禅問答

ある学僧が尋ねた「空中に玉があるのですが、どうしたら手に入れられますか?」
南泉禅師が答えた「竹を割って梯子を作って取ってこい」

学僧の質問は「世尊の智慧は空中に浮かぶ宝玉の様なものです。素晴らしいものですが、なかなか手に入れられません。どうしたらそれを手に入れられますか」という意味です。南泉禅師の答えは「それが空中にあるのなら、直ちに梯子に登って取りに行けばよいではないか」というものです。面白いですね。

果たしてこれはどういう意味なのでしょうか?

世尊の智慧とは世尊が悟られた世界の在り方です。南泉禅師は「世界の在り方に合わせて、あなたがあなたにできることをしなさい」と答えたのです。

通常、私たちは反対のことをしています。つまり、自分の都合に合わせて、世界(=他者、地球、自分)を自分が望むように操作しようとしているのです。例えば、親の世間体のために、嫌がる子どもに受験勉強を強いるようなものです。あるいは自分の快適な生活のために、生態系を破壊することもそうです。そうではなく、世界を自分に合わせるのを止めて、自分を世界に合わせれば、世界と調和した生き方ができる、ということなのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。