産科麻酔医 久保田史郎の過去のニュース!
ー赤ちゃんは震えているー
この朝日新聞の記事は1997年(平成9年)5月17日に掲載されたものです。なんと23年前に学会で発表していました。低体温症(低血糖症⇒発達障害)を誘発する出生直後のカンガルーケアと飢餓を招く完全母乳(低血糖症・重症黄疸⇒発達障害)を即刻廃止させなければなりません。日本周産期新生児学会、他7学会が推奨する寒い分娩室におけるカンガルーケアは「低体温症⇒低血糖症⇒発達障害」を、生後3日間の完全母乳は脳に障害を遺す低血糖症・重症黄疸・脱水を引き起こしています。高インスリン血症児(日本では6人に1人)を出生直後に低体温症に陥らせると確実に低血糖症に陥らせます。日本の赤ちゃんが障害なく元気に育つためには前記学会と現行の助産師教育を見直さなければなりません。
出生直後の赤ちゃんを34℃に温められた保育器に2時間だけ入れるとチアノーゼ(低酸素血症)・初期嘔吐・重症黄疸・低血糖症を予防する事が出来ます。
Q1. 私は久保田先生の言っている事はまともだと思いますが、どうして他の医者たちは賛同してくれないのでしょうか?
久保田 産科学教科書が、カンガルーケアには体温上昇作用があると事実と異なる発表をしているからです。教科書の間違いを改訂しない限り、低体温症に陥る新生児が増え、その結果、赤ちゃんは低血糖症(発達障害)になります。もう一つの問題は、出産後の新生児管理(体温・栄養)は助産師任せになっている事です。未熟児など、異常の新生児管理は産科医・新生児科医が行いますが、正常に元気に生まれた赤ちゃんの管理は助産師任せになっています。正常に生まれた赤ちゃんが低体温と飢餓(低栄養+脱水)の犠牲になっているのです。発達障害がこれからも増えるかどうかの鍵は、助産師次第です。カンガルーケアと完全母乳を積極的に実践する国立病院機構・日赤病院などの「赤ちゃんに優しい病院」で教育を受けた助産師は間違いを刷り込まれているため危険です。助産師教育を徹底的に見直さなければなりません。
Q2 糖質制限をしていない通常食の妊婦の場合、出産直後の新生児の脳のATP源はグルコースのみで、ケトン体は殆ど利用できない、という理解でよろしいでしょうか?
久保田 ケトン体では体温調節が出来ません。つまり、ケトン体は殆ど利用できない、が正解です。
ありがとうございます。だからグルコースだけで議論しているのですね。ユニセフのガイドラインにはケトン体や乳酸も利用できると書いてあったのでお伺いしました。
久保田 宮下助産師は厚労省の「授乳と離乳の支援ガイド」の策定委員会で-15%までを生理的体重減少としている。7%以上は飢餓と考えるべきです。Q3. 久保田先生、ご説明ありがとうございます。産科学教科書を書いたり、助産師教育をするのは医者ではないですか? これだけ筋の通った説明を何十年もしているのに、医者が賛同してくれない理由が理解できません。
久保田 助産師教育の殆どは助産師が行っています。そのため助産師は産科医の言うことを聞き入れません。医者(産科医)が賛同してくれない理由は、これまで生理的と考えられていた医学的常識が完全に崩れ、非常識(病気)になるからです。産科医はこれまでの過ちを認めたくないのです。久保田式新生児管理法をお産の常識にすると小児科やNICUに入院する赤ちゃんが激減します。空きベッドが増えると、病院は赤字になります。例えば、完全母乳を促進すると重症黄疸の赤ちゃんが増えます。重症黄疸は飢餓(低栄養+脱水)が原因だからです。大きい病院では重症黄疸の治療はNICUに入院して行っています。重症黄疸の入院治療費は最低でも1日 10万円です。小児科にとって入院患者は大事なお客様なのです。また重症黄疸は難聴の原因という事が分っています。難聴の赤ちゃんが増えると耳鼻科は忙しくなります。近年、精神科病院がきれいになったのは、発達障害の子供が増えたからです。
Q4. 助産師が産科医の言うことを聞き入れないとは、驚きです。早期新生児の15%もの体重減少は生理的ではなく、隠れ高インスリン血症などの病気やカンガルーケアによるものだということですね。全ての医者が患者ではなく病院の利益ために働いているということですか。残念ですが、あり得ることです。発達障害の相談室は半年待ちです。久保田先生が危惧しておられたように、近年の出生数の減少は危機的状況です。change.orgなどで改革の賛同者を募るのはどうでしょうか?
久保田 「発達障害の原因と予防」を2015年3月に自民党本部で講演しましたが、その時の委員長が現在の衛藤少子化相です。これで日本は終末期も同然です。私が開業を辞めたのは医系組織からの強烈なパワハラ(冤罪)があったからです。一度だけではありません。
久保田 これ以上やると私が消されます。
う~ん、絶句です
久保田 まさに“事実は小説より奇なり”です。福岡市の久保田産婦人科麻酔科医院のHPをご覧になってください。私は40年前から発達障害の増加を予測していました。「久保田史郎」・「発達障害の原因と予防」で検索すると記事が出てきます。去年の夏までは、「発達障害」だけで私の記事がトップに紹介されていましたが、現在は削除されています。
http://www.s-kubota.net/
http://www.s-kubota.net/Stan/01.htm
Q5 . 全部読みました。素晴らしいです。発達障害の原因が気になっていました。溝口徹さんの「発達障害は食事でよくなる」を読んで久保田先生のことを知りました。
久保田 音楽療法・運動療法と溝口徹先生の「発達障害は食事でよくなる」の組み合わせに頼るしかありません。
久保田 「赤ちゃんに優しい病院」では-15%までの体重減少は当たり前の様です。この事例(赤線)は、その後、発達障害と診断されました。
久保田 発達障害と診断された赤ちゃんの出生直後からの体重減少は著しく、生後5日間の体重曲線は、その殆どが-10 % ~ -15%だと考えられます。カンガルーケアで低体温症に陥った赤ちゃん・高インスリン血症の赤ちゃんは確実に低血糖症に陥っています。発達障害を防ぐためには、生理的体重減少を-5%以内にすべきです。
久保田 日本産婦人科医会は科学的根拠なく-10%までを生理的体重減少と決め付けています。怖いことに、出生体重に回復する時期は「3週間以内」つまり、1週間以上は間違いなく飢餓状態にあるのです。出生直後の赤ちゃんを1週間も飢餓にすれば確実に脳に障害を引き起こします。日本産婦人科医会は完全に崩壊しています。久保田式新生児管理法では4日で戻っています。久保田産婦人科では出生時の体重に回復しなければ退院許可が出ませんでした。黄疸による再入院は、1例もありませんでした。
久保田史郎 「赤ちゃんに優しい病院」で有名な久留米市の聖マリア病院でも-15%までを生理的体重減少としていました。
久保田史郎 その他のデータです。論文はGrowth Patterns of Neonates Treated with ThermalControl in Neutral Environment and NutritionRegulation to Meet Basal Metabolism 久保田産婦人科医院のHPに掲載しています。
少子化対策の前に! (久保田医院のHPより)
国は少子化対策に待機児童の解消・教育の無償化などの育児支援を唱えていますが、少子化の改善にどれだけの効果があるのか心配です。そう考える理由は少子化対策に於いて最も重要な妊婦支援(図46)が欠如しているからです。仮に、人口が増えたとしても発達障害(図21)・児童虐待(図27)・医療/社会福祉費は人口増加に比例して確実に増えます。何故ならば、新生児管理の基本である出生直後の体温と栄養に関するお産の設計図(産科学教科書)が根底から間違っているからです。
日本で発達障害が増える理由は、母乳が滲む程度しか出ない生後3日間、糖水・人工ミルクを全く飲ませない完全母乳で哺育された赤ちゃんが世界一の飢餓(低栄養+脱水)に陥っているからです(図32)。教科書の間違いとは、日本産婦人科医会が完全母乳(母乳分泌不足)による出生直後からの著しい体重減少(飢餓)を生理的体重減少と定義していることです(図31)。そのため赤ちゃんの飢餓が放置され脳の発達に悪影響を招いています。赤ちゃんを出生直後に低体温症や飢餓に陥らせる医療行為はまさに児童虐待(ネグレクト)そのものです。母乳が出ない生後3日間の完全母乳と寒い分娩室(平均25℃)でのカンガルーケア(早期母子接触)を中止しなければ日本で生まれる6人に1人(図22)の高インスリン血症の赤ちゃんは出生直後に低血糖症(図23)に陥り、脳に永久的な障害を引き起こします(図21・図44)。私は早期新生児の低血糖症と飢餓こそが発達障害の主原因と考えています。
私は1983年の開業当初から、発達障害の原因と予防法についての研究を行ってきました。発達障害の予防に関する周産期側からの研究は世界でも例がありません。長年の研究で解明できたことは、発達障害は遺伝やワクチンなどではなく、早期新生児の冷え性と飢餓による低血糖症・重症黄疸・脱水が原因と確信し得たことです(図44)。厚労省や医学会などが推進する母乳育児推進運動が日本の赤ちゃんを低血糖症・重症黄疸・脱水に陥らせているのです(図23・図45)。この事は平成27年3月12日に自由民主党本部(障碍児者調査会:衛藤 晟一会長)において、発達障害の原因と予防策について講演させて頂きましたが、3年経っても何ら改善されません。発達障害の原因とされる新生児の低血糖症・重症黄疸・高Na血症性脱水は母乳が満足に出ない生後数日間の飢餓が原因です。幸い、それらの疾病はお産に予防医学を取り入れた久保田式新生児管理法(生後2時間の保温+超早期混合栄養法)でほぼ完全に防ぐ事が可能です(図26・図43)。出生直後の低体温症(図1)を防ぐための生後2時間の体温管理(図2:下段)と母乳の出が悪い生後数日間の栄養不足を人工ミルクで補足する事によって出生直後からの体重減少は著しく改善(図32・図33・図34)され、発達障害の危険因子である低血糖症・重症黄疸・脱水を防ぎ(第9章参照)、ひいては医療費/社会福祉費などの抑制効果は数兆円規模(図42)と予測します。
お産に予防医学を導入し病気を防ぎ無駄な医療費を削減することによって、少子化対策(妊婦支援+育児支援)に予算を充当することが出来ます。小池都知事が災害時用に「液体ミルク」の準備を進められている様に、出産直後の母乳が出ていない時期(とくに、生後3日間)には人工ミルクを積極的に飲ませ赤ちゃんを飢餓から守るのが新生児管理の基本です。出生直後の新生児冷え性を防ぐための保温と生後数日間の飢餓を防ぐために人工ミルクを飲ませるだけで発達障害は最低でも1/5~1/10に激減します。当院は開業当初(1983年)から閉院する2017年7月まで34年間 約15000人の赤ちゃんに対して、久保田式新生児管理法(図26)を行ってきました。事実、当院で生まれた赤ちゃんに発達障害児が極めて少ないとの情報が市関係者や福岡市立こども病院の小児科医からありました。情報公開が可能になれば発達障害の原因解明・予防策は簡単です。発達障害は遺伝病ではなく予防可能である事を知った妊婦さんは安心して自信をもって妊娠・出産に臨める様になります。個人情報保護法の厚い壁が医学の進歩を妨げ、発達障害児を増やし、少子化を加速させているのです。
私は平成29年7月に医療法人 久保田産婦人科麻酔科医院を閉院しましたが、この度、『妊婦と赤ちゃんに学んだ冷え性と熱中症の科学』の本を東京図書出版から11月7日に上梓しました。日本のお産の常識(自然主義)がいかに非科学的か、科学(予防医学)の知識が届かないところで発達障害児・医療的ケア児・脳性麻痺が増えているのです。この事実を周産期医療の関係者だけでなく、他科の医師・医学生・助産師・看護師・保育士・保健所・政治家・報道などに是非とも知って頂きたく、産科開業医の生の声(書籍)をお届けする次第です。厚労省が後援する『赤ちゃんに優しい病院(BFH)』の認定制度が日本に存続する限り発達障害は増え続けます。何故ならば、助産師の多くがカンガルーケアと完全母乳を積極的に行う赤ちゃんに優しい病院の助産師学校出身者だからです。とくにBFH出身の助産師は出生時から-15%までの体重減少を生理的体重減少と教育されています。助産師への誤った教育が赤ちゃんを飢餓に陥らせているのです。発達障害の増加に歯止めを掛けるためには、まず助産師教育の見直しを急がなければなりません。日本のお産の一番の間違いは病気(発達障害)を防ぐ為の予防医学が欠如している事です。この本は、当院で出生した約15000人の赤ちゃんからの皆様へのメッセージです。日本の明るい未来のために役に立てて頂ければ幸いです。
平成30年1月7日
久保田史郎(医学博士)
日本産科婦人科学会専門医、麻酔科標榜医
株式会社 風(かぜ)
久保田生命科学研究所(代表)
佐賀市富士町下無津呂三本松1559