惑星形成理論は混迷の時代

井田教授のお話しでは、地球形成の問題は、新設が乱れ飛び、現段階では全く答えを出せない状況だそうです。私は半年前に井田教授が書かれた「惑星形成の物理(共立出版2015年)」という本を読んで、井田先生の学説を把握していましたが、この1年でさらに井田先生の考えは大きく変わったようです。とにかく解明しつくされたと思っていた古典力学の領域の問題でお手上げの状態が何十年も続いており、しかもそのことを殆どの人が知らない、という興味深い事態が起こっているのです。

系外惑星とは何でしょぅか?
近年、「系外惑星」と呼ばれる太陽系以外の惑星が次々と発見されています。その中に地球に似た惑星もいくつか見つかっており、大きな注目を集め、生命の存在が期待されています。天文学者が驚いたのは、系外惑星の多様な姿です。その多くは太陽系とかなり異なっていました。惑星形成理論は、太陽系だけでなく、太陽系以外の惑星形成をも説明できるものでなければなりません。また地球が形成されたときに生物の原料である元素はどのように地球に供給されたのかを説明しなければなりません。

そもそもなぜ最近になって、惑星が見つかってきたのでしょうか?
1995年に最初に発見された系外惑星はペガサス座51番星bでした。これは中心星のすぐそばを周回する木星より大きい巨大ガス惑星でした。銀河系にある中心星の前を惑星が通り過ぎると、中心星の明るさが数十日間で変化するので観測できたのです。当時は誰も巨大ガス惑星が中心星のすぐそばを周回しているとは思いもしませんでした。例えば木星は地球の5倍以上も太陽から離れているので、太陽の僅かな光の変化を捉えるのは容易ではありませんでした。運よく惑星が太陽の前に横切ってくれるとは限りませんし、木星なら太陽の前を横切るのを待つのに12年(公転周期)以上かかります。だから誰も系外惑星を観測しようと思わなかったのです。しかし一度系外惑星が観測できることが分かってくると、次々に見つかり、観測精度の向上により、今では4000個もの様々な惑星が見つかっています。

典型的な系外惑星は?
系外惑星は、数個の岩石惑星のみからなる場合、2個の巨大ガス惑星のみからなる場合が半分を占め、残りは、岩石惑星と巨大ガス惑星が入り混じって存在する惑星群であることが分かってきました。また系外惑星には楕円運動しているものが数多くあります。

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