ビットコインは通貨として認められているのでしょうか?

日本において、ビットコインは、外貨と同様に強制通用力がないため、民法402条に規定される通貨には該当しません。つまりお店で買った品物の代金をビットコインで支払うことはできません。またビットコインは、金融商品取引法上の有価証券にも該当しません。しかしマウントゴックス事件を受け、2016年5月の法改正により、ビットコインは電子マネーと同様、資金決済法の対象となりました。


2017年4月1日に金融庁によって施行された、資金決済に関する法律(資金決済法)2条5項では、ビットコイン(仮想通貨)とは、現金と同様に、『不特定多数の相手に対し、流通手段、支払い手段として使用可能』で、『電子的に価値を移転できる』ものと定義されています。つまりビットコインは電子的な通貨として認められています。そこには「本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く」との但し書きがあります。つまりSuicaなどの電子マネーは通貨建資産なので、ビットコインとは異なります。


法改正により、登録を受けた仮想通貨交換業者以外が仮想通貨交換業を行うことは禁止されました。その結果、海外のビットコイン事業者が、国内登録なく日本国内の者にビットコイン取引を勧誘することは禁止されています。


一般的に通貨が満たすべき条件は3つあります。それは(1)価値の尺度になる(2)価値の保存が可能である(3)決済(交換)の手段になる、ということです。問題は(3)です。資金決済法では、合意があれば仮想通貨が支払い手段として使用可能であることが認められています。つまり金融庁はビットコインをデジタル通貨として信頼できると判断したことになります。

法定通貨は、金本位制が廃止になった現在、政府や銀行などの発行元(中央管理者)への信頼によって価値が認められています。ビットコインは、ブロックチェーンという堅固で透明な電子システムへの信頼によって、価値が保証されています。2018年11月現在BTCの時価総額は13兆円を超えています。ビットコインは銀行や大企業と同程度の資産価値になっています。

ビットコインが中央管理者の権力なしに信頼を生成することに技術的に成功したことは画期的なことです。度々起こる不祥事は取引所の不十分なセキュリティ対策に起因するものです。この10年間ビットコインのシステムは、一度も止まることなく、稼働し続けてきました。

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