新型コロナ肺炎は大騒ぎするほどのことでしょうか?

日本における死因の第一位は癌などの悪性新生物であり、毎年37万人が死亡しています。第二位は心疾患で毎年20万人が死亡しています。第三位は呼吸器疾患であり、肺炎で10万人、誤嚥性肺炎で4万人、インフルエンザで3千人、全体で毎年19万人が死亡しています。第四位が老衰で11万人、第五位が脳血管疾患で11万人が死んでいます。第六位は不慮の事故で4万人が死んでいます。日本の新型コロナ肺炎では、3カ月で1.6万人が感染し、1万人が回復し、700人が死亡し、5300人が感染治療中です。新型コロナ肺炎の死亡者数は1000人に満たず、季節性のインフルエンザの死亡者数の1/3以下です。

死亡者数だけ見ると、新型コロナ肺炎はそんなに大騒ぎするほどのことではないように思うかもしれません。しかし指定感染症は放置すると、急速に拡大して、医療関係者や他の病気の入院患者も感染し、医療崩壊を引き起こします。医者や看護婦や医療事務員は専門性が高く、短期間で養成することはできません。ウイルス感染の場合は、乾燥した地面に落ちたウイルスは屋内で3日、屋外では数時間で死滅するので、早期に人への感染を抑え込めば、感染者はいなくなります。

1μm程度の飛沫に含まれるウイルスは空中を漂うので、空気感染します。感染防止には時々換気して部屋の空気を入れ替えることが重要です。エアコンのフィルタにはウイルスが溜まるので、誰も部屋にいなくても感染する恐れがあります。フィルタを清掃したり、空気清浄機を用いることは効果があるでしょう。保湿機で湿度を高めるとウイルスの飛沫が重くなるので空気感染のリスクが減ります。薄めた次亜塩素酸水溶液を噴霧するのも効果があります。帰宅したら、靴や外套を玄関で脱いで、ウイルスを寝室に入れない方がいいでしょう。政府は家で大人しくしている人に報酬を与える政策を取るのがいいのです。

指定感染症とは何でしょうか?

日本では2月1日に新型コロナウイルス感染症は「指定感染症」に認定されました。この感染症は2月11日にWHOによってCOVID-19と命名されました。感染症に関する法律は様々な感染症を感染力や危険性に応じて1~5類に分類しています。新型肺炎のように未分類の感染症は政令で暫定的に「指定感染症」に認定され、1~3類の対応が義務付けられています。指定期間は原則1年以内ですが、さらに1年の延長もできます。O157などの大腸菌感染症は3類の感染症であり、消毒と就業制限が義務付けられます。SARS(急性呼吸器不全症候群)や結核は2類の感染症であり、消毒と就業制限に加え入院勧告が義務付けられます。ペストやエボラ出血熱などの1類の感染症は、都市封鎖などの交通制限が加わります。新型コロナは指定感染症なので、感染状況の拡大によって、消毒、就業制限、入院勧告が実施され、交通制限も可能になります。新型インフルエンザでは、交通制限までは実施されません。