昨年5月に、米国で医療ミスが心疾患とがんに続く3大死因に浮上する可能性があるという研究結果が英医学誌BMJの最新号に発表されました。つまり毎年、25万人米国人が患者の取り違えや投薬ミスといった医療過誤で死亡していたことになります。人口換算すると、日本でも10万件の医療過誤があってもおかしくないことになります。
日本では、昨年3月に、日本医療機能評価機構が、2016年に全国の医療機関から報告があった医療事故は前年比228件増の3882件で、集計を始めた2005年以降、最多を更新したと発表しています。上記の推測が正しければ、医療事故の4%しか公開されていないのかもしれません。
医療ミスは病院内だけでなく、薬局や患者の自宅でも起こります。ミスには、処方薬、手術、診断、設備、検査報告が含まれます。医療ミスを防ぐために、患者の立場からできることを調べて、整理してみました。
まず基本的に
1. 患者自身が治療に参加する自覚を持とう。
2. 自身の状態や治療法について医師によく尋ね、メモしよう。
3. 医者まかせにしないで、自分でも本やWEBサイトでよく調べよう。
検査
1. なぜその検査が必要なのかを遠慮なく聞こう。
2. 検査を受けたら、必ず結果を聞こう。
3. 大きな手術の際には、必ず他院でも検査を受けよう。
処方薬
1. 患者が摂取しているすべてのものを医者に報告しよう。
2. 今までの薬に対するアレルギーや副作用について報告しよう。
3. 薬局で薬をもらう時には、それが自分の医者が処方した薬かどうか尋ねよう。
4. 薬を処方された時と受け取った時には、薬に関して十分に説明してもらおう。
5. 薬のラベルに疑問があったら質問しよう。
6. 薬の副作用について書かれた文書をもらおう。
入院
1. 家族や友達に一緒にいてくれるように、或いは貴方の代理を依頼しておこう。
2. 本人とすべての医者が手術の内容と実施に同意していることを明確にしよう。
3. 退院時には、家での療養方法を医師に説明してもらおう。
手術
1. 誰があなたの主治医なのかを明確にしておこう。
2. 検査データをもらって他院の専門医にも相談して、手術の要否を確認しよう。
3. 自身の受けようとする処置や手術を、より多くこなしている病院を選ぼう。
<医療事故があった場合>
1. 医療専門の弁護士に相談する。
2. 病院所有の全資料(術中動画、カルテ、MRI画像、検査結果)を入手する。
3. 専門医に調査をお願いして、鑑定意見書を書いてもらう。
4. 専門家の目で見てミスがあったかどうか、ご意見を伺う。
5. ミスがあれば、示談交渉を行う。植物状態のときは裁判を行う。