爬虫類は頭蓋骨の側頭窓の数で分類します。頭蓋骨には鼻孔や眼窩孔の他に側頭窓 (temporal fenestra)と呼ばれる穴が開いています。無弓類、単弓類、双弓類というのは、片側から見た側頭窓の数がそれぞれゼロ、1個、2個という意味です。弓とは穴によって細くなった骨のことです。恐竜は双弓類なので、恐竜の頭蓋骨には8個の孔が開いています。
ペルム紀に存在していた無弓類のパレイアサウルス科の恐竜12種は、両生類と同様に、頭蓋骨に側頭窓がありません。単弓類である哺乳類型爬虫類は、頭蓋骨の両側に1対の側頭窓があります。横から見ると、眼窩孔の後ろに1つ側頭窓が開いています。ヒトは単弓類ですが、無弓化しています。双弓類は魚竜を含めた竜類です。トカゲ、ワニ、カメ、恐竜、鳥類は双弓類です。双弓類は頭蓋骨の両側に2対の側頭窓があります。しかしカメは後の進化で単弓化しています。
側頭窓は顎の筋肉が収まる孔です。側頭窓が開くことによって、顎を大きく開けることができ、また下顎内転筋の付着面が広くなり、噛む力が増大します。ヒトの咬合力は500N(女性平均)~700N(男性平均)です。爬虫類の噛む力は、ヒトの10倍~100倍もあります。