承認欲求の否定は日本人には向いていないと思いませんか?

【質問】承認欲求を否定するのがアドラー心理学の基本ですが、 例えば、アドラー心理学を啓蒙している小説家が芥川賞とかの賞を取った場合も、喜ばないのですか? 他人からの評価が仕事のアイドルとか芸能人には、アドラー心理学は、向かないのですか? 承認欲求の否定って、日本人には向いて無いと思いませんか? 今までさんざんぱら、褒めて伸ばすって啓蒙されてきて、いきなり、このメソッドがきたら、どうすりゃいいの?ってなりませんか?

【回答】アドラー心理学の基本は、「承認欲求の否定」ではなく、「共同体への貢献」です。小説家が芥川賞を取った場合には、「日本文学の発展に貢献できて嬉しく思います」といって喜びます。アドラー心理学はどんな人にも適用できます。芸能人に限らず仕事はお客の評価が重要です。お客に貢献する人は高い評価が得られます。つまり共同体に貢献すると、他者から承認されます。

褒められることを目的に勉強する子供は、褒める人がいなくなると、勉強しなくなります。世の中の問題解決に貢献することを目的に勉強する子供は、自立して勉強を続けます。私たちが必要とする人は、人の役に立つ人であって、人に褒められたい人ではありません。褒められることを目的に勉強している子供に「君は将来どんな仕事に就いて人の役に立ちたいと思っていますか?」と質問すると、答えることができません。承認欲求があることが問題なのではなく、共同体への貢献意識がないことが問題なのです。アドラー心理学の育児法では、褒めて育てるのではなく、子どもたちの共同体への貢献に「ありがとう」と言って、感謝して育てます。人類がこの地球上で共存していくには、論理的にそうでなければならないのです。

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