存在するとして、矛盾を導きます。

(1)λ>1に対してθ(x)≧λx なるλが存在するとして、矛盾を導きます。

 λ>1のとき、x≦t≦λxなるtに対して、θ(t)≧θ(x)であり

  • θ(t)≧θ(x)≧λx → (θ(t)-t)/t2 ≧(λx-t)/t2

 であるから、

  • [x,λx] [(θ(t)-t)/t2] dt ≧∫[x,λx] [(λx-t)/t2] dt=∫[1,λ] [(λ-s)/s2] ds=δ(λ)>0

 が成り立ちます。ここでt=xsとおいて、積分変数をtからsに変換しました。

(Ⅴ)より積分

  • F(x)=∫[1,x] [(θ(t)-t)/t2] dt → F(∞)as x→∞

は収束するので、x→∞で

  • 0<δ(λ)≦∫[x,λx] [(θ(t)-t)/t2] dt=F(λx)-F(x) → 0 as x→∞

となり、矛盾することが示せました。

(2)λ<1に対してλx≧θ(x)なるλが存在するとして、矛盾を導きます。

 λ<1のとき、λx≦t≦xなるtに対して、θ(t)≦θ(x)であり、

  • θ(t)≦θ(x)≦λx → (θ(t)-t)/t2 ≦(λx-t)/t2

 であるから、

  • [λx, x] [(θ(t)-t)/t2] dt ≦∫[λx, x] [(λx-t)/t2] dt=∫[λ,1] [(λ-s)/s2] ds=δ(λ)<0

 が成り立ちます。ここでt=xsとおいて、積分変数をtからsに変換しました。

 (Ⅴ)より積分

  • F(x)=∫[1,x] [(θ(t)-t)/t2] dt → F(∞)as x→∞

 は収束するので、x→∞で

  • 0>δ(λ)≧∫[λx, x] [(θ(t)-t)/t2] dt=F(x)-F(λx) → 0 as x→∞

 となり、矛盾します。よって背理法より、lim[x→∞] θ(x)/x=1 が示されました。

[8][Ⅴ] ∫[1,∞] [θ(x)-x]/x2 dxは収束する。

[Ⅴ] ∫[1,∞] [θ(x)-x]/x2 dxは収束する。

上記の積分の収束を命題[Ⅲ] 、[Ⅳ]、[定理A]を用いて5段階で証明します。

(1) Φ(s)=s∫[1,∞] θ(x)/xs+1 dx、Re(s)>1 が成り立つことを示します。

s∫[1,∞] θ(x)/xs+1 dx=s∫[1,∞]Σ[p≦x] log(p)/xs+1 dx

=s∫[1,2]0 dx+s∫[2,3] log2/xs+1dx+s∫[3,5](log2+log3)/xs+1 dx+・・・

=-[log2/x]x=2,3-[(log2+log3)/x]x=3,5-[(log2+log3+log5)/x]x=5,7+・・・

=-(log2/3s-log2/2s)-[ (log2+log3)/5s-(log2+log3)/3s) ]

 -[ (log2+log3+log5)/7s-(log2+log3+log5)/5s) ]

 -[ (log2+log3+log5+log7)/11s-(log2+log3+log5+log7)/7s) ]-・・・

=log2/2s+log3/3s+log5/5s+log7/7s+・・・

=Σ[p]logp/ps =Φ(s)

(2)f(t)=θ(et)e-t-1 (t≧0)は有界かつ可積分である、ことを示します。

 (Ⅲ)でx=etとして、あるK>0が存在して、|θ(et)|≦Ket だから

   |f(t)|=|θ(et)e-t-1|≦|θ(et)|e-t+1=Ket e-t+1=K+1 

となり、f(t)は有界な関数である。

(3)g(z)=Φ(z+1)/(z+1)-1/z  Re(z)>0 を示します。

x=etとおいて置換積分を実施する。dx=xdt、t:0→∞、x:1→∞、

e-zt=(et)-z=x-zに注意すると、

 g(z)=∫[0,∞] (θ(et)e-t-1)exp[-zt] dt

  =∫[1,∞] (θ(x)x-1) x-z dx/x-[e-zt/-z]t=0,∞

  =∫[1,∞] (θ(x)/xz+2)dx-1/z

  =Φ(z+1)/(z+1)-1/z

が示されました。

(4)g(z)はRe(z)≧0で正則である、ことを示します。

(Ⅲ)より、Φ(s)-1/(s-1)はRe(s)≧1で正則なので、s=z+1として

  Re(s)=Re(z)+1≧1 → Re(z)≧0 

Φ(z+1)-1/zはRe(z)≧0で正則なので、正則関数h(x)を用いて、

  Φ(z+1)-1/z=h(x) 

と表せます。

 g(z)=Φ(z+1)/(z+1)-1/z

   =(h(x)+1/z)/(z+1)-1/z=

   =h(x)/(z+1)+1/z(z+1)-1/z

   =h(x)/(z+1)+[1-(z+1)]/z(z+1)

   =[h(x)-1]/(z+1)

 g(z)は、z=-1に極をもちますが、Re(z)≧0で正則であることが示されました。

(5)g(0)=∫[0,∞] f(t) dt=∫[1,∞] [θ(x)-x]/x2 dx が収束する、ことを示します。

 (2)より関数f(t)=θ(et)e-t-1はt≧0で有界かつ可積分であり、

 (4)よりg(z)=∫[0,∞] f(t)exp[-zt] dt がRe(z)≧0で正則である

従ってNewmanの解析定理により

  g(0)=∫[0,∞] f(t) dt=∫[0,∞] (θ(et)e-t-1) dt

が存在します。(3)と同様にx=etとおいて置換積分を実施すると、

  g(0)=∫[1,∞] (θ(x)x-1-1) dx/x=∫[1,∞] [θ(x)-x]/x2 dx

が収束することが示されました。

[7][Ⅳ] θ(x)=O(x) の証明

[Ⅳ] θ(x)=O(x) の証明

チェビシェフのシータ関数:θ(x)=Σ[px] log(p) がオーダ-xであること、すなわち

・ ∃k>0 |θ(x)|≦kx          

を3段階で証明します。

(1)2nlog2≧θ(2n)-θ(n) の証明

2項定理より

22n=(1+1)2n=Σ[k12n] 2nC1k12n-k2nCn=2n・(2n-1)・(2n-2)・・(n+2)・(n+1)/n!

2nCnは自然数なので、分母のn!は約分されて1になります。しかしn+1<p≦2nの素数pはn!の中には存在しないので、約分されずに分子に残ります。右辺はn+1<p≦2nの素数pの積Π[n+1p2n] pより大きくなるので、

・ 22n≧Π[n+1p2n] p

が成り立ちます。一方

・ θ(2n)-θ(n)=Σ[p2n] log(p)-Σ[pn] log(p)=Σ[n+1p2n] log(p)

なので、

・ exp[θ(2n)-θ(n)]=exp[Σ[n+1p2n] log(p)]=Π[n+1p2n] p

です。よって

・ 22n≧exp[θ(2n)-θ(n)] → 2n・log2≧θ(2n)-θ(n)

が成り立ちます。

Eg.  16C8=16・15・14・13・12・11・10・9/8・7・6・5・4・3・2・1

    =2・3・13・11 >11・13(8+1≦11,13≦16)

(2)2+1・log2>θ(2m) の証明

 上式にn=2k1を代入すると、2k・log2≧θ(2k)-θ(2k1)が成り立つ。

k=1: 21・log2≧θ(21)-θ(1) 

k=2: 22・log2≧θ(22)-θ(21)

k=3: 23・log2≧θ(23)-θ(22)

・・・   ・・・・

k=m-1:2m1・log2≧θ(2m1)-θ(2m2)

k=m:  2m・log2≧θ(2m)-θ(2m1)

をすべて加えると、θ(1)=0より

  log2・Σ[k1m] 2k ≧θ(2m)

を得ます。ここで

  Σ[k1m] 2k=2m+1-2<2m+1

だから、

  2m+1 log2>θ(2m)

が示されました。

(3) θ(x) ≦4log2・x

x≧1なる整数xに対して、∃m∊N、2m≦x≦2m+1

θ(x)は非減少関数なので、(2)より

  0≦θ(x) ≦θ(2m+1)<2m+2 log2≦4 log2・2m≦4 log2・x

よって、K=4 log2とおくと

  θ(x) ≦Kx、 → θ(x)=O(x)

が示されました。

[6][Ⅲ] Φ(s)-1/(s-1)はRe(s)≧1で正則である。

[Ⅲ]  Φ(s)-1/(s-1)はRe(s)≧1で正則である

という命題を5段階に分けて証明します。これは素数定理の証明で最も本質的な部分の証明です。

(1)ζ’(s)/ζ(s) +1/(s-1) はRe(s)≧1で正則である、を示します。

  ζ(s)‐1/(s-1)はRe(s)>0で正則なので、係数anを用いて

・    ζ(s)=1/(s-1)+Σ[n=0~∞] an (s-1)n

と表示できます。項別微分ができるので、

・     ζ’(s)=-1/(s-1)2+Σ[n=1~∞] nan (s-1)n-1

となります。よって

   (s-1)ζ’(s)/ζ(s)

  =(s-1) [-1/(s-1)2+Σ[n=1~∞] nan (s-1)n-1]/[1/(s-1)+Σ[n=0~∞] an (s-1)n]

  =[-1+Σ[n=1~∞] nan (s-1)n+1]/[1+Σ[n=0~∞] an (s-1)n+1]

  →-1 as s→1

つまり

  • ζ’(s)/ζ(s) +1/(s-1) はRe(s)≧1で正則である。

ことが示されました。

(2)Φ(s)‐1/(s‐1)=‐[ζ′(s)/ζ(s)+1/(s‐1)]-Σ[p] log(p)/ps(ps‐1)  を示す。

ゼータ関数ζ(s)のオイラ-積表示

  • ζ(s)=Π[p] [1/(1‐1/ps)]

の対数を取ると、

  • log[ζ(s)]=‐Σ[p] log(1‐1/ps)

となります。これを微分した導関数は

  • (1/ps)′=exp(‐slog(p))′=‐log(p)/ps

となります。よって

  • ζ′(s)/ζ(s)=‐Σ[p] (1‐1/ps)′/(1‐1/ps)=‐Σ[p] log(p)/ps/(1‐1/ps)

より

  • ζ′(s)/ζ(s)=‐Σ[p] log(p)/(ps‐1)

となります。ここでさらに

  • 1/(ps‐1)=1/ps+1/ ps(ps‐1)

を用いると、

  • ζ′(s)/ζ(s)=‐Σ[p] log(p)/ps-Σ[p] log(p)/ps(ps‐1)

つまり、ゼータ関数ζ(s)とファイ関数Φ(s)の関係式

  • ζ′(s)/ζ(s)=‐Φ(s)-Σ[p] log(p)/ps(ps‐1) 

が得られます。変形すると

  • Φ(s)‐1/(s‐1)=‐[ζ′(s)/ζ(s)+1/(s‐1)]-Σ[p] log(p)/ps(ps‐1)  

なる表式が得られました。

(3)右辺2項目Σ[p] log(p)/ps(ps‐1)はRe(s)>1/2で正則である、を示します。

Re(s)>1/2のとき

 |ps|>|2s|=2Re(s) >√2

である。このとき

  |ps|<(2+√2)(|ps|-1)  → 1/(|ps|-1)<(2+√2) /|ps

が成り立つ。理由は

   (2+√2)< (1+√2)|ps| → √2<|ps

   (2+√2)/ (1+√2)=(2+√2) (√2-1)=2√2-2+2-√2=√2

従って

  |log(p)/ps(ps‐1)|< log(p)/(|ps||ps‐1|)< (2+√2)・log(p)/p2Re(s)

素数に関する和をとると
  Σ[p]|log(p)/ps(ps‐1)|<(2+√2)・Σ[p] log(p)/p2Re(s)=(2+√2)・Φ(2Re(s))

Φ(2Re(s))は2Re(s)>1で収束するので、ワイヤストラスの収束判定定理よりRe(s)>1/2の

領域で、Σ[p] log(p)/ps(ps‐1)は広義一様収束し、正則関数になることが示されました。

(4)Re(s)=1でζ(s)=0なる零点が存在しない、ことを示す。

複素共役変換:Conj(a+bi)=a-bi、に関して

  Conj[ζ(s)]=ζ(Conj(s))

が成り立つ(鏡像原理)。なぜなら、

  Conj[ζ(s)]=Σ1/nRe(s)Im(s) =Σ1/nConj[s] =ζ(Conj(s))

だからです。実数a>0に対して、

  ζ(1+ai)=0 ならば ζ(1-ai)=0

  ζ(1+2ai)=0 ならば ζ(1-2ai)=0

が成り立つ。

今、s=1+ai がζ(s)のu位の零点、s=1+2ai がζ(s)のv位の零点だとすると、

u≧0、v≧0なる整数を用いて

 ζ(s)=bu(s-1-ai)u+bu+1(s-1-ai)u+1+bu+2(s-1-ai)u+2+・・・

 ζ(s)=Cv(s-1-2ai)v+Cv+1(s-1-2ai)v+1+Cv+2(s-1-2ai)v+2+・・・

と展開できます。鏡像原理から同様に、s=1-ai がζ(s)のu位の零点、s=1-2ai がζ(s)の

v位の零点となるので、

 ζ(s)=bu(s-1+ai)u+bu+1(s-1+ai)u+1+bu+2(s-1+ai)u+2+・・・

 ζ(s)=Cv(s-1+2ai)v+Cv+1(s-1+2ai)v+1+Cv+2(s-1+2ai)v+2+・・・

と展開することもできます。各収束円内で項別微分して、

 ζ′(s)=-1/(s-1)2+a1+2a2(s-1)+3a3(s-1)2+・・・

 ζ’(s)=ubu(s-1∓ai)u1+(u+1)bu+1(s-1∓ai)u+(u+2)bu+2(s-1∓ai)u+1+・・・

 ζ’(s)=vCv(s-1∓2ai)v1+(v+1)Cv+1(s-1∓2ai)v+(v+2)Cv+2(s-1∓2ai)v+1+・・・

Φ関数に関して、

  •  Φ(s)=-ζ′(s)/ζ(s)-Σ[p] log(p)/ps(ps‐1) 

が成り立っていました。このとき1)~3)の性質があります。

1) lim[ε→0] εΦ(1+ε)=1 e. Φ(s)~1/(s-1)の項がある場合

 εΦ(1+ε)=-εζ′(1+ε)/ζ(1+ε)-εΣ[p] log(p)/p1+ε(p1+ε‐1) 

  =-ε[-1/ε2+a1+2a2ε+3a3ε2+・・・]/ [1/ε+a0+a1ε+a2ε2+・・・]-O(ε)

  =[1-a1ε2+2a2ε3+3a3ε4+・・]/ [1+a0ε+a1ε2+a2ε2+・・]-O(ε)

  →1  as ε→0

2) lim[ε→0] εΦ(1+ε±ai)=-u e. Φ(s)~-u/(s-1∓ai)の項がある場合

 εΦ(1+ε±ai)=-εζ′(1+ε±ai)/ζ(1+ε±ai)-εΣ[p] log(p)/p1+ε±ai (p1+ε±ai‐1) 

=-ε[ubuεu1+(u+1)bu+1εu+(u+2)bu+2εu+1+・]/ [buεu+bu+1εu+1+bu+2εu+2+・] -O(ε)

=-[ubu+(u+1)bu+1ε+(u+2)bu+2ε2+・・]/ [bu+bu+1ε1+bu+2ε2+・・]-O(ε)

 →-u as ε→0

3) lim[ε→0] εΦ(1+ε±2ai)=-v e. Φ(s)~-v/(s-1±2ai)の項がある場合

 εΦ(1+ε±2ai)=-εζ′(1+ε±2ai)/ζ(1+ε±2ai)-εΣ[p] log(p)/p1+ε±2ai (p1+ε±2ai‐1) 

=-ε[vCvεv1+(v+1)Cv+1εv+(v+2)Cv+2εv+1+・]/ [Cvεv+Cv+1εv+1+Cv+2εv+2+・]-O(ε)

=-[vCv+(v+1)Cv+1ε+(v+2)Cv+2ε2+・・]/ [Cv+Cv+1ε1+Cv+2ε2+・・]-O(ε)

→-v as ε→0

4)恒等式:

  • [2Re(pia/2)]4=p2ia+4pia+6+4pia+p2ia

が成り立つ。

[2Re(pia/2)]4=[pia/2+pia/2]4=[pia+pia+2]2=p2ia+p2ia+4+2 piapia+4 pia+4 pia

                =p2ia+4pia+6+4pia+p2ia

5)εΣ[p]log(p)/p1+ε[2Re(pia/2)]4

  =εΦ(1+ε-2ai)+4εΦ(1+ε-ai)+6εΦ(1+ε)+4εΦ(1+ε+ai)+εΦ(1+ε+2ai)

  → 2(3-4u-v) as ε→0

が成り立つ。

  0<εΣ[p]log(p)/p1+ε[2Re(pia/2)]4

   =εΣ[p]log(p)/p1+ε[p2ia+4pia+6+4pia+p2ia]

   =εΣ[p]log(p)/p1+ε-2ia+4εΣ[p]log(p)/p1+ε+ia+6εΣ[p]log(p)/p1+ε

             +4εΣ[p]log(p)/p1+ε-ia+εΣ[p]log(p)/p1+ε+2ia

   =εΦ(1+ε-2ai)+4εΦ(1+ε-ai)+6εΦ(1+ε)+4εΦ(1+ε+ai)+εΦ(1+ε+2ai)

   → -v-4u+6-4u-v = 2(3-4u-v)>0 as ε→0

6)ζ(s)はs=1±aiに零点を持たない、を示す。

結局

  • u≧0、v≧0、3-4u-v>0 

より、u=0 が結論される。任意の正数aに対して、ζ(s)はs=1±aiに零点を持たない。

  • ζ(s)=b0+b1(s-1±ai)+b2(s-1±ai)2+・・・、b0≠0

と展開できる。以上をまとめると

(1)ζ’(s)/ζ(s) +1/(s-1) はRe(s)≧1で正則である。 

(2)Φ(s)‐1/(s‐1)=‐[ζ′(s)/ζ(s)+1/(s‐1)]-Σ[p] log(p)/ps(ps‐1)

(3)Σ[p] log(p)/ps(ps‐1)はRe(s)>1/2で正則である。

(4)Re(s)=1でζ(s)=0なる零点が存在しない。

以上より、

  • Φ(s)‐1/(s‐1)はRe(s)≧1で正則である。

と結論できます。

<メモ>

・Re(s)>1で、オイラ-積 ζ(s)=Π[p] [1/(1‐1/ps)]が収束する

ことを示しておきましょう。

  • 1/(1‐1/ps)==ps/(ps‐1)=1+1/(ps‐1)

と書けます。今

|ps|=pRe(s) >p≧2 より、 2|ps|-|ps|>2 → 2(|ps|-1)>|ps|>0 

→ 1/(|ps|-1)<2/|ps

が成り立ちます。

  • |1/(ps‐1)|≦1/(|ps|‐1)<2/|ps|=2/pRe(s)

が成り立ちます。素数pに対してn≦p<n+1なる自然数nが存在します。

  • fn(s)=δnp/(ps‐1)、Mn=1/nRe(s)

とすると、上の性質より

  • |fn(s)|≦|1/(ps‐1)|≦ 1/(|ps|‐1)≦ 2/pRe(s)≦ 2/nRe(s)= Mn

であり、Re(s)>1で

  • Σ[n1~∞] Mn= 2Σ[n1~∞] 1/nRe(s) =2ζ( Re(s)) が収束する。

従って、無限積の収束判定の定理より、オイラ-積

  • Π[n] [1+fn(s)]= Π[n] [1+δnp/(ps‐1)] = Π[p] [1+1/(ps‐1)]= Π[p] [1/(1‐1/ps)]

が収束します。

<無限積の収束判定定理>

関数列{fn(s)}n1.2.3・・に対して、正の数列{Mn} n1.2.3・・が、任意のsの領域において

1)|fn(s)|≦Mn

2)Σ[n1~∞] Mn<∞

の2条件を満たすならば、無限積

  • Π[n1~∞] [1+fn(s)]

が収束する。

証明) Sn=Σ[k=1~n] fk(s)、Pn=Π[k1n] [1+fk(s)]とする。

Sn=Σ[n=1~n] fn(s)<Pn=Π[k1n] [1+fk(s)]<Π[k1n]=exp[Σ[k1n]fk(s)]=exp[Sn]

0<|Sn|≦Σ[n=1~n] Mn <|Pn|<exp[|Sn|] ≦exp[Σ[n=1~n] Mn]

この関係は、n→∞では、

0<|S|≦Σ[n=1~∞] Mn<|Pn=∞|<exp[Σ[n=1~∞] Mn]<∞

となるので、Σ[n=1~∞] Mnが収束するならば、|Pn=∞|=Π[n1~∞] [1+fn(s)]が存在する。

注意:|Pn=∞|が存在すれば、|Sn=∞|も存在します。

[5][Ⅱ]素数定理の証明

[Ⅱ] 命題2 ζ(s)-1/(s-1)はRe(s)>0で正則である。

(1)∫[1,∞]1/xs dx=1/(s‐1) for s>1 を示す。

  ∫[1,∞]1/xs dx=[-1/(s‐1)xs-1]x=1,∞ =1/(s‐1)

(2)s∫[n,x] 1/ts+1 dt=1/ns-1/xs を示す。

  s∫[n,x] 1/ts+1 dt=s[-1/sts]t=n,x =1/ns-1/xs 

(3)|ts+1|=tRe(s)+1 を示す。

  |ts+1|=|exp{(Re(s)+iIm(s)+1)log(t)}|=exp{(Re(s)+1)log(t)}|exp{iIm(s)log(t)}|=tRe(s)+1
(4)ζ(s)-1/(s-1)≦|s|ζ( Re(s)+1)  for s>1 を示す。
 ζ(s)-1/(s-1)=Σ[n=1~∞] 1/ns-∫[1,∞]1/xs dx

 =Σ[n=1~∞][n,n+1] (1/ns-1/xs )dx

   =Σ[n=1~∞][n,n+1] (s∫[n,x] 1/ts+1 dt) dx

 ここでn≦x≦n+1より∫[n,x] 1/ts+1 dt ≦∫[n,n+1] 1/ts+1 dt、

であるから、

 |ζ(s)-1/(s-1)|≦|s|Σ[n=1~∞][n,n+1][n,n+1] 1/|ts+1|dtdx

いまn≦t≦n+1より、1/|ts+1|≦1/|ns+1|であるので、

|ζ(s)-1/(s-1)|≦|s|Σ[n=1~∞] 1/ nRe(s)+1・∫[n,n+1][n,n+1] 1dtdx =|s|ζ( Re(s)+1)

が示された。ζ( Re(s)+1)はRe(s)+1>1で収束するので、Re(s)>0でζ(s)-1/(s-1)は収束する。

最後の部分をもっと厳密に論証してみましょう。

 ζ(s)-1/(s-1)=Σ[n=1~∞] an(s)、 an(s)=∫[n,n+1] (1/ns-1/xs )dx

なる関数列an(s)を考える。任意のs>1に対して

 |an(s)|=|∫[n,n+1] (1/ns-1/xs )dx|≦|s|/ nRe(s)+1

つまり、数列Mn=|s|/ nRe(s)+1 >0は、任意の自然数nについて|an(s)|≦Mnであり、その級数はs>0に対して

 Σ[n=1~∞] Mn=|s|ζ( Re(s)+1) <∞ 

収束する。従って、Weierstrassの収束定理より、Σ[n=1~∞] an(s) は一様収束する。

<Weierstrassの収束定理>

任意のs∊Iにおいて、

|an(s)|≦Mn かつΣ[n=1~∞] Mn<∞ ならば Σ[n=1~∞] an<∞

級数Σanは一様収束する。

証明)Σ[n=1~∞] Mn <∞ より、任意のε>0に対して、Noが存在し、n>Noに対して、 

|Mn+1+Mn+2+Mn+3+・・・|<ε が成り立つ。s>0において

 |an+1(s)+an+2(s)+ an+3(s)+・・・|≦|an+1(s)|+|an+2(s)|+|an+3(s)|+・・・

                 ≦Mn+1+Mn+2+Mn+3+・・・<ε

が成り立つので、Σ[n=1~∞] an(s) は一様収束する。

例)fn(x)=1/(x2+n2) 

|fn(x)|=|1/(x2+n2)|≦1/n2=Mn、Σ[n=1~∞] Mn =π2/6、よってf(x)=Σ[n=1~∞] fn(x)は一様収束する。

一様収束する関数列の場合は項別積分や項別微分ができます。

  • ∫Σ[n=1~∞] an(s)ds=Σ[n=1~∞]∫an(s)ds
  • d/ds[Σ[n=1~∞] an(s)]=Σ[n=1~∞] d/ds[an(s)]

[4][Ⅰ]リーマンのゼータ関数について

リ-マンのゼータ関数ζ(s)は、

  • ζ(s)=Σ[n=1~∞] 1/ns =1+1/2s+1/3s+・・・

Re(s)>1で収束します。これをζ(s)のディリクレ級数表示ともいいます。

s>1ならば、2≦n≦Nに対して、n-1<x<nの時、

  •  1/ns<1/xs<1/(n-1)s

が成り立つので、

  • 1/ns<∫[n-1,n]1/xs dx <1/(n-1)s
  • Σ[n=2~N] 1/ns<Σ[n=2~N][n-1,n]1/xs dx <Σ[n=2~N] 1/(n-1)s
  • Σ[n=2~N] 1/ns<∫[1,N]1/xs dx <Σ[n=2~N] 1/(n-1)s
  • Σ[n=1~N] 1/ns-1<∫[1,N]1/xs dx <Σ[n=1~N-1] 1/ns

ここで

  • [1,N]1/xs dx=[x1S/(1-s)]x=1,N =1/(s‐1)[1-N1s]<1/(s‐1)

なので、

  • Σ[n=1~N] 1/ns<1+1/(s‐1) → Σ[n=1~∞] 1/nsは収束する

従って

  • 1/(s‐1) ≦ζ(s) ≦1+1/(s‐1) for s>1

より、

  • Lim[s→+1] ζ(s)=∞ かつ Lim[s→+1] (s‐1)ζ(s)=1

が得られます。

 

s=1のときは、ζ(s)は調和級数となり

  • Σ[n=1~∞] 1/n =1+1/2+1/3+・・・=log(∞)

対数発散をします。これは積分判定法から分かります。

積分判定法とは、正の単調減少関数f(x)によって、数列anを、an=f(n)と定義すると、

  • Σ[n=1~∞] anが収束 ⇔ ∫[1,∞] f(x) dxが収束

が成り立つというものです。よって

  • [1,∞] 1/x dx=log(∞) → Σ[n=1~∞] 1/n=log(∞)

だと分かります。あるいは任意の正の整数kに対して

  • Σ[n=1~2k]1/n > 1+k/2 → as k →∞

により示すことができます。

 

ゼータ関数ζ(s)のオイラ-積表示は

  • ζ(s)=Π[p] [1/(1‐1/ps)]

はディリクレ級数表示と一致するでしょうか。

s>1のとき、有限積

  • PN(s)=Π[p≦N] [1/(1‐1/ps)]

を考えます。

  • 1/(1‐1/ps)=Σ[k=0~∞] (ps)k=1+1/ps+1/p2s+1/p3s+・・・

を代入して、PN(s)を展開すると、素因数分解の一意性より

  • Σ[n=1~N] 1/ns < PN(s)=Σ[nの各素因数≦N] 1/ns <Σ[n=1~∞] 1/ns=ζ(s)

が成り立つので、

  • Π[p] [1/(1‐1/ps)]=Lim[N→∞] PN(s)=ζ(s)

ゼータ関数ζ(s)はオイラ-積表示可能であることが示されました。

 

ゼータ関数ζ(s)は、s>0(s≠1)に拡張することができます。

  • ζ(s)=L(s)/(1-21s) 、L(s)=Σ[n=1~∞](-1)(n1)/ns

右辺はs>0(s≠1)で収束します。実際部分和LN(s)=Σ[n=1~N](-1)(n1)/nsを考えると、

  • 0<1-1/2s=L2<L4<・・・<L2N<L2N+2<L2N+1<L2N-1<・・・<L3<L1=1

偶数番目の部分和L2nは上に有界で単調増加、奇数番目の部分和L2n-1は下に有界で単調減少なので、それぞれ収束し、s>0のとき

  • L2N-L2N-1=-1/(2N)s → 0  as  N →∞

だから、

  • Lim[N→∞] L2N=Lim[N→∞]L2N-1=L(s)

となります。

  • ζ(s)‐L(s)=2Σ[n=1~∞]1/(2n)s=2(1s)・Σ[n=1~∞]1/ns=2(1s) ζ(s)

よって、

  • ζ(s)=L(s)/(1-21s) for s>0(s≠1)

が示されました。s>0のときは、ζ(s)はL(s)/(1-21s)だと再定義します。

0<s<1のとき、L(s)>0で(1-21s)<0なので、ζ(s)<0であり、

  • Lim[s→1-δ] ζ(s)=-∞

となります。正の関数を解析接続すると負の関数になるのは驚きです。

実はガンマ関数を用いると、s<0の領域にもζ(s)を拡張することができます。

結果だけ書くと、

  • ζ(s)=2sπs1・sin(πs/2)・Γ(1-s)・ζ(1-s)  s<0(s≠1)

右辺は1-s>1で定義されるので、左辺はs<0で定義できます。

  • sin(πs/2)=0 for s=-2、-4、-6、・・・

なので、

  • ζ(-2k)=0 (kは正の自然数)

となります。これらの負の零点をゼータ関数の自明な零点といいます。

下図にゼータ関数の外形を示します。N=10000までの和で計算表示しました。本来、赤線と青線はs=0でy=-1/2で接続します。s<0の部分は、振動しており、負の偶数は零点になっています。

 

[3]素数定理の証明の仕方について

実数x以下の素数の個数π(x)は

  • π(x)=Σ[p≦x] 1

と表せます。π(x)は「素数p(=2、3,・・・P≦x)がx以下の最大の素数Pになるまで1を加え続ければ得られます。π(x)は素数を段差とする階段関数になっています。素数定理は

  • π(x)~x/logx

すなわち

  • Lim [x→∞] π(x) logx/x=1

が成り立つというものです。

まずチェビシェフのシータ関数

  • θ(x)=Σ[p≦x] log(p)

を考えます。この関数には

  • θ(x)≦π(x) logx

なる性質があります。実際

  • θ(x)=Σ[p≦x] log(p)≦{Σ[p≦x]1} log(x)=π(x) logx

によって確かめられます。

  • π(x) logx/x ≧ θ(x)/x →1 as x→∞

ですから、素数定理を示すのに、

  • Lim [x→∞] θ(x)/x=1

すなわち

  • θ(x)~x

が成り立つことを示す必要があります。これは任意のλに対して

  • ∀ λ>1 θ(x)≦λx かつ ∀ λ<1 θ(x)≦λx

が成り立つことと同値です。この命題を否定して、

  • θ(x)≧λx for λ>1 あるいは θ(x)≦λx for λ<1

なるλが存在するとして、矛盾を導きます。 x≦t≦λxなるtに対して

  • θ(t)≧θ(x)≧λx → (θ(t)-t)/t2 ≧(λx-t)/t2

であるから、

  • [x,λx] [(θ(t)-t)/t2] dt ≧∫[x,λx] [(λx-t)/t2] dt=∫[1,λ] [(λ-s)/s2] ds=δ(λ)>0

が成り立ちます。ここでt=sxとおいて、積分変数をtからsに変換しました。積分

  • F(x)=∫[1,x] [(θ(t)-t)/t2] dt → F(∞)as x→∞

が収束すれば、左辺の極限値がゼロ

  • 左辺=F(λx)-F(x) → 0 as x→∞

になり、左辺≧δ(λ)>0に矛盾することが示せます。

先ほどの積分は、x=exp(t) と置いて、xからtに変数変換すると、dx=xdt

  • F(∞)=∫[1,∞] [(θ(x)-x)/x2] dx=∫[0,∞] (θ(et) e‐t-1) dt=∫[0,∞] f(t) dt
  • f(t)=θ(et) e‐t-1

と書けます。ここで、f(t)のラプラス変換

  • g(z)=∫[0,∞] f(t) ezt dt

を考えます。Newman教授は、f(t)が有界で、複素関数g(z)がRe(z)≧0で正則ならば、

  • g(0)=∫[0,∞] f(t) dt

が存在するという解析定理を発見しました。

注意すべきことは、一般に

  • Lim[z→0][0,∞] f(t) ezt dt = ∫[0,∞] f(t) dt

が成立しないことです。例えばf(t)=sin(t)のとき

  • g(z)=∫[0,∞] sin(t) ezt dt=1/(z2+1) → 1 as z→0

となります。しかしg(0)=∫[0,∞] sin(t) dtは存在しません。計算を示します。

  • g(z)=∫[0,∞] 1/2i・(eit‐eit) ezt dt=1/2i・[eitzt/(i-z)+eitzt/(i+z)]t=0,∞

=-1/2i・[1/(i-z)+1/(i+z)]=1/(z2+1)

実際シ-タ関数は、ある正数Kに対して

  • θ(x)≦Kx e.  θ(x)=O(x):オーダ-x

なる性質があるので、

  • |f(t)|=|θ(et) e‐t-1|≦θ(et)/et+1≦K+1

となり、f(t)が有界になります。

複素関数g(z)は、x=exp(t)と変数変換すると、dx=xdt、ezt=1/xz

  • g(z)=∫[0,∞] (θ(et) e‐t-1) ezt dt=∫[1,∞] (θ(x)/xz+2) dx‐1/z

となります。θ(x)を代入して計算すると

  • g(z-1)=∫[1,∞] (Σ[p≦x] log(p)/xz+1) dx‐1/z=Φ(z)/z‐1/z

なる関係が得られます。

  • z∫[1,∞] (θ(x)/xz+1) dx=z∫[2,3] log2/xz+1 dx+z∫[3,5] (log2+ log3)/xz+1 dx+・・・

=-[log2/xz]x=2,3-[(log2+log3)/xz]x=3,5-[(log2+log3+log5)/xz]x=5,7+・・・

=(-log2/3z+ log2/2z)-[-(log2+log3)/5z-(log2+log3)/3z)]

-[-(log2+log3+ log5)/7z-(log2+log3+ log5)/5z)]+・・・

  =log2/2z+log3/3z)+log5/5z+log7/7z+・・・

=Σ[p] log(p)/pz=Φ(z)

関数Φ(s)は

  • Φ(s)=Σ[p] log(p)/ps

ここでΣ[p]は全ての素数の和を取ります。結局

  • g(z)=Φ(z+1)/(z+1)-1/z=[{Φ(z+1)-1/z}-1]/(z+1)

Newmanの解析定理を適用するには、g(z)がRe(z)≧0で正則でなければなりません。

よって

  • Φ(s)-1/(s‐1)がRe(s)≧1で正則である

ことが言えれば良いことが分かります。

ここでリ-マンのゼータ関数ζ(s)

  • ζ(s)=Σ[n=1~∞] 1/ns =1+1/2s+1/3s+・・・

を考えます。この関数はRe(s)>1で収束します。s=1のときは、ζ(s)は調和級数となり

  • Σ[n=1~∞] 1/n =1+1/2+1/3+・・・=log(∞)

対数発散をします。自然数の素因数分解の一意性によって、ゼータ関数ζ(s)は

  • ζ(s)=Π[p] [1/(1‐1/ps)]

とも書けます。これをオイラ-積表示といいます。実際

  • ζ(s)= [1/(1‐1/2s)]・[1/(1‐1/3s)]・[1/(1‐1/5s)]・[1/(1‐1/7s)]・[1/(1‐1/11s)]・・・

    =[1+1/2s+1/22s+1/23s+1/24s+1/25s+・・・]

・[1+1/3s+1/32s+1/33s+1/34s+1/35s+・・・]

・[1+1/5s+1/52s+1/53s+1/54s+1/55s+・・・]

・[1+1/7s+1/72s+1/73s+1754s+1/75s+・・・]・・・

       =1+1/2s+1/3s+1/22s+1/5s+1/2s3s+1/7s+1/23s+1/32s+1/2s 5s

+1/11s+1/22s3s+1/13s+1/2s7s+1/3s 5s+1/24s+・・・

    =1+1/2s+1/3s+1/4s+1/5s+1/6s+1/7s+1/8s+1/9s+1/10s

+1/11s+1/12s+1/13s+1/14s+1/15s+1/16s+・・・

となり、成立しています。ζ(s)のオイラ-積表示の対数を取ると、

  • log[ζ(s)]=‐Σ[p] log(1‐1/ps)

となります。これを微分した導関数は

  • (1/ps)′=exp(‐slog(p))′=‐log(p)/ps

となります。よって

  • ζ′(s)/ζ(s)=‐Σ[p] (1‐1/ps)′/(1‐1/ps)=‐Σ[p] log(p)/ps/(1‐1/ps)

より

  • ζ′(s)/ζ(s)=‐Σ[p] log(p)/(ps‐1)

となります。ここで

  • 1/(ps‐1)=1/ps+1/ ps(ps‐1)

を用いると、

  • ζ′(s)/ζ(s)=‐Σ[p] log(p)/ps-Σ[p] log(p)/ps(ps‐1)

つまり、ゼータ関数ζ(s)とファイ関数Φ(s)の関係式

  • ζ′(s)/ζ(s)=‐Φ(s)-Σ[p] log(p)/ps(ps‐1) 

が得られます。変形すると

  • Φ(s)‐1/(s‐1)=‐[ζ′(s)/ζ(s)‐1/(1-s)]-Σ[p] log(p)/ps(ps‐1)   ・・・(#)

なる表式が得られます。実は右辺2項目はRe(s)>1/2で正則です。

Φ(s)-1/(s‐1)がRe(s)≧1で正則であることを示すためには、

  • ζ′(s)/ζ(s)‐1/(1-s)がRe(s)≧1で正則である

ことを示す必要があります。そのためには

  • ζ(s)がRe(s)=1で零点を持たない。
  • ζ(s)‐1/(s‐1)はRe(s)>0で正則である。

ことを示す必要があります。なぜならそれが成り立てば、ζ(s)はRe(s)>0でs=1に極を持つ有理型関数なので、

  • Lim[s→1] (1-s) ζ′(s)/ζ(s)=1  for Re(s)>1

となるからです。いま

  • 1/(s‐1)=Σ[n=1~∞][n,n+1]1/xsdx

と書けるので

  • ζ(s)‐1/(s‐1)=Σ[n=1~∞][1/ns‐∫[n,n+1]1/xsdx]=Σ[n=1~∞][n,n+1][1/ns‐1/xs]dx
  • |∫[n,n+1][1/ns‐1/xs]dx|≦|s|/nRe(s)+1
  • |ζ(s)‐1/(s‐1)|≦Σ[n=1~∞]|s|/nRe(s)+1=|s|ζ(Re(s)+1)

となります。ζ(Re(s)+1)はRe(s)+1>1で正則なので、ζ(s)‐1/(s‐1)はRe(s)>0で正則関数に拡張できます。つまり素数定理の核心はζ(s)がRe(s)=1で零点を持たないことの証明になります。

 

ゼータ関数ζ(s)のオイラ-積表示

  • ζ(s)=Π[p] [1/(1‐1/ps)]

は興味深い関係式です。もしゼータ関数の零点ρが分かれば、

  • ζ(s)=f(s)・Π[ρ] [s-ρ]

と因数分解できることになります。対数表示をとると

log f(s)+Σ[ρ]log (s‐ρ)=-Σ[p] log (1‐1/ps)

が得られます。これはゼータ関数の零点ρに関する和が、全ての素数pに関する和と関係があることを示唆しています。ゼータ関数の零点には、素数の情報が含まれていると考えられます。ゼータ関数はs=-2k=-2、-4、-6、・・・に自明な零点を持つことが知られています。ζ(0)=-1/2で、s=0は零点ではありません。

  • ゼータ関数の非自明な零点は、Re(1/2)上に存在している

というのが、有名なリーマン予想です。10兆個の零点を調べたところ、全てRe(1/2)上に存在しているようです。しかしその事実を持って、リーマン予想が正しいと結論することはできません。フラクタル曲線で有名なコッホは1901年に、リーマン予想が正しければ、素数の計数関数は

  • π(x)~Li(x)+O(√x・log(x))

と書けると主張しています。リーマン予想は素数分布の予測の精緻化にも役立ちます。

リーマン予想は数論の様々な問題と関連しており、今でも高い関心が注がれています。

[2]素数定理の証明方法

<素数定理>

自然数x以下の素数の個数をπ(x)とすると、π(x)~x/logxと表される。すなわち

  • Lim [x→∞] π(x) logx/x=1

が成り立つ(1896年)。

素数定理は1896年にジャック・アダマ-ルとバレ・プ-サンによって独立に証明されました。素数定理は簡潔で分かりやすい定理ですが、証明は難解です。1949年にアトル・セルバ-グやポール・エルディッシュが初等的手法で証明しました。初等的といっても、証明法は技巧的で難いものです。

1980年にドナルド・ニュ-マンが複素関数論を用いて簡潔な素数定理の証明方法を見つけました。1997年に素数定理100周年記念として、ドン・ザギエが5つのステップと解析的定理を用いるニュ-マンの証明法を紹介しました。ここではニュ-マンとザギエによる素数定理の証明を紹介します。複素関数論の威力が良く分かります。

ザギエ教授の経歴

ザギエは西ドイツのハイデルベルクに生まれた。母親は精神科医で、父親はスイスのアメリカン・カリッジの教頭だった。父親が5つの異なる市民権を有していたため、ザギエは若いころ多くの国々で過ごしていた。13歳の時に高校を卒業し、1年間ウィンチェスター・カレッジにて学んだ後、ザギエはMITで3年間学び、学士号と修士号を得、1967年16歳の時プットナム・フェローに指名された。ザギエはボン大学でフリードリッヒ・ヒルツェブルフの下で特性類に関する博士論文を書き、20歳の時に博士号を受けた。23歳の時に教授資格を受け、24歳の時に教授に指名された。

[1] Donald J. Newman, (1980). “Simple analytic proof of the prime number theorem”. American Mathematical Monthly. 87 (9): 693–696.

[2] Don Zagier, (1997). “Newman’s Short Proof of the Prime Number Theorem”Amer. Math. Monthly 104 (8): 705–708. ショーヴネ賞 (2000)

 

[1]素数の分布曲線について

現代情報社会に欠かせなくなった暗号には素数の性質が使われています。素数は1と自分自身以外で割り切れない数のことです。具体的には

  • 素数={2,3、5、7、11,13,17、19、23、・・・}

なる自然数です。素数には1を含めません。そうすると全ての数は素数の積として一意に表すことができます。いわば素数は自然界の原子のような存在です。しかし素数は無限にあります。

自然数n以下の素数の個数をπ(n)と表します。図1にy=π(x)のグラフを示します。例えば50番目の素数229と95番目の素数499はそれぞれ(229,50)と(499,95)にプロットされています。500以下には95個の素数があるので、π(500)=95です。

驚くべきことに、素数の出現の仕方には規則性がないのに、素数はほぼ一つの曲線の近傍に分布しているように見えますが、その理由は今でも良く分かっていません。お子さんに素数の分布曲線を見せることで、未知の法則に対する興味関心を引き出すことができるでしょう。

素数を見出す確率はどのくらいでしょうか。1792年にドイツの数学者ガウス(当時15歳)は、数nの近傍で素数を見出す確率は1/log(n)と予想しました。その場合に自然数n以下の素数の個数は

  • Li(n)=∫[2→n] 1/log(t) dt

と表せます。ここでlogは自然対数です。展開近似すると

  • Li(n)≒n/log(n)+n/(log(n))^2 → n/log(n) as n→∞

となります。n→∞の極限で両者が一致するという意味で

  • Li(n)~n/log(n)

と書き表します。実際に

  • π(n)~Li(n)

となっています。xが大きい数のとき、xまでの数の中に素数を見出す確率π(x)/xは、1/log(x)、すなわち

  • π(x)~f(x)=x/log(x)

と考えられます。図2に10万までの素数の分布曲線を示します。10万程度ではx/log(x)の近似は誤差が大きいことが分かります。

この定理を使うと、例えば100億までに約4.5億個の素数があることがすぐに計算できます。

x=10nのとき、

  • f(10n)=10n/log(10n)=log(e)/n・ 10n≒log(27/10)/n・ 10n

    =(3log3-1) /n・ 10n≒(0.434/n)×10n

x=100億=1010の時、素数の数は

  • f(1010)≒434/10・ 1010=4.34億個

と予想されます。実際、100億より小さい素数の数は

  • π(1010 )­=455,052,511=4.55億個

なので、4.6%の誤差で当たっています。Li(x)の場合、

  • Li(1010) ≒ 455,055,615

なので、0.0007%の誤差しかありません。

オイラ-の不思議な級数の値

1749年にオイラ-は

  • Z=1+1+1+1+1+・・・=-1/2

という不思議な級数の値を求めました。時々皆さんも目にすることがあると思います。今日はこの式の意味する所を考えてみます。

まず関数

  • f0(x)=1/(1+x)、f0(1)=1/2

を考えます。この関数を展開すると

  • f(x)=1-x+x2-x3+x4-x5+・・・ for |x|<1

と表すことができます。但しこの関数はx=1では定義されていません。

形式的にx=1を代入し、その値をYとします。

  • f(1)=1-1+1-1+1-1+・・・=Y

となります。元の関数をxのn次までの展開した関数を

  fn(x)=Σk=0~n (-x)k → 1/(1+x) x≠1 as  n→∞

と定義します。グラフにn=10,20、100、1000の場合の関数形を表示します。

nが無限大の極限で、関数fn(x)はx<1で関数1/(1+x)に一致することが分かります。つまりx→1の片側極限で

  • lim x→1 f(x)=1/2

が成り立っています。そこで

  • f(1)=1/2

と定義すれば、関数f(x)は0≦x≦1で1/(1+x)に一致します。これは

  •  Y=1-1+1-1+1-1+・・・=1/2

を示しています。ZもYと同じような意味で値を持つと考えます。そうすると

 2Z=   2+   2+   2+  2+・・・

  Z=1+1+1+1+1+1+1+1+・・・

を辺々引くと

 Z=2Z-Z=-1+1-1+1-1+1-1+・・・

が得られます。両辺に1を加えて

 1+Z=1-1+1-1+1-1+1-1+・・・=Y=1/2

なので、関数の極限の意味で

 Z=1/2-1=-1/2

となっている可能性があります。

実はこの話はゼ-タ関数

 ζ(s)=1+1/2s+1/3s+1/4s+1/5s+・・・

のs→0での極限値が-1/2であることにつながっています。s=0での値を

 ζ(0)=-1/2

と定義すると、ゼ-タ関数はs=0で滑らかな関数になります。これは

 Z=1+1+1+1+1+・・・=-1/2

を表しています。

ワクチン開発が加熱する理由

2社独占体制の場合を考えます。企業1が先に生産量を決定するときの利得を計算します。

企業1は「企業2が企業1の生産量q1に対して最適生産q2*を取らざるを得ない」と予測できます。企業1は企業2の生産量q2*に対して最適な生産q1*を決定します。

企業2の収益は

  • u2={a-c-k・(q1+q2)}・q2
  •  =-k{ q2-1/2k・(a-c-k・q1)}2+1/4k・(a-c-k・q1) 2

となるので、企業1の生産量q1に対する企業2の最適生産量は

  • q2*=1/2k・(a-c-k・q1)
  • u2*=1/4k・(a-c-k・q1) 2

となります。この時の企業1の利益は

  • u1={a-c-k・(q1+q2*)}・q1
  •  ={a-c-k・q1-1/2・(a-c-k・q1)}・q1

   =1/2・{-k・q12+(a-c)・q1}

   =1/2・{-k・(q1-1/2k・(a-c))2+1/4k・(a-c)2}

となるので、企業1の最適生産量と利益は

  • q1*=1/2k・(a-c)
  • u1*=1/8k・(a-c)2

となります。このときの企業2の最適生産量は

  • q2*=1/2k・(a-c-k・q1*)
  •  =1/2k・(a-c)-1/2・1/2k・(a-c)
  •  =1/4k・(a-c)

となり、企業1の生産量の半分になってしまいます。

全体の生産量は

  • q= q1*+q2*=1/2k・(a-c)+1/4k・(a-c)=3/4k・(a-c)

企業2の利益は

  • u2*=1/4k・(a-c-k・1/2k・(a-c)) 2=1/16k・(a-c) 2

となり、企業1の利益u1*の半分にしかなりません。先んずれば人を制すということです。ワクチン開発が加熱する理由は、相手が自分の生産量の情報を知って最適生産を行う場合、理論的に先行生産する企業は2倍の利益を上げられるからです。

ワクチンの均衡価格

ワクチンという商品を例にとって、参入企業数が増えると商品の価格がどのように減少するかを調べました。需要曲線は価格と需要量の関係を示す曲線です。簡単のため線形近似を採用します。需要量が増大すると価格が下がります。これは価格が低下すれば、購買意欲が高まり買う人が増えるという事を意味しています。1個の商品の価格Pは

  • 価格P=最大価格a-傾きk・需要量d、  k[円/個]>0

と書けます。需要と供給は速やかに一致すると仮定すると、

  • 需要量d=生産量q

ですから、価格と生産量の関係

  • P=a-k・q

が得られます。生産コストをc(円)とします。グラフはk=1の場合で、ワクチン1箱100本入りで最大価格aは100万円、原価cは10万円として、表示しました。

1)1社独占の場合

会社1の生産量がq1のとき利益u1

  • u1=(P-c)・q1

よって、

  • u1=(a-c-k・q1)・q1

と表せます。これはq1の2次方程式

・ u1=-kq12+(a-c)・q1

なので、平方完成すると

u1=-k・{q1-(a-c)/2k}2+(a-c)2/4k

よって、1社独占のとき、均衡生産量と均衡価格は

  • q1*=(a-c)/2k
  • u1*=(a-c)2/4k

となります。

2)n社が参入した場合

企業1の収益u1

  • u1=(a-c-k・q1-k・q2 -・・・-k・q)・q1

・ u1=-kq12+{(a-c)-k・q2 -・・・-k・q}・q1

となります。同様に他の企業の収益に関して、収益を最大化する生産量を求めて、連立方程式を解いて、最適生産量を計算できますが、対称性から、全ての企業の生産量は同一の均衡生産量q1*になる

  • q2*=q3*=・・=qn*=q1*

ことを用いれば、企業1の収益は

・ u1=-kq12+{(a-c)-k(n-1)・q1*}・q1

と表せます。n社が参入するとき、企業1の均衡生産量は

  • q1*={ a-c-k(n-1) q1*}/2k

となります。これを解くと

  • q1*=1/k・1/ (n+1)・(a-c)

を得ます。全生産量qは、n倍になるので

  • q=1/k・n/ (n+1)・(a-c)

と表現できます。参入企業数nが増大すると、全生産qは増大し

  • q → 1/k・(a-c)

に近づきます。収益の方は

  • b=(a-c)-k(n-1)・q1*

  =(a-c)-k(n-1)・1/k・1/ (n+1)・ (a-c)

  =2/(n+1)・(a-c)

より、会社1の均衡利益は

  • u1*=b2/4k

なので、bを代入すると

  • u1*=1/k・1/(n+1)2・(a-c) 2

を得ます。全体の収益uは、n倍になるので

  • u=1/k・n/(n+1)2・(a-c) 2

と表現できます。参入企業数nが増大すると、収益は減少します。

ワクチン1箱の価格Pは、需要曲線より

  • P=a-k・q=a-k・1/k・n/ (n+1)・(a-c)=a-n/ (n+1)・(a-c)

            =1/ (n+1)・a+n/ (n+1)・c → c as n→∞

となります。参入企業数が増えるとワクチンの価格は原価cに近づきます。結局ワクチン1箱の利益は

  • P-c=1/ (n+1)・(a-c) → 0 as n→∞

となります。参入企業数が増えると、利益はなくなります。

原価1000円のワクチン価格は、独占状態での価格は5500円、現行の2000円になるときの参入企業数は8社、1社当たりの収益は100億円でした。

~本モデルの解析結果~

ワクチンの参入企業数:8社、ワクチンの総数量:8000万本、8社の総収益:800億円

ワクチンの価格:2000円/本、ワクチンの利益;1000円/本

【まとめ】

需要曲線の傾きk[円/個]、最大価格a、生産コストcのとき、

ワクチン市場にn社が参入すると、均衡生産量と均衡価格は以下の通りになります。

  • 1社の生産量:q1*=1/k・1/ (n+1)・((a-c) → 0 (as n→∞)
  • 全体の生産量:q=1/k・n/ (n+1)・(a-c) → 1/k・(a-c) (as n→∞)
  • 1社の収益:u1*=1/k・1/(n+1)2・(a-c) 2 → 0 
  • 全体の収益:u=1/k・n/(n+1)2・(a-c) 2 → 0 
  • ワクチン1箱の価格:P=1/ (n+1)・a+n/ (n+1)・c  → c
  • ワクチン1箱の利益:P-c=1/ (n+1)・(a-c)  → 0 

となります。参入企業数nが増えると以下のことが分かります。

・1社の生産量は減少するが、全体の生産量は増加し、飽和する。

・1社の収益は急激に減少し、全体の収益も減少して、ゼロになる。

・ワクチン1箱の価格は減少して、原価cになり、利益はなくなる。

プロポーズされましたが結婚するか迷っています

【相談】 25歳女です。プロポーズされましたが、結婚するか迷っています。大学生から6年弱付き合っている彼氏がいます。現在はお互い社会人となり3年が経ちました。大学時代は同じ大学で半同棲のようなかたちでほとんど毎日一緒にいましたが就職して片道3時間半の遠距離になりました。遠距離になってからは大学生の頃のようにたまらなく大好き!とはなりませんが、月に1-2回は会い、毎日もしくは2日に1回は必ず連絡を取るほど仲が良いです。言いたいことは正直に言えるし、話し合いになるときちんと話を聞いてくれます。家族同様に安心して過ごせます。気軽にその日あった出来事とかを話したいと思えるのは彼氏と母だけです。

昨年夏にプロポーズをされ婚約指輪をもらいました。悩む点はいくつかありましたが、遠距離になってからも仲良くできていましたし、安心できる仲なのでプロポーズを受け入れました。しかし、プロポーズ直後から本当に結婚して良いのかずっと迷ってしまっています。

悩んでいる点は以下です。

・プロポーズした夏頃以降はとても優しいが、それ以前は彼氏はかなり気分屋で、自分が楽しい時は一緒にとても楽しんでくれるが、普段部屋でゆっくりしているときや外食に行った時にずっと携帯でYouTubeやゲームをしている、話しかけても無視することがよくあった。外食で私が食べ終わるのを待ってくれず、終わりかけになると一人で先に外に出てタバコを吸い始める。

・プロポーズ以前は私を都合よく使う。家でご飯を食べるときもテーブルの食べやすい位置は彼氏が占領して私は角のスペースしか与えられない、スーパーでカゴを持たせる、ビールを冷蔵庫に取りに行かせる。

・旅行を毎回私が計画するが全て私任せで行っても楽しくなさそう。むしろいらいらしている。

・大学生の時に2回浮気されている。

・ここ1〜2年くらいはないが、大学生の頃からパチスロにはまりすぎて私や友達にお金を借りていた(返済済み)。私にお金を借りるために嘘をつくこともあった。

・遠距離でせっかく会えた時もパチンコに行くことしか考えていない。旅行も旅館に着く前にパチンコに一緒に行こうと言う。

・大学生の時に窃盗の前歴がある。高校生の時は万引き常習犯だった。

・彼氏は転勤族であり半年〜2年おきほどに転勤がある。

・私は結婚してついていくつもりで昨年度末で仕事を退職したが、やりがいを感じていた仕事なだけにかなり後悔している。再就職できるならしたいと思い中途採用情報をみるほどに。

パチンコは私が辞めてと数年前から言っており、やっとこの半年くらいはほとんど行かないようになりました。仕事もやる気があり、昇進できるように真面目に取り組んでいます。

以前の気になる態度についても、家族や兄妹や仲の良い友達のように本当にお互いに気を使わず過ごせているからこそそうなってしまっているんだと思い気にしないようにしていました。そして我慢の限界がきたら私が改善してと伝えて、ちゃんと改善はされてきているように思えます。

プロポーズされた夏以降、特にこの半年くらいはすべて不安な点は改善してくれており気にならないようになっています。しかしそれは私が結婚を迷っているから婚約破棄にならないように頑張っているだけで、結婚したらまた以前同様の態度を取られてしまったり、パチンコにのめり込んでしまわないか心配です。

さらにこのような不安によるマリッジブルーのせいか彼氏に対して異性としての感情が今ありません。長年付き合ってるのもありますがどきどき感はもちろん手を繋いだりキスやスキンシップをとりたいとも感じません。

お互いの仕事の件に関しては、私の結婚に対する覚悟が足りないだけで、結婚を決断できれば転勤についていくことも、自分の仕事と収入を諦めることもできるのだと思います。

現在は一緒にいて安心するし楽しいが、不安な点があったり、結婚前から異性としての感情がない状態で結婚して今後うまくいくのかを助言していただきたいです。

現在は改善を心がけてくれているようですし、大学時代や1.2年前に嫌だと思ったことはもう気にしないで良いでしょうか?

一生を共にする決心してプロポーズしてくれたのに、私が決心が付かずに彼氏を待たせてしまっていることが本当に申し訳なくなってきました。

悪い部分ばかり書きましたが、いい部分は遠距離中もまめに連絡してくれて常に気にかけてくれている、私が素を出しても受け入れてくれる、大学生のときは浮気されましたが今は誠実に私のことを好きでいてくれている、という所です。 2021/4/20 13:49

【ベストアンサー】 貴女は心優しいので悩んでしまうのですね。彼は、貴女の寛容で我慢強い性格と交際経験の少なさに付け込んで、自分の思い通りになりなる都合の良い相手を得ようとしています。貴女は、彼に何でも話せる安心感があるからといって、結婚して運命を共にする必要はありません。結婚は精神的に自立した健康な男性とすべきです。彼とはよい友達でいればいいのではないでしょうか。

・彼に、結婚したらどんな家庭にしたいのか、聞いてみて下さい。

転勤の多い彼にそんな家庭は実現できるでしょうか。貴女は安心して出産と子育てができるでしょうか。彼のご両親は貴女に親切にしてくれる人でしょうか。貴女のご両親の意見も聞いて下さい。

貴女は彼の結婚生活像を信じられなかったら、一度プロポ-ズを断ってみましょう。そして彼がどんな行動をするかをよく見て下さい。彼が怒りの感情を見せるのであれば、結婚は諦めた方がいいでしょう。彼は貴女の幸せを望んでいないからです。彼が転勤のない会社に入り直したら、もう一度結婚を考えてあげてもいいかなと思います。

貴女はまだ25歳で、結婚を急ぐ年齢ではありません。他の男性との付き合いに自信がない貴女にも問題がありそうです。貴女は仕事を再開して、他の男性とのお付き合いも経験してみたら如何ですか。男性を見る目が変わりますよ。2021/4/20 21:28

質問者からのお礼コメント

「よい友達になる」というのがとてもしっくりきました。結婚生活像は漠然としかイメージできていませんでした。もう一度彼としっかりと話し合うことにします。貴重な意見ありがとうございます。自分の考えをきちんと再考することにします。考える道筋を提示してくださったので、ベストアンサーにさせていただきます。ご回答ありがとうございました。おかげで冷静に考えることができました。2021/4/22 10:21 回答数20

どうすれば人も自分も許せるようになりますか

【相談者】 今年24歳になる女です。私は無意識のうちに、人を馬鹿にしてしまいます…。自分より下に見てしまいます。どうすれば改善できますか? ありとあらゆる価値観や考え方を批判する姿勢は、自分への批判となって返ってくることも痛感しています。すぐに誰かの粗を探してしまい、自分の方が優れているという瞬間的な安心感を確かめたくなってしまいます。

本当は自分が世の中の難しいことをよく分からなかったり、自分の頭で何も考えず生きてきたことがわかっているのです。でも…どうすれば改善できるのか分からないんです。それも自分で考えろという話なのですが…。何事も自分はやればできると信じているくせに一向に行動できません。自分の中身がなく空っぽなのに、変なこだわりはあるというか…。

全てを疑い批判しすぎて自分自身のことも疑わしくなり批判してしまう…。あるいは、逆なのでしょうか。自分を信じられないから人を批判するのか。自分に対する理想が高すぎて、他の人にもそれを押し付けてしまっていると思います。友達(少しだけいます)と話していても毎回その人の知識や考え方を試すような振る舞いをしてしまい反省しています…。

多分、根本的に人の気持ちが分からないです。自分事として考えろと言われても自分だったら別にどうも思わないなとか、自分と関係ないしなぁと思ってしまいます。自分の普通が人の普通と限らないと思ってしまいます。

遅刻が原因で付き合っている人と別れたこともあり、その時も人のことを考えられなかった…と反省しましたが、極論そもそもその人に興味がなかったなぁという気持ちで終わってしまいます。どうすれば人も自分も許せるようになりますか。そして人と楽しくコミュニケーションをとれるようになりますか。2021/4/17 14:59

【回答者】 これは性格の問題ですね。ご自分の性格を詳しく知りたかったら、幼少期のエピソ-ドを3つ教えて下さい。できれば最近感情的になった出来事も教えて下さい。

【相談者】 ご回答ありがとうございます。

(1)幼稚園の頃、本屋で立ち読みしていたお母さんの背中に飛び付いたら、それが全く別の人で号泣してしまった記憶があります…。2人とも赤いボーダーのTシャツにジーンズという同じ格好をしていたんです。間違えてしまったショックでしばらく涙と恥ずかしさが止まらなかった気がします。

(2)小学二年生の時に絵画コンクールで学年代表になり、市の文化会館に展示されました。実際にそれを見た時には、嬉しかったと同時に、当然でしょ、みたいな気持ちもあったかもしれないです。展示されている絵の中で自分が一番上手いと思っていました。

(3)学校の宿題はかなり真面目にやっていました。親にやりなさいと言われるためです。ただ、自主勉強はほとんどやっていませんでした。

長くなり申し訳ございません。以上になります。最近感情的になった出来事は、正直に言うと、好きな人から弱音を吐いたメールが来たことです。2021/4/18 12:30

【回答者】 回想ありがとうございます。とても良く書けていました。回想から分かる貴女の基本的な性格は、「私は優秀であるが、失敗もする。人は私より劣っているので、私は他人の評価より自分の評価を信じる。私は一番優れていたいので、人前で失敗をしてはならない」というものです。

回想1

最初の回想は、「お母さんだと思って背中に飛びついたら、全く別の人だった。失敗のショックを受けて、号泣した」という回想です。貴女の強みは、自分の間違いに気づく力があることです。だから貴女は自分の性格に問題があるのではないかと思い、相談をしているのでしょう。貴女は自分のことがとてもよく分かっていますね。

貴女の弱みは、思い込みが強く、よく確認しないで行動してしまうことです。貴女はプライドが高いので、失敗すると、バカな自分に対する怒りや羞恥心が増大し、悲しみを抑えきれなくなります。行動力が足りないと思うのは、失敗を恐れているからです。しかし貴女はお母さんだと思って抱き着いたのですから、本当は貴女には行動力や愛情を求める力があるはずです。

回想2

次の回想は「自分の絵が市の文化会館に展示され、他人の評価を受けることになった。展示されている絵を見て、自分が一番上手いと思った」という回想です。貴女の強みは、自分で見て評価する力があることです。貴女の弱みは、人の評価を受けず、独りよがりなこと、人を劣った存在だと見下していることです。貴女は他人の評価より自分の評価を信じているので、人から助言を受けるのは相当勇気が要ることでしょう。

最近の出来事

好きな人が弱音を吐いたときに、貴女はどんな感情をもったのでしょうか。好きな人が自分を頼ってくれて、嬉しかったのでしょうか。それとも好きな人には弱音を吐いて欲しくないから、怒ったのでしょうか。貴女は、後者のような気がします。最後まで頑張れと思ったのではないでしょうか。

あなたが学ぶと良いこと

貴女はプライドが高く一番でないと気が済まない性格です。貴女の問題は、一番になれそうもないと思うと、挑戦を避けてしまうことです。目標を低めに設定できるようになれば、多くのことに挑戦し、人生を楽しむことができます。

自分の強みを伸ばし、弱みを目立たなくしましょう。貴女は世の中の間違いに気づける貴重な人です。愛情を求める力があります。貴女は思い込みが強いので、大事なことを実行する前には、友人に意見を聴きましょう。

友人の話もよく聴きましょう。友人の関心事を知り、相手の気持ちに共感して下さい。例えば「あなたはとても悲しかったのね」と言って事実を受け止めるだけで、お相手は貴女のことを「自分の気持ちを分かってくれる人だ」と感じます。そうすれば貴女はより良い人間関係を築けるようになります。

失敗の責任の取り方を学びましょう。恥ずかしいから泣いていては責任をとれません。謝罪、現状復帰、再発防止の3つを行えば責任を取れます。人は貴女が失敗の責任を取れる人だと分かれば、貴女のことを信頼するでしょう。失敗を恐れず挑戦して下さい。失敗を恐れる人は相手の失敗を許せません。しかし相手が失敗の責任をとれば、許してあげましょう。

貴女は何か情報をつくるお仕事をされているのでしょうか。よろしかったら、貴女がどんなお仕事をされているか教えて下さい。 2021/4/19 0:42

【相談者】 こんばんは。ご回答ありがとうございます。とても的確でびっくりしました。

好きな人が弱音を吐いた時は…正直興奮しました。弱音を普段見せない人がそれを自分に見せたことに高揚したのです。

私は今ゲームのデザイナーをしています。また、SNSで絵を描いて投稿したりもしています。たまたま運が良くバズったことなどもあり、少しフォロワーがいます。人にウケるものやことを考えすぎて、自分を見失いました。世の中には色々な価値観や考え方があるということに気づき、すぐ自分のことを人と比べてしまうようになりました。それも、自分を正当化するかのように…。何も誰も信じられず、自分のことも信じられず、孤独で寂しいです。成果を出さなければ誰も自分を求めてないって思います…。でも成果を出すために動けないのです。

回答者さんはどんなことをしている方なのですか?カウンセラーなどでしょうか?私にも教えてくれますか。2021/4/19 20:56

【回答者】 教えてくれてありがとうございます。私は日本アドラー心理学会の学会員です。ライフスタイル分析が専門です。回想からその人の人生を全て見通します。貴女は立派に自立しており社会的には何の問題もありませんが、幸福ではありませんね。

幸福であるには、自分のことが好きで、周りの人を仲間として信頼でき、私は人の役に立っているという信念が必要です。一番になりたいとか、人より優位に立ちたいというのは、単に子供っぽいというだけのことです。子供っぽい自分を拒否せずに好きになってください。それは悩みのタネかもしれませんが、同時に貴女の魅力でもあるのです。幸福は自分を好きになることから始まります。自分を好きになることは自分にしかできないことなのです。「人のことを見下しちゃう私って、アニメのお嬢様キャラみたいで、とっても素敵だわ」と思って、自分を好きになって下さい。誰にも迷惑かけませんから。2021/4/20 10:36

【ベストアンサ-】

質問者からのお礼コメント

親身になってご相談に乗ってくださりありがとうございました!

いただいたお言葉何度も見返したいと思います。自分を好きになることから始めます。

承認欲求の否定は日本人には向いていないと思いませんか?

【質問】承認欲求を否定するのがアドラー心理学の基本ですが、 例えば、アドラー心理学を啓蒙している小説家が芥川賞とかの賞を取った場合も、喜ばないのですか? 他人からの評価が仕事のアイドルとか芸能人には、アドラー心理学は、向かないのですか? 承認欲求の否定って、日本人には向いて無いと思いませんか? 今までさんざんぱら、褒めて伸ばすって啓蒙されてきて、いきなり、このメソッドがきたら、どうすりゃいいの?ってなりませんか?

【回答】アドラー心理学の基本は、「承認欲求の否定」ではなく、「共同体への貢献」です。小説家が芥川賞を取った場合には、「日本文学の発展に貢献できて嬉しく思います」といって喜びます。アドラー心理学はどんな人にも適用できます。芸能人に限らず仕事はお客の評価が重要です。お客に貢献する人は高い評価が得られます。つまり共同体に貢献すると、他者から承認されます。

褒められることを目的に勉強する子供は、褒める人がいなくなると、勉強しなくなります。世の中の問題解決に貢献することを目的に勉強する子供は、自立して勉強を続けます。私たちが必要とする人は、人の役に立つ人であって、人に褒められたい人ではありません。褒められることを目的に勉強している子供に「君は将来どんな仕事に就いて人の役に立ちたいと思っていますか?」と質問すると、答えることができません。承認欲求があることが問題なのではなく、共同体への貢献意識がないことが問題なのです。アドラー心理学の育児法では、褒めて育てるのではなく、子どもたちの共同体への貢献に「ありがとう」と言って、感謝して育てます。人類がこの地球上で共存していくには、論理的にそうでなければならないのです。

無茶な納期に追われる毎日にかなりのストレスを感じています

【相談】IT常駐作業をしている中堅エンジニアです。無茶な納期に追われる毎日、自己のスキル・パフォーマンスを超える責任範囲へのポジションアサインにかなりのストレスを感じています。このため、当然業務は成功と言えるような状況にはならなく、現場の他のエンジニアもリーダー的ポジションをやりたがらない状況です。過去にいたSEもこれが原因で数か月前に辞めてしまいました。このような状況が続き、最近2~3週間以下のような体の変化を感じ始めています。

■慢性的に頭痛がひどい

■心拍数がバクバクしている状態が多い。何かと不安を感じ落ち着かない。

■必ず朝方は下痢となる。

■胃、肩がつねに痛む。

■趣味に何も興味を示さなくなった。面白いと感じなくなった。

■無性に自分自身が何か悪いのではないかと罪悪感に感じる。

(業務の成功にたどり着けなく、責任追及の叱咤があるためかもしれない。)

■なかなか寝付けない、また、かなりの早朝に起き、前の日の疲れが残る。

■体のだるさが続く。

■何かとびくびくすることが続く。(責任未達の追及が怖いためか?)

■集中力が続かず、人との会話を忘れることがある。

■キーンとする耳鳴り音を感じるときがある。(ほぼ毎日)等々です。

心療内科にいくことも進められていますが、私自身、病歴を持つこともマイナスに感じていて、そのことを理由に職場に言い出せません。(また、なかなか不在許可を与えてくれません。)

質問としては、以下の2点を回答頂けると助かります。

(1)この状況を繰り返していると、最終的に体の状態はどのようになっておちつくのでしょうか? どのような病気が発病するのか?

(2)この状況から抜け出したく思いますが、残された誰かが、また犠牲になるのでは・・・と不安にも感じます。(残された下の人たちにはつらい思いをさせてくない。)何か法的でも良いので良い解決策があればアドバイス下さい。回答頂かれば助かります。

【ベストアンサー】職場においても健康は最優先です。精神科のある医療機関に行って、医師に仕事のストレスによる抑うつ感を訴えて下さい。医師から「抑うつ状態」の診断書を発行してもらい、会社の人事部に休職届を提出して下さい。会社の健康保険組合に連絡して休職給付を申請して下さい。ボーナスは含まれませんが、給料の80%が健康保険から毎月支給されるので、安心して休んで下さい。楽になってもすぐに復帰しないで下さい。これまでかなり無理しているので、最低半年できれば1年間しっかり休むべきです。

月に1回通院して、少量の抗不安薬を貰って下さい。薬物治療をしていることにします。抗不安薬はできるだけ飲まないでください。抗うつ薬は処方されても飲まないでください。抗うつ薬を飲む人は自殺しそうな人だけです。毎月電子メ-ルで会社の医師に自宅療養の様子を簡単に報告します。毎日公園を散歩して日光を浴びてください。眼底からドーパミンが出て、近視の進行を抑制し、良く眠れるようになります。

【質問者からの返信】ありがとうございます。本日心療内科に行きました。うつ診断でした。これから、どうするかはドクター先生と決めて行きます。日時:4/1 17:52

こんな私にも働き続けれられる職場があるのでしょうか?

【相談】21歳 ADHD(不注意) IQ80 人見知り 今年 専門卒予定(高卒済み)の学生です。 電工一種二種の試験合格しています。 就職活動に熱が入らず怠けたまま卒業式近くきてしまいました。 バイトで生活したい、生活保護を受けたい等を親に相談しましたが反対され就職してほしいと言われています。 非常に傷つきやすく怒鳴られるとかなりまいってしまう性格上 会社で働くのは無理だと思っているのですが、こんな私にも働き続けれられる職場があるのでしょうか?

【ベストアンサー】ありますよ。あなたはIQ80とはいっても、若くして電工一種二種の試験に合格しているのですから、必ず就職できます。多くの企業は従業員の3%くらいを障害者から雇用しなければなりません。障害者枠でもいいから、ご両親が勧めるように就職した方がいいと思います。生活保護は、人工透析や精神病を患って働けない人のものです。ご両親はあなたのことを一番理解しているのですから、両親の助言に従って挑戦してください。

ADHDによる不注意で怒鳴られることもあるかと思います。怒鳴ってもらった方が、感電死するよりいいと思って下さい。あなたを怒っているのではなく、あなたの不注意な行動について怒っているのです。あなたはADHDに関する本を読んで、不注意をなくす工夫をして下さい。

会社はあなたが障害者であることは分かっているのですから、それを考慮して指導してくれるはずです。アルバイトとは異なり、失業中の失業保険金も支給されます。アルバイトでも会社都合で解雇すれば、30日間の収入が保証されます。あなたと同じ障害者も一緒に働いています。

【質問者からのコメント】

ご回答ありがとうございます!障害者雇用についての話とADHDに関する本を読んでなかったのは盲点でした。私なりに就職活動をがんばっていきたいと思います。本当にありがとうございました。日時:2/27 15:29

 

もう親と姉がひどすぎます…

【相談】

もう親と姉がひどすぎます……… 口を開けば文句だらけ、こっちはちょうど反抗期?なのにお構いなしにこっちにグチグチ言ってくる。 洗い物母親がやるの当たり前だと思わないでと言いながらこっちがやるのが当たり前みたいで やっても、心からありがとうなんて言われたことありません イラついてるとすぐこっちにあたる。どうすればいいですか?

【ベストアンサー】

お母さんに、自分にしてもらいたい家事について詳しく尋ねましょう。

自分の衣服の洗濯と乾燥、自分の部屋の掃除は毎週自分でしましょう。共用である浴槽の掃除とゴミ捨ては曜日を決めてやりましょう。家事ができないと一人暮らしもできるようになりません。

お店にいるときは、自宅に電話して、必要なものがあれば、買物も助けてあげましょう。食事やお弁当を作ってもらっているのだから、できるだけ家事に協力し、お母さんの負担を減らしましょう。お母さんの肩や足を揉んであげて、ストレスを軽減すると、愚痴も減ります。学校での出来事や貴女の悩み事も相談してくれるとお母さんは助かります。

【質問者からのお礼コメント】

ありがとうございます!

しばらく試してみて様子を見てみます(自分の様子も)

お礼日時:4/5 16:17

HANDYモデルによる文明崩壊の予測

NHKスペシャル・2030 未来への分岐点(1)「暴走する温暖化脱炭素への挑戦」に続いて、2021年2月7日(日)に2030 未来への分岐点 (2)「飽食の悪夢〜水・食料クライシス〜」が放送されました。先進国の飽食が、世界中に「飢餓のパンデミック」を拡大させるという話です。番組では俳優の森七菜さんが2050年の日本で食糧危機に直面する女性を演じました。日本で一年間に出される食品廃棄物を世界に分配すれば、飢餓問題の多くを解決すると言われています。現在の食料システムを2030年までに改善できなければ、暴動が発生し破滅を回避できなくなると研究者たちは指摘しています。

 米国メリ-ランド大学の理論環境学者のSafa Mote博士は、2014年に「人間と自然の動力学(=Human And Nature Dynamics)~社会の崩壊か持続における不平等と資源利用のモデル化~」と題して、論文を発表しました(Ecological Economics 101(2014)90-102)。このモデルをHANDYモデルと呼びます。

Safa Mote博士は、自然から収奪する富の蓄積と富の再分配をモデル化して、平等社会と不平等社会における人口変動を予測しました。Safa Mote博士はHANDYモデルにおいて

  • 平等社会では、最適な収奪率δ*で富を蓄積すると、収容人口は最大になり、持続可能な社会が実現する。
  • 自然からの収奪率が大きくても小さくても、自然環境が収容できる人口は減少する。
  • 不平等社会では、持続可能な文明社会が実現できない。

ことを示しました。ここでは、HANDYモデルの詳細について解説します。

  1. Handyモデルとは

 Safa Mote博士が2014年に提案した「人間と自然の動力学(Handyモデル」」は、一般の人口Xc、エリ-トの人口XE、自然資源量y、富の総量wの4つの量の時間発展を4つの連立微分方程式で表したモデルです。その名の通り、このモデルは文明存続を議論するための最もお手軽なモデルになっています。

(1)一般人の人口Xc

 人口増加は、出生率をβ、死亡率をαとすると

  • dXc/dt=(β-αc)Xc

と表されます。ここで

 αc=αc(Xc、XE、w)、β=出生率定数

です。α、βがともに定数の場合、一般人の人口変動は

  • Xc(t)=Xc (0)・exp{(β-α)t}

と書き表されます。出生率が死亡率より大きい場合(β-α>0)、一般の人口Xcは指数関数的に増加します。逆に出生率が死亡率より小さい場合(β-α<0)、一般の人口Xcは指数関数的に減少します。

(2)エリ-トの人口X

エリ-トの人口も同様に微分方程式

  • dXE/dt=(β-αE)XE

 αE=αE(Xc、XE、w)、β=出生率定数

と表されると仮定します。

一般に死亡率をαは、人口や富の量に依存します。富の量が人口を養うのに十分であれば、一定になりますが、富の量が閾値wthより小さくなると、死亡率は増大します。一般人とエリ-トでは死亡率αの富の総量wに対する依存性が異なります。

(3)富の閾値wthと不平等率kと死亡率αの富w依存性

ρ[$/人]を一般人一人当たりの最小消費量とすると、富の閾値は

・wth(Xc、XE、k)=ρ・Xc+k・ρ・XE

と表されると仮定します。ここで因子kは不平等率です。エリ-トの最小消費量は一般人のk倍と仮定されています。kの値によって社会を3つに分類できます。

1)平等社会  Egalitarian society     k=0、エリ-トなし

2)階級社会  Equitable society     k=1、不労所得階級あり

3)不平等社会  Unequal society   k>1、エリ-トあり

具体的に、このモデルでは通常の死亡率はαm=0.01、飢饉時の死亡率はαM=0.07としています。死亡率αは、富が閾値を下回ると0.01から0.07に富に比例して増大すると仮定します。一般人とエリ-トでは富の閾値が異なります。エリ-トの富の閾値は小さいので、エリ-トの死亡率は殆ど最小値0.01に固定されています。つまり富の総量wが閾値より減少すると、一般人の死亡率は減少し始めますが、エリ-トの死亡率は低いまま保たれます。

(4)資源量y

限られた食物環境にある生物の増殖を議論するのには、ロジスティック方程式が用いられます。資源量yは、ロジスティック方程式

 ・dy/dt=γy(λ-y)-δ・Xc・y

に従うと仮定します。ここでλは人間の収奪がないときの最大資源量です。λの単位は$(エコドル)です。γ[1/t$]は単位時間の自然の再生率です。γ=0.01のとき10年で再生します。δ[1/t人]は一人当たりの人間が1年間に自然から収奪する収奪率です。収奪率δがゼロだと富が蓄積されません。仮にy(0)=λ/1000とすると、δ=0のときは、資源量y(t)は、S字型の再生曲線を描いて増加し、最大資源量λで飽和します。なぜならλ≫yのときは、指数関数的に増大し、yが増大してλに接近するとyは一定値λになるからです。

δがゼロでないときは

・dy/dt=γy(λ-δXc/γ-y)=γy(λ’-y)

と書けます。資源量y(t)は、S字型の再生曲線を描いて増加しλ’で飽和します。

λ=100、γ=0.01、δ=0.0025、Xc=100のときは

・λ’=λ-δXc/γ=100-0.0025*100/0.01=100-25=75 <100=λ

となります。

y<<1の時は、yの2次の項を無視して

 ・dy/dt=(γλ-δXc)y

と近似できます。収奪率δがγλ/Xcより大きくなると、資源量yは減少し、人類は滅んでしまうことが分かります。収奪率δが

 ・δ[1/t人]=γ[1/t$]・λ[$]/Xc[人]=0.01・100/100=0.01

のとき、資源量yは一定になります。

(5)富の総量w

富の総量wは、

・dw/dt=δXc・y-Cc(Xc、XE、w、k)-CE(Xc、XE、w、k)

に従うと仮定します。1年間の富の増加量は、自然から得た収奪量から一般人による富の消費量Cc[$/t]とエリ-トによる富の消費量CE[$/t]を引いた値になります。自然からの収奪量と富の消費量が一致する循環社会では、富は一定の値に保たれ、人口も安定します。

最低給料をs[$/人]とすると、一般人とエリ-トの富の消費量は

・Cc(Xc、XE、w、k)=min(1,w/wth)・s・Xc

・CE(Xc、XE、w、k)=min(1,w/wth)・s・k・XE

と表されると仮定します。エリ-トの消費量の場合は不平等率kがかかります。

ここで富の閾値は

・wth(Xc、XE、k)=ρ・Xc+k・ρ・XE

でした。w>wthの平時では、Ccは最低消費量

・Cc(Xc、XE、w、k)=s・Xc

となり、Ccはwに依存しません。w<wthの飢饉の時は、

・Cc(Xc、XE、w、k)=w/wth・s・Xc

となり、Ccはwに比例します。富の総量wがwthより小さくなる飢餓状況では、人の消費量はwが減るにつれて減少することになります。不平等率kが大きいほどエリ-トの消費量は大きくなります。

(6)初期状態

 簡単のため、初期状態は

・一般人の人口:Xc(0)=100[人]、

・エリ-トの人口:XE(0)=1[人]

・資源量:y(0)=100[$]、

・富の総量:w(0)=0[$]

と仮定しています。

2.平衡状態の人口、資源、富の量 XE=0の場合

ここでは、簡単のためエリ-トがいない平等社会での

・dXc/dt=0,dy/dt=0、dw/dt=0

なる平衡状態(定常状態)の解Xce、ye、weを考えます。以下に平衡解の導出方法を示します。

パラメ-タηを

・η=(αM-βc)/(αM-αm)

と定義すると、結局、平衡時の資源量yeは

・ye=sη/δ (=λ/2)

と書けます。平衡時の人口Xce、富weは

 ・Xce=γ/δ・(λ-ye)

 ・we=ηρXce

と書けます。平衡時の資源量ye=λ/2のとき、再生項y(λ-y)が最大値λ2/4になるので、このときの収奪率を最適収奪率(Optimal Depletion Ratio)

 ・δ*=2sη/λ=6.7×10-6

と呼びます。δ=δ*のとき、最大収容量(Maximum Carrying Capacity)

 ・XM=γ/δ*・(λ-λ/2)=γ/ sη(λ/2)2=7.5×104

が得られます。

3.計算に用いたパラメ-タ

4.Equitable社会の持続可能性の収奪率依存性について

 少数の不労者はいるが、不労者の消費量は一般人と同じ(k=1)である階級社会をEquitable societyと言います。kは不平等率です。

(1)k=1の階級社会 δ=0.7・δの場合

(2)k=1の階級社会 δ=1.0・δの場合

(3)k=1の階級社会 δ=2.0・δの場合

(4)k=1の階級社会 δ=3.0・δの場合

(5)Equitable 社会のまとめ

 Equitable 社会では、0.55δ*~3δ*の広い収奪率で持続可能な文明が実現します。収奪率が最適収奪率の0.55倍の場合は、人口増加が遅く、収容人口は最大値の1/3になります。最適収奪率δ*のとき、最速400年で持続可能な社会が実現し、収容人口は最大になります。収奪率が最適収奪率の2倍になると、収容人口は最大値の3/4に減少します。収奪率が最適収奪率の2倍以上になると、振動現象が現れ、持続可能な文明に到達するのに1000年以上を要します。

5.不平等社会での文明の絶滅

 少数の不労者が一般人の5倍消費している不平等社会では、持続可能な社会が形成されず、文明は崩壊します。

(1)k=5の不平等社会でδ=1.0・δ*の場合

 k=5の不平等社会において、Equitable社会で最大人口が達成できる収奪率δ*で収奪すると、文明は崩壊します。

(2)k=5の不平等社会でδ=2.0・δ*の場合

(3)k=5の不平等社会でδ=3.0・δ*の場合

(4)k=5の不平等社会 δ=4~30・δ*の場合

(5)k=10の不平等社会 δ=1~8・δ*の場合

(6)k=100の超不平等社会 δ=10~100・δ*の場合

(7)k=100、δ=15・δ*の超不平等社会 初期人口依存性

(8)k=10の超不平等社会 δ=1.2・δ*の場合

(9)k=100の超不平等社会 δ=15・δ*の場合

 NHKスペシャルで紹介された上記条件の計算結果をほぼ再現した。

(10)NHKスペシャルで紹介された上記条件の計算結果

6.結果とまとめ

7.モデルの限界

 このモデルでは、人口が減少し絶滅しそうになっても、エリ-トの消費量は一般人のk倍を維持していると仮定しています。現実には、人類が絶滅しそうになったら、エリ-トの消費量は一般人と同等になっていくのではないかと思われます。完全に消費量が同等になれば、不平等社会からEquitable社会へ移行し、持続可能な状態が実現します。しかしEquitable社会から不平等社会に逆戻りしたり、不平等が少しでも残れば、文明は絶滅する可能性が高いと思われます。

また文明が継続し技術革新によって死亡率が減少する可能性は考慮されていません。今後の課題としては、そうした修正をいれたモデルの検討が考えられます。

なおこのモデルでは、文明の絶滅原因を資源や富の減少に限定しています。実際は火山の噴火で生き埋めになったり、干ばつで水源が枯渇したり、大規模な洪水や地震などの災害や疫病の蔓延で文明が崩壊する可能性もあります。

 

いつもすぐ泣きそうになります。

【相談者】さわやかさん  すごく困ってます。 お豆腐ゴミメンタルを、ウルツァイト窒化ホウ素レベルにクソ強靭なメンタルにするにはどうしたらいいですか。 バス停で並んでて、おじさんに抜かされただけで泣きそうになりました。爆笑 ちょっとのことでいつもすぐ泣きそうになります。

【回答者】これは性格の問題ですね。ご自分の性格が知りたかったら、幼少期のエピソ-ドを3つ教えて下さい。できれば最近感情的になった出来事も教えて下さい。

【相談者】1つめのエピソードは小学校2年生くらいのときに、エセミッキーの宝石みたいなものが女の子たちの間ではやっていて、みんな仲のいい子たち同士で交換していて、自分だけそのエセミッキーの入手方法がわからなかったので女の子たちのコミュニティに馴染めなかったのを覚えています。その時自分は、エセミッキーのことなんて興味ないフリしていましたが、すごく欲しかったので周りをチロチロ見回しながら誰かがくれるまでずっと待ってました。笑

2つ目のエピソードは、1つ目と似たようなエピソードなんですけど、あるときTwiceという韓国グループが流行っていて、周りの女子はみんな踊ってるんですよ。でも自分はかわいい系の女子じゃなくて自分で言うのも変ですが、ガキ大将みたいなキャラだったので、あまり友達と可愛いものについて話すことができないでいました。笑 だから学校ではTwiceに興味ないフリして、家では毎日CD聞いてました。笑

3つめは、これは幼少期のときから今でもずっとそうなのですが、異性のことをものすごく意識していました。特に私が好きでもないのに話しかけられただけで、「私この人のこと好きなのかな」って勘違いしてしまったり、公園で遊んでいるときも男の子が周りで遊んでいるといつもより思い切って遊べなかったりとか、逆に興奮してめちゃくちゃに張り切ってしまって、しまいには大怪我しちゃうとか。

最後に、最近感情的になった出来事は、1年前にテニス部でボール拾いをしていたときに、先輩が打ったボールがストレートに眼球に飛んできて、その日のうちに病院に行って、何にもないから大丈夫ですよと言われたので、半年くらい放置していたら、右目の視界の上半分が見えなくなってきて、これはやばいと思って評判のいい眼科に行ったら、手術が必要ですと言われて、手術をしたんですが、完全に治ったわけでもなく、今も症状が残っていて、常にそのことを考えてしまって、先輩が憎くてしょうがないし、人生始まったばかりなのに目が見えないとかものすごく悔しいし、他人が問題がない目で大きな空とかを見てることに対してすごく嫉妬してしまって、定期的に鬱になってしまいます。泣 長くなってしまってすみません。泣

【回答者】回想ありがとうございます。とても良く書けていましたよ。

貴女は自分自身について「私は同性集団に馴染めない。私は異性に敏感で、興奮しやすい。私は運が悪い」と信じています。貴女の最初の回想には、「興味のないふりをして、周りをチロチロ見回しながら、誰かがくれるまでずっと待っていました」とあります。それから推測できることは、貴女は「私はプライドが高い。私以外の人は仲良くしている。私が要求しなくても、人は私に私の欲しいものを与えるべきだ」と信じていることです。あなたが言うように「私はガキ大将みたいなキャラ」なのかもしれません。2番目の回想でも「私が要求しなくても、人は私に私の好きなものについて話すべきた」と信じているように思われます。

欲しいと言わなくても、欲しいものを察して与えてくれるのは母親だけですね。あなたは子どもっぽい性格をしているのではないでしょうか。子どもっぽいところは貴女の魅力ではありますが、もう少し大人の責任を学んだ方が楽になります。相手にして欲しいことを言葉にして言うことで、貴女は随分楽に、強くなるはずです。貴女は積極的な人なので、リ-ダ-シップの能力があるかもしれません。

貴女が避けていることは、人に支配されることや人に無視されることです。貴女の基本的な感情は怒りです。貴女は先輩の失敗に支配されていることに怒りを感じています。先輩はわざと貴女を怪我させたのではないことを思い出し、先輩を許しましょう。そうしないと貴女は先輩への憎しみに全てのエネルギを取られてしまいます。

おじさんにバスの順番を抜かされたときには、自分は無視されたと感じて、強い怒りが生じて、悲しくなったのでしょう。子どもの頃は泣けば、人が自分の思い通りに動いてくれたのですが、大人になった今では、いくら泣いても、人は貴女の思い通りに動いてはくれません。

ベストアンサ-(回答数3)

【相談者】丁寧にありがとうございます! わお!!人に支配されるのが嫌なのは確かにそうですし、プライドも高いし、子供っぽいところも言われると納得しますね、よく周りに言われるので。そうですね、大人な大人になれるように頑張ります!ありがとうございます!!!

 

 

どうしたら怒りをコントロ-ルできますか?

[相談者] 相談です。私は感情のコントロールができないと身内に癇癪を起こして暴言を吐いてしまいます。自分でも自覚ありすごく行けないことだなて思ってもいつも怒りに任せて周囲の家族や周りの人たちを不快にさせてしまいます。今朝もお母さんと喧嘩してひどいことを言ってしまいました。親にも家族中の人たちと喧嘩してるからあずきが悪いと言われてしまいました。悲しいし悔しいし申し訳ないしでいっぱいです。どうしたら素直な心を取り戻し、感情をコントロールすることができますか?

[回答者] これは性格の問題ですね。自分の性格は分からないので直せないものです。ご自分の性格が知りたかったら、幼少期のエピソ-ドを3つ教えて下さい。

[相談者] エピソードですね。 一つ目は私は小学生の時に声が小さくて消極的だったので担任の先生に声小さいといわれてタイマーウォッチを測ってもらおうとお願いされたんですが小声で『やっぱいいやっ』って言われて違う子にお願いされた時はすごく悲しかったです。 

二つ目は幼稚園の時にお母さんがよくお昼寝してて地味に相手にされなかった時は聞いて欲しかったって思いますね。 

三つ目は幼稚園のときに英語を習ってたのですがどうしても行きたくなくて行かなかった時期がありました。どうしてもいけなかった何かがありました。 

こんな感じで大丈夫でしょうか??

<あずきさんの回想>

回想1:小学校2年生の時、担任の先生が私に「ストップウオッチで徒競走の時間を測って貰えませんか」とお願いした。私は担任の先生に読み上げの声が小さいと言われた。先生は、小声で「やっぱいいや」と言って、違う子に測定をお願いした。悲しかった。

回想2:幼稚園の時、私は母に話したいことがあった。ところが母は昼寝をしていたので、聴いてもらえなかった。悲しかった。

回想3:幼稚園の時、お母さんが私に英語教室に行きなさいといったけど、私はどうしても行きたくなかったから、いかなかった。怒っていた。

とりあえず少ない情報から、貴女の性格を診断しますね。貴女の性格は、

「私はいつも人の役に立ちたいと思っているが、私は能力が足りないので、他者は私以外の人に頼ってしまう。人は私の話を全く聴いてくれない。人は私に指図するが、私はしたくないことは絶対にしない。だから私は人に怒りをぶつけてしまう」

というものです。如何ですか? 大体当たっていますか?

<アドバイス>

1)貴女はいつも人の役に立ちたいと思っていませんか。

回想1では、貴女は先生の頼みを快く引き受けていますね。しかし貴女は少し自信がないところがあるので、消極的になってしまいがちです。勇気を出して「私が責任を持つから、私にやらせて下さい」、あるいは「私が何か役に立てることがあったら、教えて下さい」と言えるようになりましょう。その方が貴女は幸せになります。

2)貴女は、人が話を聴く余裕がないときに話かけてしまう癖がありませんか。

回想2では、貴女は寝ているお母さんに話をしようとしていますね。それは無理でしょう。「お話があるので、聴いてもらえますか」といってから、話を聴いてもらいましょう。これまでそんな風に言ったことはあるでしょうか。話を聴いてもらったら、「私の話を最後まで聴いてくれて、ありがとう」と言って感謝しましょう。そうすると信頼関係が生まれます。

3)貴女は人に自分がすべきことを指図されるのが嫌ではありませんか。

回想3では、貴女は英会話教室に行くように指図されていますね。行く気がないので貴女は怒っています。そういう時は「これは私の課題だから、あなたは口を挟まないでくれませんか」と言いましょう。あるいは「これは私の課題だから、私が解決するので、任せて下さい」と言っても構いません。そうすれば相手は引き下がるので、貴女は怒る必要はなくなります。

[質問者からのお礼コメント] ご回答ありがとうございます。分析力素晴らしいです。確かに私は人の役に立ちたいと思っていて、それにそぐわないとがっかりしたり、落ち込んだりしてしまいます。。ちゃんと言えなかったり、、空気を読まなかったりが原因ですね。。自信を持って頑張ろうと思います。凄い考えてくださってて素敵だったので、ベストアンサーにします。

回答数5

 

中国人留学生のお悩み

[相談] もう限界です。死にたい、疲れた、なにもしたくない。

Fランク大で仮面浪人生ですが、何年間の一人暮らしもう忘れた。交流の機会や友人になれる人が少なくないだが、人間関係が嫌いです。面倒くさい。一方、学校のクラスメイトやアパートの隣が勉強など興味一切ない、うるさくて夜の3、4時までわいわいした時もある。

いつも一人で好きですが、今日が急に寂しいと感じた、誰かが支えてほしい、そばにひとりだけでも、でもこれは不可能だ。実は人と付き合うのが嫌いではないが、あまり自分の価値観に合う人を会えないです。完璧主義とかわかりませんが、付き合ったら1つだけの嫌い点を発見したら話したくなくなります。学校も自分も、自分の心の標準に満たさないなら嫌だ、完璧ではなければ死んだほうがいい。世界中でまだ貧困な人々や生活が苦しむ人が沢山いることが存じます。でも私は私だ、自慢でもなんでもなく自分がそれを受けられないんだ。

ちなみに私は留学生です、あまり最初から悪い印象をつけたくないので言いませんでした、すみません。この浪人の状態が何年続いているのが忘れた。高校が国際学校で、もともとはカナダに留学つもりだが、ieltsが6点しか取っていないのでトップの大学に入れることはできない。そのせいで上海の普通の大学で一年過ごした、その後自分がなんでも上がりたいため、友人も日本留学を誘って日本に来ました。今は4年目かな、最初の一年からうつ状態になった、今の死にたい気持ちが第3回だ。最初は自分のやりがいわからなく、進学、就職、結婚、何もかも興味もない、刺激もない、なぜ人がそういうくだらないことをしなければならないだろう。その後生きる意味を考え過ぎて哲学に興味を持って始めました。デカルトの方法序説、サルトルの存在と無など、色々の存在主義の本を読みました、方法序説のせいでやっと人生のやりがいが分かったと思う。もう人生が再開したと思うが、第二年で志望の大学全部落ち、また死にたくなった、今回の理由は違った。もう何年両親のお金をむだしたおれは。親が一生懸命働くわりに、おれが何もできなかった、もうそれ以上生きたくない。実際学力が低いでもなく、私は今まで一人で勉強したことがない、何をしてもすぐ疲れた、家に出したくない、簡単のことでも終わったら死ぬほど疲れてる。ゲームも辛い、。勉強以外の行動をしたら「何をしている俺は、早く勉強しろ」などが脳内繰り返し、とても辛いです。でも勉強を始めたら、また他のことをやるように、すぐ疲れている。その状態が一年目からいままだずっと続いています、それも大学の落ちもそのせいかもしれない。

ある人が辛い時に幸せな思いでがあったら少し解消するかもしれませんが、私は思い出何でない。小学生時代から高校までずっといじめられていた、成績が悪かったら父さんの叱りや殴りも受けた。私の家庭が教師や教授が多かったので、自分も成績が悪かったら恥ずかしいです。今までの人生には、楽しみなんか感じていない、ゲームなどの短くの楽しみが直ぐ忘れた。インセプションの夢みたい、ただ自分を騙される。

なぜ今はまた死にたいといえば、昨日急に寂しくなって誰かが支えてほしい、彼女ほしい、でも一人もなかった。現実には私に抵抗や偏見を持つ日本人クラスメイトを見つからなかったが、勉強が嫌い毎日遊んでいる人が嫌だ。真剣に勉強したい人いない、仮面浪人一人でもいない。ネットで探したいと思うで、外国人のことをばれたらすぐ嫌がらせる。もう限界だ。

明日は経済論の論文の締め切りです、1000字しか書いていない私は急にその死にたくなる気持ちを強くなった。何もしたくない、疲れた、誰かそばにいってほしい。もう限界だ、死にたい。

私はあまり矛盾過ぎるひと、頭は混乱している。書いたことは以前の状態や今の状態混雑してすみません。長文申し訳ございません。日本語苦手申し訳ございません。お迷惑かけて申し訳ございません。

[ベストアンサ-] 自分の性格を見直してみませんか。何かに拘って無理しているようにもみえます。お疲れの所申し訳ありませんが、あなたの性格を知るために、幼い頃のエピソ-ドを3つ教えて下さい。何か生きるヒントがあるかもしれません。

[相談者] すみません、最も印象的なエピソードがいじめられたばかりです。今考えたら主に始めは冗談だけで、私が物凄く嫌な反応を出でもっといじめられていた。何でそんな敏感なのか分からないだが、幼い頃から両親が喧嘩ばかりで、父さんの気持ちが悪かったらくしゃみほどでも叱られる。それは1つ原因かもしれない。

長考の後、やっと楽しい思出が思い出した。小学生の時、私の前に座った人が絵を描くが好きで授業の間の休憩の時間様々なゲームを模擬して書いた。私はどんなキャラやどんな行動やモンスターを会ったらどうする、勝利したら装備を得るなど一々書き、とても楽しかった。しかしそれは私をいじめられる人がいない場合だけだ。

中学生時代はほとんど苦しむ時間で覚えなかった。今まで親友と言える1人だけの友達が中学生時代の友達だが、段々価値観の差を発見し、あまり話したくなくなった。高校時代は苦しむと惜しい。

[回答者] あなたの回想を整理して書いてみました。

回想0

最も印象的なエピソードはいじめられたことです。始めは冗談だけだったが、私が物凄く嫌な反応をしたら、もっといじめられた。

回想1

幼い頃から両親が喧嘩ばかりしていた。ある晩、私がくしゃみをしたら、お父さんに叱られた。お父さんの機嫌が悪かったらしく、私は他人の気持ちに敏感になった。

回想2

小学生の時、私の前に座った人が絵を描くのが好きで、授業の間の休憩の時間に、様々なゲームを真似して描いた。私はどんなキャラがどんな行動をし、モンスターに会ったらどうするか、勝利したら装備を得る、などを一々書き、とても楽しかった。しかしそれは私をいじめられる人がいない場合だけだ。

回想3

今まで親友と言える1人だけの中学生時代の友達がいたが、段々価値観の差を発見して、あまり話したくなくなった。

さて中国人留学生である貴方の性格は「私は人と価値観が違うから、人は私をマイナスに評価して、攻撃する。だから私は人の感情に敏感である。世界は不完全な物事ばかりだ。だけど私は有能で情熱がある。私は攻撃してくる人から離れ、仲間と組んで、ルールを決めて物事を完成させたい」

というものです。どうですか。当たっていますか?

貴方の強みは、自分の感情を伝えること、相手の感情を見抜くこと、危険を察知すること、人と協力すること、一人で集中して実行すること、物事のル-ルを決めること、完成させることなどです。

貴方の弱みは、人に支配されること、人から馬鹿にされること、不完全な状態に放置されることなどです。

今貴方は大学受験が思い通りに行かず、自分が長期間不完全な状態にあるので辛いと感じています。貴方は人とは価値観が違い、そのせいで批判されるくらいなら、友達はいない方がいいと考えるので、孤独になりがちです。貴方は社会の不完全さに極めて敏感であり、ルールを決めて社会を完全なものにする情熱と才能を持っています。貴方は孤独でも自由であれば、才能を発揮できる人です。日本に留学しに来るだけのことはあるなと思います。

[相談者] 詳しく説明してありがとうございます。実際死にたい気持ちは昨日段々減っていきました。自分のことやストレスなどを誰に話したいが信じられる人はいなかった。そしてたまってたまって爆発した。全部書いた後ちょっとすっきりした。自分がそんなに極端な人と思わなかった…常に私は自分を嫌い点は、他の人の前に弱い面を絶対に出さない。人と付き合ったら話しが好きで、手伝いしたいや元気な人になる。実際は全部逆だ、毎回毎回こうやって疲れた。自分の気持ちを本当に分かる人を探したいが、いつも偽物の自分もそれが不可能と思う。

ほとんどの話しは当たてると思う。今は哲学の本を読み、考えた後、そのルールなどはある程度存在の理由があると思う。前もなぜ我々はなぜ法律などを束縛されただろう、なぜ自由にならないだろうと疑問し、今は自由が人間としてやるべきないことをしないのが一番だと考える。でも私を攻撃した人にもっと上に登りたいのが確かだ。

[回答者] 回想をみると、あなたの前の人がキャラの絵を考え、あなたがキャラの動き方のル-ルを考えています。安心して仕事ができる環境があれば、将来あなたは人と組んで、何かを完成させるようなお仕事をされると思います。

[相談者] 励みありがとうございます!本当に助かりました、実際自分も段々自分がどんな人かをわかりましたが、あなたのおかげでもっと詳しいことがわかりました、本当にありがたいです。実は私ただ日本に留学だけではなく、大学卒業した後大学院に進学して、学校で研究したいと思います。丁寧に説明して、ありがとうございました! 

 

 

自分にも優しくしてみます。

[質問者] 30代後半、看護師をしています。5年以上勤めているクリニックに宇宙人のようにおかしいスタッフ(40代)が入ってきて、仕事上注意した私に逆恨みして、師長に私と他のスタッフがこぼしていた愚痴を報告されて以降、自分がおかしくなってきてしまいました。

私自身はその新人スタッフ以外とは人間関係は良好です。看護師という仕事も天職と思っています、看護師歴19年です。でもその新人スタッフの姿を見るだけで「入って一ヶ月のあなたに、今まで頑張って築いてきた人間関係をなぜ壊されそうにならなくちゃいけないのか」とイライラが募り、トラブルが起きて以降(12月頭)、

・過食(一ヶ月で8Kg太りました)

・過眠(寝ても寝ても眠くて12時間位寝てしまいます)

・鉛のように体が重くて布団から出られない

この状態が続いています。朝も「休みたい、行きたくない」と思いながらも仕事は休まず行っています。仕事に行けば普通に仕事出来てリーダー業務もこなせます。

でも、仕事が終わるとそのまま速攻でコンビニに寄り、お菓子を買って食べまくってしまいます。家事もやる気が出ず、外食続きです。外食したあともまたスーパーやコンビニに寄ってお菓子を買って食べてしまい、また自己嫌悪です。吐いたりはしません。お腹がいっぱいでも食べている間だけは落ち着くので、楽になりたくて食べてしまいます。

病院にかかるべきでしょうか?

非定型うつ病というものに該当する感じなのですが、仕事を辞めて原因から離れるしか解決の道はないでしょうか?

[補足] 恥ずかしながら、今まで出来ていた家事もやる気が出なくて全然出来ていません。朝もぎりぎりまで寝るせいで主人が朝ごはんを作ってくれたりしています。子どもたちの宿題や次の日の準備なども今まで見れていたのに、今は見れなくて横でコタツに入ってずっとお菓子を食べています。夕方もなかなか動けない時は、主人がご飯を作ってくれたり後片付けしてくれたりします。今まで主人にここまでさせたこともなかったのに、甘えきってるこんな自分も情けなくて苦しいです。今私ができていることは「仕事」だけです。

[ベストアンサ-] 立派な抑うつ状態ですね。人に甘えることに厳しい貴女がご家族に甘えなければならないのは異常事態です。

・ご自分が何故過食するのか分かっていますか?

貴女は職場ではその新人スタッフさんのせいで、ずっと緊張状態を強いられているのです。なぜなら自分の居場所がなくなるのではないかという危機感をもっているからです。食事をすると副交感神経が優位になってリラックスできます。リラックスする時間を長くとるために菓子類の過食や過眠が生じているのです。それほど職場でのあなたの緊張状態は凄まじいのです。

まだ仕事ができる程度の自律神経失調と抑うつ状態で休職するのが一番いいでしょう。職場から離れて落ち着けば、休職中に家族の食事を作れるからです。このまま無理をしていたら、家族に迷惑をかけるだけでなく、過食による糖尿病と心臓病のリスクが高まり、非常に辛いうつ病になります。うつ病になる人は看護師など責任感の強い人が多いのです。

19年間休まず過酷な看護師の仕事と子育てを続けてきた貴女は、20代の若い頃とは違います。誰にでも苦手な人はいるのです。このような場合は上手に逃げることが最善策になります。一番まずいのは無理をして、うつ病になって抗うつ薬を飲んでしまうことです。旦那さんが貴女の看護をしなければならなくなります。そんなことになれば看護師失格です。

健康保険組合に連絡し、医師の抑うつ状態の診断書を送れば、1年間の休職中に給料の8割を給付して貰えます。そのために貴女は健康保険に加入していたのでしょう。抗不安薬は貰っておいて、本当に辛い時以外は、飲まないようにしましょう。徹底的に休養した方が治りは早いです。

[質問者] 『貴女は職場ではその新人スタッフさんのせいで、ずっと緊張状態を強いられているのです。なぜなら自分の居場所がなくなるのではないかという危機感をもっているからです』

このお言葉が心にストンと落ちてきて、涙が溢れて止まらないです。まさしく、この状態でした。今日の今日まで全く気づかなくて、ただイライラして食べてしまうのだと思っていました。一ヶ月足らずで7~8kg太ったのも自分が食欲をコントロールせず、大好きだった筋トレも辞めてしまったからだと思っていました。

私は突然現れて引っ掻き回してくる新人さんのせいで、約6年働いた職場で築いてきた居場所を足元から崩されるイメージを持っていました。それが不安で怖くて、何とかしたくても話が通じなくて、師長に相談しても「あの人はおかしいけど、そこまで仕事もさせてないから問題も起こしてないしもう少し様子見る。気にしすぎないで、これを勉強させてもらったと思おう」と言われ、更に落ち込んでいました。

逃げてもいいんだ、と言ってもらえたこと、私が一番欲しかった言葉でした。誰かに免罪符をもらいたかったんだと気付きました。子供たちのご飯、ちゃんと作ってあげたいです。

お風呂も歯磨きもしなくちゃ。と思っても体が重たくて起き上がれず2日に一回はしないで眠っていました。連休だと2日丸々お風呂も歯磨きもしないこともありました。出勤前に慌てて歯磨きとシャワーをしていましたが、身だしなみまで整えれない状態を「自分がだらしなくなっただけ」と思って余計自分にもイライラしていました。

どうすればいいか分からない中、私の状況を理解して今後するべきことを教えてくださり、本当に救われました。具体的なアドバイスはもちろん、私の心を汲み取ってくださったことが本当に嬉しく、目の前が真っ暗でしたが道を指し示してくださったのでベストアンサーに選ばせてください!

今まで周りの顔色ばかり見て、自分より他の人を幸せにすることを前提に生きてきましたが、自分にも優しくしてみます。本当にありがとうございました!

回答6

勉強をやる気になる方法を教えてください、お願いします。

[質問] 高校1年 女子です。長文になります。

私は小中と勉強を張り切りすぎて高校生の今、全く勉強する気にならず過去のことが嘘だったかのように赤点だらけです。

小学生の頃はバドミントンと塾を並行してやっていて、休みが週に一回しかないスケジュールでした。友達と遊べることもほぼなかったです。それが辛くて途中でバドミントンをやめ、次はピアノを習いましたが、中学になるからという理由でピアノもやめ塾一本になりました。塾だけということで、これまでよりも課題の量が増えたので遊べる時間はバドやピアノを習っていた頃となんら変わりなかったです。中学受験などはなかったのでそのまま中学生へ。中学生の頃は200人中5位など我ながら、すごい順位をとっていました。

2年生の頃までは調子がよかったのですが、やがて、クラスメイトとの人間関係や家庭内でのストレスなどで自傷行為に走るようになり、どんどん成績は落ちていきました。受験生になった頃はずっと掲げていた市内で1番頭のいい高校を受けるという目標を諦め、2番目の高校に行くことにしました。塾の先生は大丈夫だと言ってくれていましたが不合格が怖くて怖くて泣く泣く下げました。今では後悔しています。順位は下がる一方で受験生なのにも関わらずついには2桁になってしまいました。親は常に1桁を目指せというばかりだったので言い出すのが怖く、テスト期間になると毎回自傷していました。

そして、高校一年生の今。親は高校生になった途端私に勉強、勉強と言わなくなりました。高校生は全て自己責任だから自分で決めろということらしいです。納得いきます。塾にも行かず、課題を淡々と終わらせるだけ。習い事も特にしないでダラダラ過ごしてしまっています。小中に力を費やしすぎて高校ではもう無理です。勉強のことを考えると過去のことを思い出して物に当たったり殴ったり、最終的には自傷です。自傷なんてやめたいんですけど…。ほとんど赤点で順位は下から数えた方が早い。勉強する気になれません。

プラス親が離婚寸前で別居中です。母親と妹と祖父母の家にいさせてもらっています。私は両親が大好きだったのでそのショックが大きく学校も休みがちになっていました。今では少し回復していますが。そのせいもあり授業についていけてないのかなと思います。

ちなみに親に自傷はバレています。やる際はもちろん隠れてやりますしやった後も隠しています。ある日親が部屋に入ってきて、自傷中の私を見たとき「また逃げちゃったの?」と言われたことがあり、それが何故か結構ショックです。

このままでは将来が心配なんです。どうしたらいいのか。妹が2人いて次女とは6歳差、三女とは11歳差です。私が長女なので支えてあげなければいけないし、離婚はもうほぼ決まるだろうという感じですし、母親も支えなければいけません。散々お世話になっていますし大人になってまで迷惑をかけられない。けど、いい職につける気がしないです。こんな頭が悪かったら。でも勉強する気になれないんです。

助けてください。私はどうしたらいいんでしょうか。

勉強をやる気になる方法を教えてください、お願いします。

長文、乱文失礼しました。

 

[ベストアンサー] 仏陀の弟子にソ-ナという青年がいました。

ソ-ナは大富豪の息子で甘やかされて育ったことを恥じて、ろくに睡眠を取らず修行に励んでいたのです。そのため修行がうまくいかなくなってしまいました。それを見ていた仏陀はソ-ナに、「修行は、ハ-プの弦のように、程よい寛ぎと緊張をバランスさせてするものなのだよ」と教え諭しました。それ以降ソーナは頑張り過ぎず、リラックスして修行に励み、悟りを開いたと言われています。

貴女は「すごく勉強して立派になって、3人の家族を助けなければならない」という欲望が強すぎます。貴女は過去の栄光を思い出して、昔みたいにもっと頑張らなければならないと思っていますね。馬に鞭の痛み与えて速く走らせるように、自傷行為をしているのかもしれません。

いつも頑張らなければならないと思っていると、交感神経が優位になり、気持ちが休まるときがありません。神経が過剰に興奮するので長期間集中できなくなり、「頑張るか、だらけるか」のどちらかになってしまいます。貴女は勉強をやる気になる方法を質問していますが、やる気があり過ぎるのが問題なのです。

勉強というのは、何を学ぶのかという学習目標を定めた後は、リラックスして取り組むものなのです。貴女は中学2年生までは欲望やストレスがなかったのでよく集中できたのです。

勉強の内容に興味を持って下さい。勉強した分だけ賢くなることで満足しましょう。そうすれば、リラックスして勉強に集中できるようになります。もう家族を助けることや、勉強でいい成績を取ることは忘れましょう。勉強だけするのではなく、一度きりの青春時代を楽しんで生きて下さい。

 

[質問者] ご回答ありがとうございます。

暖かいお言葉でとても心が救われました。本当にありがとうございます。気持ちが少し楽になりました。やる気がありすぎることが問題なんて考えたこともなかったです。”一度きりの青春時代を楽しんで生きてください”というのが嬉しくて思わず泣いてしまいました。

貴方の言葉に救われました。本当にありがとうございました。

発達障害と仕事について

[ベストアンサー] 公務員として自立して働いているあなたは素晴らしです。 気になる特徴と発達障害との関係は以下の通りです。

<アスペルガ-障害ASDの特徴>~自閉症スペクトラム

②人と話す時目を合わせない(社会性障害)

④言葉を言い間違える、会話で黙る時がある(コミュニケーション障害)

⑦同時進行や臨機応変に対応できない(想像力障害)

<注意欠如多動性障害ADHDの特徴>

①こだわり 角をきっちり揃えたい。なのに部屋は片付かない(片付け問題)

⑤落ち着きがない、周りが騒がしいと気になって集中できない(注意欠如)

⑥興味のあるものは熱中、どうでもいいことを考える(過剰集中) ⑧なぜかテレビがついていると集中し、周りが見えない。(過剰集中)

<問題ない特徴>

③突然話しかけられるとビクッとする(もしかしたら過剰集中)

幼少期と小学校の話をきくと、典型的なアスペルガ-障害があると思います。 但しアスペルガ-障害者は、社会的な人間関係を模倣する「ごっこ遊び」は苦手な場合が多いです。一人で積み木を積み上げて高くしたりする単純な遊びが好きな傾向があります。

何度も手を洗わないと気がすまないのは、手を洗っているときに注意が不足しており、洗った気がしないので何度も洗いたくなるのではないかと思います。

片づけは両方の特性が影響します。ADHDで物事の優先順位を良く考えずに衝動的に動くとうまく片付きません。ASDで片付いた状態を想像できないと片付けが難しくなります。お母さんに片づけを手伝ってもらいましょう。

公務員として働いている、親との関係が良い、のはとても良いと思います。 両方の障害があるので、周囲との安定した関係はあなたの財産です。

転職を繰り返すと、周りの人が貴女を理解する時間が足りなくて、仲良くなれない不利益があります。公務員は簡単には解雇できないので、長く働いていれば、周りの人があなたの特性を理解してくれるようになります。継続的に就労していることは周りから評価されます。親があなたが公務員職でずっと働いて欲しいと思うのは、よく理解できます。親の助言に従った方がいいでしょう。

結婚は貴女の特性をよく理解してくれる人とした方がいいと思います。お相手があなたの苦手なことを助けてくれるので、楽になるでしょう。あなたは新しい人間関係を築くのが苦手だと思います。しかしそのためにあなたは浮気しないので、配偶者に信頼されます。男性に騙されやすいので、お相手が信頼できる人かどうか、お母さんの意見も聞いて見ましょう。

ADHDの人は忘れやすいので、紙に伝達事項を箇条書きにメモしておきます。伝えたら、伝達事項に線を上書きして消します。ASDの人は、社会的な挨拶、場に応じた会話や言葉使い、表情やジェスチャ、相手の気持ちを察した行動が苦手なので、本で読んで勉強しておきましょう。職場の外で会って食事をしてくれるお友達をつくりましょう。

発達障害支援センタに連絡して、病院を紹介してもらい、WISCテストなどを受けて診断してもらいます。診断名が確定したら、市役所の福祉課で障害者手帳を発行してもらう事ができます。障害者手帳をとっても就労に問題はないと思います。支援センタ-の支援で、カウンセラ-とコミュニケ-ションの練習をすることができると思います。診断を確定しておくと、うつ病などで働けなくなったときに障害年金を申請することができます。精神障害2級で月額6万円ていどです。

[質問者] 本当に詳しく買いていただきありがとうございます。わかりやすいです。 親に発達障害のことを話しました。 最初はそんな気がしていたと言っていましたが、頭も良いしそんなはずはない、噂になったら困るから言うなと言われました。甘えだと言われました。この苦しみが悲劇のヒロインのようだと言われてつらいです。職場で話そうと思っていたので、どうして良いかわかりません… 医者に行き診断を受けたかったのですが、誰だって苦しい思いをしている、大した事はないと言われて、努力不足か?と混乱しています。

[回答者] 2004年から発達障害支援法が施行され、市役所などの地方自治体は発達障害者を支援しなければなりません。障害者手帳があれば、職場で働きやすいように配慮されるでしょう。公務員である貴女が発達障害を理由に不利益を被るようなことがあれば、障害者差別となり市長のイメ-ジに関わる大問題になります。

親御さんは貴女の結婚について心配しているのでしょう。女性にしてあげることが好きな男性も多くいます。障害を告白した方が、貴女の誠実さが結婚相手に伝わります。貴女も障害を理解し、障害があっても愛してくれるお相手と結婚した方が楽ではないですか。

このまま苦しい思いを続ければ、貴女はうつ病になるリスクが高まります。障害年金は障害の認定日に遡って支払われます。診断は早期に確定させておいた方がいいでしょう。

貴女は、怠惰な人間として誤解されるより、障害があるのに頑張っていると理解された方が幸せではないでしょうか。

[質問者] そういう事だったんですね、納得のできる回答ありがとうございます。障害者手帳についてもっと調べてみようと思います。 確かに、自分を責めて辛い状況です。 職場の人に障害があっても頑張っていると理解されたら肩の荷がおります。

本当に様々な方に回答をいただき、ありがたい限りです。参考にし、診断してもらって、自分と向き合っていこうと思います。ありがとうございました。   回答数11

どうやったら親に理解してもらえるでしょうか?

[質問] 高2女子です。 私は5年ぐらい前から腹痛の症状があり、 以前は便秘と下痢がたまにあるぐらいだったのですが最近は毎日ずっと下痢が続くような状態(必ず朝)です。 昼頃になると良くなるので元気になれるのですが、全日制でしかも電車からの徒歩通なのでとても通学が辛く、授業を抜け出すことも多々あり昨日と今日は休んでしまいました。 そこで昨日病院に行き、エコーとレントゲンを撮って診断してもらったところ過敏性腸症候群でした。

私はだいぶ前からこの病気だろうと察しはついていたのですが、親は納得いってないらしく、「血液検査をしていないからわからない。そんなに下痢が出るのはおかしいから感染性かもしれない」とか「お尻に綿棒入れて便をとって検査してもらわないと」など、診断されたにも関わらずあえて私が嫌がる検査までさせようとしてきます。 父親も母親も全部私が原因だといい、昼と夜は元気なのもあってサボりだ親不孝だと休む度に説教されます。 私だってみんなと同じように普通に学校に行ければなにも問題はないし、こうして痛みに苦しむことも無いのですが……。 今までは電車に乗る前は痛くなりそうだな、ぐらいだったので頑張って乗り授業を抜け出してトイレに行っていたのですが、昨日と今日は朝起きてすぐ痛くなったので電車に乗れず、そこもおかしいと言われサボりたいだけだろと言われました。

確かに1度下痢をしてしまえば問題なく授業が受けれるぐらいには体調はよくなりますが、全く遅刻する人がいないクラスに遅れていくのはとてもきついです。ましてや毎日なんてとても無理です。 これも親に伝えましたが、お前のメンタルが弱いからだとかそんなことで将来仕事が出来るわけないと言われました。 どうやったら親に理解してもらえるでしょうか?

[回答1] 過敏性腸症候群は「いい人」がかかる症状だと言われています。性格を分析することで、何か緩和のヒントが見つかるかもしれません。ご自分の性格を知りたいのであれば、幼いころの思い出を3つほど教えてください。

[質問者] 思い出ですか……。わかりました。思い出と言えるか怪しいですが、書けるだけ書いてみますね。

1つ目ですが、4歳の時、私は母親の似顔絵を描いていました。それを母親に嬉々として見せに行ったのですが、うるさい!邪魔しないで!と一喝されてしまい、ショックと悲しさでぐちゃぐちゃにして捨ててしまったのがずっと忘れられないです。

2つ目は小2の頃です。それまで長くしていた髪を思い切って肩の上まで切ってみたのですが、その髪のことをあろうことか父親が「ちびまる子」と友人の前で馬鹿にし始め、それから暫くずっとあだ名がそれでした。私は嫌で仕方なかったのですが、やめてと言っても父親は笑ってばかりで失望と怒りだけがありました。

3つ目は割と最近の中3で、同じクラスの友達がいたのですが私を1人にしないで、他の子のところに行かないでね。と言われたので私もその子を信頼してずっと一緒にいました。ですが結局その子は逆に私を置いて平気で他の人達のところに行き、私も混ざろうとしてもその子が強引に他のメンバーを連れて行って結果的に私は1人になりました。

最初で鵜呑みにしていた自分自身への自虐的な考えと、今のなかなか周りを信じられない気持ちがこの時に生まれた気がします。結果的に私は臆病だったのもあって1人のまま学校を卒業しました…

最近感情的になった出来事は、父親との言い争いです。ついさっきなんですけれど…

親にみんなのお弁当箱の種類を聞かれたので、普通のだよ、と返事しようとしたところ「まあ、お前は周りを見てないか」と勝手に決めつけられたのでそれは失礼じゃないか、と返すと何が失礼なのかと言われ、結局は他人には失礼だけどお前は子供だろうが、とか、挙句の果てには誰に頼って生活してると思ってるんだとお金を盾にねじ伏せられみっともなく泣いてしまいました。

なんでこんなに子供に対して配慮ができない人の子に生まれてしまったのか、とか理解されないことの悲しさが凄かったです。

長いうえに文章力がなくてすみません…

[回答2] 回想ありがとうございます。とても良く書けていましたよ。

貴女の基本的な性格は「私は人を喜ばせる能力があるし、努力もしている。だけど他の人は私の気持ちが分からず、私の期待を裏切る。私はもっと他の人に優しくしてもらいたい」というものです。如何でしょうか。大体あっていますか。

貴女の強みは、表現力、決断力、行動力があり、誠実で人を信頼でき、嫌なことは拒否できることです。貴女の弱みは、嫌われて、一人ぼっちにされること、感情的な相手に対して冷静でいられず、ケンカをしてしまうことです。貴女はたとえ相手が悪くても、「自分がしたことが悪かったのではないか」と不安に思います。嫌なことを繰り返し思い出し、忘れることができません。よく眠れないこともあるかもしれません。

貴女は、自分を理解して貰えず、大変傷ついていますね。貴女は、人に優しくしてもらいたいと切に願っているのに、優しくしてもらえないから傷つくのです。貴女の回想の中で、貴女はお母さんには拒絶され、お父さんには馬鹿にされ、友達には裏切られ孤独になっています。本当は、貴女はお母さんをもっと喜ばせたい、お父さんにもっと優しくしてもらいたい、学校では信じられる友達と一緒にいたいと願っています。そうですよね。こんな心理状態で中学校や高校に行くことは、貴女にとって大変なストレスだったと思います。過敏性腸症候群になるのは当然のことだと思います。

貴女は無意識に「私は他人と関わると傷つく」と信じているのです。だから貴女が朝学校に行こうとすると、お腹が痛くなるのです。つまり腹痛が起こる目的は、貴女が学校で傷つかないように、貴女に危険を知らせて守ることなのです。腹痛は病気ではなくて、貴女の正常な防御反応なのです。貴女が不登校になると、今度は自宅にいても腹痛が起こるかもしれません。だからご自分の性格を理解し、貴女の信念をもっと楽なものに変えていきましょう。

貴女はもう大人なのだから「私は一部の人に優しくしてもらえなくても大丈夫だ」と思って下さい。ご家族と友人には、「どうか優しくして下さい」とお願いしましょう。お父さんに「お前は甘えている」と言われたら、「私はお父さんの一人娘です。どうか甘えさせて下さい」とお願いしましょう。お父さんに馬鹿にされたら、「馬鹿にしないで!」と言ってケンカをする代わりに、「お父さん、どうかありのままの私を愛して下さい」と言いましょう。そういう恥ずかしいセリフがズケズケ言えるようになると「私は他人と関わっても傷つかない」と思うようになるのです。貴女がそんな可愛らしい自分を大好きになって、家族に愛され、信じられる友人が一人でもできたら、学校にも楽に行くことができるようになるでしょう。

[回答者] 性格物凄く合っています。全てがおっしゃる通りでした……。本当にありがとうございます、上手くできるかどうかわからないですが頑張ってみます。

小6女子。真面目な相談です。

[質問] 小6女子。真面目な相談です。 来年で中学生になるのですが、私の家はお金が無くて制服を買えないかもしれないって話になってて、 お母さん働いてないんですよ。 それでお母さんに、「お父さんに、制服買うお金が無いって言って来て」って言われたので言ったら「は?俺あんたのお母さんに制服は高いよって前から言ってるから。知らねーよ」って言われました。 親戚にも電話をしてお母さんに言われた通りの事を話してお願いしたのですが「考えとく。」って言われて終わりました。 お母さんが可哀想になってきました。 「制服大丈夫?」と聞くと「ママが何とかするよ!大丈夫!気にしないで」と言われました。 大丈夫じゃないのは知ってます。 どうすればいいんでしょう? 私はお小遣いも持ってないし頭も悪いし虐められるし、 どうすればいいんですか?

[ベストアンサ-] 小学6年生の子どもに中学校に着ていく制服がないと心配させるのは、とても残念な親で、私は切ない気持ちになります。

お母さんに「お父さんに、制服買うお金が無いって言って来て」と言われたらら、貴女は「お母さん、子どもに制服を買い与えるのは親の課題ですよね。お母さんがお父さんとよく話し合って解決してくれませんか」と言えばいいのです。貴女の課題は「もらった制服を大事に着ること」です。中学校の校則で生徒は制服を着ることが決まっています。誰かが貴女に制服をくれるので、心配は要りません。「物事の目的」と「誰の課題か」をよく考えれば、貴女も頭が良くなります。虐められたら、「何のために虐めるのですか」と目的を聞いて見ましょう。虐められているのを見たら「つまらないからやめなよ」と言いましょう。

[返答] みなさん回答ありがとうございました。 とっても役に立ちました。  回答数10

社会で生きていける気がしません

社会で生きていける気がしません。 ブスで頭も悪く、なんの才能もないうえに発達障害まで持っています。 こんな自分が1人で生きていけるのでしょうか?  スペックは

*Deeplooksというサイトで平均2点代のブス、155cm50kg(見た目はもっと太い)

*産近甲龍志望で滑り止めもFラン。英検二級と漢検準二級持ち(僅かなプライド)

*発達障害(遂行機能障害)持ち、鬱病発症歴あり

*言われたことはギリ出来るが、それ以上のことはできない上に忘れっぽい

*高校がバイト禁止で社会経験もなし

*努力が嫌いで甘えてばかりのクソみたいな性格

こんな有様です。 結婚できる可能性はゼロなので1人で生きていかなくてはなりません。 風俗業も無理でしょう。 大学もお金の仕送りなしで一人暮らしするように言われています。 ですがコロナの影響で就活が難しくなったみたいですし、自分なんか雇ってくれるところなんてせいぜいバイト、いやバイトにすら雇ってもらえないのではと思います。 こんなのでも生きていく方法ってあるのでしょうか。フリーターしか無理でしょうか? 人生詰みでしょうか? 生活保護や障害者年金に頼りたくはないですし刑務所暮らしも嫌です。 ご回答よろしくお願いいたします。

[回答] 見栄を張らなければ生きていけます。 最低時給850円で8時間/日で200日/年働けば、136万円の年収になります。これは一月当たり11.5万円の収入です。家賃4万円、食費4.5万円、光熱費1万円、生活費2万円になります。大変かもしれませんが、暮らしていけます。

健康第一ですから、働き過ぎて身体を壊さないようにしてください。毎月、実家に戻って、料理、掃除などのお手伝いをして1万円をもらって貯金してください。買物上手になりましょう。実家から送られた野菜を調理して、保存パックに入れて、冷凍保存する技術を学びましょう。安い卵や肉を上手に調理して、食費を抑えましょう。無駄なものを買わないで済ます努力をしてください。

速く家事をする必要はありません。低コストで栄養のある美味しい食事が作れるようになりましょう。女性を見る目のある男性は、健康な生活ができる家事能力の高い女性を高く評価します。良家の男性は風俗業でバイトをする女性には関心がありません。155cm、50kgは全く問題ありません。人並みの容姿の方が安心できる男性も数多くいます。作業が遅い特性があるのなら、結婚をした方がいいでしょう。自分のペ-スで働けるからです。

あなたは物事の目的を簡単に忘れてしまう癖があります。困ったときは目的をよく考えて、何を最優先にすべきかを決めましょう。分からないことはご両親に相談してみましょう。あなたは結婚した方が、ご両親も嬉しいし、充実した人生を送れます。容姿だけで短絡的に結婚を諦めるのは、とても損な選択です。

[返信] 詳しいアドバイスをありがとうございます。 頑張って生きていこうと思います。 ご回答ありがとうございました。

勉強したら地獄を見ました

[相談] 高校を中退した16歳、高校に居れば高2です。周りに教師が居ないので今自分がどのような状況で、志望校である慶應文系に受かる見込みがあるのか、ないのかも全く分かりません。もしかすると目標と繋がらない事をして いる可能性もあるので、何かあれば是非教えて下さい。道を間違えていなくても教えて下さい。本当に右も左も分からないです。

私は元々中高一貫校に通っていたのですが、高校1年の時成績不振で留年の危機を感じ、高校2年になると同時に学校を辞めてしまいました。辞めた当時に受けた東進模試の英語偏差値は36で定期テストは毎回10点以下でした。辞めてから死ぬ気で勉強して今年第2回の英検2級に合格、同時に高卒認定試験にも全教科合格しました。手前味噌ですが、高2にしては結構スピード感があると思います。次の目標は1月下旬の河合塾記述模試です。その為にターゲット1900と頻出1000、やっておきたい500をほぼ完璧、世界史は詳説世界史ノートと一問一答をほぼ完璧と言えるぐらい勉強しました。今は過去問とやっておきたい500をもう一度解いています。

勉強も慶應志望にしては駄目なのですが、それ以上に私の精神状態が奈落の底にあると言っても良いぐらい悪いんです。コロナもあって女友達とも3ヶ月に1回会うか会わないか、外にも一週間に1回出る程度です。朝起きて勉強して、勉強して、勉強して、寝るという自堕落な生活をずっと続けているせいだと思います。食事も1日に1回しか摂っていません。

学校にいた頃は勉強は出来なかったけど友達は沢山居て、毎日遅くまで外で遊んでいました。このせいで勉強が出来なくなりました。コミュニケーション能力も他の人より何倍も高いという自信がありましたし、友達にもそう言われていました。

それに比べて今は最悪です、人に話しかけられると頭が真っ白になるし、外に出るだけで心臓がバクバクします。少し否定されただけでムキになってしまうし、大変じゃない?と親に言われてもキレてしまいます。本当は本当に助けて欲しいんです。両親共働きなので人と全く話さない日もあります。そのせいか、文章を組み立てる能力も減りました。自信がなくなったからかもしれません。とにかく全てにおいてナーバスになってしまうんです。ちょっとした事で深く悩んでしまうようになりました。

学校にいた頃は勉強すれば未来が明るくなる、勉強すれば完璧と言われていたのに勉強したら地獄を見ました。私自身もう全てを投げ出してしまいそうなぐらい辛いです。 暗い話で気分を害された方、すみません。 私のような経験をされた方はいらっしゃいますか?このような経験をされていない方でも、1つでも何かアドバイスがあればお願いします。

[回答]

あなたは高校1年の時の成績不振で留年するのが嫌で、高校2年になると同時に学校を辞めてしまいました。学校にいた頃は勉強は出来なかったけど友達は沢山居て、毎日遅くまで外で遊んでいて、そのせいで勉強が出来なくなったのですよね。あなたには発達障害はないと思います。 あなたの問題は失敗に対する責任の取り方が良くなかったことです。あなたは留年したことを元の級友からからかわれたり、新しい学級に馴染めないことを恐れて、退学してしまいました。しかしながら成績不振という失敗をしたときに、あなたは恥を忍んで留年すべきだったのです。失敗は誰にもあることなのです。大人は堂々と失敗の責任を取る人をバカにしたりしません。

あなたは留年する勇気がありませんでした。あなたは自宅で勉強をすることで失敗の責任を取ろうとしました。これは立派なことだと思います。しかし高校の2年間を一人で閉じこもって勉強することは明らかに不健康なことです。不健康にならないために、高校に来て一緒に勉強しているのです。勉強の遅れを取り返せばそれでいい、というわけではないのです。あなたは友達と4年間の高校生活を楽しむべきだったのです。留年して友達が増えて良かったなあと思えばよかったのです。半分の人が受験浪人して大学に入学するのだから、高校を1年留年してもあなたの職業キャリアには何の影響もありません。

あなたは一人で閉じこもって勉強することは不健康で精神的に苦しいことを学んだのです。だからこれからは家族や友達と話をしたり、外に出て散歩や買物をしたり、大学や学園祭を見学したりして健康的に過ごしてください。あなたは勉強をしたから地獄を見たのではなく、バランスのよい生活の仕方を知らなかったから地獄を見たのです。ご両親はあなたのことを暖かく見守ってくれていると思いますよ。大学生になり社会人になってもワ-ク・ライフバランスのよい人生を心がけて下さい。

[返信]

あなたは留年したことを元の級友からからかわれたり、新しい学級に馴染めないことを恐れて、退学してしまいました。

➝本当にそうなんです。バレてしまいました。ですが、それ以外にも理由があります。私は訳あって元々慶應大学に行きたかったんです。この大学は2教科で入れるので、他の教科を態々頑張るのが私にとっては無駄だと思ったんです。他の教科にバラバラにエネルギーをたやすなら少ない教科に絞った方が合理的だと考えました。

退学理由以外は本当にそうです。回答者様の言っている通りです。心が泣きそうになりました。私は英語と世界史を学んでいるつもりでしたが、実際はもっと多くの事を学んでいました。回答者様の冷静な分析で前向きに考えようと思えることができました。 ご回答ありがとうありがとうございました。

生きる意味があるなら教えて下さい

[相談] 今中三で小三から不登校です。文章おかしいです。勉強が出来なさすぎる自分に嫌になりました。勉強が出来なくて分かるとこから始めてもすぐ忘れてしまいます。例えば九九とか。通信制高校に自己推薦で入学決まったんですが、卒業出来る気がしません。最近毎日がつまらなくて生きている意味が分かりません。勉強全く出来なくて絶望してます。高校卒業出来なかったら死にたいと思ってます。

そもそも留年してまで卒業する理由が僕には無いです。中卒で勉強出来ない人って存在価値無いと思いますし、このままだと生きてて苦痛しかないです。ただ勉強出来ても僕は死にたいと思いますがね。

あと、将来働くと思うんですが、このまま普通に働いても生きてる意味が分かりません。勉強とか仕事って自分のために努力する事ですよね。努力しても結果が鬱なら努力する意味も無いと思います。僕はまず努力してませんが。とにかく生きているのが苦痛しかないです。あと生きる意味があるなら教えて下さい、

僕には無いと思うけど。。。

あとどうでもいいんですが僕は多分軽度のアスペルガー症候群です。僕は小一の時親に精神病院に連れてかれました。薬も4年くらい毎日飲んでました。なので記憶力がおかしいんだと思います。僕は頑張って覚えても1時間くらいで全部忘れます。あと僕が勉強に慣れる事なんて一生無いと思いますよ。それに死ぬのは怖くないし、美味しいものとか欲しいものとかあんま無いし、知らない世界とかどうでもいいと思います。まあ自殺したら親は悲しむと思いますが。

[回答] 

中学三年生になるまで良く生きてきましたね。中学三年生になると抽象的な思考ができるようになる分、悩み苦しみが多くなり、誤った判断を下しがちです。

1)病人や障害者は人類に貢献している

遺伝子には多様性があり、一定の割合で病人や障害者が生まれます。科学が発達する理由は病人や障害者を助けるためです。病人や障害者がいるおかげで科学が発達します。病人や障害者がいなくなると科学が発達しなくなり、健常者の寿命が減少してしまうかもしれません。病人や障害者は人の足を引っ張っているどころか、人類の福祉に貢献しているのです。

2)両親はあなたに生きていて欲しい

あなたのご両親にとっては「あなたが生きているだけで嬉しい」ということを忘れないで下さい。あなたが勉強ができても、勉強ができなくとも「両親はあなたのことが好き」であることに変わりありません。

3)自分と他人を比べるのは自分を嫌う一番良い方法だ

あなたは勉強ができない自分が嫌いだといっています。自分のことが嫌いな人は、死にたくなってしまうので、幸せになれません。自分と他人を比べていると、自分を嫌いになってしまいます。

4)自分を好きになるのは自分の責任だ

健康な人は、自他を比べないので、みんな自分のことが理由なく好きなのです。あなたも理由なく自分を好きになると決めて下さい。「すぐに人と比べて落ち込んでしまう自分って、なんて謙虚な人なんだろう」と思って下さい。「中卒で勉強できない自分って、すごく素敵だ」と信じて下さい。これは他人にはできません。あなたの責任ですべきことなのです。

5)多くの人は勉強ができない人に興味関心をもっている

成績が真ん中から下の人は、自分がもうちょっと勉強できなかったら大変だと思っています。何か怪我をしたり、病気になって勉強が全くできなくなるかもしれないとも思っています。だからあなたのように「勉強ができなくて絶望している人がこれからどうやって生きていくのか」ということに強い興味関心をもっています。あなたのような人が明るく幸せに生きていれば、多くの勉強が苦手な人たちは、自分もきっと大丈夫だと思って、とても安心するのです。あなたには多くの人が注目しています。

6)価値は相対的である

「パパラギ」というドイツ人画家ショイルマンが書いた本があります。当時南海のサモアはドイツの植民地だったので、その画家はサモアを訪ね、酋長のツイアビに会います。ツイアビは初めて西洋文明に触れて、西洋文明が如何に病的なものであるかを仲間に語ります。その様子が本に書かれています。勉強ができるというのは西洋文明の価値でしかないのです。サモア人のツイアビから見れば西洋文明には価値はありません。

7)価値がないと分かれば悩みはない

あなたが本当に「生きていくことに価値がない」と思うなら、「執着すべきものは何もない」はずです。人は価値があると思うから執着するのですから。執着すべきものがないなら、人生は爽快です。何の悩みも苦痛もありません。「自分には価値がない」という考えも、ただの考えに過ぎないと分かれば、執着しません。自分のことで悩まないので、困っている人に会ったら、助けてあげようと思うだけです。ぜひそういう境地を目指して下さい。

8)大人は勉強できない人を笑わない

大人はあなたが勉強できなくても笑ったりバカにしたりしません。大人は勉強できなくても一生懸命努力して生きている人を心から尊敬しています。できないことは人に相談して助けてもらいましょう。相談を受けた人は幸せな気持ちになり喜びます。

9)勉強は自立のため

人は勉強すれば、勉強した分だけ賢くなるから、勉強するのです。賢くなると自立できるようになります。自立とは自分のことを自分でできるようになることです。掃除、洗濯、炊事などの生活自立もできるようになって下さい。人に元気に挨拶したり、お礼をいうことも社会的自立に必要なことです。社会的に自立すると明るい人になります。九九ができなくても、なんとか幸せに生きている人はいます。

10)生きる意味は生きているとできる

人間は色々な選択をして、失敗しながら、自分だけの人生を作っていきます。他の人はあなたの人生を生きることができないので、あなたの人生がどれだけ大変かは分かりません。他の人もその人なりに大変な思いをして、生きていることは分かって下さい。生きていくうちに生きている意味ができてきます。ある人は家族を養うこと、ある人には仕事で成果を挙げることが生きる意味になるかもしれません。しかし生きてみないと生きる意味は分からないのです。生きる意味はないから生きないというのは勇気がないだけなのです。

[返信] 

回答ありがとうございました。詳しく色々とありがとうございました。客観的な意見として自分を結構理解出来ました。大半思い込みや思考や選択で人生って積み重なってるんですね。確かに昔は何のために生きてるなんて考えて無かったですね。人生ってそんなに深く考えなくてもいいって事ですかね。

あと僕は7) を理解するのが結構難しいです。少し意味が分かりません。とにかく客観的に見て詳しい説明ありがとうございました。

 

発達障害の見分け方

初めまして。20代の既婚女性です。私には何か知的障害はあるのでしょうか?

私ができないことをリストにすると、

・左右が全く分からない

・計算ができない

・買い物するときなど、値段がよく分からない。

・買いすぎか、買いすぎじゃないか、自分では判断ができない。

・電卓などの使い方も分からない (電卓で何をするのかが分からない)

・人の名前が殆ど覚えられない (自分の家族の本名があやふや。いつもは父→パパ、母→ママ、妹や夫→あだ名です)

・集中できない。

・片付けの仕方が分からない。

・お風呂に入る前に、何をするか明確にしておかないと、お風呂に入ったときに何をしていいのか分からない。

・記憶力がない。家族に何度も同じ話をしているようだが、私自身は話した記憶がない。

・他人には通じないと、家族から言われた。自分だけの言葉が複数ある。

・西暦や元号などが理解できない。

・自分の年齢があやふや。(おおよそ何歳というのは分かる)

・決めたことにはとても拘ってしまう。

・極論でしか物事を考えられない。減薬は耐えられない。やるなら断薬。

    黒髪は嫌だ。茶髪は半端で嫌だ。やるなら奇抜な色か一番明るい金髪etc…

ちなみに、空気は読めます。人の気持ちにはとても共感できる方だと思います。逆に人の顔色を伺ってしまって辛いことの方が多い気がします。でも、家族以外の人間の気持ちなどには興味はありません。いつもではありませんが、よく不謹慎なところで爆笑してしまうこともあります。人の目などを、良くも悪くも気にしないところがあります。でも、抽象的な表現はちゃんと理解できますし、ストーリーの考察なども好きです。文学的なところでは、あまり不自由は感じません。漢字が分からない時はありますが、それは自分自身の学の無さだと思います。

小さいときのことはあまり記憶になく…。でも、小学生の頃は学級委員長をしたり、人前に出るような役割を任されていましたが、壊滅的に算数や理科(生物系を除く)は、できないという感じでした。学級はずっと普通学級でした。高校も偏差値50程度の並み程度の高校に通いましたが、それは推薦入試であり、英語以外の授業はついていけず、本当にギリギリ卒業といった感じでした。

親は昔から、私のことは変わっているとは思っていたようですが、障害などについては全く考えなかったようです。ただ、出来の悪い子、頭の悪い子、と思われていたようです。

しかし最近、前よりも軽度知的障害、隠れ発達障害などの認知が世間的に広がり、特に母は、『変わり者』というだけでなく、私にも何かしらあるのだろう、という感じになりました。他にも挙げればあると思いますが、ざっとこれくらいはあります。又、精神疾患が複数あり、減らしてはいますが、薬を飲んでいます。精神疾患は

・境界性人格障害

・双極性障害

・躁鬱

・パニック障害

・PTSD

があります。特に障害が分かったからと言って、何かが変わるわけではありませんが、少し気になり、質問させて頂きました。よろしくお願いします。

<回答1>

あなたには学習障害、注意欠如障害、自閉障害の発達障害が見受けられます。学校や友達や家族との付き合いが、かなり大変だったのではないかと思います。色々な問題で自尊心が低くなりがちですが、あなたはこれまで本当によく頑張ってきましたね。

文章を見る限り、あなたには言語的な知的障害は全くないように感じます。しかし数量の把握や計算ができない学習障害があります。買物にいくと清算の時お困りでしょう。おつりが計算できないので、財布の中の硬貨がどんどん増えてしまいます。

注意欠如障害は、注意不足でしっかり記憶できず、すぐに忘れてしまう障害です。集中が続かない、片づけができない、左右が分からない、同じ話をしてしまうなどの兆候は注意欠如障害によるものです。落ち着いてよく注意するようにして、メモを取るようにします。大事なものを無くさないように工夫して下さい。

自閉障害も見受けられます。自閉障害は社会性、想像性、コミュニケ-ション能力の欠如の3つの特徴があります。

自分だけの言葉がある、自分の年齢が分からない、家族の名前を覚えられない、家族以外の人の気持ちに関心がない、人目を気にしない、不謹慎なところで爆笑するのは社会性の欠如です。家族に暖かく見守ってもらいましょう。

別の方法を想像できず決めたことを変更できない、中間を想像できず極端な選択しかできない、自分が困っていることが分からない、お風呂の入り方を想像できないのは想像性の欠如です。想像性がないと計画が立てられないので、例えば定期試験に対する勉強の段取りができません。誰かに勉強の段取りをしてもらえば、成績はもっとよくなったでしょう。

主治医と全く話ができない、自分の障害を人に相談できないのであれば、コミュニケ-ション能力が低いことになります。あなたはコミュニケ-ション能力はある方なので、結婚できたのだと思います。

発達障害のある人はストレスを抱えやすく、相談して問題解決できないので、精神疾患を発症しやすいです。精神科や診療内科で精神薬を処方されると、精神疾患が常態化してしまいます。

あなたの一番の問題は、数量の把握能力が極端に低いために、減薬のコントロ-ルができないことです。減薬は夫さんと薬剤師さんに支えてもらいましょう。夫さんと一緒に薬局に行って、薬剤師さんと相談して、1回の服薬量を減少できるように、医師の処方したカプセル薬などを細かく分けなおしてもらうといいでしょう。

減薬の速さは、徐々に遅らせて、最後はゆっくりゆっくり断薬して下さい。急に断薬すると離脱症状(禁断症状)がでて、苦しいし、薬の量を増やされてしまいます。あなたの精神疾患名は薬の種類を表しているのに過ぎません。日本は多剤処方が当たり前になっていますが、アメリカでは精神疾患に対して3種類以上の薬は処方しません。医師は積極的に減薬をしませんが、患者が薬剤師と相談して減薬することに反対はしません。

<返信1>

ご回答ありがとうございます。仰られているとおり、学生時代は、学業は勿論、人間関係に苦労しました。家族との付き合い方も一時わからず、勝手な孤独感孤立感を抱いたりもしていました。『今までよく頑張りましたね』という労いのお言葉まで頂き、恐縮です。ありがとうございます。

そうですね。お買い物はとても大変なので、夫に殆ど任せています。何が必要か、不要か、それが分からないのと、やはりお金が数えられないので、お札で払うのですが、仰る通り、お財布に収まらないほど、鞄の中にたくさん小銭が入っています。見よう見まねで小銭を使うと、大抵足りなかったり、多かったりして、お店の方などのご迷惑になってしまうので、控えています。

他のことに関しても、なるほど、と思わされることばかりでした。想像力の欠如というのは、まさしくそうなんだと思います。物事の順序が立てられなかったり、人からどう見られているか考えられなかったり、諸々のことは、想像力の欠如によるものなんですね。

そして、社会性の欠如、自閉的な傾向というところにも思い当たる節がたくさんあるので、このご回答はとてもためになりました。何より、私につけられた精神病というのは、特になんの意味もないものだと思っていたので、『薬の種類を示しているだけのもの』というお言葉に納得しました。

自分の障害を人に相談できないというより、精神疾患を人に言うことで、人に気を遣わせてしまったり、何かあったときに弁明する際、自分が精神疾患を少しでも言い訳にしてしまわないか、ということが不安なので、誰かに相談することはしたくないなと思っていました。自分のなかでも、自分は出来が悪い以上の問題が、何かあるのではないか…と悩んできましたが、同様の理由で、夫以外には打ち明けたことがありませんでした。

主治医の件ですが、こちらについては、私側の問題というより、主治医の問題かなと思っています。主治医は、不機嫌なときは一言も話さず、こちらが何か言っても『薬出しておくから』だけで済ますような感じで、夫も私と一緒に診察室に入って話を聞いてくれたり、逆に私のことで相談がある際には相談事を持ちかけたりするのですが、『どこかへ気分転換に遊びに行けば?』というような適当な返事しか返ってこず、だんだんと私も夫も主治医を頼らなくなっていき、薬をもらうだけの関係になりました。

減薬については、難しいところがあり、私が『徐々に』ということに耐えられないのです。つまり減薬という考えがハッキリしなくて気持ち悪く感じてしまい、断薬としか考えられず、しかしそんなことが上手くいくはずもなく、色々な自己嫌悪に襲われてしまうという悪循環に陥ってしまいます。

薬局に協力してもらえたらいいのですが、今の薬局には協力してもらえそうにありません。ずっといつも私語ばかりで、薬の入れ忘れや数の間違いが頻繁にあり、表面上はお互いニコニコして付き合っていますが、信頼はできません。

なので、夫が手伝ってくれるのですが、やはり『徐々に』というところで躓いてしまい、結局飲んだフリをして飲まない等してしまい、症状が悪化してしまったり、薬が切れてしまったときの具合の悪さが出てしまいます。ここは本当に課題だと思います。

夫は、『無理して薬を減らす必要ないよ』と言ってくれますが、薬ばかり飲んでいて、せっかく元気で働いてくれている私の体内の各臓器、もちろん血管も、すべてに申し訳ないと思って、やめたいと思っています。まとまらない文章となってしまい、また、長々と長文でのお返事すみません。

<回答2>

貴女はこれだけの発達障害を抱えながら、良い夫婦関係を保ち、明るく希望を持って生きているのは奇跡的です。薬を飲みながらも、明晰な回答ができるのも驚きです。睡眠や体調の不調は精神薬によるものですから、1年程かけてゆっくり減薬すれば、必ず良くなると思います。発達障害に関しては、夫さんに相談しながら生活の工夫をしていって下さい。

アスペルガー障害がある人は行動を変えることが苦手ですが、薬局は星の数ほどあるのですから、色々廻ってみるといいでしょう。裏事情を知っており、減薬に協力してくれる薬剤師さんもいます。精神薬が精神病を作り出していることに気づいている精神科医はうつ病になります。主治医が不機嫌なのは、そういう理由なのかもしれません。主治医を変えることは薬の数を減らす良い機会になります。

<返信2>

お返事ありがとうございます。また、とても私には相応しくない、優しいお言葉をたくさん頂き、本当に心から恐縮しております。発達障害というものを意識することはあまりありませんが、やはり回答者様のお話を伺って、全て当てはまり、全て合点のゆくことばかりだったので、知的、発達障害はあるのだと思います。しかしながら、それでも夫と夫婦として穏やかに暮らせているのは、すべて夫のお陰です。どんなときも諦めず、とことん向き合ってくれて、まるでサリバン先生のような人です。夫でなければ、こんな風に穏やかに暮らすことはできなかったと、感謝しています。

人生の全てに、自分という人間が許せず、命を投げ捨てようとしたことも、何度もありました。それでも今、明るく希望が持てたことは、これも私の力ではなく、そばにいてくれた家族のお陰です。回答者様の優しいお言葉に、改めて夫、家族の存在に感謝しました。

薬は、やはり飲むとぼんやりしてしまうことが多いです。でも、なるべくそういう薬は飲まないようにしています。薬を飲まないと、全く寝なくてもすごく元気なのですが、そうすると感情の高ぶりが止まらなくなってしまうので、夫との約束で睡眠導入剤と、安定剤は飲むようにしています。なので、あまりぼんやりすることも、現状はありません。

どうしても、『減薬』というところで躓いてしまいます。でも、何度躓いても、体の各臓器すべてのために、減薬、そしてひとつでも薬を減らせるように努力したいです。薬局も、今の薬局は病院のすぐ隣にあるので便利という理由でそこに行っているのですが、アドバイス頂いたように、通える範囲のところで探してみようかなと思います。精神科医の件は…そういう事情もあるのですね。もしかしたら、私の主治医は鬱状態なのかもしれません。

そのようなことが背景にあり、鬱状態になってしまったとしたら、同情しますが、やはり私や夫も、話ができないようでは困りますので、他の精神科医を探すのが良いのかもしれません。今のままでは、何も解決しなくなってしまい、私だけでなく、私を支えてくれている人たちも困ってしまうと思うので…。色々と探してみようと思います。自立支援制度についても教えて頂き、ありがとうございます。こちらも調べて、利用できたら利用させて頂きたいと思います。

明確で、的確なアドバイスをたくさん、ありがとうございました。今後の道筋が少し見えた気がいたします。そして、『精神病は単に薬の種類を示しているだけ』というお言葉が、とても嬉しかったです。病名がたくさんつけられても、ただのラベル貼りとしか思えず、なんだか『言い訳』の材料を渡されたようで、嫌な気持ちでした。

以上

よい子育ての方法

 
ご質問ありがとうございます。保育士さんはいつも大変ですね。

あなたはA先生に「A先生がB君にきつく接すること」を期待していますが、たとえA先生がB君にきつく接したとしても問題は解決しません。まずこのことを理解しましょう。そこで質問です。

・B君がA先生の前で不適切な行動をする目的は何だと思いますか?

おそらくそれはA先生の注目関心を得ることだと思います。B君はすでに不適切な行動でA先生の注目関心を得ることに成功しているのです。だからA先生がB君の不適切な行動をいくら注意しても、B君の不適切な行動はなくなりません。

・B君はなぜ適切な行動をしてくれないのでしょうか?

それはB君が勇気を挫かれているからです。つまりB君は「ぼくは適切な行動をしていては、A先生の注目関心を得ることはできない」と信じています。

・それではどうしたらいいでしょうか?

A先生に次の2つを実行するように指導しましょう。
1)A先生はB君が適切な行動をしているときにB君に注目関心を与えます。
2)A先生はB君が不適切な行動をしているときにB君の行動を無視します。

・具体的にどうしたらいいでしょうか?

(1)B君がお友達と仲良く遊んでいるとき、B君が一人で静かに遊んでいるときは適切な行動をしているときです。そういう時には「B君はお友達と上手に遊べるのね~」と声かけをします。あるいは「B君は積木あそびが大好きなのね?」と声かけをします。B君は「A先生はぼくが積み木遊びをしているのを見てくれている」と感じて安心します。

(2)B君が友達に攻撃をしたとき、ふざけて寝ないとき、ご飯をわざと吐き出したときは、不適切な行動をしているときです。そういう時にはB君の不適切な行動を無視して、適切な行動に注目します。これには少し工夫が要ります。

<1>B君が友達に攻撃をしたとき
「B君ってすごく強いのね!」といってB君の反応を見ます。B君は褒められたことで心を開きます。このとき「B君はすごく強いんだから、お友達に優しくしてあげられるでしょう?」と言います。B君が「うん」と言ったら、「じゃあ仲直りの印に、何かしたいことある?」と聞きます。人と仲良くすることは最も大切なことですから、仲良くしていたら一緒に喜びましょう。

<2>B君がふざけて寝ないとき
「B君ってすごく上手に起きているのね!」といってB君の反応を見ます。B君は褒められたことで心を開きます。このとき「じゃあね、B君。こんどは上手に寝られるかな?」と言います。B君が「うん」と言ったら、「お寝ねしたら、また遊ぼうね?」と言います。B君は「ぼくには寝る力がある」ことを学びます。

<3>B君がご飯をわざと吐き出したとき
「B君、すごく上手にごはんを散らかしたわね!」といってB君の反応を見ます。B君は褒められたことで心を開きます。このとき「じゃあね、B君。今度は上手にお掃除できるかな?」と言います。B君が「うん」と言ったら、「先生も一緒に手伝ってもいいかしら?」と言います。それで雑巾をもってきて、B君に拭いてもらいます。拭き終わったら、「ありがとうB君。B君のお陰でとってもきれいになったわ」と言って、B君の適切な行動に注目します。マイナスのことが起きても、プラスの行動を学ぶことができます。

このような子育て方法はアドラー心理学の「パセッジ」という親子関係改善プログラムで学習できます。多くの家庭や保育所ですでに導入されている実績のある子育て方法です。ご興味があれば調べてみて下さい。A先生に指導すると同時に、あなたも是非学んでみては如何でしょうか?これまでのように園児を叱っているだけでは、園児は適切な行動を学ぶことができません。

ガロア理論7

数学というのは登山とよく似ています。知らない山に登るのは大変ですが、その分登頂の絶景には感動します。景色を忘れてしまっても、登頂の達成感は長く心に残ります。数学も同じように、知らない定理を理解するのは大変ですが、その分定理の威力に感動します。もしその定理を忘れてしまっても、理解した達成感は長く心に残ります。登山が遊びなら、数学も遊びなのです。

これまで高次方程式の解を求め、解を表示する拡大体とその上の自己同型群との対応関係を調べてきました。今日はガロアの基本定理を証明します。ガロアの定理は部分群Hが対応する拡大体Bを不変にするとき、拡大体Bは対応する部分群Hの不変体になっており、両者に対応関係があることを示しています。ガロアの定理に従って方程式の解を引き受ける拡大体上の同型写像の群を分解して解析すると、元の方程式が代数的に解けるのかどうかを確かめることができます。

そのための準備として、2つの定理を紹介します。最初の定理はアルティンの定理です。それは『体E上のn個の相異なる同型写像による不変体KからEへの体の拡大次数はn以上である』という主張です。2番目の定理は『先ほどの同型写像が群であれば、拡大次数はちょうど群の要素数に一致する』というものです。これらの定理からガロアの基本定理が証明されます。

 

<アルティンの定理1>

体Eから体Fへのn個の相異なる同型写像σ1、σ2、・・・σnがあるとする。これらの同型写像による不変体KからEへの体の拡大次数はn以上である。

 

同型写像 σ1、σ2、・・・σn;E → F

不変体 K={x∊E|σ1(x)=σ2(x)=・・・=σn(x)}

→ KからEへの体の拡大次数 [E:K]≧n

 

証明)σ1、σ2、・・・σnが体Eから体Fへのn個の相異なる同型写像であれば、

σ1、σ2、・・・σnは線形独立です。まずこの事実を証明しましょう。

例えば、n=2のとき、σ1≠σ2より∃α∊E、σ1(α)≠σ2(α)。

 x1σ1+x2σ2=0 ならば、任意のx∊Eに対して、x1σ1(x)+x2σ2(x)=0。σ1(α)を掛け、

   x1σ1(α)σ1(x)+x2σ1(α)σ2(x)=0

が成り立ちます。またαx∊Eに対して、x1σ1(αx)+x2σ2(αx)=0。つまり

   x1σ1(α)σ1(x)+x2σ2(α)σ2(x)=0

が成り立ちます。上の2式を引き算すると、任意のx∊Eに対して

    (σ1(α) -σ2(α))・x2σ2(x)=0。

σ1(α)≠σ2(α)なので、x2=0となります。代入してx1=0も得られます。

   x1σ1+x2σ2=0 ならば、x1=x2=0

が示されたので、σ1、σ2は線形独立です。n=3の場合も同様にして

 x1σ1+x2σ2+x3σ3=0 ならば、x1=x2=x3=0

が成り立ちます。実際

 x1σ1(α)σ1(x)+x2σ1(α)σ2(x) +x3σ1(α)σ3(x)=0

 x1σ1(α)σ1(x)+x2σ2(α)σ2(x) +x3σ3(α)σ3(x)=0

両式を引き算すると、任意のx∊Eに対して、

 (σ1(α) -σ2(α))・x2σ2(x)+(σ1(α) -σ3(α))・x3σ3(x)=0。

σ1(α)≠σ2(α) 、σ1(α)≠σ3(α)であり、2つの元σ2とσ3は線形独立なので、x2=x3=0となります。x2=x3=0を代入して

 x1σ1(α)σ1(x)=0。

よってx1=0も得られます。このようにして、σの元の数をnまで増やすことができます。

次に[E:K]=r <n と仮定すると矛盾が生じることを示します。これは体K上のベクトル空間Eに{α1、α2、・・・αr}のr個の基底が存在することを示しています。以下の連立方程式は、

   σ11)x1+σ21)x2+σ31)x3+・・・+σn1)xn=0

      σ12)x1+σ22)x2+σ32)x3+・・・+σn2)xn=0

  ・・・・・・・

      σ1r)x1+σ2r)x2+σ3r)x3+・・・+σnr)xn=0

方程式の数rが未知数x1,x2…,xnの数nより小さいので自明でない解x1,x2…,xnを持ちます。[E:K]=rより、体K上のベクトル空間Eの任意の元α∊Eはa1a2、・・・ar ∊Kを用いて

     α=a1α1+a2α2+・・・+ arαr

と書けます。上記の方程式にσ1(a1)を掛けると

     σ1(a111)x1+σ1(a121)x2+・・・+σ1(a1n1)xn=0。

Kは同型写像の不変体だから、

      σ1(a1)=σ2(a1) =σ3(a1) =…=σ(a1)

が成り立つことを利用すると、上式は

       σ1(a111)x1+σ2(a121)x2+・・・+σn(a1n1)xn=0

となります。同型写像ですから

       σ1(a1α1)x1+σ2(a1α1)x2+σ3(a1α1)x3・・・+σn(a1α1)xn=0

が成り立ちます。他の方程式も同様に変形すると

   σ1(a1α1)x1+σ2(a1α1)x2+σ3(a1α1)x3・・・+σn(a1α1)xn=0

      σ1(a2α2)x1+σ2(a2α2)x2+σ3(a2α2)x3・・・+σn(a2α2)xn=0

      ・・・・・・

       σ1(arαr)x1+σ2(arαr)x2+σ3(arαr)x3・・・+σn(arαr)xn=0

を得ます。これらの方程式を辺々加えます。第一項の和は

      σ1(a1α1)x1+σ1(a2α2)x1+・・・+σ1(arαr)x1

   ={σ1(a1α1)+σ1(a2α2)+・・・+σ1(arαr)}x1

   =σ1(a1α1+a2α2+・・・+a2αr)x1

   =σ1(α)x1

となるので、任意の元α∊Eに対して

     σ1(α)x1+σ2(α)x2+σ3(α)x3+・・・+σn(α)xn=0

が成り立ちます。σ1、σ2、・・・σnは相異なる同型写像で、σi(α)≠0です。またx1,x2…, xnの中には0でないものが必ず一つはあります。よってσ1、σ2、・・・σnは線形独立ではありません。これはσ1、σ2、・・・σnが線形独立であることと矛盾します。つまり[E:K]=r <n という仮定が誤っていたことを示しています。よって    [E:K]≧n  が示されました。証明終わり。

アルティンの定理では{σ1、σ2、・・・σn}が群を成すと仮定していません。実際{σ1、σ2、・・・σn}が群を成さないのであれば、あるσi-1、かσiσjが{σ1、σ2、・・・σn}以外の元になります。x∊Kに対して、 (σiσj) (x)=σij (x))=σi(x)=xとなり、不変体 K={x∊E|σ1(x)=σ2(x)=・・・=σn(x)=σiσj(x)=x }を構成する相異なる自己同型写像{σ1、σ2、・・・σn、σiσj}はn+1個になります。あるいは、x=e(x)=(σi-1σi) (x)=σi-1i(x) )=σi-1(x )となり、不変体 K={x∊E|σ1(x)=σ2(x)=・・・=σn(x)=σi-1(x)=x}を構成する相異なる自己同型写像{σ1、σ2、・・σn、σi-1}はn+1個になります。よって[E:K]≧n+1 となります。不変体 Kを構成する自己同型写像{σ1、σ2、・・・σn}が群をなしていれば、演算で新しい元は生成しません。不変体 Kを構成する自己同型写像はn個に限られるので[E:K]=nとなります。それを保証するのが次の定理です。

定理2

体E上のn個の相異なる自己同型写像σ1、σ2、・・・σnが群Gをなす場合、群Gの不変体Kから体Eへの拡大次数はnとなる。

自己同型写像 σ1、σ2、・・・σn;E → E

群G={σ1、σ2、・・・σn

不変体 K={x∊E|σ1(x)=σ2(x)=・・・=σn(x)}

→ KからEへの体の拡大次数 [E:K]=n

注意)標数0の体に限定する。標数nとは、n・1=0を満たす数。複素数体は標数0。

証明)[E:K]≦nを示せれば、前定理[E:K]≧nと合わせて、[E:K]=nとなります。

任意のx∊Eに対して、トレ-ス

     S(x)=σ1(x)+σ2(x)+・・・σn(x) ∊E

を定義します。{σ1、σ2、・・・σn}は群を成しているので、任意のi=1,2、…nに対して、

      σi{σ1、σ2、・・・σn}={σ1、σ2、・・・σn

です。従って

 σi(S(x))=σiσ1(x)+σiσ2(x)+・・・σiσn(x)=σ1(x)+σ2(x)+・・・σn(x)=S(x)

であるから、S(x) ∊Kとなります。K係数のベクトル空間Eの次元がn以下であることを示すために、ベクトル空間Eのn+1個の基底{α12,…αnn+1}が一次独立ではないことを示せばよいです。Gは群であるために、σi-1∊Gが存在します。連立方程式

 σ1-11) x1+σ1-12) x2+・・・+σ1-1n) xn+σ1-1n+1) xn+1=0

    σ2-11) x1+σ2-12) x2+・・・+σ2-1n) xn+σ2-1n+1) xn+1=0

   ・・・・・・・・・・・・・・

     σn-11) x1+σn-12) x2+・・・+σn-1n) xn+σn-1n+1) xn+1=0

に関して、未知数x1,x2…,xn+1の個数n+1は式の個数nより大きいので、x1,x2…,xn+1はx1=x2=…=xn+1=0の自明な解以外の少なくとも一つはゼロではない非自明解を持ちます。非自明解をx1≠0とすると、x1≠0で全体を割ることで、x1=1として良いです。i番目の方程式にσiを作用させると、

       σii-11) x1) +σii-12) x2)+・・・+σii-1n+1) xn+1)=0

  α1σi(x1)+α2σi(x2) +・・・+αn+1σi (x n+1) =0

となります。これをすべての方程式について行うと

        α1σ1(x1)+α2σ1(x2) +・・・+αn+1σ1(x n+1) =0

        α1σ2(x1)+α2σ2(x2) +・・・+αn+1σ2(x n+1) =0

   ・・・・・・・・・・・・・・ 

      α1σn(x1)+α2σn(x2) +・・・+αn+1σn(x n+1) =0

を得ます。辺々を加えると、S(x)=σ1(x)+σ2(x)+・・・σn(x) ∊Kを用いると

         S(x11+S(x22 +・・・+S(x n+1n+1=0

S(xi)∊K、つまりS(x1)、S(x2)、・・・S(x n+1)はK係数であります。

{α12,…αnn+1}が一次独立ならば、S(x1)=S(x2)=・・・=S(x n+1)=0

です。しかし

      S(x1)=S(1)=σ1(1)+σ2(1)+・・・+σn(1)=1+1+・・・+1=n≠0

ので、ベクトル空間Eのn+1個の基底{α12,…αnn+1}が一次独立ではないことが示されました。ベクトル空間Eの次元はn次元以下 [E:K]≦nが示されました。前定理[E:K]≧nと合わせて、拡大体の次数は[E:K]=nとなります。証明終わり。

<ガロアの基本定理>

[1]EをKの正規拡大体、そのK自己同型群AutK(E)をGとする。E⊃B⊃Kなる中間体Bを不変にするGの部分群H={σ∊G|∀x∊B、σ(x)=x}があれば、

(1)EはBの正規拡大体である。

(2)HがBのK自己同型群である。

(3)中間体Bと群Hは一対一に対応する。

[2] HがGの正規部分群であれば、

(1)BはKの正規拡大体である。

(2) G/HがBのK自己同型群である。

(3)体Kと余剰群G/H一対一に対応する。

注意1)x∊Bにおいて、任意のσ12∊Hに対して、σ1σ2(x)=σ12(x))=σ1(x)=xより、σ1σ2∊H。またσ1(x)=xよりx=σ1-1σ1 (x)=σ1-1 (x)なので、σ1-1∊Hとなります。よってHの定義からHはすでに群になっています。

注意2)EはBの正規拡大体であるとは、BがE上の自己同型写像の作る群Hの不変体になっていることです。このとき[E;B]=#(H)が成り立ちます。

注意3)Hが正規部分群であれば、G/Hは群になります。Hが正規部分群でなければ、G/Hは群になりません。

[1] (1) EはBの正規拡大体であることの証明)

Hの要素数を#(H)=rとすると、群H={σ∊G|∀x∊B、σ(x)=x}の定義から∀x∊Bに対して、σ12,…σr ∊H⊂G、σ1(x)=σ2(x)=…=σr(x)=xが成り立つので、定理2より[E;B]=rが成り立ちます。次にBはHの不変体であることを示します。Hの不変体をB’={x∊E|∀σ∊H、σ(x)=x}とします。Bの定義から∀x∊Bに対して、∀σ∊H、σ(x)=xなので、B’の定義からx∊B’が成り立ちます。よってB’⊃Bです。Hは群であり、B’はHの不変体なので、定理2より[E;B’]=rが成り立ちます。[E;B]=[E;B’]かつB’⊃Bより、B=B’となります。つまりBがE上の自己同型写像の作る群Hの不変体になっており、[E;B]=#(H)が成り立つので、EはBの正規拡大体であることが示されます。証明終わり。

[1] (2) HがBのK自己同型群であることの証明)

#(G/H)=sとすると、ラグランジュの定理より、N=#(G)=#(H) -#(G/H)=r・sです。σ、σ’∊Gが同じ剰余類G/Hに属するとすると、σ-1σ’ ∊Hとなります。H={σ∊G|∀x∊B、σ(x)=x}の定義より、∀x∊Bに対して、σ-1σ’(x)=x、すなわちσ’(x)=σ(x)です。つまり同じ剰余類G/Hに属するσはB上で同じ同型写像を与えます。σ∊GはE上のK自己同型写像ですが、これをB上に限定すると、#(G/H)=sより、BからEへの相異なるs個のK同型写像が存在します。

[1] (3) 中間体Bと群Hは一対一に対応することの証明)

Hが正規部分群でなければ、G/Hは群にならないので、アルティンの定理より[B:K]≧sとなります。n=[E:K] =[E:B] [B:K] ≧rs=n、[B:K]≧sより[B:K]=sとなります。つまりBの基底s個とB上の同型写像の個数s∊G/Hは対応しています。群Gを中間体Bで制限した群GB={σ∊G|∀x∊B⊂E、σ(x)=x}をHとすることで、中間体Bが体Eを部分群Hで制限した体EH={x∊E|∀σ∊H⊂G、σ(x)=x}となるので、中間体Bと部分群Hは一対一に対応します。

・HがGの正規部分群であるとき、

[2] (1)BはKの正規拡大体であることの証明)

BはKの正規拡大体であるとは、KがB上の自己同型写像の作る群G/Hの不変体になっていることです。σがB上の自己同型写像であるとは、σ(B)=Bということです。このとき[B;K]=#(G/H)が成り立ちます。H={σ∊G|∀x∊B、σ(x)=x}と定義されています。E上の自己同型写像σ∊Gに対して、σ(B)⊂Eです。中間体σ(B)を不変にする群はσHσ-1になっています。なぜならば、τ∊σHσ-1 ⇔ σ-1τσ∊H であることはHの定義により任意のx∊Bにおいて、σ-1τσ(x)=x  ⇔ τσ(x)=σ(x) すなわちτ(σ(B))=σ(B)を意味するからです。Hが正規群であれば、任意のσ∊Gに対して、σHσ-1=Hです。今Hが正規群なので、τ∊Hに対してτ(σ(B))=σ(B)、すなわちσ(B)はHの不変体になっています。先ほどHの不変体はBであることを証明したので、σ(B)=B⊂Eが示されました。中間体Bは群G/H=σHσ-1の不変体になっているので、BはKの正規拡大体です。逆に任意のσ∊Gに対して、σ(B)=Bならば、τ∊σHσ-1に対してτ(B)=Bとなります。これはσHσ-1=HすなわちHはGの正規部分群であることを意味します。

[2] (2) G/HがBのK自己同型群であることの証明)

任意のx∊Bにおいて、σ(x)=σ’(x) ⇔ σ’-1σ(x)=xとなり、σ’-1σ∊Hとなります。これはσ’、σが同じG/Hの類に属していることを意味するので、AutK(B)=G/Hです。証明終わり。

ガロア理論6

前回はf(x)=x3-2を例に、f(x)の分解体とガロア群を求めました。今回は多項式の次数を1つ上げて、拡大体の列と対応するガロア群の列を導出します。

Ex.3  Q多項式f(x)=x4-3を例に、f(x)の分解体とガロア群を求めてみましょう。

f(x)を因数分解すると

  • f(x)=x4-3=(x24√9) ( x24√9)=(x-4√3) ( x+4√3) ( x-4√3i) ( x+4√3i)、
  • i2=-1、i3=-i、i4=1

となります。f(x)=0の4つの解は、

  • α14√3、α2=-4√3、α34√3i、α3=-4√3i

となります。f(x)の分解体は4つの解をQに付け加えたものですが、4√3とiの2つを付け加えることに等しいので、f(x)の分解体はQ(4√3,i)となります。4√3をべき乗してゆくと、

1. 4√3、4√9、4√27の4つの基底が得られます。a0a1、・・・a7 ∊Q(有理数)を用いて、

・ Q(4√3、i)={a0+a14√3+a24√9+a34√27+a4i+a54√3i+a64√9i +a74√27i}

と書けます。体の拡大の次数は8となります。

  • [Q(4√3、i):Q]=[Q(4√3、i):Q(4√3)]・[Q(4√3):Q]=2・4=8

拡大体Q(4√3、i)上のQ自己同型写像σ∊AutQ(Q(4√3、i))を求めます。σは同型なので

  • σ(ab)=σ(a)・σ(b)、σ(a+b)=σ(a)+σ(b) for a,b∊Q

を満たします。またσは3∊Qを不変に保つので

  • 3=σ(3)=σ( (4√3)4) =σ(4√3) 4

となります。σを4√3にiを掛ける作用とiを不変にする作用を持つ写像

  • σ(4√3)=4√3i、σ(i)=i

だとすると、上式を満たす4つの写像は、

σ(4√3)=4√3i、σ2(4√3)=4√3ii=-4√3、σ3(4√3)=4√3iii=-4√3i、σ4(4√3)=4√3

と表現できます。σ4は恒等写像です。また―1∊Qを不変に保つ写像をτとすると

  • -1=τ(-1)=τ(ii)=τ(i)2

なので、τはiに-1を掛ける作用と4√3を不変にする作用を持つ写像

  • τ(i)=-i、τ(4√3)=4√3

だとします。τ2(i)=iなのでτ2は恒等写像です。Q(4√3、i)/Q上のガロア群Gは

  • G=Gal(Q(4√3、i)/Q)={e、σ、σ2、σ3、τ、στ、σ2τ、σ3τ}、#(G)=8

となります。Gの位数は8となり、体の拡大の次数8と一致します。これらの写像は

  • τσ2(4√3)=τ(-4√3)=-4√3、σ2τ(4√3)=σ2(4√3)=-4√3
  • στσ(4√3)=στ(4√3i)=σ(-4√3i) =-4√3ii=4√3=τ(4√3)
  • τστ(4√3)=τσ(4√3) =τ(4√3i)=-4√3i、σ3(4√3)=4√3iii=-4√3i

であるから、

  • τσ2=σ2τ ⇔ σ22τ) σ2=σ2τ
  • στσ=τ、τ1=τ、τστ=σ3 ⇔ (τσ)-1=τσ

なる性質があります。これらから

  • στ・σ2τ=στ・τσ2=σ3
  • στ・σ3τ=στσ・σ2τ=τσ2τ=σ2
  • τ・σ2τ=τσ2・τ=σ2τ・τ=σ2
  • τ・σ3τ=τσ2・στ=σ2τ・στ=σ2・τστ=σ2・σ3=σ・σ4=σ
  • σ3τ・σ3τ=σ3・σ=e
  • σ2τ・σ3τ=σ2・σ=σ3
  • σ2τ・σ2τ=σ2τ・τσ2=σ
  • σ2・τ=σ・ττ・στ=στσ3=ττστσ3=τσ3σ3=τσ2
  • σ2・τσ=σ・στσ=στ=τστ=τσ3
  • σ2・τσ2=τσ3σ=τ
  • σ3・τ=στσ2=τσ
  • σ3・τσ=τσ2

が成り立ちます。8つの元同士の演算の結果を次の演算表にまとめました。

ここで

  • τ(縦の元)・σ(横の元)=τσ(表中の元)
  • σ(縦の元)・τ(横の元)=τσ3(表中の元)

に注意して下さい。τσnの逆元はτσnになっていることが分かります。8個の元同士の演算が8個の元で閉じているので、Gは群になっています。これはD4と呼ばれ、四角板の1/4回転と反転操作のなす群に相当します。

f(x)の分解体Q(4√3,i)上のQ自己同型写像全体は8次のD4群となりました。

  • D4={e、σ、σ2、σ3、τ、τσ、τσ2、τσ3

Q自己同型写像というのは、有理数体Qは不変に保つQ(4√3,i)からQ(4√3,i)への全単射写像という意味です。次にD4の部分群を調べます。4次の部分群はK4、L4、M4の3つがあります。

  • K4={e、σ、σ2、σ3}=Z/4Z
  • L4={e、σ2、τ、τσ2}=Z/2Z×Z/2Z
  • M4={e、σ2、τσ、τσ3}=Z/2Z×Z/2Z

2次の部分群はS2、T2、U2、V2、W2の5つがあります。

・ S2={e、σ2}、T2={e、τ}、U2={e、τσ}、V2={e、τσ2}、W2={e、τσ3

{e、τσk}(k=0,1,2,3)は4つの2次の部分群を作ります。自明な1次の部分群

・ I={e}

があります。

ガロア群の包含関係は7種類あります。7種類の群の系列に対応する拡大体の系列を示します。

  • D4⊃K4⊃S2⊃I  

         Q⊂Q(i)⊂Q(√3,i)⊂Q(4√3,i)

  • D4⊃L4⊃S2⊃I

         Q⊂Q(√3)⊂Q(√3,i)⊂Q(4√3,i)

  • D4⊃L4⊃T2⊃I

         Q⊂Q(√3)⊂Q(4√3)⊂Q(4√3,i)

  • D4⊃L4⊃V2⊃I

         Q⊂Q(√3)⊂Q(4√3i)⊂Q(4√3,i)

  • D4⊃M4⊃S2⊃I

         Q⊂Q(√3i)⊂Q(√3,i)⊂Q(4√3,i)

  • D4⊃M4⊃U2⊃I

         Q⊂Q(√3i)⊂Q((1-i)-4√3)⊂Q(4√3,i)

  • D4⊃M4⊃W2⊃I

         Q⊂Q(√3i)⊂Q((1+i)-4√3)⊂Q(4√3,i)

[1] K4=Gal(Q(i)/Q)を示します。a0,a1、、、a7∊Qに対して、x=4√3とおきます。                  

X=a0+ a1x+ a2x2+ a3x3+ a4i+a5ix+a6ix2+ a7 ix3 ∊Q(x,i)

σ∊K4に対して、σ(X)=Xとなる係数の条件を求めます。σ(x)=ix、σ(i)=iです。

 σ(a0+ a1x+ a2x2+ a3x3+ a4i+a5ix+a6ix2+ a7 ix3 )

=a0+ a1xi-a2x2-a3ix3+ a4i-a5x-a6ix2+ a7 x3

  • a1=-a5、a2=-a2=0、a3=a7、a5=a1、a6=-a6=0、a7=-a3

→ a1=a2=a3=a5=a6=a7=0

  X=a0+ a4i∊Q(i)

K4={e、σ、σ2、σ3}の全ての元に対して、σ(X)=Xが成り立つので、K4は拡大体Q(i)/Q上のガロア群になっています。Q(i)はK4の不変体になっています。

D4⊃K4⊃S2⊃I  ⇔  Q⊂Q(i)⊂Q(√3,i)⊂Q(4√3,i)

  • S2={e、σ2}=Gal(Q(√3、i)/Q)を示します。
  • σ2(a0+ a1x+ a2x2+ a3x3+ a4i+a5ix+a6ix2+ a7 ix3 )

=σ(a0+ a1xi-a2x2-a3ix3+ a4i-a5x-a6ix2+ a7 x3)

  =a0-a1x+a2x2-a3x3+ a4i-a5ix+a6ix2-a7ix3

  a1=-a1、a3=-a3=0、a5=-a5、a7=-a7、→ a1=a3=a5=a7=0

  X=a0+a2x2 + a4i+a6ix2=a0+a2√3 + a4i+a6√3 i ∊Q(√3、i)

S2={e、σ2}の全ての元に対して、σ2(X)=Xが成り立つので、S2は拡大体Q(√3、i)上のガロア群になっています。K4はD4の正規部分群、S2はK4の正規部分群になっています。

Q(√3、i)は、{1、√3、i、√3i}の4つの基底からなる4次元ベクトル空間と同型です。

Q(i)は、{1、i}の2つの基底からなる2次元ベクトル空間と同型です。

  • D4⊃K4⊃S2⊃I  ⇔ Q⊂Q(i)⊂Q(√3,i)⊂Q(4√3,i)
  • [Q(4√3、i):Q]=[Q(4√3、i):Q(√3、i)]・[Q(√3、i):Q(i)]・[Q(i):Q]=2・2・2=8
  • #(D4)=#(K4)・#(S2)・#(I)=4・2・1=8

[2] L4={e、σ2、τ、τσ2}=Gal(Q(√3)/Q)を示します。τ(i)=-i

σ2(X)=Xより、X=a0+a2x2 + a4i+a6ix2

τ(X)=τ(a0+a2x2 + a4i+a6ix2)=a0+a2x2 -a4i-a6ix2=a0+a2x2 + a4i+a6ix2

  • -a4=a4=0、-a6=a6=0 → X=a0+a2x2 =a0+a2√3 ∊Q(√3)

従ってQ(√3)はL4の不変体になっており、以下のガロア対応が成り立ちます。

  • D4⊃L4⊃S2⊃I ⇔ Q⊂Q(√3)⊂Q(√3,i)⊂Q(4√3,i)
  • [Q(4√3、i):Q]=[Q(4√3、i):Q(√3、i)]・[Q(√3、i):Q(√3)]・[Q(√3):Q]=2・2・2=8
  • #(D4)=#(L4)・#(S2)・#(I)=4・2・1=8

[3] T2={e、τ}=Gal(Q(4√3))

  • τ(a0+ a1x+ a2x2+ a3x3+ a4i+a5ix+a6ix2+ a7 ix3 )

=a0+ a1x+ a2x2+ a3x3-a4i-ix-ix2-ix3=X

   a4=a5=a6=a7=0 

→ X=a0+ a1x+ a2x2+ a3x3=a0+ a14√3+ a2-4√9+ a34√27 ∊Q(4√3)

D4⊃L4⊃T2⊃I  ⇔ Q⊂Q(√3)⊂Q(4√3)⊂Q(4√3,i)

[4] V2={e、τσ2}=Gal(Q(4√3i)/Q)を示します。

  • τσ2 (a0+ a1x+ a2x2+ a3x3+ a4i+a5ix+a6ix2+ a7 ix3 )

=τ(a0-a1x+a2x2-a3x3+ a4i-a5ix+a6ix2-a7ix3)

=a0-a1x+a2x2-a3x3-a4i+a5ix-a6ix2+a7 ix3=X

  a1=a3=a4=a6=0

  → X=a0+ a2x2+a5ix+ a7 ix3=a0-a2(4√3i)2+a5(4√3i)-a7(4√3i)3 ∊Q(4√3i)

  D4⊃L4⊃V2⊃I  ⇔ Q⊂Q(√3)⊂Q(4√3i)⊂Q(4√3,i)

[5] M4={e、σ2、τσ、τσ3}=Gal(Q(√3i)/Q)を示します。

・ σ2(X)=Xより、X=a0+a2x2 + a4i+a6ix2

  τσ(X)=τσ(a0+a2x2 + a4i+a6ix2)

     =τ(a0-a2x2 + a4i-a6ix2)

     =a0-a2x2-a4i+a6ix2=a0+a2x2 + a4i+a6ix2=X

       a2=a4=0  → X=a0+a6 ix2=a0+a6 √3i ∊ Q(√3i)

  D4⊃M4⊃S2⊃I  ⇔ Q⊂Q(√3i)⊂Q(√3,i)⊂Q(4√3,i)

[6] U2={e、τσ}=Gal(Q((1-i)-4√3)) を示します。

・ τσ(X)=τσ(a0+ a1x+ a2x2+ a3x3+ a4i+a5ix+a6ix2+ a7 ix3)

     =τ(a0+ a1xi-a2x2-ia3x3+ a4i-a5x-a6ix2+ a7 x3)

     =a0-a1xi-a2x2+ia3x3-a4i-a5x+a6ix2+ a7 x3=X

    a1=-a5、a2=a4=0、a3=a7

      → X=a0+ a1x+ a3x3-a1ix+a6ix2+ a3 ix3

         =a0+ a1(1-i)x+ a3(1+i)x3+a6ix2

     (1-i)2=1-1-2i=-2i、(1-i)3=-2i(1-i)=-2(i+1)

X=a0+ a1(1-i)x-1/2-a3(1-i)3-x3-1/2-a6(1-i)2-x2 ∊ Q((1-i)-4√3))

  •  D4⊃M4⊃U2⊃I ⇔ Q⊂Q(√3i)⊂Q((1-i)-4√3)⊂Q(4√3,i)

[7] W2={e、τσ3}=Gal(Q((1+i)-4√3)) を示します。

σ(x)=ix、τ(x)=x、σ(i)=i、τ(i)=-i、x=4√3に注意して

  σ2(X)=Xより、X=a0+a2x2 + a4i+a6ix2

  τσ3(X)=τσ(a0+a2x2 + a4i+a6ix2) 

      =τ(a0-a2x2 + a4i-a6ix2) 

      =a0-a2x2 -a4i+a6ix2=X=a0+a2x2 + a4i+a6ix2

      a2=a4=0. X=a0+a6ix2

  (1+i)2=1-1+2i=2i、i=1/2-(1+i)2

   X=a0+1/2-a6 (1+i)2x2 ∊ Q((1+i)-4√3)

  •  D4⊃M4⊃W2⊃I ⇔ Q⊂Q(√3i)⊂Q((1+i)-4√3)⊂Q(4√3,i)

ガロア群D4が4つの解(1234)をどのように置換するかを調べます。

  • D4={e、σ、σ2、σ3、τ、τσ、τσ2、τσ3

 ={e、(1324)、(12)(34)、(1423)、(34)、(14)(23)、(12)、(13)(24)}

と表すことができます。

  • f(t)=t4-3=(t24√9) ( t24√9)=(t-4√3) ( t+4√3) ( t-4√3i) ( t+4√3i)=0

の4つの解は、改めてx=4√3とおくと

  • (α1、α2、α3、α4)=(x、-x、ix、-ix)と書けます。

σ(x)=ix、τ(x)=x、σ(i)=i、τ(i)=-i、の規則で4つの解を変換すると

  • σ(x、-x、ix、-ix)=(ix、-ix、-x、x)

⇔ σ(α1、α2、α3、α4)=(α3、α4、α2、α1)

⇔ σ=(1→3→2→4→1)=(1324)

すなわちσは(1324)の置換作用素となっています。同様にして

  • σ2(x、-x、ix、-ix)=σ(ix、-ix、-x、x)=(-x、x、-ix、ix)=(α2143)

  σ2=(1→2→1、3→4→3)=(12)(34)

すなわちσ2は12の互換と34の互換の作用素となっています。また

  • σ3(x、-x、ix、-ix)=σ2(ix、-ix、-x、x)=σ(-x、x、-ix、ix)

=(-ix、ix、x、-x)=(α4312)

  σ3=(1→4→2→3→1)=(1423)

すなわちσ3は(1423)の置換作用素となっています。τに関しても

  • τ(x、-x、ix、-ix)=(x、-x、-ix、ix)=(α1243) =(34)

すなわちτは34の互換のみの作用素です。

  • τσ(x、-x、ix、-ix)=τ(ix、-ix、-x、x) =(-ix、ix、-x、x)=(α4321)

  τ=(1→4→1、2→3→2)=(14)(23)

すなわちτσは14の互換と23の互換の作用素となっています。

  • τσ2(x、-x、ix、-ix)=τ(-x、x、-ix、ix)=(-x、x、ix、-ix)=(α2134)

  τσ2=(12) となっています。

  • τσ3(x、-x、ix、-ix)=τ(-ix、ix、x、-x)=(ix、-ix、x、-x)=(α3412)

  τσ3=(1→3→1、2→4→2)=(13)(24) となっています。

<まとめ>

多項式f(x)=x4-3の分解体とガロア群を求め、拡大体の系列と対応するガロア群の系列を7種類導出しました。f(x)の分解体はQ(4√3,i)であり、その上の有理数体を不変に保つQ自己同型写像全体は8次のD4群となることを、群の演算表を作成して示しました。D4の部分群には3つの4次の部分群と5つの2次の部分群がありました。部分群の作用で不変となる不変体を求めました。ガロア群に対応する不変体は拡大体の系列を構成することを示しました。

(1) D4⊃K4⊃S2⊃I ⇔ Q⊂Q(i)⊂Q(√3,i)⊂Q(4√3,i)

(2) D4⊃L4⊃S2⊃I  ⇔  Q⊂Q(√3)⊂Q(√3,i)⊂Q(4√3,i)

(3) D4⊃L4⊃T2⊃I  ⇔ Q⊂Q(√3)⊂Q(4√3)⊂Q(4√3,i)

(4) D4⊃L4⊃V2⊃I  ⇔ Q⊂Q(√3)⊂Q(4√3i)⊂Q(4√3,i)

(5) D4⊃M4⊃S2⊃I  ⇔ Q⊂Q(√3i)⊂Q(√3,i)⊂Q(4√3,i)

(6) D4⊃M4⊃U2⊃I  ⇔ Q⊂Q(√3i)⊂Q((1-i)-4√3)⊂Q(4√3,i)

(7) D4⊃M4⊃W2⊃I  ⇔ Q⊂Q(√3i)⊂Q((1+i)-4√3)⊂Q(4√3,i)

ガロア理論5

これまで多項式f(x) =x2-2とf(x)=x4-4x2+16を例にとり、解を有理数体Qに加えて体を拡大し、拡大した体の上のQ同型写像と拡大体上の群を導く方法を説明しました。今回、ガロアの基本定理について述べ、Q多項式f(x)=x3-2を例にとり、f(x)の分解体Q(3√2,ω)とガロア群S3を求め、その中間体Q(ω)と部分群A3がガロア対応していることを説明します。分かりやすい例を用いて、ガロアの基本定理を理解しましょう。

<ガロアの基本定理>

ガロアの基本定理とは、G=Gal(L/Q)の部分群Hの個数とガロア拡大体L⊃K⊃Qなる中間体Kの個数は一致し、両者の間に全単射

  • Φ:{H|{e}⊂H⊂G、Hは群} ⇔ {K|L⊃K⊃Q、Kは体}

が存在する。また#(G)=[L:Q]が成り立つ、というものです。例えば

  • {e}⊂H3⊂H2⊂H1⊂G  ⇔ L⊃K3⊃K2⊃K1⊃Q

のように群Hiが体Kiに対応します。具体的には、Φ(Hi)=Kiなる対応

  • Φ(H)={x|x∊L、∀σ∊H、σ(x)=x}=(群Hで動かない体Lの元の集合)=LH
  • Φ-1(K)={σ|σ∊G、∀x∊K、σ(x)=x}=Kの元を動かさない群Gの元の集合=GK

を考えます。このような対応をガロア対応と言います。また

  • HがGの正規部分群 ⇔ KはQのガロア拡大体
  • Gal(K/Q)=G/H(剰余群)

が成り立っています。Qの拡大体K上のガロア群Gal(K/Q)は、Gの正規部分群HによるGの剰余群G/Hになっています。

  • Gal(K1/Q)=G/H1Gal(K2/K1)=H1/ H2Gal(K3/K2)=H2/ H3

が成り立っています。

  • Φ({e})={x|x∊L、e (x)=x}=L
  • Φ(G)={x|x∊L、∀σ∊G、σ(x)=x}=Q

が成り立ちます。正規部分群が単位群まで縮小したときに、最大の拡大体Lとなります。また最大群Gは拡大前の有理数体Qです。

Ex.2  Q多項式f(x)=x3-2を例に、f(x)の分解体とガロア群を求めてみましょう。

f(x)を因数分解すると

  • f(x)=x3-2=(x-3√2)( x-3√2ω)( x-3√2ω2)、ω2+ω+1=0、ω3=1

となります。3つの解を、α13√2、α23√2ω、α33√2ω2、とします。

f(x)の分解体はQ(3√2,ω)となります。a1a2、・・・a6 ∊Q(有理数)を用いて

  • Q(3√2,ω)={a1+a23√2+a33√4+a4ω+a53√2ω+a63√4ω|ai∊Q}

と書けます。というのは、

  • (3√2)23√4、(3√2)3=2、ω2=-ω-1

なので、独立な基底は{1. 3√2, 3√4, ω, 3√2ω, 3√4ω}の6個になるからです。つまり

  • [Q(3√2,ω):Q]=6

体の拡大次数は6となります。

  • ω=3√2ω/3√2=­α21=­α12α2/2、3√2ω=α2
  • 3√4ω=3√23√2ω=α1α23√4=α12

ですから、

  • Q(3√2,ω)={a1+a2α1+a3α12+a4α12α2/2+a5α2+a6α1α2|ai∊Q}=Q(α12)

と書くこともできます。Q(3√2,ω)上のQを不変にする自己同型写像σを考えます。

  • 2=σ(2)=σ((3√2)3)=σ(3√2)3 → σ(3√2)=3√2、3√2ω、3√2ω2
  • 0=σ(0)=σ(ω2+ω+1)=σ(ω)2+σ(ω)+1 → σ(ω)=ω、ω2

ですから、自己同型写像σは

  • σ0:(3√2,ω)→(3√2,ω)
  • σ1:(3√2,ω)→(3√2ω,ω)
  • σ2:(3√2,ω)→(3√2ω2,ω)
  • σ3:(3√2,ω)→(3√2,ω2)
  • σ4:(3√2,ω)→(3√2ω,ω2)
  • σ5:(3√2,ω)→(3√2ω22)

の6つとなります。σ0は恒等写像です。これらの写像を(α1、α2、α3)に作用させると

  • σ11)=σ1(3√2)=3√2ω=α2
  • σ12)=σ1(3√2ω)=σ1(3√2)σ1 (ω)=3√2ω・ω=α3
  • σ13)=σ1(3√2ω2)=σ1(3√2)σ12)=3√2ω・ω23√2=α1

よって、

  • σ11、α2、α3)=(α2、α3、α1)=(1→2→3→1)=(123)

なる解の置換を引き起こします。同様にして、

  • σ21)=σ2(3√2)=3√2ω2=α3
  • σ22)=σ2(3√2ω)=σ2(3√2)σ2 (ω)=3√2ω2・ω=α1
  • σ23)=σ2(3√2ω2)=σ2(3√2)σ22)=3√2ω2・ω23√2ω=α2

よって、

  • σ21、α2、α3)=(α3、α1、α2)=(3→2→1→3)=(321)

なる解の置換を引き起こします。同様にして、

  • σ31)=σ3(3√2)=3√2=α1
  • σ32)=σ3(3√2ω)=σ3(3√2)σ3(ω)=3√2・ω2=α3
  • σ33)=σ3(3√2ω2)=σ3(3√2)σ32)=3√2・ω43√2ω=α2

よって、

  • σ21、α2、α3)=(α1、α3、α2)=(2⇔3)=(23)
  • なる解α2とα3の互換を引き起こします。同様にして、σ4:(3√2,ω)→(3√2ω,ω2)
  • σ41)=σ4(3√2)=3√2ω=α2
  • σ42)=σ4(3√2ω)=σ4(3√2)σ4(ω)=3√2ω・ω2=α1
  • σ43)=σ4(3√2ω2)=σ4(3√2)σ42)=3√2ω・ω43√2ω2=α3

よって、

  • σ41、α2、α3)=(α2、α1、α3)=(1⇔2)=(12)

なる解α1とα2の互換を引き起こします。同様にして、σ5:(3√2,ω)→(3√2ω22)

  • σ51)=σ5(3√2)=3√2ω2=α3
  • σ52)=σ5(3√2ω)=σ5(3√2)σ5(ω)=3√2ω2・ω23√2ω=α2
  • σ53)=σ5(3√2ω2)=σ5(3√2)σ52)=3√2ω2・ω43√2=α1

よって、

  • σ51、α2、α3)=(α3、α2、α1)=(1⇔3)=(13)

なる解α1とα3の互換を引き起こします。以上をまとめると

  • G={e、σ1、σ2、σ3、σ4、σ5}={e、(123)、(321)、(23)、(12)、(13)}=S3

Q(3√2,ω)上のQを不変にする自己同型写像は合成写像を演算として3次の対称群S3をなすことが分かります。群Gの位数は6です。これは拡大体Q(3√2,ω)が6次元であることに対応しています。Gの部分群は、自明な{e}とS3を除くと、A3、B2、C2、D2の4つです。

  • A3={e、σ1、σ2}={e、(123)、(321)} ⇔ A3 はQ (ω)を不変にする群
  • B2={e、σ3}={e、(23) } ⇔ B2はQ(α1) を不変にする群
  • C2={e、σ4}={e、(12) } ⇔ C2はQ(α3) を不変にする群
  • D2={e、σ5}={e、(13) } ⇔ D2はQ(α2) を不変にする群

となります。A3は正規部分群ですが、B2は正規部分群ではありません。ガロア対応は

  • Φ(S3)=Q、Φ(A3)=Q(ω)、Φ({e})=Q(3√2,ω)

となっています。

σ4=(12)はα1とα2の互換を引き起こすので、Q(α3)を不変にします。実際

  • Q(3√2,ω)={a1+a2α1+a3α12+a4α12α2/2+a5α2+a6α1α2|ai∊Q}=Q(α12)
  • σ4(a1+a2α1+a3α12+a4α12α2/2+a5α2+a6α1α2)

=a1+a2α2+a3α22+a4α22α1/2+a5α1+a6α2α1

a2=a5a3=a4=0であればσ4の作用で不変になります。

σ4(x)=xの場合、x=a1+a21+α2)+a6α1α2

となります。解と係数の関係

  • α1+α2+α33√2(1+ω+ω2)=0 → α1+α2=-α3
  • α1α2α33√2・3√2ω・3√2ω2)­=2 → α1α2=2/α3

を代入すると、xはα3だけに依存することを示すことができます

  • x=a1+a21+α2)+a6α1α2=a1-a2α3+2a63 ∊ Q(α3)

つまり、{e,σ4}={e,(12)}はQ(α3)を不変にします。σ4=(12)はα1とα2の互換を引き起こすので、Q(α3)を不変にするのは明らかです。

次にA3 はQ (ω)を不変にすることを示します。

σ1=(123)、σ1:(3√2,ω)→(3√2ω,ω) 、ω2=-(1+ω)

に注意すると

σ1(a1+a23√2+a33√4+a4ω+a53√2ω+a63√4ω)

=a1+a23√2ω+a33√4ω2+a4ω+a53√2ω2+a63√4ω2ω

=a1+a4ω+a23√2ω+a63√4-a33√4(1+ω)-a53√2(1+ω)

=a1+a4ω-a53√2+(a6-a3)-3√4+(a2-a5)-3√2ω-a33√4ω

もとの元と係数を比較すると

  • a2=-a5、a5=a2-a5 → a2=a5=0
  • a3=a6-a3、a6=-a3 → a3=a6=0

よって

  • σ1(a1+a4ω)=a1+a4ω ∊ Q(ω)

が示されました。同様に、σ2:(3√2,ω)→(3√2ω2,ω)、ω2=-(1+ω)に注意すると

σ2(a1+a23√2+a33√4+a4ω+a53√2ω+a63√4ω)

=a1+a23√2ω2+a33√4ω4+a4ω+a53√2ω2ω+a63√4ω4ω

=a1+a23√2ω2+a33√4ω+a4ω+a53√2+a63√4ω2

=a1-a23√2(1+ω)+a33√4ω+a4ω+a53√2-a63√4(1+ω)

=a1 +(a5-a2)-3√2-a63√4+a4ω-a23√2ω+(a3-a6)-3√4ω

σ2 ( )内と係数を比較すると

・a2=a5-a2a5=-a2 → a2=a5=0

・a3=-a6a6=a3-a6 → a3=a6=0

よって

  • σ2(a1+a4ω)=a1+a4ω ∊ Q(ω)

が示されました。つまり、

A3={e、σ1、σ2}はQ(ω)を不変にする群である

ことが分かりました。以上をまとめます。

  • S3={e,σ12345} ⊃ A3={e,σ12} ⊃ {e}:ガロア群の縮小列
  • Q ⊂ Q(ω) ⊂ Q(3√2,ω) ;体のガロア拡大
  • Φ(S3)=Q、Φ(A3)=Q(ω)、Φ({e})=Q(3√2,ω):ガロア対応
  • [Q(ω):Q]=2、[Q(3√2,ω):Q(ω)]=3、体の拡大次元
  • [Q(3√2,ω):Q]=[Q(3√2,ω):Q(ω)]・[Q(ω):Q]=3・2=6
  • S3/ A3={I A3,J A3} 、A3/ {e}={e E,σ1E,σ2E }:2つの剰余群
  • #(S3)=#(S3/ A3)・#(A3/{e})=3・2=6 :剰余群の位数の積は対称群の位数に等しい

ガロア理論4

ここではガロア理論を理解するための基本事項について解説します。まず多項式x2-2の根√2を用いて有理数体QをQ(√2)に拡大し、Q(√2)上の同型写像が満たすべき条件について調べます。Q(√2)は基底{1、√2}を有する2次元の拡大体であり、Q(√2)上のQ同型写像は2次の巡回群{e、σ1}を成します。併せてQ(3√2)が体であることを確認する方法を示します。代数方程式の解による拡大体とその上の同型写像が作る群には密接な関係があり、拡大体の次元と群の位数は一致します。次に多項式分解体によるガロア拡大とその上の同型写像によるガロア群について説明し、簡単な例を示します。Q上の4次の規約多項式f(x)=x4-4x2+16の分解体Q(√3、i)を求め、Q(√3、i)が4次の拡大体であり、その上のQ同型写像からなるガロア群が4元の互換変換群であることを確認します。

<体の拡大とその上の同型写像について>

有理数の全体をQとします。Qに√2を添加した体を

  • Q(√2)={a+b√2|a,b∊Q}⊃Q

と書きます。Q(√2)は四則演算で

  • (a+b√2)+(c+d√2)=a+c+(b+d)√2 ∊ Q(√2)
  • (a+b√2)・(c+d√2)=ac-2bd+(ad+bc)√2 ∊ Q(√2)
  • 1/(a+b√2)=(a-b√2)/(a+b√2) (a-b√2)=(a-b√2)/(a2-2b2) ∊ Q(√2)

閉じているのでQの拡大体となっています。

√2の最小多項式はx2-2です。√2はx2-2=0の解なので、2次の代数的数と呼びます。a,b∊Qに対して、1a+b√2=0ならばa=b=0となるので、1と√2はQ(√2)の独立な基底となっています。つまりQ(√2)は2次元のベクトル空間と同型です。QからQ(√2)への拡大の次数を[Q(√2):Q]と表すと、[Q(√2):Q]=2となります。

拡大体Q(√2)上のQ自己同型写像σについて考えます。Q自己同型写像σは任意のQの元xを不変に保つQ(√2)からQ(√2)への全単射写像です。

  • σ:Q(√2) → Q(√2)、σ(x)=x for ∀x ∊ Q

また同型写像は和と積の演算を保存します。

  • σ(x+y)=σ(x)+σ(y)、σ(xy)=σ(x)σ(y)  for ∀x ∊ Q(√2)

従って

  • σ(1)=1、σ(0)=0、σ(n)=n、σ(-n)=-n、σ(q/p)=q/p

が成り立ちます。つまり有理数xに対して

  • σ(x)=x for ∀x ∊ Q

が成り立っています。以下にそれを示しましょう。例えば

  • σ(1)=σ(1・1)=σ(1)σ(1) → σ(1)(σ(1)-1)=0 → σ(1)=0またはσ(1)=1

もしσ(1)=0とすると、任意のx ∊ Q(√2)に対して、

  • σ(x)=σ(x・1)=σ(x)σ(1)=0 

となり、σが全単射写像であることに矛盾します。従って

  • σ(1)=1

となります。また

  • σ(0)=σ(0+0)=σ(0)+σ(0) → σ(0)=0

です。n=1+1+1+・・・+1(n個の1の和)を代入すると

  • σ(n)=σ(1+1+・・+1)=σ(1)+σ(1)+・・+σ(1)=1+1+・・+1=n

です。

  • 0=σ(0)=σ(n-n) =σ(n)+σ(-n) → σ(-n)=-n
  • q=σ(pq/p)=σ(p) σ(q/p)=pσ(q/p) → σ(q/p)=q/p

となっています。

それではQ上で同型を保つようにσの√2に対する作用を考えてみましょう。

  • 2=σ(2)=σ(√2・√2)=σ(√2)σ(√2) → σ(√2)=√2、-√2

となります。∀a,b∊ Qに対して

  • σ0(√2)=√2の場合、σ0(a+b√2)=σ0(a)+σ0(b)σ0(√2)=a+b√2

なので、σ0は恒等写像eです。

  • σ1(√2)=-√2の場合、σ1(a+b√2)=σ1(a)+σ1(b)σ1(√2)=a-b√2

となります。拡大体Q(√2)上のQ同型写像は{e、σ1}となります。

  • σ1σ1(√2)=σ1(-√2)=-(-√2)=√2=e (√2) → σ1σ1=e

となるので{e、σ1}は合成写像の二項演算に関して2次の巡回群をなします。

Q上の代数方程式x2-2=0の解√2を用いて有理数体QをQ(√2)に拡大しました。Q(√2)は基底{1、√2}を有する2次元の拡大体であり、Q(√2)上のQ同型写像は2次の巡回群{e、σ1}を成すことが分かりました。代数方程式の解による拡大体とその上の同型写像が作る群には密接な関係があり、拡大体の次元と群の位数は一致します。

次に有理数Qに三乗根3√2を添加した拡大体を考えます。

  • (3√2)23√4∉Q、(3√2)3=2∊Q

なので、3√4が3√2と同時に付加され、

  • Q(3√2)={a+b3√2+c3√4|a,b}⊃Q

となります。Q(3√2)は加減乗除について閉じているので体となります。

  • a+b3√2+c3√4+a’+b’3√2+c’3√4=(a+a’)+(b+b’)3√2+(c+c’)3√4 ∊ Q(3√2)
  • (a+b3√2+c3√4)(a’+b’3√2+c’3√4)=(aa’+2bc’ +2b’c)+(ab’+a’b+2cc’) 3√2+(ac’+a’c+2bb’) 3√4 ∊ Q(3√2)

Q(3√2)が割り算について閉じていることを示すのには少し計算が必要です。

  • 1/(a+b3√2+c3√4)=a’+b’3√2+c’3√4 ∊ Q(3√2)を示します。

  1/(a+b3√2+c3√4)=1/c・1/[3√4+(b/c)3√2+(a/c)]

α=3√2とおきます。改めてb/cをb、a/cをcとおいて

  • 1/(α2+bα+c)=αの2次式 ∊ Q(3√2)

になることを示せばよいことが分かります。

∃a1a2k、r ∊Q なる有理数が存在して

  • x3-2=(x-a1)(x2+bx+c)+k(x-a2)
  • (x2+bx+c)=(x-a2) (x-a3)+r

が成立します。よって、2式から(x-a3)を消去すると

  • (x2+bx+c)=(x-a2) [x3-2-(x-a1)(x2+bx+c)]/k+r
  • [1+(x-a2) (x-a1)/k] (x2+bx+c)=(x-a2)(x3-2)/k+r

となります。上式にαを代入すると、α3-2=0より、右辺はrのみになるので、

  • 1/(α2+bα+c)=[1+(α-a2) (α-a1)/k]/r=(1/rk)[α2-(a1+a2)α+ a1a2+k] ∊ Q(3√2)

が示されます。つまりQ(3√2)は割り算について閉じていることが分かります。

<多項式分解体とガロア群について>

数αを根とする最小次数のモニック多項式を最小多項式といいます。例えば√2の最小多項式はx2-2です。モニック多項式とはx2+2x+3の様に最大次数の項の係数が1である多項式のことです。

KがQの有限次数の拡大体とします。Kの任意の元αの最小多項式の全ての解がKの元であるとき、KをQのガロア拡大体あるいは正規拡大体K/Qと言います。

Q(有理数)係数のn次多項式f(x)の全ての根α123,…αnを加えた拡大体Q(α123,…αn)をf(x)の多項式分解体と言います。実は、ここでは証明しませんが、KがQ係数の多項式分解体であることはKがQの正規拡大体であることと同値になっています。

今KがQの正規拡大体とします。K上のQ自己同型な写像Aut(K)をKのガロア群といい、Gal(K/Q)と書きます。同じことですが、KがQ係数多項式f(x)の分解体のとき、Aut(K)をf(x)のガロア群といい、Gal(f)と書きます。任意のQの元xに対して、σ∊Gal(f)はσ(x)=xである自己同型写像なので、f(x)=0の解α123,…αnに関して

  • f(σ(αi))=σ(f(αi))=σ(0)=0 for i=1,2,…n

が成り立ちます。σ(α1),σ(α1)・・σ(αn)はf(x)=0の解になっています。つまり

  • σ(α1),σ(α1)・・σ(αn) ⇔ ασ(1)σ(2)σ(3) …,ασ(n)

と同一視すると、σで解を変換することは、解の順番を入れ替えることに相当します。

Ex1. Q多項式f(x)=x4-4x2+16を例に、f(x)の分解体とガロア群を求めてみましょう。

f(x)=x4-4x2+16はQ上ではこれ以上因数分解できない規約多項式です。f(x)の分解体とはf(x)=0の解をQに付け加えてできた拡張体のことでした。f(x)を因数分解すると

  • f(x)=x4-4x2+16=(x2+4)2-(2√3x)2=(x2+2√3x+4)( x2-2√3x+4)
  •   =(x-α1) (x-α2) (x-α3) (x-α4)
  • α1=√3+i、α2=√3-i、α3=-√3+i、α4=-√3-i

となります。解をQに付加すると

  • Q(√3+i、√3-i、-√3+i、-√3-i)=Q(√3,i)

すなわちf(x)の分解体はQ(√3,i)になります。

ちなみにQ(√3,i)=Q(√3+i)も成立します。

  • t=√3+iとおくと、t2=2+2√3i、t3=(2+2√3i)( √3+i)=8i

   → i= t3/8、√3=t-i=t-t3/8

より、√3とiは√3+iで表すことができるからです。

結局Q(√3,i)は4つの基底[1,i,√3,√3i]をもつ4次元ベクトル空間と同型でした。Q(√3,i)上の同型写像σは、Qの元は不変に保ち、iと√3は符号を変える変換を含みます。つまり

  • -1=σ(-1)=σ(ii)=σ(i)σ(i) → σ(i)=±i
  • 3=σ(3)=σ(√3√3)=σ(√3)σ(√3)  → σ(√3)=±√3

でした。よってQ(√3,i)の元

  • a+bi+c√3+d√3i ∊Q(3,i) for a,b,c,d∊Q

に対するQ同型写像σとして

  • σ1(a+bi+c√3+d√3i)=a+bi+c√3+d√3i:恒等写像e
  • σ2(a+bi+c√3+d√3i)=a-bi+c√3-d√3i:(i,√3)→(-i,+√3)
  • σ3(a+bi+c√3+d√3i)=a+bi-c√3-d√3i:(i,√3)→(+i,-√3)
  • σ4(a+bi+c√3+d√3i)=a-bi-c√3+d√3i:(i,√3)→(-i,-√3)

の4種類のQ同型写像が考えられます。今

  • σiσj=σjσi for i,j=1,2,3,4
  • σiσi=e、σ1σi=σi for i=1,2,3,4
  • σ1σ2=σ3、σ1σ3=σ2、σ2σ3=σ1

が成り立つので{e=σ1234}はクラインの4元群(Z/2Z×Z/2Z)になります。

具体的にσの解に対する作用を調べてみましょう。

  • σ21)=σ2(√3+i)=√3-i=α2
  • σ22)=σ2(√3-i)=√3+i=α1
  • σ23)=σ2(-√3+i)=-√3-i=α4
  • σ24)=σ2(-√3-i)=-√3+i=α3

つまり、σ2

  • σ21α2α3α4)=(α2α1α4α3)=(12)(34)

1と2、3と4の互換変換となります。同様に

  • σ31)=σ3(√3+i)=-√3+i=α3
  • σ32)=σ3(√3-i)=-√3-i=α4
  • σ33)=σ3(-√3+i)=√3+i=α1
  • σ34)=σ3(-√3-i)=√3-i=α2

つまり、

  • σ31α2α3α4)=(α3α4α1α2)=(13)(24)

1と3、2と4の互換変換となります。同様に

  • σ41)=σ4(√3+i)=-√3-i=α4
  • σ42)=σ4(√3-i)=-√3+i=α3
  • σ43)=σ4(-√3+i)=√3-i=α2
  • σ44)=σ4(-√3-i)=√3+i=α1

つまり、

  • σ41α2α3α4)=(α4α3α2α1)=(14)(23)

1と4、2と3の互換変換となります。

結局、f(x)=x4-4x2+16のガロア群Gは

  • G={e,σ234}={e,(12)(34),(13) (24),(14)(23)}

なる互換変換の群であることが分かりました。また

  • #G=4(群の個数) ⇔ [Q(√3、i):Q]=4(拡大次数)

が成り立っていることが確認できました。Q上の4次の規約多項式f(x)=x4-4x2+16の分解体Q(√3、i)を求め、Q(√3、i)が4次の拡大体であり、その上のQ同型写像からなるガロア群が4元の互換変換群であることを確認しました。

ガロア理論3

今日は5次以上の方程式は代数的に解けないことを示します。ガロア理論によれば、方程式が代数的に解けるということは、方程式のガロア群が可解群であるということでした。従ってn≧5のとき、Sn⊃An⊃N⊃・・・⊃Eなる正規群Nが存在するかを調べます。

対称群Snは(1,2,3、・・・n)の全ての解の置換の集合です。Anは偶置換群ですから、Sn⊃Anは常に成り立ちます。An⊃Nなる正規群Nが存在すると仮定して、Nはどんな性質をもっているかを調べます。正規群Nの共役元はNに属します。つまり任意の

  • t∊N、a∊Anに対して、ata-1∊N

でした。Nは群ですから、ata-1t-1∊Nも成り立ちます。ata-1t-1を交換子といいます。交代群Anに含まれる循環置換のタイプは以下の4種類です。

(1)4次以上の巡回置換を含む置換 

  t=(0123…)……

(2) 3次の巡回置換を含む置換 

  t=(012)(34…)…

(3) 3次の巡回置換

  t=(012)

(4)2つの互換を含む置換

  t=(01)(23)…

互換は奇置換なので2つないと偶置換になりません。Nはこの中のどれかの循環置換タイプだと考えられます。最も単純な循環置換a=(123)、(124)・・∊Anによって、t∊Nの交換子ata-1t-1∊Nがどのような循環タイプに属するかを調べます。

a=(124)=(1→2→4→1)、t=(01)=(0→1→0)の意味であることに注意して下さい。初期の順列01234…がata-1t-1の作用で変化する様子を調べます。

[1] t=(012)(34…)…∊N、a=(124) ∊Anのとき

                   01234…(初期順列)

 a=(1→2→4)              02431…(aの作用後の順列)

 t=(0→1→2)(3→4→p…)… 10p42…(tの作用後の順列)

 a-1=(1←2←4)        40p21…(a-1の作用後の順列)

   t-1=(0←1←2)(3←4←p…)…  32410…(t-1の作用後の順列)

ata-1t-1によって、初期の順列が01234…から32410…に変化したので、

  • ata-1t-1=(0→3→1→2→4)=(03124) :5次の巡回置換

と書けます。Nに3次の巡回置換を含む置換が含まれている場合、必ずNに5次の巡回置換が含まれていることが分かりました。これは4次以上の巡回置換を含む置換に含まれます。それでは4次以上の巡回置換は交換子でどのように変換されるでしょうか?

[2] t=(0123…)…∊N、a=(123) ∊Anのとき

                   01234…(初期順列)

   a=(1→2→3)               02314…(aの作用後の順列)

 t=(0→1→2→3→4→p…)…    1342p…(tの作用後の順列)

 a-1=(1←2←3)          3241p…(a-1の作用後の順列)

   t-1=(0←1←2←3←4←p…)…    21304…(t-1の作用後の順列)

よって、

  • ata-1t-1=(0→2→3→0→2)=(023) :3次の巡回置換

Nに4次以上の巡回置換を含む置換が含まれている場合、Nには必ず3次の巡回置換が含まれることが分かりました。3次の巡回置換は交換子でどのように変換されるでしょうか?

[3] t=(012)∊N、a=(123) ∊Anのとき

               01234…(初期順列)

    a=(1→2→3)          02314…(aの作用後の順列)

 t=(0→1→2)     10324…(tの作用後の順列)

 a-1=(1←2←3)     30214…(a-1の作用後の順列)

   t-1=(0←1←2)       32104…(t-1の作用後の順列)

よって、

  • ata-1t-1=(0→3→0)(1→2→1)=(03)(12) :2つの独立な互換の積

Nに3次の巡回置換が含まれている場合、Nには必ず2つの独立な互換の積があることが分かりました。それでは独立な互換の積は交換子でどのように変換されるでしょうか?

[4] t=(01)(23)∊N、a=(123) ∊Anのとき

                0123…(初期順列)

    a=(1→2→3)           0231…(aの作用後の順列)

 t=(0→1)(2→3)…    1320…(tの作用後の順列)

 a-1=(1←2←3)      3210…(a-1の作用後の順列)

   t-1=(0←1)(2←3)…   2301…(t-1の作用後の順列)

よって、

  • ata-1t-1=(0→2→0)(1→3→1)=(02)(13) :2つの独立な互換の積

Nに独立な互換の積が含まれている場合、必ず2つの独立な互換の積がNに含まれることが分かりました。[1]~[4]の結果、Nには、少なくとも1つの独立な互換の積が含まれていることを示しています。

[5]任意の独立な互換積(jk)(mn)は正規群Nに含まれていることを示します。

Nに含まれている1つの独立な互換の積を(12)(34)とします。1234以外の数から任意の数jkmnを選び、偶置換aをつくります。

    a=(jkmn/1234/pqrs)=(j→1→p、k→2→q、m→3→r、n→4→s)∊An

 t=(12)(34)=(1→2→1)(3→4→3)∊N

  a-1=(pqrs/1234/jkmn)=(j←1←p、k←2←q、m←3←r、n←4←s)∊An

NはAnの正規部分群なのでata-1∊Nです。

                  1234jkmn…(初期順列)

   a=(jkmn/1234/pqrs)        pqrs1234…(aの作用後の順列)

 t=(1→2)(3→4)       pqrs2143…(tの作用後の順列)

 a-1=(pqrs/1234/jkmn)  1234kjnm…(a-1の作用後の順列)

よって

 ata-1=(1234jkmn/1234kjnm)=(jkmn/kjnm) =(jk)(mn)∊N

Nには少なくとも1つの独立な互換の積があるので、Nには任意の独立な互換の積が含まれることが示されました。

[6]独立でない互換の積もNに含まれることを示します。

独立でない互換の積として(12)(13)があります。これは1がどちらにも入っているので独立ではありません。これも偶置換なのでAnに含まれています。(12)(13)はNに含まれているでしょか? 5次以上の置換群には、123の3解以外にも2解があります。それを45として、置換(45)を考えます。正規群Nには任意の独立な互換が含まれているので

  • (12)(45)、 (45) (13)∊N → (12)(45)・(45)(13)=(12)(13)∊N

が成り立ちます。つまり正規群Nはすべての独立でない互換の積も含みます。交代群Anは全ての互換の積の集合ですから、結局n≧5のときAnの正規部分群Nは交代群An自身に他なりません。5次以上の交代群は正規の真部分群を含んでいないので、ガロア系列に分解できる可解群ではないことが示されました。ガロアが方程式の解という無限アナログの世界を解の群という有限デジタルの世界に引き戻したことで、高次方程式の解の公式を求める無駄な努力を省くことに成功しました。今日ガロアが編み出した群は様々な分野に応用されています。

ガロアは小学校に馴染めず、ずっとお母さんに勉強を教わっていました。15歳で数学と出会い、17歳で方程式論の論文を科学アカデミ-に提出しますが、コ-シ-に紛失され、再度書き改めた論文を受けたフ-リエが急逝してしまいます。受験に2度失敗して、街の名士であるお父さんが自殺して、絶望したガロアは革命運動に関わり、投獄されます。20歳の時に療養所で出会ったステファニ-という女性と出会いますが、他の男に決闘を申し込まれて、負傷したまま見捨てられ死んでしまいます。ガロアは自分の成果を称賛されたことは一度もありませんでした。天才はどんな境遇でも成果を残しますが、その生涯は本当に可哀そうです。

ガロア理論2

4次方程式を題材にしてガロア理論を紹介します。

<フェラ-リの4次方程式の解法>

4次方程式は、平行移動で3次の項を消去できるので、一般にp,q,r∊Q[有理数]を用いて

  • x4+px2+qx+r=0  ・・・(A1)

と書き表せます。両辺に2kx2+k2を付け加え、4次の項を平方完成させると

  • x4+2kx2+k2=(2k-p)x2-qx
  • (x2+k) 2=(2k-p)(x-q/2(2k-p))2+k2-r-q2/ 4(2k-p)
  • (x2+k) 2=(2k-p)(x-q/2(2k-p))2+D(k)/4(2k-p)

となります。ここで判別式を

  • D(k)=(k2-r) (2k-p) -q2=2k3-pk2-2rk+pr=0  ・・・(A1)

としました。この3次方程式を解いて、解kを代入すると

・(x2+k) 2=(2k-p)(x-q/2(2k-p))2

を得ます。ここで

  • m=√(2k-p)、n=-q/[2√(2k-p)] 

とおくと上式は

  • (x2+k) 2-(mx+n) 2=0
  • (x2+mx+k+n) (x2-mx+k-n) =0

より

  • x2+mx+k+n=0
  • x2-mx+k-n=0

と書けます。この2次方程式の判別式は、それぞれ

 D1=m2-4k-4n

 D2=m2-4k+4n

です。2つの2次方程式を解くと、結局4次方程式(A1)の解は

  • x1=[-m+√(m2-4k-4n)]/2=[-m+√D1]/2
  • x2=[+m-√(m2-4k+4n)]/2=[+m-√D2]/2
  • x3=[-m-√(m2-4k-4n)]/2=[-m-√D1]/2
  • x4=[+m+√(m2-4k+4n)]/2=[+m+√D2]/2

となります。ここで、k=k(p,r)は3次方程式

  • 2k3-pk2-2rk+pr=0  ・・・(A2)

の解であり、

 k-p/6=u(p,r)+v(p,r)、ωu +ω2v 、ω2u+ωv

m、nは

  • m=√(2k(p,r)-p)、n=-q/[2√(2k(p,r)-p)]、

であります。

<4次方程式のガロア群>

3次方程式の解をu3,v3とすると、3次方程式の場合と同様に、有理数に1の三乗根を付加した固定体Qωを

  • Qω⊂Qω[u]⊂Qω[u, u3]

と拡大することで3次方程式の解が得られます。さらに2つの判別式の項を加えて

  • Qω⊂Qω[u3]⊂Qω[u, u3] ⊂Qω[u, u3, √D1]⊂Qω[u, u3, √D1, √D2]

と拡大することで、4つの4次方程式の解が得られます。Qω[u, u3, √D1, √D2]は固定体Qωのガロア拡大体です。5つの拡大体列に対応する5つのガロア群の縮小正規列は

・S4(対称群)⊃A4(交代群)⊃ B4⊃ C2 ⊃ E={I}

となります。A4はQω[u3]のガロア群、B4はQω[u,u3]のガロア群、C2はQω[u, u3, √D1] のガロア群です。それぞれの体と群の対応をガロア対応といいます。

n次方程式の解が四則演算と冪乗根で表せるガロア拡大体の数であるためには、ガロア拡大体に対応するガロア群の縮小列があって、全ての剰余群が巡回群でなければなりません。4次方程式の場合には上のようなガロア対応が成り立っており、全ての剰余群が巡回群なので、代数的に解くことができます。ガロア群の縮小列が形成できなければ、代数的に解くことはできません。

<4次方程式のガロア群の生成元>

解の入れ替えに関する写像は以下のI,J,K,L,Mの5通りです。J,K,L,Mは4次方程式のガロア群を生成する元です。

I:恒等写像                  :(1234/1234)

J:u → v → u              :(1234/2134)=(12)

K:u+v →ωu +ω2v →ω2u+ωv:(1234/2314)=(123)

L:(x1, x2, x3, x4)→(x4, x3, x2, x1) :(1234/4321)=(14)(23) ;(n,m)→(-n,-m) →(n,m)

M:(x1, x2, x3, x4)→(x3, x4, x1, x2) :(1234/3412)=(13)(24) : √ → -√ → √

  • x1=[-m+√(m2-4k-4n)]/2=[-m+√D1]/2
  • x2=[+m-√(m2-4k+4n)]/2=[+m-√D2]/2
  • x3=[-m-√(m2-4k-4n)]/2=[-m-√D1]/2
  • x4=[+m+√(m2-4k+4n)]/2=[+m+√D2]/2

4次方程式の4つの解の入れ替え写像は、2つの解の入れ替え写像の合成演算により、対称群S4をなします。4元の入れ替えは4!=24通りあります。まずはL、Mの演算について調べてみましょう。

LM=(1234/4321) (1234/3412)=(1234/4321)(4312/2143) =(1234/2143)=(12)(34)

つまり、LMは1⇔2、3⇔4の交換を行います。(x1, x2, x3, x4)の2組の互換は、M、L、LMの3つしかありません。

ML=(1234/3412) (1234/4321)=(1234/3412) (3412/2143)=(1234/2143)=(12)(34)=ML

MM=(1234/3412) (1234/3412)= (1234/3412) (3412/1234)=(1234/1234)=I

LL= (1234/4321) (1234/4321)=(1234/4321) (4321/1234)=(1234/1234)=I

なので

  • B4={I、M、L、LM}

は群をなします。ML=LMなので、B4は可換群です。B4はJ,Kとは可換なので、S3の正規部分群になっています。またB4の全ての元は遇置換です。B4はQω[u, u3]のガロア群です。Qω[u, u3]によってkの値が固定されても、(x1, x2, x3, x4)は影響を受けません。B4の部分群について調べてみましょう。

  • E={I}⊂ C2={I、M}⊂B4

C2はS3の正規部分群になっています。

LL=Iなので、剰余類B4/ C2は巡回群です。√D1の最小多項式の次数は2です。

  • B4/ C2={I C2、L C2

MM=Iなので、剰余類C2/Eは巡回群です。√D2の最小多項式の次数は2です。

  • C2/E={EI、EM]}

対称群S4は、4!=24個の元からなり、

  • S4=JA4∪I A4
  • A4={I、K、K2}・{I、M、L、LM}={I、K、K2}・B4
  • B4={I、L}・{I、M}={I、L}・C2

の様に分解できます。A4は12個の元からなる交代群(遇置換群)です。JA4は群ではありません。

A4={I、M、L、LM、、KI、KM、KL、KLM、、K2I、K2M、K2L、K2LM}

JA4={J、JM、JL、JLM、、JKI、JKM、JKL、JKLM、、JK2I、JK2M、JK2L、JK2LM}

剰余類S4/ A4は巡回群になっています。

  • S4/ A4={I A4、JA4

剰余類の要素の数を位数といいます。S4/ A4の位数は2です。剰余類の位数は、対応する代数体に加えた数の最小多項式の次数と一致します。補助方程式を解くためにu3(=√)をQωに加えたのですが、u3の最小多項式は2次なので、位数2と一致しています。

剰余類A4/ B4は、K B4=B4 Kなので、巡回群になっています。

  • A4/ B4={I B4、K B4、K2 B4

A4はQω[u,u3]のガロア群です。u3、v3からu、vを出すためにuを加えました。Uの最小多項式は3次なので、剰余類A4/ B4の位数3に対応しています。

以上、4次方程式を解いて、そのガロア群について調べてみました。4次方程式の解の入れ替えに関して縮小するガロア群の列が形成でき、その剰余類が一つの元から生成せれる巡回群だったので、4次方程式の場合はガロア拡大体に解を見出すことができることが確かめられました。

ガロア理論1

エバリスト・ガロアはフランスの天才数学者です。20歳の死の直前に書かれた1832年の書簡で、5次以上の方程式は代数的に解くことができないことを群論を用いて示しました。ガロアの理論は難解ですぐには理解されませんでしたが、後世の数学に大きな影響を与えました。ガロア理論とはどのようなものなのでしょうか?

<3次の対称群S3

ガロア理論では代数方程式の解を並び替える写像を考えます。三次方程式の3つの解を(123)とすると、(123)を並び替える写像は3!=6個あります。2つの並び替えを連続して行った結果は1つの並び替えになるので、その合成写像は群の演算となります。(123)の6つの並び替え写像を要素とする集合は3次の対称群S3になります。

ここでは1→2、2→3、3→1に並び替える巡回写像Kを(123/231)と表記します。同様に1→2、2→1、3→3に並び替える互換写像Jを(123/213)と定義します。恒等写像はI=(123/123)です。すなわち

・ I=(123/123)、K=(123/231)=(231)、J=(123/213)=(12)

この表示法を用いると、合成写像は

KJ=(123/231)(123/213)=(123/231)(231/132)=(123/132)=(23)

と計算できます。ここで(123/213)=(231/132)と書き換えました。つまりこの合成写像の演算は(123)→(231)→(132)の並び替えであり、結局2と3の入れ替えになります。一方

  • JK=(123/213)(123/231)=(123/213)( 213/321)=(123/321)=(13)

となります。JK≠KJ、つまりJとKは可換ではありません。

もっと簡略化した表記では、K=(231)、J=(12)と書きます。これは(231)が(2→3→1→2)なる並び替え、(12)は1と2の交換を表しています。簡略表記では

  • KJ=(231)(12)=(23)

と書けますが簡略表記で演算計算をしない方がいいでしょう。同様に他の演算は

  • K2= (123/231)(123/231)=(123/231) (231/312)=(123/312)=(312)
  • K3=(123/312) (123/231)=(123/312) (312/123)=(123/123)=I
  • JK2=(123/213)(123/312)=(123/213)( 213/132)=(123/132)=(23)

となります。つまり、JKは互換(13)、JK2は互換(23)となります。互換は奇数置換です。奇置換同士の合成演算は奇置換となるので閉じています。巡回KやK2は偶数置換です。遇置換も合成演算に関して閉じています。結局S3の部分群は

  • E={I}
  • C2={I、J}={I、(12)}
  • A3={I、K、K2}={I、(231)、(312)}

の3つです。A3は遇置換の部分集合で、交代群と呼ばれています。C2もA3も1つの元で作られる巡回群です。

<正規部分群>

群Gの部分群HがGの任意の元aに対して、

  •  aHa-1=H

が成り立つとき、部分群HをGの正規部分群と言います。これは集合として

  • {aha-1|h∊H}={ ah1a-1, ah2a-1,ah3a-1,・・・ ahna-1}={h1,h2,h3,・・・hn

等しいことを意味しているのであって、すべての元で

  • ahka-1=hk 

が成り立つわけではありません。実際I、K、K2∊A3⊂S3に対して

JIJ-1=I

JKJ-1=(123/213)(123/231) (123/213)=(123/321) (321/312) =( 123/312)=K2

JK2J-1=(123/213)(123/312) (123/213)=(123/132) (132/231) =( 123/231)=K

が成り立つので、A3はS3の正規部分群です。しかしJ∊C2に対して

  • KJK-1= (123/231) (123/213) (123/312)=(123/132) (132/321)=(123/321)=(13)∉C2

なので、C2はS3の正規部分群ではありません。

<剰余群S3/ A3

対称群S3={I、K、K2、J、JK、JK2}は、2つの集合

  • I A3={I、K、K2}(遇置換)、J A3={J、JK、JK2}(奇置換)

に分割できます。

  • S3 =I A3∪J A3、かつI A3∩J A3=空集合

A3は正規部分群なので、A3による剰余群

  • S3/ A3={I A3、J A3

が定義できます。剰余群の要素I A3、J A3を剰余類と呼びます。JA3は群ではありません。

・JK・JK=JKJ-1・K=K2K=I ∉JA3

任意のa,b∊S3に対して、A3b=b A3が成り立つので、

  • aA3・bA3=a・A3b・A3=a・b A3・A3=ab A3

より、正規部分群による商は群になります。実際

  • I A3・J A3=J A3、J A3・J A3=I A3

なので、剰余群S3/ A3は群になっています。JA3が生成元になって剰余群のすべての要素が作られるので、剰余群S3/ A3は巡回群になっています。

また同様に剰余群A3/E={IE、KE、K2E}も、KEが生成元になって剰余群のすべての要素が作られるので、巡回群になっています。実は剰余群がn次の巡回群であることは、n次方程式が

  • zn=1
  • zk=cos(2πk/n)+i・sin(2πk/n) k=0,1,2,・・・n-1

という形で解けることを意味しています。

3次方程式の解の対称群S3の正規部分群A3とEからなる全ての剰余群S3/ A3とA3/Eが巡回群なので、解を表現する代数体を拡大することで、3次方程式

  • x3+px+q=0

は代数的に解けることになります。

<三次方程式と巡回群>

前回、3次方程式には、x=u+vなる解があり、u3とv3が2次方程式

  • t2+qt-(p/3)3=0

の解になっていることから、

  • u3=-q/2+√D、v3=-q/2-√D
  • D=(q/2)2+(p/3)3

と表せることを示しました。有理数Qにω3=1の根ωを付け加えた代数体Qωを考えます。さらに√Dを付け加えた拡大体をとQω(u3)します。u3とv3を入れ替えることは、√Dの係数1を-1に入れ替えることに相当します。1と-1は1の2乗根であり、x2-1=(x-1)(x+1)=0の2解になっています。剰余群S3/ A3={I A3、J A3}は√Dの係数1を-1に巡回させる変換に対応付けられます。解を構成する代数体をQωからQω(u3)に拡大すると、解が受ける群はS3からA3に縮小されます。さらにuを付け加えると拡大体Qω(u,u3)が得られます。Qω(u,u3)上の3つの解は、

  • α=u+v、β=ωu+ω2v、γ=ω2u+ωv

です。前回示したように変換K

  • K(u)=ωu、K(v)=ω2v

を用いると、3つの解は

  • K(α)=β、K(β)=γ、K(γ)=α

と巡回変換されます。解を入れ替えることは、u、vの係数を1、ω、ω2と変化させることに対応します。これらは1の3乗根であり、x3-1=(x-1)(x-ω)(x-ω2)=0の3解になっています。剰余群A3/E={IE、KE、K2E}は、3つの解を巡回させる変換Kが作る巡回群に対応付けられます。解を構成する代数体をQω(u3)からQω(u,u3)に拡大すると、解が受ける群はA3からEに縮小します。方程式を代数的に解く工程は、解の受ける対称群を巡回群に分解することに相当します。対称群を巡回群に分解できなければ、方程式を代数的に解くことはできません。

 エバリスト・ガロアは、一般の5次方程式では、解の遇置換である交代群A5に正規部分群が存在しないので、巡回群が形成できず、代数体の拡大によって、5次方程式を代数的に解くことができないことを示しました。

剰余類の最も身近な例は偶数と奇数です。整数Zは遇数と奇数に分けられます。偶数と奇数は、整数Zの正規部分群であり、

  • Z=2Z∪(2Z+1)、2Z∩(2Z+1) =空集合

ですから、剰余群Z/2Zの剰余類です。

  • Z/2Z={2Z、2Z+1}

と表せます。

代数学の基本定理について

<代数学の基本定理とは>

1799年にフリ-ドリヒ・ガウスは学位論文の中でn次の複素多項式

  • F(z)=zn+an-1 zn-1 + an-2 zn-2+・・・+a1z+a0=0

は、n個の複素解を持つことを証明しました。これは代数学の基本定理と呼ばれています。この定理の証明には実解析的な証明あるいはリウヴィルの定理やルーシェの定理(1862年)を用いた複素関数論的な証明があります。

リウヴィルの定理によると全複素平面において有界かつ解析的な複素関数は定数でなければなりません。任意の z ∈C に対し、F(z)≠0 とすると、G(z) = 1/F(z) は有界な整関数となり、リウヴィルの定理により、F(z) は定数関数となり、仮定に矛盾します。だからF(z)=0となるz∈Cが存在するというものです。

ルーシェの定理によると複素関数f(z)とg(z)が領域Dの境界で|f(z)|>|g(z)|であるなら、D内でf(z)+g(z)とf(z)の零点の個数は一致しなければなりません。ここで

  • f(z)=zn
  • g(z)=an-1 zn-1 + an-2 zn-2+・・・+a1z+a0

とすると、半径Rの円領域Dの境界では、|f(z)|>|g(z)|となり、ルーシェの定理により、D内でのF(z)=f(z)+g(z)=0の零点の個数は、zn=0の零点の個数nに一致します。複素関数論的な証明は簡潔ですが、複素関数論に馴染みがないと、代数学の基本定理を納得するのは容易ではありません。

ガウスはどのように代数学の基本定理を証明したのでしょうか? 今回、n次方程式の実部と虚部を描画して解となる交点の個数を調べてみました。Re(F(x,y))=0とIm(F(x,y))=0のグラフがn個の交点をもつことから、n次の代数方程式F(z)=0にn個の複素数解が存在することが直感的に分かりました。

<ガウスの証明方法>

  • F(z)=zn+an-1 zn-1 + an-2 zn-2+・・・+a1z+a0=0

に対して

  • z=r(cos(nφ)+i・sin(nφ))、r>0
  • an-1=A(cosα+i・sinα)、A>0
  • an-2=B(cosβ+i・sinβ、B>0
  • a0=L(cosλ+i・sinλ)、L>0

とおいて代入すると、実部と虚部は

Re(F(z))=rn cos(nφ)+A rn-1 cos[(n-1)φ+α]+ B rn-2 cos[(n-2)φ+β]+・・+Lcosλ

Im(F(z))=rn sin(nφ)+A rn-1 sin[(n-1)φ+α]+ B rn-2 sin[(n-2)φ+β]+・・+Lsinλ

となります。

[補題] このとき十分大きなRを取ると、

  • rn-√2(A rn-1+B rn-2+・・+L)>0 for r>R

が成り立つ。

[証明] rnで割ると

  • 1-√2・(A/r+B/r2+・・・+L/ rn)>0
  • 1-√2・M(1/r+1/r2+・・・+1/ rn)>0 、M=max{A,B,・・・L}

を示せばよいことになります。今、半径R=1+√2・Mとおくと、r>Rより

  • r>1+√2・M → r-1>√2・M → 1-√2・M/(r-1)>0
  • 1/r+1/r2+・・・+1/ rn < (1/r)/(1-1/r)=1/(r-1)
  • 1-√2・M(1/r+1/r2+・・・+1/ rn)>1-√2・M/(r-1)>0

が示されます。

[1] Re(F(z))=0の線は、複素平面の半径r>R=1+√2・max{A,B,・・・L}の円を2n個の円弧に分割し、Re(F(z))は円弧上で交互に正負の値を取る。

[証明1]

半径r>Rの円上に偏角φ=2π/4nで4n個の点P0、P1、・・P2k-1、P2、P2k+1・・P4n-1を取ります。最初の点P0の偏角はπ/4nとし、P1(3π/4n)、P2(5π/4n)とします。(πは円周率パイのこと)

P2の偏角φ2k=π/4n+2π/4n・2k=(kπ+π/4)/nであるから、Re(F(z))の第一項の cos(nφ)の値は、cos(nφ)=cos(kπ+π/4)=cos(kπ) cos(π/4)=(-1)k/√2 となります。

同様にP2k+1の偏角φ2k+1=π/4n+2π/4n・(2k+1)=(kπ+3π/4)/nであるから、cos(nφ)=cos(kπ+3π/4)=cos(kπ) cos(3π/4)=-(-1)k/√2 となります。点P2と点P2k+1では、rn cos(nφ)の符号が異なります。補題より

  • rn/√2> A rn-1+B rn-2+・・+L

kが偶数のとき

Re(F(z=P2))>rn cos(nφ2)-(A rn-1+B rn-2+・・+L)>rn/√2-rn/√2=0

Re(F(z=P2k+1))<rn cos(nφ2k+1)+(A rn-1+B rn-2+・・+L)<-rn・/√2+rn/√2=0

kが奇数の時

Re(F(z=P2))<rn cos(nφ2)+A rn-1+B rn-2+・・+L<-rn/√2+rn/√2=0

Re(F(z=P2k+1))>rn cos(nφ2k+1)-(A rn-1+B rn-2+・・+L)>rn/√2-rn/√2=0

つまり、半径r>Rの円の2n個の円弧上でRe(F(z))は交互に正負の値をとります。

[2] Im(F(z))=0の線は、複素平面の半径r>R=1+√2・max{A,B,・・・L}の円を2n個の円弧に分割し、Im(F(z))は円弧上で交互に正負の値を取る。

[証明2]

P2の偏角φ2k=π/4n+2π/4n・2k=(kπ+π/4)/nだから、Im(F(z))の第一項の sin(nφ2k)の値は、sin(nφ2k)=sin(kπ+π/4)=cos(kπ) sin(π/4)=(-1)k/√2  となります。

同様にP2k-1の偏角φ2k-1=π/4n+2π/4n・(2k-1)=(kπ-π/4)/nだから、sin(nφ2k-1)=sin(kπ-π/4)=-cos(kπ) sin(π/4)=-(-1)k/√2       となります。点P2と点P2k-1では、rn sin(nφ)の符号が異なります。補題より

  • rn/√2> A rn-1+B rn-2+・・+L

kが偶数の時

Im(F(z=P2))>rn sin(nφ2)-(A rn-1+B rn-2+・・+L)>rn/√2-rn/√2=0

Im(F(z=P2k-1))<rn sin(nφ2k-1)+A rn-1+B rn-2+・・+L<-rn/√2+rn/√2=0

kが奇数の時

Im(F(z=P2))<rn sin(nφ2)+A rn-1+B rn-2+・・+L <-rn/√2+rn/√2=0

Im(F(z=P2k-1))>rn sin(nφ2k-1)-(A rn-1+B rn-2+・・+L)>rn/√2-rn/√2=0

つまり、半径r>Rの円の2n個の円弧上でIm(F(z))は交互に正負の値をとります。

[3]  Re(F(z))は円弧上で交互に正負の値を取るため、中間値の定理より、Re(F(z))=0の線は、複素平面の半径r>Rの円と2n個の点で交差します。Im(F(z))は円弧上で交互に正負の値を取るため、中間値の定理より、Im(F(z))=0の線は、複素平面の半径r>Rの円と2n個の点で交差します。円の内部に入り込んだRe(F(z))=0の線とIm(F(z))=0の線はn個の交点zk (k=1,2,…,n) をもちます。n個の交点zkではF(zk)=Re(F(zk))+i・Im(F(zk))=0となるので、zk (k=1,2,…,n)はn次方程式の解になっています。

[3]の証明は難しいので、いくつかn次方程式の例を用いて、Re(F(z))=0の線とIm(F(z))=0の線がn個の交点zk (k=1,2,…,n) をもつことを確かめることにしましょう。

<10次の方程式の例>

  • F(z)=z10+z9+ z8+ z7+ z6+z5+ z4+ z3+ z2+z=0

について考えます。この方程式はz=0,-1なる実解を持ちます。

  • F(z)=z(z9+ z8+ z7+ z6+z5+ z4+ z3+ z2+z+1)=0
  • z10-1=(z-1)( z9+ z8+ z7+ z6+z5+ z4+ z3+ z2+z+1)=0
  • z0=0、zk=cos(kπ/5)+i・sin(kπ/5) (k=1,2,3,4,5,6,7,8,9)、z5=-1

他の8個の解はr=1の円上にある偏角kπ/5(k=1,2,3,4,6,7,8,9)の複素解です。

図1に複素平面上にRe(F(z))=0の黒線とIm(F(z))=0の赤線を示します。緑色の放射状の領域はRe(F(z))>0の領域で、青緑色の領域はRe(F(z))<0の領域を示しています。黄緑色の放射状の領域はIm(F(z))>0の領域で、緑色の領域はIm(F(z))<0の領域を示しています。これらの2つのグラフを重ね合わせます。

図2にr=3(>1+√2・1)の円を4n=40分割した図を示します。Re(F(z=P2k))>0、Re(F(z=P2k+1))<0となっており、P2kとP2k+1の間にRe(F(z2k))=0となる点があり、Re(F(z))=0の線はz2kを通過しています。同様にIm(F(z=P2k))<0、Im(F(z=P2k-1))>0となっており、P2kとP2k-1の間にRe(F(z2k-1))=0となる点があり、Re(F(z))=0の線はz2k-1を通過しています。Re(F(z))=0の線とIm(F(z))=0の線は円の内部で10個の交点zk (k=1,2,…,10) をもつことが確かめられます。

<5次方程式の例1>

  • F(z)=z5+ z3+z=z(z4+ z2+1)=0

を考えます。z=0を解に持ちます。

  • z6-1=(z2-1)( z4+ z2+1)=0

が成り立つので、

z4+ z2+1=0 の解は、z6-1=0の6個の解の内z=1,-1を除いた4個の解です。

 zk=cos(kπ/3)+i・sin(kπ/3) (k=1,2,4,5)

  =(1+√3i)/2、(-1+√3i)/2、(-1-√3i)/2、(1-√3i)/2

図3で赤線はIm(F(x,y))=0の線、黒線はRe(F(x,y))=0の線を表しています。赤線と黒線の交点がF(x,y)=0の解となります。Re(F(x,y))≅rncos(nφ)、Im(F(x,y)) ≅rnsin(nφ)なので、位相がπ/2回転しています。

<5次方程式の例2>

  • F(z)=z5+ z3+2z2+1=0

を考えます。5次方程式なので実数解を持ちます。図4に5つの解の位置を示します。赤線と黒線の交点がF(x,y)=0の解となります。2次の係数が2なので、解はr=1の円上に並んでいません。5次方程式にはRe(F(x,y)) とIm(F(x,y))が正となる領域が5つ放射状に広がっています。Re(F(x,y))の正領域とIm(F(x,y))の正領域がπ/2回転してずれているので、Re(F(x,y))=0の黒線とIm(F(x,y))=0の赤線が5つの交点を持ちます。

Re(F(x,y))=0とIm(F(x,y))=0のグラフがn個の交点をもつことから、n次の代数方程式F(z)=0にn個の複素数解が存在することが直感的に分かります。