空即是色と合わせて考える

般若心経では「色即是空」と「色即是空」がセットになっています。つまり肉体(=色)は仮想現実(=空)と同じものの異なる表現だということです。つまり(ヒトにおいては)「肉体のない仮想現実」はないし、「仮想現実のない肉体」もありません。また肉体と仮想現実の間には境界もありません。ヒトは、客観世界に住みながら、各自が認知した仮想現実を生きているのです。このことは多くの衝突を引き起こしますが、「自分の物の見方が協力的なものに変われば、仮想現実も変わり、悩み苦しみを減らせる」という希望もあります。だから難しいけど敢えてお経に書いてあるのでしょう。

注1
これらのことは、仮想現実を発達させたヒトに当てはまることで、仮想現実のない昆虫には当てはまりません。なぜなら昆虫は、ミツバチやアリであっても、小さい脳の情報処理能力を殆ど飛翔や歩行移動に費やしているので、仮想現実を作る余裕がないからです。

注2
我々は皮膚を境界として、皮膚の内側である肉体と皮膚の外側である外界とを物理的に区別しています。しかし仮想現実は物理的外界とは異なります。なぜなら仮想現実は、肉体が外界に取り囲まれて生きているかのように錯覚させることだからです。ややこしい話ですが、人間が認識する外界は仮想現実です。なぜなら外界の諸物体で反射された光の像は視覚系によって脳内で認知され、脳は肉体からある距離に光像に相当する物体が存在するかのような仮想現実をつくりだしているからです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。