やまなしの古民家と集落

今日、山梨県の生涯学習センタにて、山梨大学教授の田中勝さんが「やまなしの古民家と集落」と題して、講演を行いました。田中先生は、ご専門は住居学と建築学で、甲府市の空き家対策協議会の会長もされています。生徒には1/100サイズの古民家のペ-パ-クラフトを作成させているそうです。講演では、全国各地の代表的な古民家を紹介しました。暮らしを支え、家族の憩いの場である住まいについて、大学で研究されている人がいました。

古民家は基本的に土地にあるもので作られています。デンマ-クの古民家は屋根が海藻で葺かれています。柱はなんと漂着した難破船から調達されています。

民家はその土地の歴史、文化、気候、産業、生活様式と深く関わっており、様々な工夫が見られます。例えば沖縄の住まいは9割がコンクリ-ト建築で木造建築は少ないそうです。沖縄の古民家は、暴風に対抗するために美しい石垣に囲まれています。岐阜県の相倉の合掌造りの古民家は川に沿って家の向きが揃えられています。急な屋根は雪に強く、柱と屋根の横木は縄や細木で縛られています。なんと1階に40人以上の家族が住んでいたそうです。火事の時には外から取り出せるように、仏像は家の壁側に置かれています。

山梨県には、養蚕のための「突き上げ屋根」や「かぶと造り」の民家が現在も多数残っています。

古民家の改装例なども紹介しました。外観を維持しながら、壁に断熱材を入れて、住みやすくしています。ちゃんとやると古民家の改装には、新築より費用が掛かるそうです。しかし古民家を住み継いでいくことで、地域にも家族にも様々な利点があるようです。