アゾトバクタの酸素バリアに用いられるアルギン酸はどんな物質でしょうか?

アルギン酸は、マンヌロン酸(M)とグルロン酸(G)という2種類のウロン酸が直鎖重合した構造を持つ多糖類です。アルギン酸の鎖状構造の中で、MとGはランダムに存在し、3種類のブロックを構成しながら共存しています。アルギン酸は、増粘剤、ゲル化剤、乳化剤、安定剤、麺質改良剤など食品の品質を向上する優れた機能を持っています。現在、アイスクリーム、ゼリー、パン、乳酸菌飲料、ドレッシング、即席麺、ビールなどさまざまな食品に利用されています。アルギン酸は、ペットフードや養殖魚の餌などに、結着剤や増粘剤として利用されています。

「落ちない口紅」にもアルギン酸が配合されており、唇の表面に被膜をつくって、口紅が移るのを防いでいます。アルギン酸カリウムは、アルギン酸のカルボキシル基にカリウムイオンが結合したかたちの塩です。その性質はアルギン酸ナトリウムと非常によく似ており、冷水や温水によく溶け、粘性のある水溶液をつくるとともに、Ca2+のような多価カチオンに接触すると瞬時にゲル化します。現在は歯科治療に用いる歯型取り剤(歯科印象剤)のゲル化剤として、国内外で広く利用されています。

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