ルミノ-ル反応とはどんな反応でしょうか?

刑事ドラマの「科捜研の女」を見ると、犯行現場の血痕を見つけるのに、ルミノ-ル反応が用いられています。ルミノール反応は、銅、鉄、血痕の検出に使用されています。金属イオン錯体やペルオキシダ-ゼが触媒となり、青白色の蛍光を示します。


ルミノ-ルはアミノ・フタル・ヒドラジドの粉末で、水には溶けないので、炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウムの水溶液に溶かします。ルミノ-ル粉末と水酸化ナトリウム水溶液と過酸化水素を水に溶かし、ルミノ-ル試薬溶液をつくります。血痕にルミノ-ル試薬溶液を噴霧すると、暗がりで血痕から青色蛍光(波長460nm)が観測されます。血痕のヘム鉄が過酸化水素を分解するのでルミノ-ル反応が始まります。
反応機構は諸説ありますが、ジアザキノン中間体を経て、励起一重項3-アミノフタル酸ジアニオンに変化し、これが基底状態に戻るときに紫青色に発光すると考えられています。


過酸化ナトリウム(Sodium peroxide)Na2O2粉末を使えば、過酸化水素は不要です。 Na2O2粉末は水と激しく反応し、
・ Na2O2 + 2 H2O ⟶ 2 NaOH +  H2O2
に分解するからです。水500mlに対しルミノール粉末0.5g、Na2O2粉末2.5gを溶かすとルミノ-ル試薬溶液ができます。和光純薬で1キット6500円で販売されています。ルミノ-ル試薬はアルミホイルに包んで冷蔵庫に1週間程度保存できます。様々なルミノール誘導体も開発されています。


ルミノール反応による血液鑑定はあくまでも、予備試験にしか過ぎません。発光時間も1分ぐらいだと思います。ルミノール検査後、DNA鑑定で本当に人間の血液であるかを鑑定しなければなりません。血液の成分を分解する酵素入りの洗剤を使うと、血痕の付着した衣類を洗濯すると、DNA鑑定ができなくなります。


大根に含まれるペルオキシダーゼ(peroxidase)という酵素は過酸化水素を分解するのでルミノ-ル試薬に反応します。上記のドラマには、掃除のエキスパ-トがカ-ペットに付着した血痕を拭きとった後、大根おろしの汁を付けて、捜査をかく乱するケ-スがありました。