焼き芋は大量のグルコ-スを脳に供給したと考えられます。ヒトの脳は大量のグルコ-スからニュ-ロンを守るために、グリア細胞を増やさなければならなかったのです。つまり焼き芋によって、ヒトの大脳は大きくなったと考えられます。
加熱により食物の消化が良くなったので、ヒトの腸の長さも短くなり、体型がスリムになり、歩き方も洗練されてきたでしょう。広域を移動して、果実や獲物を取ることもできるようになったでしょう。グルコ-スは肝臓だけでなく皮下脂肪として蓄えられるようになったので、体毛が減りました。暑い中でも歩けるように、汗腺(エポクリン腺)を発達させたと考えられます。
ヒトの脳は体重の2%の重量しかありませんが、25%のエネルギを消費しています。脳のエネルギ消費量の90%は、グリア細胞ではなく、ニュ-ロンが消費しています。筋肉は絶えず分解されて脂肪として肝臓に蓄えられ、肝臓は絶えず脂肪を分解しグルコ-スを脳に送っています。血糖値を抑制するために大量のインスリンが放出されます。インスリンは成長ホルモンなのでグリア細胞が増殖します。グリア細胞が増殖するとニュ-ロンの接続数や電気伝達速度が増大し、エネルギ消費量が増えます。人間のエネルギの半分は肝臓と脳で消費されています。
今回、ヒトの本質が焼き芋を食べるサルであることを説明しました。驚くべきことではありますが、分かってしまうと当たり前のことかもしれません。森林を焼き尽くし、石油を消費するのは、人間の本性と関わりがあることなのですね。