グルコ-スとデンプンについて

グルコ-スは環状の有機物ですが、1%ほどは鎖状になっており、先端に反応性の高いアルデヒド基(-CHO)を有しています。これがタンパク質のNH2基と容易に反応しシッフ結合するので、タンパク質は糖化により劣化していきます。赤血球は、狭い毛細血管を通るために核やミトコンドリアがないので、栄養源にブドウ糖を必要とします。赤血球の寿命が4か月しかなのには、ブドウ糖がヘモグロビンを劣化させるからです。

胎盤はブドウ糖を遮断しており、子宮内の胎児には、酪酸などのケトン体の形でエネルギが供給されています。胎盤によって胎児の脳はブドウ糖から守られているのです。もちろんニワトリの卵の中にもブドウ糖は含まれていません。

200万年前に人類は、山火事の後、芋の根が食べやすくなっていることに気づいたのでしょう。土に芋を浅く埋めて、木の葉で覆い、その上で焚火をすることで、芋を加熱して食べる方法を思いついたのでしょう。芋は重要な食糧です。現在の狩猟採種生活民といえども、食料の7割がたは芋や木の実などを食べて生活しています。芋はデンプンですが、生のままでは消化がよくありません。加熱することでデンプンがアルファ化し、食べられるようになります。

デンプンはグルコ-スがグルコシド結合で連なった有機物です。デンプンの直鎖部分(アミロ-ス)は、グルコースがα1-4結合で連なったものです。アミロペクチンは分枝があるデンプンで、分岐は直鎖の途中からグルコースのα1-6結合によるものです。もち米はアミロペクチンが多いため、不透明な白色をしています。

天然のデンプンは、βデンプンと呼ばれ、結晶状態にあります。加熱されたデンプンは、αデンプンと呼ばれ、糖鎖間の水素結合が破壊され糖鎖が自由になった状態にあります。α-グルコース分子が直鎖状に重合している部分は、水素結合によりα-グルコース残基6個で約1巻きのラセン構造になっています。また、ラセン構造同士も相互に水素結合を介して平行に並び、結晶構造をとります。

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