BBC放送「人体:成長の秘密」パート2 骨の成長

赤ちゃんは生後1年で体重が3倍、身長は2倍になります。身長が伸びるのは骨が成長するからですが、あの硬い骨がどうやって成長するのでしょうか?

骨は、骨端板が伸びることで成長します。骨端板は、骨端と骨幹の間にある軟骨層です。骨端板は骨端側に伸びる一方、骨幹側の軟骨は次第に骨化して、骨は長く成長します。骨膜の骨化により骨は太くなります。18歳頃になると、骨端線にある軟骨がすべて骨になり、骨端と骨幹が密着します。こうして身長が決まるのです。骨の成長は4つの遺伝子の影響を受けるようですが、二卵性双生児でも生育環境の違いで10cmくらいの身長差が生じることがあるそうです。遺伝がすべてを決めるのではないようです。

骨の成長のメカニズム
脳の下垂体から放出された成長ホルモンが、骨の軟骨細胞の分裂・増殖を促します。成長ホルモンが血流によって肝臓に届くと、肝細胞はソマトメジン-Cあるいはインスリン様成長因子(IGF-1)と呼ばれる物質をつくります。骨に運ばれたソマトメジン-Cが骨端軟骨の細胞を刺激して、急速な分裂を促します。この番組では軟骨細胞が次々と分裂し、骨が成長する様子が見られました。長生きすると驚くべき光景が見られます。

骨は生きている
骨は単なる硬い棒ではありません。骨の内部には細い血管が縦横無尽に張りめぐらされ、骨細胞が活動しています。そのおかげで骨折した骨も元通りに治るのです。神経は骨膜にあり、骨自体にはないようです。骨はよく鉄筋コンクリートに例えられます。コラーゲンが鉄筋、カルシウムがセメントというわけです。コラーゲンを芯にしてカルシウムを沈着させて、新しい骨をつくります。骨には体を支え、運動し、内臓を守る力学的な役割の他に、カルシウムを貯蔵する代謝的な役割があります。カルシウムはあらゆる細胞の機能や神経の伝達などに必要な物質です。

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