[10][Ⅶ] 素数定理 Lim [x→∞] π(x) logx/x=1 の証明

[Ⅶ] 素数定理 Lim [x→∞] π(x) logx/x=1 の証明

(1)Lim[x→∞]π(x)log(x)/x≧1 を示します。

チェビシェフのシータ関数には

  • θ(x)=Σ[px] log(p)≦{Σ[px]1} log(x)=π(x) logx

なる性質があります。x>0について、[Ⅵ]より

  • π(x) logx/x ≧ θ(x)/x →1 as x→∞

よって、Lim[x→∞]π(x)log(x)/x≧1 となります。

(2)Lim[x→∞] π(x) log(x)/x≦1 を示します。

任意のε>0に対して、十分大きいxをとれば、ε・log(x)を大きくとることができるから、

 log(x)-ε・log(x)≦log(p)≦log(x) → 0<x1-ε≦p≦x 

なる素数pが存在します。

θ(x)=Σ[px] log(p) ≧ Σ[x1-ε<p≦x] log(p) ≧Σ[x1-ε<p≦x] log(x1-ε)

  =(1-ε)log(x)・Σ[x1-ε<p≦x]1=(1-ε)log(x)・(π(x)-π(x1-ε))

よって、

   θ(x) ≧(1-ε)log(x)・(π(x)-π(x1-ε))

   θ(x)/x (1-ε) ≧π(x) log(x)/x-π(x1-ε) log(x)/x

すなわち

  π(x) log(x)/x ≦ 1/(1-ε)・θ(x)/x+π(x1-ε) log(x)/x

                     ≦1/(1-ε)・θ(x)/x+x1-ε・log(x)/x

となる。ここで

    x1-ε・log(x)/x=log(x)/xε=1/ε・log(xε)/xε

より、任意のε>0に対して

  π(x) log(x)/x≦1/(1-ε)・θ(x)/x+1/ε・log(xε)/xε → 1/(1-ε) as x→∞

が成り立つ。極限をとると

    Lim[x→∞] π(x) log(x)/x≦1

となる。

(3)(1)と(2)から、素数定理

  Lim[x→∞] π(x) log(x)/x=1

が証明されました。

 

[定理A] Newmanの解析定理

t≧0で有界かつ可積分な関数f(t)に対して、

g(z)=∫[0,∞] f(t)exp[-zt] dt Re(z)>0

がRe(z)≧0で正則であれば、

 g(0)=∫[0,∞] f(t) dt

が存在する。つまり正則関数

 gT(z)=∫[0,T] f(t)exp[-zt] dt

に対して、

lim[T→∞]gT(0)=g(0)

が存在する。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。