人工知能による豪雨予測

2018年9月15日(土)にNHKスペシャルで「人工知能 天使か悪魔か 2018 未来がわかる その時あなたは…」というタイトルでTV放映された。

AI技術は、従来の犯罪予測だけでなく、自然災害を受けやすい農業や漁業や林業などの1次産業の経営に大きな助けとなると期待されている。安全安定経営のために、気象予測、犯罪予測、漁業予測、収穫予測などに優れる人工知能が欠かせなくなっているという。ここでは気象予測について紹介する。
日本の自然災害の被害額は10年前の4倍になった。地震や台風や地滑りなど原因を解消できない自然現象に対しては対応策を立てるしかない。台風や豪雨などの自然災害に対して適切に避難警告を出すために、それらの発生時刻と強度をピンポイントに正確に予測することが益々期待されている。

今年の7月5日の西日本豪雨はまだ記憶に新しい。民間の気象予報機関であるウエザ-ニュ-ズ(WN)社は、人工知能を用いた降水予報により、気象庁の予報より早く的確に豪雨の到来を予測した。2015年から運用開始した気象衛星ひまわり8号の分解能は10分ごとに1~2km四方(可視光~赤外帯)である。WN社の予報システムは10分ごとに250m四方で90%の確率で降水の有無をピンポイントで予測できるという。WN社の天気予報により、姶良市(あいらし)では豪雨に対して適切に避難警告と解除を出すことができた。

姶良市は鹿児島県中央部に位置する人口7.5万人のベッドタウンである。特に蒲生町は火山灰地質のため、がけ崩れが起きやすい。このグラフは7月2日から3日にかけての24時間の姶良市の実際の雨量と人工知能の予測雨量の時間変化を比較したものである。降り始めの雨量は大きく異なっているが、降り始めと降り終わりの時刻が一致している。蒲生町の住人6485人に対して人工知能によって、夜間を避けた的確な避難と早期の解除ができたという。このように予測を価値ある結果に結びつけることも重要である。

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