エゴマ油はどうして注目されているのでしょうか?

DHAは脳や網膜のリン脂質に含まれる脂肪酸の主要な成分です。エゴマ油にはDHAを合成するのに必要なα-リノレン酸が58%も含まれているからです。ヒトを含めた多くの動物は体内でα-リノレン酸を原料として10-15%の割合でEPAやDHAを生産することができます。妊娠・出産期にはω-3脂肪酸が枯渇しやすく、産後のうつ病に関与していると言われています。

つまりヒトは脳や網膜を維持するために、DHAあるいはα-リノレン酸を摂取しなければなりません。DHAは青魚の脂に含まれています。α-リノレン酸の場合、1日あたり2g必要です。ホウレンソウに換算すると1日1.4kgに相当します。α-リノレン酸は、大豆油(7%)、キャノ-ラ(アブラナ)油(9%)、エゴマ(58%)、アマ(55%)に含まれています。

コ-ン油、ゴマ油、ヒマワリ油、オリ-ブ油などは、ω6脂肪酸であるリノ-ル酸(18:2)を多く含み、α-リノレン酸を含みません。リノ-ル酸は、6位と9位に二重結合をもちます。α-リノレン酸はω3位にも二重結合を有する脂肪酸です。Δ15-脂肪酸デサチュラーゼはω3位に二重結合を作る酵素です。植物や微生物は、Δ15-脂肪酸デサチュラーゼがあるので、リノール酸からα-リノレン酸を合成できます。しかしヒトを含めた動物はΔ15-脂肪酸デサチュラーゼがないので、リノール酸からα-リノレン酸を合成できないのです。

エゴマ油は、高齢化社会で需要がある高価な油です。エゴマは耕作放棄地でも栽培可能な一年草なので、村おこしにいいと思います。但し種の洗浄に手間がかかります。

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