血清(serum)と血漿(plasma)の違いは何でしょうか?

血清と血漿の違いは,全血から細胞成分を取り除いたものの中に凝固因子(フィブリノゲン)が含まれるかどうかにあります。フィブリノゲンとは、血液凝固因子の第Ⅰ因子で、血液凝固の最終段階でフィブリンという水に溶けない網状の線維素となり、血球や血小板が集まってできた血栓の隙間を埋めて、血液成分がそこから漏れ出さないようにしています。
血漿とは抗凝固剤を加えて遠心分離した上清み液で、凝固因子を含みます。抗凝固剤とは血液を凝固させない化合物です。血清は抗凝固剤を加えずに放置した上清み液で、凝固因子を含みません。血漿は凝固反応を起こしていない成分ですから、体内を流れていた時の状態を維持しています。血漿の場合は抗凝固剤に何を用いるかによって更に分類されます。

フィブリノゲンは肝機能検査としても用いられます。これはフィブリノゲンが肝臓で合成されているためで、肝硬変や肝臓がんで肝臓の合成能力が低下すると低値を示します。さらに感染症や急性心筋梗塞などの疑いがあるときにも行ないます。フィブリノゲンは、体内に炎症や組織の変性が生じると血液中に増加して高値を示します。フィブリノゲンが何らかの原因で増加すると、体のいろいろな場所で血栓ができやすくなります。

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