従来の惑星形成モデルはどのようなものでしょうか?

従来の惑星形成モデルは京都大学の研究者が発展させました。これは太陽系形成の標準モデルと呼ばれています。標準モデルは金星や地球のような岩石惑星、木星や土星のようなガス惑星、天王星や海王星のような氷惑星が形成される様子とそれらが太陽の周りを円軌道で周回する様子をうまく説明できました。この標準モデルは円盤仮設と微惑星仮説に基づいています。円盤仮設とは、太陽質量の1%が円盤の質量であり、その99%は水素とヘリウムのガスで、残りの1%が塵であるというものです。微惑星仮説とは、円盤赤道面に沈殿したダスト層が割れてできた塊が、自重力で収縮して多数の小天体(1kmサイズの微惑星)を同時に形成し、それらが合体成長して惑星ができたというものです。回転するガスは常に円運動しているために、ガスを吸い込んでできた巨大惑星も円運動することになります。

どうして系外惑星には太陽系と異なるものが多いのでしょうか?
いくつか理由が考えられます。まず初期の円盤質量が標準モデルよりかなり大きいものがあるのではないかということです。これまで太陽系の再現を目標に研究されてきたので、初期の円盤質量が大きい場合は、殆ど研究されてきませんでした。円盤のガスは乱流状態なので殆どのガスは400万年ほどかけて中心星である太陽に吸い込まれます。但し一部のガスは角運動量をもらって外部に消え去ります。ガスが消失すると、成長した原始惑星同士は、重力相互作用により交差し、やがて衝突したり、跳ね飛ばされたりして、楕円軌道になったりするのです。系外惑星の発見により、惑星が軌道半径を大きく変えることが、頻繁に起こっていたと考えられるようになってきました。
ちなみに円盤の質量の殆どはガスの質量ですが、ガスは観測できません。円盤の大部分を占める低温(<100K)のダストが発するサブミリ波長帯の電波を電波望遠鏡で観測して、ダストの質量を求め、それを100倍したものをガス質量とします。なぜなら太陽ではガスはダストの100倍の質量をもつからです。

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