堆肥の分解はどのように進むでしょうか?

堆肥の分解は、植物の細胞壁の成分を分解できる菌類が分解しやすい順番に分解します。堆肥は、落葉樹の枯葉、イネ科の枯草、米ぬかなどと水を混ぜて、保温して発酵させてつくります。米ぬかのリンPや窒素N分は菌体を作るのに使われます。N源として牛糞や鶏糞を使う人もいます。ときどき水をやり、切り返して均一に混ぜます。水をやらないと乾燥して、糸状菌が増殖せず、ヘミセルロ-スやペクチンの分解が進まないからです。ペクチンが分解すると、セルロ-スとリグニンが残ります。セルロ-スは放線菌が分解します。放線菌は60℃~70℃の高温に耐えられます。最後に残るリグニンは担子菌などが分解します。

分解の過程を調べるために、3種の菌類による植物の分解モデルを考えました。植物がペクチン、セルロ-ス、リグニンからなるとして、3つの分解菌(糸状菌、放線菌、担子菌)が分解する過程を表す数理モデルを立てました。

10元連立非線形方程式を市販のソルバで解いて、植物の分解過程を解釈しました。

植物を構成する成分は、ペクチン、セルロ-ス、リグニンの順番に分解され、十分時間が経つと菌類量は減少し、無害な堆肥が生成します。その様子を簡易モデルで実現することができました。

より複雑なモデルも考えられますが、結果は単純化したモデルと定性的に似ていました。

初期の菌数が少ないと増殖ピ-クを迎える時間が送れますが、定性的な形状は変わりません。分解が不十分な堆肥を施肥すると、残留糸状菌が作物に害を与えます。林の匂いがなくなるまで、堆肥を完熟させてから施肥します。

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