腐食とはどんな現象でしょうか?

腐食とは金属が溶け出して酸化する現象です。ここでは湿式腐食の話をしましょう。湿式腐食には全面腐食と局部腐食があります。全面腐食には均一腐食と不均一腐食があります。局部腐食には、孔食、隙間腐食、異種金属接触腐食、応力腐食割れなどがあります。日本の腐食対策費は毎年少なくとも5兆円を超えており、腐食・防食に関する正しい知識を持つことは、安全性向上と経費削減につながります。
異種金属接触腐食の場合
例えば水中に鉄板と銅板を入れて、電線で結ぶと、鉄板が腐食します。鉄は銅よりイオン化しやすいから(あるいは鉄のフェルミ面が銅より高いから)、電子が鉄から銅に流れます。電位差は100mV程度です。電子を失った鉄はFe2+イオンとなって溶出します。陰極では
・2Fe → 2Fe2++4e
となり、陽極では
・2H2O+O2+4e→ 4OH
なる反応が生じます。OH-イオン電流は陽極から陰極に流れ、
・ 2Fe2++4OH→ Fe(OH)2
水酸化鉄の錆(さび)が形成されます。さらに酸化されると Fe(OH)3を経て、赤錆Fe2O3になります。酸素が足りなければ黒錆Fe3O4になります。鉄よりイオン化傾向の高いアルミを銅の代わりに用いると、鉄板を防食できます。

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