合成洗剤が河川の富栄養化につながると言われたのはどうしてでしょうか?

合成洗剤CH3(CH211OSO3Na自体にはリンが入っていません。河川の富栄養化は、水を軟水化させるために投入したトリポリリン酸ナトリウムSTPP(=Sodium TriPolyPhosphate)

  • Na [PO(ONa)O]3ONa+ (Na5P3O10

などのリン酸塩によるものです。STTPは酸素原子を共有して結合した四面体 PO4(リン酸)構造単位からなるポリマーのオキソ酸です。生体エネルギを担うATPにも同様の構造が見られます。STTPは水中でNaを放出し、Caを吸収することで、合成洗剤がCa塩を作るのを防止します。

STTPは白い粉で、粉末洗剤の吸湿固化を防止し、製造時の生産性を向上する効果もあります。日本の洗濯用粉末洗剤には製品中に30%程度、欧米では50%程度配合されていたそうです。1980年頃から、洗剤の軟水剤はSTPPからゼオライト(アルミノケイ酸ナトリウム)に切り替えられました。洗剤の洗浄力強化のために、プロアテ-ゼやリパ-ゼが添加されるようになりました。

現在ではSTPPはエビやホタテの鮮度を保つための防腐剤として用いられています。シーフードの重量が増すことは販売者に利点があります。

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