2022.5.22投稿
狭山の智光山公園で2日間のバラフェスタが開催されました。昭和の名曲の数々が歌われました。薔薇園の後ろの芝生の広場では蚤の市が開かれていました。私は50円でネクタイピンを買いました。ネコの里親探しもやっていました。
2022.5.22投稿
狭山の智光山公園で2日間のバラフェスタが開催されました。昭和の名曲の数々が歌われました。薔薇園の後ろの芝生の広場では蚤の市が開かれていました。私は50円でネクタイピンを買いました。ネコの里親探しもやっていました。
2022.4.30投稿
GW2日目は晴天で涼しい農業日和。昼から息子と一緒に川越の市民菜園に行って、トマト棚の設置と葉野菜の間引きとピーマンの行灯がけをしました。トマトは、芽かきをして、透明シートで囲い温室にしました。
2022.5.20投稿
テレビ東京の「探求の階段」の番組で、野菜の固定種を育成販売している野口勲さんが、雄しべを作らない野菜が支配的になることに警鐘を鳴らしています。野口さんは若い頃、火の鳥の編集を担当していたそうです。生命と環境の存続という人生テーマはいまでも変わっていないそうです。流通優先で野菜の形だけに拘っていると、繁殖能力のある在来固定種を失う危険性があります。
2022.3.19投稿
鴨田ふれあい農園の25番で野菜作りをすることになりました。酸度計のPHは6.5〜6.8でした。苦土石灰の散布は見合わせました。牛フン堆肥80Lを気持ちだけ入れて浅く耕しました。市の担当者からもらった農園規程によると雑草の草丈が30cm以上になると退会処分になるようです。区画境界から20cm以内に種を撒いてもいけません。向こうの区画のおじさんは石灰を撒きまくっていました。そんなに撒いたらほうれん草しか育たなくなる。
https://www.facebook.com/photo/?fbid=1640738446312401&set=pcb.1640738589645720
ウクライナ情勢が気になりますね。ソ連解体から30年経ち、ロシア社会は大きく変わっています。街頭インタビューで、ロシア革命は必要なかったなどと意見を自由に言える時代になっています。ロシアは日本文化の影響を大きく受けています。インターネットやケーブルTVのせいで、コスプレ、マンガ、盆踊り、相撲、日本食などがロシア人に人気があります。日本の野菜も好評です。極寒のハバロフスクでは日露合弁会社が大規模な温室野菜栽培をしています。モスクワでは2日間で9.3万人もの人々が盆踊りに参加しました。ロシア解体時に多くの技術者が海外流出したせいで、IT関連技術産業に遅れが見られます。人材育成によりエネルギー資源依存からの脱却が模索されています。東西の経済格差を是正するために流通などのインフラ整備も課題です。日本の45都市がロシアと姉妹都市を提携しています。
https://www.facebook.com/photo/?fbid=1607394029646843&set=pcb.1607394249646821
感染率が少ない状況では、感染検査(偽陽性率20%)をしても陽性者の99.95%は感染していない偽陽性者です。偽陽性率2%の優れた検査法を用いても、陽性者の99.5%は感染していない偽陽性者であることが分かります。ベイズの定理を使って証明してみましょう。
[問題]人口1億人の国で1万人がある感染症に罹っています。この感染症の罹患(りかん)率は0.01%です。今、偽陽性率が20%、偽陰性率が2%の感染試験法があります。Xを罹患あり、X(―)を罹患なしの確率変数とします。Yを陽性の確率変数、Y(―)を陰性の確率変数とします。
|
陽性(Y) |
陰性(Y(―)) |
罹患有(X) |
98% |
2%(偽陰性) |
罹患無(X(―)) |
20%(偽陽性) |
80% |
1)陽性確率P(Y)はいくつですか?
2)陽性者が罹患者である確率P(X|Y)はいくつですか?
・偽陽性率とは罹患していない人を罹患している(陽性)と判定する確率です。
・偽陰性率とは罹患している人を罹患していない(陰性)と判定する確率です。
この感染症の罹患(りかん)率は0.01%ですから、
・P(X)=0.0001、P(X(―))=0.9999
罹患者かつ陽性者である確率をP(X,Y)と表します。P(X,Y)=P(Y,X)=P(X∩Y)
罹患者が陽性者である確率をP(Y|X)と表します。
|
陽性(Y) |
陰性(Y(―)) |
罹患有(X) |
P(Y|X) |
P(Y(―)|X) |
罹患無(X(―)) |
P(Y|X(―)) |
P(Y(―)|X(―)) |
罹患者かつ陽性者である確率P(X,Y)は、罹患者である確率P(X)と罹患者が陽性者である確率P(Y|X)の積で表されます。乗法定理
・P(Y,X)=P(Y|X) P(X) =P(X|Y) P(Y)
が成り立ちます。これを変形し
・P(Y|X)=P(Y,X)/P(X)=P(X|Y) P(Y) /P(X)
と表したものをベイズの定理と呼びます。加法定理は
・P(Y)=P(Y,X+X(―))=P(Y,X)+P(Y,X(―))
です。陽性者は陽性判定された罹患者と陽性判定された非罹患者からなります。
乗法定理より、陽性者である確率P(Y)は
・P(Y)=P(Y|X) P(X)+P(Y|X(―)) P(X(―))=0.98・0.0001+0.20・0.9999=0.200096
と表され、ほぼ20%です。陽性者が罹患者である確率P(X|Y)は
・P(X|Y)=P(Y|X) P(X)/P(Y)=0.98・0.0001/0.200096≒0.0005
つまり0.05%です。つまり罹患率0.01%の感染症が、感染試験によって5倍の確率で感染症を見つけることができるようになったことが分かります。逆に言えば感染率が少ない状況では感染試験をしても陽性者の99.95%は感染していない偽陽性者であることが分かります。
[コメント]
罹患Xが原因、陽性Yが結果だと考えると、P(Y|X)は原因が生じた下での結果が起こる順確率を表しています。つまり罹患者が陽性者である確率98%を表しています。一方でP(X|Y)は結果が起こった下での原因が生じた逆確率を表しています。つまり陽性者が罹患者である確率0.05%を表しています。
ベイズの定理:
・P(X|Y)=[P(Y|X)/P(Y)]×P(X)
は逆確率を順確率で表現する方法を与えています。事後確率P(X|Y)は事前確率P(X)の[P(Y|X)/P(Y)]倍になります。
偽陽性の確率が2%のときは、陽性者が少なくなり
・P(Y)=P(Y|X) P(X)+P(Y|X(―)) P(X(―))=0.98・0.0001+0.02・0.9999≒0.02
・P(X|Y)=P(Y|X) P(X)/P(Y)=0.98・0.0001/0.02≒0.005=0.5%
つまり罹患率0.01%の感染症が、感染試験によって50倍の確率で感染症を見つけることができるようになったことが分かります。しかし陽性者の99.5%は感染していない偽陽性者であることが分かります。
1111
<マンゴルトの明示公式>
前回チェビシェブ関数の積分表示
Ψ*(x)=-1/2πi・∫[c-i∞、c+i∞] ζ'(s)/ζ(s)・xs/s ds
を求めました。今回は積分を実行し、マンゴルトの明示公式を導出します。
fx(s)=ζ'(s)/ζ(s)・xs/s
とおくと
Ψ*(x)=-1/2πi・∫[c-i∞、c+i∞] fx(s)ds=-1/2πi・∫C1 fx(s)ds
となります。この複素積分を閉曲線C(c,T,R)
C(c,T,R)=C1[c-Ti、c+Ti]+C2[c+Ti、-R+Ti]+C3[-R+Ti、-R -Ti]+C4[-R-Ti、c-Ti]
に拡張すると、
lim[R,T→∞]∫C2 fx(s)ds=lim[R,T→∞]∫C3 fx(s)ds=lim[R,T→∞]∫C4 fx(s)ds=0
となるので、
Ψ*(x)=-1/2πi・∫[c-i∞、c+i∞] fx(s)ds
=-1/2πi・lim[R,T→∞]∫C(c,T,R)fx(s)ds
となります。閉曲線内に含まれるfx(s)の極の留数を計算すれば、Ψ*(x)を求めることができます。
<マンゴルトの明示公式>
チェビシェフの素数pの階段関数
Ψ*(x)=Σ[n≦x]Λ(n)=Σ[pm≦x] log(p)
に関して
Ψ*(x)=x-1/2・log(1-x-2)-log 2π-Σ’ρ∊Z0 xρ/ρ
がなりたつ。ここでZ0={s|ζ(s)=0なる非自明な零点}である。マンゴルトの明示公式は、素数の分布を表す階段関数Ψ*(x)がゼ-タ関数の非自明な零点の和を含むxの解析関数によって書かれているという不思議な公式です。
閉曲線内の
fx(s)=ζ'(s)/ζ(s)・xs/s
の零点は、ρ=1、-2n、0、ρiの4種類あります。
まずζ'(s)/ζ(s)の留数を考えます。
ζ(s)~1/(s-1)+・・
ζ'(s)~-1/(s-1)2+・・
ζ'(s)/ζ(s)~-1/(s-1)+・・
なので、極をρとすると、位数Ord(ζ,ρ)について
Res(ζ’/ζ,ρ)=Ord(ζ,ρ)
が成り立ちます。偏角の原理より、留数は
Res(ζ'(s)/ζ(s)・xs/s,ρ)=Ord(ζ,ρ) xρ/ρ
となります。
1)s=1の留数
Ord(ζ,1)=-1となります。
Res(ζ'(s)/ζ(s)・xs/s,ρ=1)=Ord(ζ,1) x1/1=-x
2)s=-2nの留数
Res(ζ'(s)/ζ(s)・xs/s,ρ=-2n)=Ord(ζ,1) x-2n/(-2n)
R→∞でN→∞となるので
-lim[N→∞]Σn=1~N x-2n/(-2n)=1/2・log(1-x-2)
3)s=0の留数
Res(ζ'(s)/ζ(s)・xs/s,ρ=0)=ζ'(0)/ζ(0)=log(2π)
ζ(0)=-1/2、ζ’(0)=-1/2・log(2π)
4)sの非自明な零点ρiの留数
Res(ζ'(s)/ζ(s)・xs/s,ρ=ρi)=Ord(ζ,ρi) xρi /ρi
T→∞でN→∞となるので
lim[N→∞]Σi=1~N Ord(ζ,ρi) xρi /ρi=Σ’ρ∊Z0 xρ /ρ
Σ’ρ∊Z0は非自明な零点ρでの位数がmの場合m回和をとると言う意味です。
以上から、マンゴルトの明示公式
Ψ*(x)=-1/2πi・∫[c-i∞、c+i∞] fx(s)ds
=-1/2πi・lim[R,T→∞]∫C(c,T,R)fx(s)ds
=-1/2πi・2πi・(-x+1/2・log(1-x-2)+log 2π+Σ’ρ∊Z0 xρ /ρ)
=x-1/2・log(1-x-2)-log 2π-Σ’ρ∊Z0 xρ /ρ
が成り立ちます。
偏角原理とは、z=z0でm位の特異点をもちそれ以外で正則な関数f(z)に関して
Res(f’/f,z0)=Ord(f,z0)=m
が成り立つ定理です。f(z)は、z=z0で特異点をもたない正則関数g(z)を用いて
f(z)=(z-z0)m・g(z)
と書けます。このとき、
f'(z) /f(z)=[m(z-z0)m-1・g(z)+(z-z0)m・g'(z)]/ (z-z0)m・g(z)
=m/(z-z0)+g'(z)/ g(z)
なので、f'(z) /f(z)はz=z0で1位の極を持つことがわかり
Res(f’/f,z0) =m=Ord(f,z0)
が成り立ちます。
<マンゴルト関数Λ(n)とチェビシェフ関数Ψ(x)>
自然数nに対して、マンゴルト関数Λ(n)を
Λ(n)=log(p) if n=pm, otherwise 0
と定義します。ここでpは素数です。具体的には
Λ(1)=0、Λ(2)=log2、Λ(3)=log3、Λ(4)=Λ(22)=log2、Λ(5)=log5、
Λ(6)=Λ(2・3)=0、Λ(7)=log7、Λ(8)=Λ(23)=log2、Λ(9)=Λ(32)=log3、
Λ(10)=Λ(2・5)=0、Λ(11)=log11、Λ(12)=Λ(2・2・3)=0、・・・
です。単一の素数のべき乗でのみΛ値がゼロではありません。
実数xに対して、チェビシェフ関数Ψ(x)を
Ψ(x)=Σ[n≦x]Λ(n)=Σ[pm≦x] log(p)
と定義します。ここでpは素数です。Σ[p^m≦x]は、x以下の素数pの冪乗となっている素数pで和をとることを意味します。Ψ(x)は階段関数です。
x=5とすると
Ψ(5)=Λ(1)+Λ(2)+Λ(3)+Λ(4)+Λ(5)=0+log2+log3+log2+log5
となります。Ψ(x)のステップアップする点で、ステップアップ部分の中点をとる関数をΨ*(x)と書きます。
Ψ*(5)=log2+log3+log2+1/2・log5
となります。Ψ*(x)では最後の項が1/2倍になります。x=9の場合は
Ψ(9)=Λ(1)+Λ(2)+Λ(3)+Λ(4)+Λ(5)+Λ(6)+Λ(7)+Λ(8)+Λ(9)
=0+log2+log3+log2+log5+0+log7+log2+log3
Ψ*(9)=log2+log3+log2+log5+log7+log2+1/2・log3
となります。xが素数のべき乗でない場合は、両関数は等しくなります。例えば
Ψ(1000)=Ψ(997)=Ψ*(1000)
に注意して下さい。
ゼ-タ関数ζ(s)
・ζ(s)=Σn=1~∞ 1/ns=Πp∊P [1-1/ps]-1
に関して、
ζ'(s)/ζ(s)=-Σn=1~∞ Λ(n)/ns
となることを示します。
ζ'(s)/ζ(s)=(logζ(s))’=-(Σp∊P log [1-1/ps])’
です。ここで、テーラ-展開
log(1-x)=-Σn=1~∞ (xn/n)
を用いると、
log [1-1/ps]=-Σn=1~∞ (p-ns/n)
なので、sで微分すると
ζ'(s)/ζ(s)=(logζ(s))’=Σp∊PΣn=1~∞ (p-ns/n)’
となります。ここで
(p-ns/n)’= (e-nslog p/n)’=-nlog p・p-ns/n=-log p・p-ns
に注意すると、
-ζ'(s)/ζ(s)=Σp∊PΣn=1~∞log p・p-ns
=Σp∊P (log p/ps+log p/p2s+log p/p3s+log p/p4s+・・・)
=log 2/2s+log 3/3s+log 5/5s+log 7/7s+・・・
+log 2/22s +log 3/32s+log 5/52s+log 7/72s+・・・
+log 2/23s+log 3/33s+log 5/53s+log 7/73s+・・・
+log 2/24s+log 3/34s+log 5/54s+log 7/74s+・・・
=log 2/2s+log 3/3s+log 2/4s+log 5/5s+log 7/7s+log 2/8s
+log 3/9s+log 11/11s+log 13/13s +log 2/16s+・・・
=Σn=1~∞ Λ(n)/ns
が得られました。一般に
D(s)=Σn=1~∞ an/ns
なる級数をディリクレ級数(Series)といいます。同じ数列anに対する階段関数を
S(x)=Σ*n≦x an
とします。ここでΣ*はステップアップ部分は中点をとることを意味します。D(s)とS(x)はペロンの公式で結び付けられています。
<ペロンの公式>
D(s)=Σn=1~∞ an/nsがRe(s)>1で絶対収束するとき、c>1に対して、
S(x)=1/2πi・∫[c-i∞、c+i∞] D(s)xs/s ds
が成り立つ。これを示します。
Re(s)>0において、
s∫[n,∞] x-s-1dx=s[x-s /(-s)] [n,∞]=1/ns
が成り立ちます。するとディリクレ級数D(s)はRe(s)>1で絶対収束しており、
D(s)=Σn=1~∞ an/ns=sΣn=1~∞∫[n,∞] an x-s-1dx
=s(∫[1,∞] a1 x-s-1dx+∫[2,∞] a2 x-s-1dx+∫[3,∞] a3 x-s-1dx+・・・)
=s(∫[1,2] a1 x-s-1dx+∫[2,3] (a1+a2) x-s-1dx+∫[3,4] (a1+a2+a3) x-s-1dx+・・・)
=s・∫[0,∞] S(x)x-s-1dx
となります。
ここで関数f(x)に対するメリン変換Mf(s)を
Mf(s)=∫[0,∞] f(x)xs-1dx
と定義します。すると
D(s)/s=MS(-s)
と表せます。逆メリン変換M-1[・]
M-1[Mf(s)] (x)=1/2πi・∫[c-i∞、c+i∞] Mf(s)x-s ds=f(x)
を用いると、f(x)をS(x)に置き換えて
S(x)=1/2πi・∫[c-i∞、c+i∞] MS(s)・x-s ds
=1/2πi・∫[c-i∞、c+i∞] MS(-s)・xs ds
=1/2πi・∫[c-i∞、c+i∞] D(s)/s・xs ds
が得られました。結局
-ζ'(s)/ζ(s)=Σn=1~∞ Λ(n)/ns=D(s)
an=Λ(n)のときのディリクレ級数D(s)になります。
Λ(n)に対する階段関数はΨ*(x)でした。
S(x)=Σ*n≦x an=Σ*n≦xΛ(n)=Ψ*(x)
よって、ペロンの公式より、c>1に対して
Ψ*(x)=-1/2πi・∫[c-i∞、c+i∞] ζ'(s)/ζ(s)・xs/s ds
が成り立ちます。 次回はこの複素積分を実行し、マンゴルトの明示公式を導出します。
複素平面全体で正則な関数を整関数といいます。R>0に対して、整関数f(x)の最大値を
M(R)=max [|z|≦R]|f(z)|
位数pを
p=lim sup [R→∞] loglog M(R) / logR
とします。すなわちpは
max [|z|≦R]|f(z)|≦exp(Rp+ε)
が成り立つpの内で最小のものです。
<アダマ-ルの積定理>
整関数f(x)の位数pが有限とする。Z=0をm0位の零点とする。他の零点をa1、a2、a3、・・・とし、その位数をm1、m2、m 3、・・・とする。このときp次以下の多項式g(z)が存在して、
f(z)=zm0 eg(z) Πn=[1~∞] E(z/an,p)mn
と表せる。ここで
E(z,0)=1-z、
E(z,1)=(1-z) exp(z)
E(z,p)=(1-z) exp(z+z2/2+z3/3+・・・+zp/p) p>1
である。
例えば、整関数f(z)=sin(πz)の場合、位数p=1、すなわち
max [|z|≦R]|sin(πz)|≦exp(R1+ε)
eiπz=eiπ(-iR)=eπR より、
|sin(πz)|=1/2・|eiπz+e-iπz|<1/2・|eπR+e-πR|<eπ・eR
です。sin(πz)=0 なるzは整数全体で、z→nで
sin(πz)/ (z-n)=(-1)n・sin(π(z-n)) / (z-n) → (-1)n
なので、全て1位の零点を有します。n∊Zに対して
an=n、m0=1、mn=1、g(z)=az+b
です。n≠0で
sin(πz)=z1・exp(az+b)・Π’n=[-∞~∞] E(z/n,1)1 (n≠0)
E(z,1)=(1-z) exp(z)
だから、
sin(πz)=z・exp(az+b)・Π’n=[-∞~∞] (1-z/n) exp(z/n)
=z・exp(az+b)・Πn=[1~∞] (1+z/n) exp(-z/n) (1-z/n) exp(z/n)
=z・exp(az+b)・Πn=[1~∞] (1-z2/n2)
対数微分をとれば
π・cos(πz)/ sin(πz)=1/z+a+Σn=[1~∞] 2z/ (z2-n2)
となります。すべて奇関数なので、a=0となります。C=ebと置くと
sin(πz)=Cz・Πn=[1~∞] (1-z2/n2)
C=lim[z→0] π・sin(πz)/πz/Πn=[1~∞] (1-z2/n2)=π
よって
sin(πz)=πz・Πn=[1~∞] (1-z2/n2)
が得られます。確かにz=0、±nのときに零点になっています。
上式を展開すると
sin(πz)=πz-1/6・(πz)3+1/5!・(πz)5+・・・
=πz・(1-Σn=[1~∞] z2/n2+Σn>m≧1 z4/n2 m2+・・・)
z3の係数を較べて、
-π3/6=-πΣn=[1~∞] /n2=-πζ(2)
ζ(2) =π2/6
が得られます。同様にz5の係数を較べて、
π5/120=πΣn>m≧1 z4/n2 m2
ζ(2) 2=[Σn=[1~∞] 1 /n2]・[Σm=[1~∞]1 /m2]
=Σm=[1~∞] 1 /n4+2Σn>m≧1 z4/n2 m2
(π2/6) 2=ζ(4)+2・π4/120
ζ(4)=π4/36-π4/60=π4 (5/180-3/180)=π4/90
が得られます。
<ガンマ関数の積表示>
ガンマ関数1/Γ(z)は整関数で、0以下の整数が位数1の零点でした。アダマ-ルの積定理より、
1/Γ(z)=zeaz+bΠn=[1~∞] (1+z/n) exp(-z/n)
よって
1/zΓ(z)=1/Γ(z+1)=eaz+bΠn=[1~∞] (1+z/n) exp(-z/n)
ここでz=0とおくと
1=1/Γ(0+1)=ea0+bΠn=[1~∞] (1+0/n) exp(-0/n)=eb
よって
1/Γ(z)=zeazΠn=[1~∞] (1+z/n) exp(-z/n)
ここでz=1とおくと
1/Γ(1)=1eaΠn=[1~∞] (1+1/n) exp(-1/n)
対数をとって
0=a+Σn=[1~∞][ log(1+1/n)-1/n]
aの値は
a=limN→∞Σn=[1~N][ 1/n-log(n+1)-logn)]
=limN→∞ Σn=[1~N](1/n)-log(N+1)
=limN→∞ Σn=[1~N](1/n)-logN+log(N/ (N+1))
=limN→∞ Σn=[1~N](1/n)-logN
=γ
となります。γはオイラ-の定数と呼ばれる値で、γ=0.57721・・・です。従って
1/Γ(z)=zeγzΠn=[1~∞] (1+z/n) exp(-z/n)
1/Γ(-z)=-ze-γzΠn=[1~∞] (1-z/n) exp(+z/n)
です。Γ(1-z)=-zΓ(-z)より
1/Γ(z)Γ(1-z)
=-1/zΓ(z)Γ(-z)
=1/z・zeγzΠn=[1~∞] (1+z/n) exp(-z/n)・ze-γzΠn=[1~∞] (1-z/n) exp(+z/n)
=zΠn=[1~∞] (1+z/n) (1-z/n)
=zΠn=[1~∞] (1-z2/n2)
=sin(πz)/π
となり、相反定理が得られます。
<ゼ-タ関数の関数等式とテータ関数の関係>
ゼ-タ関数の関数等式は
ξ(x)=π-s/2Γ(s/2)ζ(s)
とおくと
ξ(x)=ξ(1-x)
で表されます。テータ関数
θ(t)=Σn=[-∞、∞] e-πtn^2
の変換公式は
θ(t)=θ(1/t)/√t
でした。
Ψ(t)=Σn=[1、∞] e-πtn^2
とおくと、
θ(t)=1+2Ψ(t)
が成り立ちます。Γ関数の定義において、
Γ(s)=∫[0、∞] xs-1e-xdx (s>0)
x=πtn2と変数変換すると、dx=πn2dtとなり
Γ(s)=∫[0、∞] (πtn2)s-1e-πtn^2 πn2 dt
=πsn2s∫[0、∞] ts-1e-πtn^2 dt
なので
Γ(s/2)=πs/2ns∫[0、∞] ts/2-1e-πtn^2 dt
両辺をπs/2nsで割って
π-s/2・1/ns Γ(s/2)=∫[0、∞] ts/2-1e-πtn^2 dt
これを全ての自然数nについて加えれば
π-s/2・Γ(s/2) [Σn=[1、∞] 1/ns]=∫[0、∞] ts/2-1 [Σn=[1、∞] e-πtn^2]dt
π-s/2・Γ(s/2)ζ(s) =∫[0、∞] ts/2-1 Ψ(t) dt
を得ます。
右辺=∫[0、1] ts/2-1 Ψ(t) dt+∫[1、∞] ts/2-1 Ψ(t) dt
として、第一項で、t=1/uと変数変換すると、dt=-1/u2 duより
∫[0、1] ts/2-1 Ψ(t) dt=-∫[∞、1] (1/u)s/2-1 Ψ(1/u) 1/u2 du
=∫[1、∞] u-s/2-1 Ψ(1/u) du
ここで
1+2Ψ(u)=θ(u)=θ(1/u)/u1/2=[1+2Ψ(1/u)]/u1/2
となることから、
Ψ(1/u)=u1/2Ψ(u)+1/2・u1/2-1/2
を得ます。これを代入すると
∫[0、1] ts/2-1 Ψ(t) dt
=∫[1、∞] u-s/2-1 [u1/2Ψ(u)+1/2・u1/2-1/2]du
=∫[1、∞] u(1-s)/2-1 Ψ(u) du +1/2∫[1、∞] u(1-s)/2-1 du-1/2∫[1、∞] u-s/2-1du
=∫[1、∞] u(1-s)/2-1 Ψ(u) du +1/(s-1)-1/s
=∫[1、∞] u(1-s)/2-1 Ψ(u) du -1/s(1-s)
となります。なぜなら、s>0より
1/2∫[1、∞] u(1-s)/2-1 du=1/2・2/(1-s) [u(1-s)/2]u=1、∞=1/(s-1)
-1/2∫[1、∞] u-s/2-1du=-1/2・(-2/s)[u-s/2]u=1、∞=-1/s
よって
右辺=∫[0、1] ts/2-1 Ψ(t) dt+∫[1、∞] ts/2-1 Ψ(t) dt
=∫[1、∞] u(1-s)/2-1 Ψ(u) du -1/s(1-s)+∫[1、∞] ts/2-1 Ψ(t) dt
=∫[1、∞] [u(1-s)/2-1+us/2-1] Ψ(u) du -1/s(1-s)
となります。右辺は全ての実数sに対して積分が存在し、sを1-sに置き換えても、式が変わりません。
左辺:ξ(s)=π-s/2・Γ(s/2)ζ(s)
とすると、
ξ(s)+1/s(1-s)=∫[1、∞] [t(1-s)/2-1+ts/2-1] Ψ(t) dt
は全ての実数sで定義され、関数等式
ξ(s)=ξ(1-s)
が成り立ちます。
<ζ’(0)の計算>
ここでは
ζ’(0)=-1/2・log(2π)
を示します。
複素数sに対して、イ-タ関数
η(s)=1-1/2s+1/3s-1/4s+・・・
はRe(s)>0で収束し、この範囲で正則です。
イ-タ関数は
|η(s)|=|1-1/2s+1/3s-1/4s+・・|≦1+1/2s+1/3s+1/4s+・・=ζ(s)
よりRe(s)>1で収束することは明らかです。
イ-タ関数とゼ-タ関数には
η(s)=(1-21-s)ζ(s)
なる関係がありました。
Lim[s→1] η(s)=Lim[s→1] (1-21-s)/(s-1)・(s-1)ζ(s)
=Lim[t→0] (20-2-t)/t・Lim[s→1] (s-1)ζ(s)
=-Lim[t→0] (20-2-t)/(0-t)・1
=Lim[t→0] (-2-t)’
=log2
ここで
(-2-t)’= (-e-tlog2)’ = log2 (e-tlog2)=log2・2-t
を用いました。つまりs=1はη(s)の除去可能な特異点であり、η(s)はs=1で正則です。
ここでイ-タ関数の部分和
ηN(s)=Σn=1~N (-1)n-1/ns
を考えると
η2<η4<η6<・・<η2N<η2N+2<η2N+1<η2N-1<・・<η5<η3<η1
なので、Re(s)>0ならば
Lim[N→∞] (η2N-η2N-1)=-Lim[N→∞]1/(2N)S=0
だから
Lim[N→∞] η2N=Lim[N→∞]η2N-1=η(s)
となります。イ-タ関数η(s)はRe(s)>0で収束し、この範囲で正則です。
先ほどの関係式
η(s)=(1-21-s)ζ(s)
の両辺を微分すると
η’(s)=log2・21-sζ(s)+(1-21-s)ζ’(s)
となります。s=0を代入すると
η’(0)=log2・21-0ζ(0)+(1-21-0)
=log2・2・(-1/2)-ζ’(0)
=-log2-ζ’(0)
が得られます。η’(0)を求めるために、η(s)を変形すると
η(s)=1-1/2s+1/3s-1/4s+・・・
=1/2[1+1-1/2s-1/2s+1/3s+1/3s-1/4s-1/4s+・・・]
=1/2+1/2 [(1-1/2s)-(1/2s-1/3s)+(1/3s-1/4s)-(1/4s-1/5s)+・・・]
η(s)は全複素平面で正則なため、両辺を微分すると
η’(s)=1/2 [(0+log2/2s)-(-log2/2s+log 3/3s)+(-log 3/3s+log4/4s)-(-log4/4s+log5/5s)+・・・]
となります。この右辺はRe(s)>0の範囲で広義一様収束していることから、s→+0の極限をとると、
η’(0)=1/2 [log2-(-log2+log 3)+(-log 3+log4)-(-log4+log5)+・・・]
=1/2・log(2/1・2/3・4/3・4/5・・・)
=1/2・log(π/2)
となります。ここでウォリスの公式を用いました。従って
ζ’(0)=-η’(0) -log2
=-1/2・log(π/2) -1/2・log4
=-1/2・log(2π)
が得られます。
η(0)=(1-21-0)ζ(0)=-1(-1/2)=1/2
ですから、まとめると
ζ(0)=-1/2、ζ’(0)=-1/2・log(2π)
η(0)=+1/2、η’(0)=+1/2・log(π/2)
が成り立ちます。
<ガンマ関数の解析接続>
Γ関数は
Γ(s)=∫[0、∞] ts-1e-tdt
で定義されています。sを複素数に拡張した場合に、区間[0、∞]での積分は収束するか調べて見ましょう。
s=x+iyとして、0<x0<x1なる任意の実数を用いて、0<x0<x<x1とすれば、
Γ(s)=∫[0、1] ts-1e-tdt+∫[1、∞] ts-1e-tdt
|Γ(s)|≦ ∫[0、1] |ts-1|e-tdt + ∫[1、∞] |ts-1|e-tdt
であり、
(1/2)x<(1/2)x0 、2x<(2)x1
に注意すると、
∫[0、1] |ts-1|e-tdt=∫[0、1] t x-1e-tdt≦∫[0、1] t x0-1e-tdt≦∫[0、∞] t x0-1e-tdt=Γ(x0)
∫[1、∞] |ts-1|e-tdt=∫[1、∞] t x-1e-tdt≦∫[1、∞] t x1-1e-tdt≦∫[0、∞] t x1-1e-tdt=Γ(x1)
ですから、
|Γ(s)|≦Γ(x0)+Γ(x1)
が成り立ちます。従って0<x0<Re(s)<x1において、ε→0のとき
Γε(s)=∫[ε、1/ε] ts-1e-tdt → Γ(s)=∫[0、∞] ts-1e-tdt
となり、Γε(s)はΓ(s)に一様収束します。Γε(s)は有限区間での積分だから、sの正則関数です。
一様収束極限であるΓ(s)もx0<Re(s)<x1における正則関数です。x0、x1は任意だから、
Γ(s)はRe(s)>0におけるsの正則関数になっています。nを任意の自然数とすれば、
Γ(s)=Γ(s+n)/s(s+1) (s+2)・・ (s+n-2) (s+n-1)
が成り立ちます。Γ(s)はRe(s)+n>0における有理型関数で、s=0,-1,-2,・・・-n+1でを1位の極とする以外は、正則になっています。nは任意なので、Γ(s)は複素数全体で正則な有理型関数で、s=0,-1,-2,・・・で1位の極をもっています。Γ(1-s)は、s=0,1,2,・・・で1位の極をもっています。さらに整数でない実数sに対して
Γ(s)Γ(1-s)=π/sin(πs)
が成り立ちます。複素関数論の一致の定理より、整数でない複素数に関して、この等式は成り立っています。この等式から、ガンマ関するΓ(s)は零点を持たない有理型関数であることが分かります。よって1/Γ(s)は複素数全体で正則な関数になっています。
<リ-マン関数等式からオイラ-関数等式の導出>
関数等式には、非対称型のオイラ-による関数等式
ζ(1-s)=cos(sπ/2) Γ(s)ζ(s)/2s-1πs ・・・・(1)
と対称型のリ-マンによる関数等式
π-s/2Γ(s/2)ζ(s)=π-(1-s)/2Γ((1-s)/2)ζ(1-s) ・・・・(2)
がありました。これまでオイラ-による関数等式からリ-マンによる関数等式を導出しました。今度は逆にリ-マンによる関数等式からオイラ-による関数等式を導出します。
(2)の両辺に(-s)Γ(-s/2)を掛けると、
π-s/2(-s)Γ(-s/2)Γ(s/2)ζ(s)=π-(1-s)/2(-s)Γ(-s/2)Γ((1-s)/2)ζ(1-s)
左辺の係数は
π-s/2 2(-s/2)Γ(-s/2)Γ(s/2)=2π-s/2Γ(1-s/2)Γ(s/2)=π-s/2 2π/ sin(πs/2)
となります。ここで、ガンマ関数の相反公式:Γ(s/2)Γ(1-s/2)=π/sin(πs/2)を用いました。ルジャンドルの2倍公式
Γ(2s)=22s-1/π1/2・Γ(s) Γ(s+1/2)
でs→-s/2に置き換えた
Γ(-s)2s+1π1/2=Γ(-s/2) Γ((1-s)/2)
を用いると、右辺の係数は
π-(1-s)/2 (-s)Γ(-s/2)Γ((1-s)/2)=π-(1-s)/2 (-s)Γ(-s) 2s+1π1/2
=2s+1πs/2Γ(1-s)
となります。従って、左辺=右辺は
π-s/22π/ sin(πs/2)ζ(s)=2s+1πs/2Γ(1-s)ζ(1-s)
となります。
ζ(s)=2sπs-1Γ(1-s)ζ(1-s) sin(πs/2) ・・・・(*)
が得られます。s→1-sに置き換えると
sin(π(1-s) /2)=sin(π/2)cos(-πs/2)=cos(πs/2)
より
ζ(1-s)=Γ(s)ζ(s) cos(πs/2)/2s-1πs ・・・・(1)
が得られます。
<ゼ-タ関数の自明な零点はs=-2k>
ζ(s)=2sπs-1Γ(1-s)ζ(1-s) sin(πs/2) ・・・・(*)
ζ(1-s)は1-s>1、すなわち、s<0で定義されています。
sin(πs/2)=0 → s=-2、-4、-6、・・-2k、・・・
なる負の偶数では
ζ(-2k)=0 for k=1、2、3・・・
が成り立ちます。これをζ(s) の自明な零点と言います。
また、この公式からζ(0)の値が得られます。
lim[s→1] (s-1)ζ(s)=1 → lim[s→0] ((1-s)-1)ζ(1-s)=1
に注意すると
ζ(0)=lim[s→0] 2sπs-1Γ(1-s)ζ(1-s) sin(πs/2)
=-1/2・Γ(1) lim[s→0] sin(πs/2)/(πs/2)・(1-s-1)ζ(1-s)
=-1/2
となります。
<ルジャンドルの2倍公式の証明>
Γ(2s)=22s-1/π1/2・Γ(s) Γ(s+1/2)
を証明する。
今、B(x,y)=Γ(x)Γ(y)/Γ(x+y) より
B(x,1/2)=Γ(x)Γ(1/2)/Γ(x+1/2)
B(x,x)=Γ(x)2 /Γ(2x)
が成り立つ。先ほど証明された式
B(x,1/2)=22x-1B(x,x)
に代入すると、
Γ(x)Γ(1/2)/Γ(x+1/2)=22x-1Γ(x)2 /Γ(2x)
を得る。Γ(1/2)=π1/2より
Γ(2x)=22x-1π-1/2Γ(x)Γ(x+1/2)
が成り立つことが示された。
Γ(n)=(n-1)! 、Γ(1/2)=π-1/2なので、x=4のとき
Γ(8)=22*4-1π-1/2Γ(4)Γ(4+1/2)=23Γ(4)・24Γ(4+1/2)π-1/2
24Γ(4+1/2)π-1/2=24・7/2 Γ(7/2)π-1/2=24・7/2・5/2・3/2・1/2 Γ(1/2)π-1/2
=7・5・3・1
23Γ(4)=23(3・2・1)=6・4・2
Γ(8)=7!=7・5・3・1・6・4・2
を表しています。
<ガンマ関数の相反公式>
Γ(x)Γ(1-x)=π/sin(πx)
を証明します。その前にこの公式の直感的な説明をします。
Γ(x)はx=0,-1,-2,・・・でのみ1位の極をもちます。Γ(1-x)はx=1,2,3,・・・でのみ1位の極をもちます。
f(x)=1/Γ(x)Γ(1-x)は全ての整数で1位の零点をもちます。xをx+1にすると
Γ(x+1)Γ(1-(x+1))=xΓ(x)Γ(-x)=-xΓ(x)Γ(1-x)
ので、f(x+2)=-f(x+1)=f(x) となり、f(x)は周期2の関数であることが分かります。x=1/2で最大値
f(1/2)=1/Γ(1/2)Γ(1-1/2)=1/π
をとります。よってf(x)=sin(πx)/πと予想できます。
証明に入ります。先ほどもとめたベータ関数の性質は
(4):B(x,1-x)=∫[0,∞] ux-1/(1+u) du
(5):B(x,1-x)=Γ(x)Γ(1-x)
ですから、
∫[0,∞] xa-1/(1+x) dx=π/sin(πa) 0<a<1
を示せばよいことが分かります。
D積分閉路を使って
f(z)=za-1/(1+z)
の複素積分を行います。D積分閉路は
D=C1+C2(ε)+C3+CR
からなります。
ε→0、R→∞で
∫C2(ε)f(z)dz→0、∫CR f(z)dz→0
となります。0<a<1より、-1<a-1<0、に注意すると
-ε+1≦εeiθ+1≦ε+1より、1/|(εeiθ+1)|≦1/(1-ε)
なので、z=εeiθ、dz=iεeiθdθ、0<a<1、より
|∫C2(ε)f(z)dz|≦∫[0、2π]|(εeiθ) a-1|/|εeiθ+1||iεeiθ|dθ
≦εεa-1/(1-ε) 2π=2πεa/(1-ε) → 0 as ε→0
同様に、-1<a-1<0、より
|∫CRf(z)dz|≦∫[0、2π]|(Reiθ) a-1|/|Reiθ+1||iReiθ|dθ
≦2πR・Ra-1/R=2πRa-1 → 0 as R→∞
となります。
z a-1はz=0で特異点を持ちますが、z=0は経路D内には含まれません。
D積分閉路内の極は、z=-1だけです。f(z)のz=-1での留数は
Res[f,-1]=lim[x→-1] (z+1) z a-1/(z+1)=(eiπ) a-1=eiπa e-iπ=-eiπa
∫D f(z)dz=2πi Res[f,-1]=2πi (-eiπa)
となります。
C3上での偏角は0だからz=xe0代入して、ε→0、R→∞で
∫C3 f(z)dz=∫[ε、R] xa-1/(1+x) dx → I=∫[0、∞] xa-1/(1+x) dx
C1上での偏角は2πなので、z=xe2πi代入して、ε→0、R→∞で
za-1=(xe2πi) a-1=x a-1e2πiae-2πi=x a-1e2πia
∫C1 f(z)dz=∫[R、ε] e2πia xa-1/(1+x) dx →∫[0、∞] xa-1/(1+x) dx
となります。従って
2πi (-eiπa)=I+0+I+0=(1-e2πia)I
これをIについて解くと
I=2πi (-eiπa)/ (1-e2πia)=2πi (-eiπa)/(-eiπa) (eiπa-e-iπa)
=π/sin(πa)
が得られます。
ゼ-タ関数とガンマ関数とベータ関数は相互に密接な関係があります。ここではベータ関数のいくつかの性質を紹介します。これらはルジャンドルの倍公式やガンマ関数の相反公式を証明するのに役立ちます。
<ベ-タ関数の諸性質>
ベ-タ関数は
B(x,y)=∫[0,1] tx-1(1-t)y-1dt (x>0,y>0)
で定義されます。
(1)B(x,y)=B(y,x)
t’=1-tとおくと、
B(x,y)=-∫[1,0] (1-t’)x-1 t’y-1dt’ =B(y,x)
(2)B(x,y)=2∫[0,π/2] sin2x-1θcos2y-1θdθ
t=sin2θとおくと、dt=2sinθcosθdθ
B(x,y)=∫[0,π/2] (sin2θ)x-1(cos2θ)y-12sinθcosθdθ
=2∫[0,π/2] sin2x-1θcos2y-1θdθ
(3)B(x,y)=Γ(x)Γ(y) /Γ(x+y)
t=s2とおくと、dt=2sdsより
Γ(x)=∫[0,∞] tx-1 e-t dt=2∫[0,∞] s2x-1 e-ss ds
Γ(x)Γ(y)=4∫[0,∞] t2x-1 e-tt dt・∫[0,∞] s2y-1 e-ss ds
t=rcosθ、s=rsinθとおくと、t2+s2=r2、dtds=rdrdθ
4∫[0,π/2]dθ∫[0,∞] dr (rcosθ)2x-1 (rsinθ)2y-1 e-rr
=2∫[0,π/2]dθ∫[0,∞] dr cos2x-1θsin2y-1θ・2∫[0,∞] r2(x+y)-2e-rr rdr
t=r2とおくと、dt=2rdrより、r2(x+y)-2=t(x+y)/r2=t(x+y)-1
Γ(x)Γ(y)=B(x,y)・∫[0,∞] t(x+y)-1e-t dt=B(x,y)・Γ(x+y)
が示された。
(4)B(x,y)=∫[0,∞] ux-1/(1+u)x+y du
B(x,y)=∫[0,1] tx-1(1-t)y-1dt
において、t=u/(1+u)とおくと
1-t=1-u/(1+u)=1/(1+u)
(1+u)t=u、u-ut=t、u=t/(1-t) →u=0~∞
du=[(1-t)+t]/(1-t)2 dt=1/(1-t)2 dt=(1+u) 2 dt
→ dt=du/(1+u) 2
であるから
tx-1(1-t)y-1dt=[u/(1+u)]x-1(1+u)-y+1(1+u)-2du
=ux-1(1+u)-(x+y) du
B(x,y)=∫[0,∞] ux-1(1+u)-(x+y) du
が示された。
y=1-xのとき
B(x,1-x)=∫[0,∞] ux-1(1+u)-(x+y) du
=∫[0,∞] ux-1/(1+u) du
が成り立つ。
(5)B(x,1-x)=Γ(x)Γ(1-x)
B(x,y)=Γ(x)Γ(y)/Γ(x+y) において
y=1-xと置くと、Γ(x+y)=Γ(1)=1より
B(x,1-x)=Γ(x)Γ(1-x)/Γ(1)=Γ(x)Γ(1-x)
(6)B(x,1/2)=22x-1B(x,x)
B(x,1/2)=B(1/2 ,x)=∫[0,1] t-1/2 (1-t) x-1dt
t=u2とおくと、t-1/2=u-1、dt=2udu
B(x,1/2)=2∫[0,1] (1-u2)x-1 du
=∫[0,1] (1-u2)x-1 du-∫[0,-1] (1-u2)x-1 d(-u)
=∫[0,1] (1-u2)x-1 du+∫[-1,0] (1-u2)x-1 du
=∫[-1,1] (1-u2)x-1 du
s=(1+u)/2とおくと、u=2s-1、s=0~1
1-u=1-2s+1=2(1-s)
1-u2=(1-u) (1+u)=4(1-s)s
B(x,1/2)=2∫[0,1] (4(1-s)s)x-1 2ds
=22x-1∫[0,1] (1-s) x-1sx-1 ds
=22x-1B(x,x)
が示された。
<ゼ-タ関数の関数等式の証明>
関数等式には、非対称型のオイラ-による関数等式
ζ(1-s)=cos(sπ/2) Γ(s)ζ(s)/2s-1πs ・・・・(1)
と対称型のリ-マンによる関数等式
π-s/2Γ(s/2)ζ(s)=π-(1-s)/2Γ((1-s)/2)ζ(1-s) ・・・・(2)
があります。関数等式はゼ-タ関数の定義域を拡大する場面でよく用いられす。
ここではオイラ-による関数等式を導出し、その後
ガンマ関数の相反公式
Γ(s)Γ(1-s)=π/sin(πs)
においてs→(1-s)/2に置き換えた
Γ((1-s)/2)Γ((1+s)/2)=π/cos(πs/2) ・・・(5)
の式とルジャンドルの2倍公式
Γ(2s)=22s-1/π1/2・Γ(s) Γ(s+1/2)
においてs→s/2に置き換えた
Γ(s)=2s-1/π1/2・Γ(s/2) Γ((s+1)/2) ・・・(6)
式を用いて、リ-マンによる関数等式を導出します。
その前に、ゼ-タ関数の積分表示を求めましょう。
<ゼ-タ関数の積分表示>
ゼ-タ関数:ζ(s)=Σn=1-∞ 1/ns
ガンマ関数:Γ(s)=∫[0、∞] xs-1e-xdx
のとき、s>1に対して
∫[0、∞] xs-1/(ex-1)dx=ζ(s) Γ(s)
が成り立つ。
[証明]
1/(ex-1)=e-x/(1-e-x)=Σn=1-∞ (e-x)n =Σn=1-∞ e-n x
を代入すると、
∫[0、∞] xs-1/(ex+1)dx=∫[0、∞] xs-1Σn=1-∞ e-n x dx
=Σn=1-∞∫[0、∞] xs-1 e-n x dx
ここで、y=nx と変数変換すると
∫[0、∞] xs-1/(ex+1)dx =Σn=1-∞∫[0、∞] (y/n)s-1 e-y dy/n
=Σn=1-∞1/ns∫[0、∞] ys-1 e-y dy
=ζ(s)Γ(s)
が示されました。
<オイラ-による関数等式の導出>
複素積分
I(s)=∫C zs-1/(ez-1)dz
を2つの積分経路で求めて、等値することで(1)式のオイラ-による関数等式を導出します。
1)ハンケル積分経路による積分計算
Cをハンケル積分経路とすると、全複素平面で
∫C zs-1/(ez-1)dz=(e2πsi-1) ζ(s)Γ(s) ・・・・(3)
が成立することを示します。
Cは以下の3つの経路
C1:z=x+iε x=∞→r
C2:z=reiθ θ=0→2π
C3:z=x-iε x=r→∞
から成ります。
I(s)=∫C zs-1/(ez-1)dz
=∫C1 zs-1/(ez-1)dz+∫C2 zs-1/(ez-1)dz+∫C3 zs-1/(ez-1)dz
である。まず経路1での積分はε→0で
I1(s)=∫C1 zs-1/(ez-1)dz=-∫[0、∞] xs-1/(ex-1)dx
となる。経路2の積分はr→0で
|I2(s)|=|∫C2 zs-1/(ez-1)dz|≦∫[0,2π] rs/[(er-1)/r]dθ≦rs・2π→ 0 as r→0 s>0
ゼロになる。経路3では、原点の周りの1回転して位相2πが付加されるので
z s-1=(rei2π) s-1=r s-1ei2πs
より、ei2πsが残る。rをxに置き換えて0から∞まで積分すると、
I3(s)=∫C3 zs-1/(ez-1)dz=ei2πs∫[0、∞] xs-1/(ex-1)dx
従って、ε→0、r→0の極限では、ゼ-タ関数の積分表示を用いて
I(s)=-∫[0、∞] xs-1/(ex-1)dx+ 0 +ei2πs∫[0、∞] xs-1/(ex-1)dx
=(ei2πs-1) ∫[0、∞] xs-1/(ex-1)dx
=(ei2πs-1) ζ(s)Γ(s)
が示されました。
ここでs=1のとき
ei2πs-1=0
なので、s=1は(ei2πs-1)の1位の零点です。ζ(s)=1/(s-1)+F(s)と書け、ζ(s)はs=1で1位の極を持ちます。従って、(ei2πs-1)ζ(s)はs=1で正則になっています。上式は全ての複素数sで成り立っています。
2)D積分経路による積分計算
下図のように積分経路Dを取ります。全複素平面で
∫C zs-1/(ez-1)dz=-∫D zs-1/(ez-1)dz=(2π)s(e3πsi/2-eπsi/2)ζ(1-s) ・・(4)
が成立することを示します。
経路Dは
D=C1+C2+C3+CR
から成ります。経路Dの4つの経路は
C1:z=x-iε x=∞→r
C2:z=reiθ θ=2π→0
C3:z=x+iε x=∞→r
CR:z=Reiθ θ=0→2π
です。分母にezがあるのでCRに関する積分はR→∞でゼロになります。ところで
C1+C2+C3の経路での積分は先ほどのハンケル積分経路と逆向きなので、
∫C zs-1/(ez-1)dz=-∫D zs-1/(ez-1)dz
となります。被積分関数の分母はz=±2nπiでゼロになります。経路Dは、被積分関数の極、z=±2πi、±4πi、±6πi、・・±2nπi(<Ri)を含んでいます。従って経路Cでの積分は、経路D内の積分の留数の和を求めて、全体にマイナス符号をつければ得られます。
z=2nπiでの留数は、n>0のとき偏角はπ/2なので(i=eiπ/2)
I+=lim [z→2nπi] (z-2nπi)・ zs-1/(ez-1)
=lim [z→2nπi]・ zs-1/(ez-e2nπi )/
=lim [z→2nπi]・ z/(ez)’
=(2nπi) s-1
=(2nπ) s-1(eiπ/2) s-1
=-i・(2nπ) s-1・eiπs/2
となります。
z=-2nπiでの留数は、偏角は3π/2なので、(-i=ei3π/2)
I-=(-2nπi) s-1
=(2nπ) s-1(ei3π/2) s-1
=i・(2nπ) s-1・ei3πs/2
となります。R→∞のとき、n=1~∞の全ての留数の和を求めると、
∫D zs-1/(ez-1)dz=Σn 2πi・(I++I-)
=Σn 2πi[-i・(2nπ) s-1・(eiπs/2-ei3πs/2)]
=(2π) s (eiπs/2-ei3πs/2)・Σn 1/n 1-s
=(2π) s (eiπs/2-ei3πs/2)・ζ(1-s)
従って、
∫C zs-1/(ez-1)dz=(2π) s (ei3πs/2-eiπs/2)ζ(1-s)
が示されました。
<オイラ-による関数等式の導出>
2つの積分経路で求めた
I(s)=∫C zs-1/(ez-1)dz
の値を等値することで、オイラ-による関数等式(非対称型)
ζ(1-s)=cos(sπ/2) Γ(s)ζ(s)/2s-1πs ・・・・(1)
を導出します。
2つの積分経路で求めた値は
∫C zs-1/(ez-1)dz=(e2πsi-1) ζ(s)Γ(s) ・・・(3)
∫C zs-1/(ez-1)dz=-∫D zs-1/(ez-1)dz=(2π)s(e3πsi/2-eπsi/2) ζ(1-s) ・・(4)
でした。よって
(e2πsi-1) ζ(s)Γ(s)=(2π)s(e3πsi/2-eπsi/2) ζ(1-s)
が成り立ちます。
(e2πsi-1)/ (e3πsi/2-eπsi/2)=eπsi(eπsi-e-πsi) / eπsi (eπsi/2-e-πsi/2)
=(eπsi/2+e-πsi/2) (eπsi/2-e-πsi/2) / (eπsi/2-e-πsi/2)
=2cos(πs/2)
ですから、
2cos(πs/2)ζ(s)Γ(s)=(2π)sζ(1-s)
よって
ζ(1-s)=2cos(πs/2)Γ(s)/ (2π)s・ζ(s)
=cos(πs/2)Γ(s)/ 2s-1πs・ζ(s)
が得られました。
<2つの関数等式>
オイラ-による関数等式(非対称型)
ζ(1-s)=cos(sπ/2) Γ(s)ζ(s)/2s-1πs ・・・・(1)
から、リ-マンによる関数等式(対称型)
π-s/2Γ(s/2)ζ(s)=π-(1-s)/2Γ((1-s)/2)ζ(1-s) ・・・・(2)
を導出します。
(2)式より
ζ(1-s)=π-s/2Γ(s/2)ζ(s) π(1-s)/2 /Γ((1-s)/2)
=π-s+1/2Γ(s/2) /Γ((1-s)/2)・ζ(s)
より、
cos(sπ/2) Γ(s)/2s-1πs=π-s+1/2Γ(s/2) /Γ((1-s)/2)
すなわち
Γ((1-s)/2) Γ(s) cos(sπ/2)=2s-1π1/2Γ(s/2)
が成り立つことを示します。
ガンマ関数の相反公式
Γ(s)Γ(1-s)=π/sin(πs)
でs→(1-s)/2に置き換えると、1-(1-s)/2=(1+s)/2より
Γ((1-s)/2)Γ((1+s)/2)=π/sin(π(1-s)/2)
Γ((1-s)/2)Γ((1+s)/2)=π/cos(πs/2) ・・・(5)
が成り立ちます。
また、ルジャンドルの2倍公式
Γ(2s)=22s-1/π1/2・Γ(s) Γ(s+1/2)
でs→s/2に置き換えると、
Γ(s)=2s-1/π1/2・Γ(s/2) Γ((s+1)/2) ・・・(6)
が成り立ちます。
(5)、(6)式の辺々を掛け、Γ((s+1)/2)を消去すると
Γ((1-s)/2)・Γ(s)=π/cos(πs/2)・2s-1/π1/2・Γ(s/2)
すなわち
Γ((1-s)/2) Γ(s) cos(sπ/2)=2s-1π1/2Γ(s/2)
が成り立つことが示されました。関数等式はゼ-タ関数の定義域を拡大する場面でよく用いられす。