1個のアミノ酸が不斉反応を媒介

独のベンジャミン リスト博士は有機不斉触媒の研究で2021年のノーベル化学賞を受賞しました。従来金属不斉触媒でしか合成できなかった医薬品をプロリンという単一のアミノ酸で合成できることを発見したのです。
金属触媒は毒性や環境負荷があり処理コストがかかります。タンパク質の酵素は巨大な分子ですが、触媒作用を示すのは極一部のアミノ酸であることは分かっていました。しかし1個のアミノ酸が不斉反応を媒介するとは誰も考えていませんでした。答えは最も単純な所にあったのです。
リスト博士は今までノーベル賞のために研究したことはない。好きな研究をやってきただけだと言っています。

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