土壌中の菌体の栄養分はどれくらいでしょうか?

菌体には、カビと細菌を平均して炭素100gに対し、窒素15g、リン11.6g、カリウム9.8g、カルシウム1.4gが含まれています。つまり菌体にはN:P:K=3:2:2の割合で栄養素が含まれています。菌体のC/N比は6.7です。

糸状菌は炭素100gに対して、窒素5g(4.5g~7.5g)程度含んでいます。糸状菌の場合、

  • C/N比=100g/5g=20

となります。堆肥作製時のC/N比を20とするのはそのためです。堆肥はC/N比10程度まで分解すると、林の匂いがなくなって施用可能になります。ちなみに好気性菌では0.75g~1.5gの窒素を含んでいます。細菌の場合

  • C/N比=100g/1.5g=66

となります。細菌に必要なのは炭素であることが分かります。

畑10a当たり、700kgの菌体がいると考えられています。乾燥菌体量は、約100kg(=700kg×14.3%)になります。内訳は炭素70kg、窒素11kg、リン8kg、カリ7kg、カルシウム1kgとなります。10aの施肥量は、窒素10kg、P2O5が10kg、K2Oが10kgですから、リンは4.4kg、カリウムが8.3kgとなります。つまり、乾燥菌体のミネラルと施肥量はほぼ等しいといいうことになります。土壌中の菌体が死んで肥料として供給されれば、無肥料でも植物は育つことになります。

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