骨代謝に関わる2つの細胞

骨は永久不変ではなく、皮膚と同じように新陳代謝を行っています。つまり毎日、古い骨が壊されて、新しい骨が作られているのです。これを「骨代謝」といいます。具体的には破骨細胞(osteoblast)が古い骨を溶かし、骨芽細胞(osteoclast)が新しい骨を作ります。

破骨細胞は10個程度のマクロファージが融合した多核巨細胞であり、骨の表面を動き回って、酸やタンパク質分解酵素を分泌して、骨を溶かします。溶けたCaは、血液に取り込まれて新しい骨の材料になります。

骨芽細胞はⅠ型コラーゲンやオステオカルシンなどの骨基質タンパク質を合成・分泌して骨の石灰化にかかわります。つまりコラ-ゲンという鉄筋にオステオカルシンという接着剤を塗って、血液中のCaというセメントを付着させると考えればいいでしょう。骨芽細胞は男性ホルモンであるアンドロゲンと女性ホルモンであるエストロゲンの受容体を持っています。アンドロゲンは骨芽細胞の活動を抑制させ、エストロゲンは骨芽細胞の活動を刺激します。閉経後の女性は、エストロゲンの分泌が減少するために、骨芽細胞の活動性が低下し、骨粗鬆症になりやすいというわけです。閉経が起こる理由は、高齢で出産するリスクを避け、孫の世話をするためだと言われています。孫の数が多い女性ほど、寿命が長いという調査結果があります。

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