クジラ肉にはどんな利点があるのでしょうか?

クジラ肉は栄養があり、上手に調理すると大変美味しいと言われています。クジラの赤身肉は魚肉よりは牛肉に近い触感です。

・クジラ肉の利点1 ~ バレニン

鯨肉は、鶏ささみと同等の熱量で、その脂肪分は鶏ささみの半分です。だから鯨肉は筋トレやダイエットに理想的なタンパク源になります。ヒゲ鯨の肉には、抗疲労機能をもつバレニンが大量に含まれています。ニワトリや牛には100g当たり2~5mgしか含まれていませんが、ミンククジラ(ヒゲクジラ)の赤肉100gには1,900mgのバレニンが含まれています。但しマッコウクジラ(歯クジラ)には3mgしか含まれていません。

 ヒゲクジラは、春から夏にかけて栄養塩が湧昇する高緯度地方で餌を取りたっぷり脂肪を蓄えます。秋になると大移動し、低緯度地方で餌を食べずに生殖と子育てをします。低緯度地方の海は、暖かく透明なので、皮下脂肪が不十分な子クジラを育て守るために適しているのです。大海原を泳ぎ続けるヒゲ鯨のスタミナは、バレニンに秘密があると言われています。

バレニン(Balenine)とは

バレニンはイミダゾール・ジペプチドの一種で、メチル化ヒスチジンとβアラニンという2つのアミノ酸が結合した物質です。ヒスチジンはイミダゾール基を有する必須アミノ酸で、イミダゾール基は窒素を2つ含む五員環です。ヒトの生体内では、乳酸の分解促進に関わり、疲労回復に効果があります。バレニンは、消化吸収時に2つのアミノ酸に分解されますが、体中で再合成されます。ヒトの場合、脳細胞、筋肉などの消耗の著しい部位に、イミダペプチド合成酵素が豊富に存在するために、酸素消費が多く発生する部位で、バレニンが再合成されやすく、抗酸化作用が発現しやすいと言われています。

・クジラ肉の利点2 ~ ヘム鉄とDPA(ドコサペンタエン酸)

クジラの赤肉には吸収されやすいヘム鉄が含有され、貧血の予防に役立ちます。鯨肉は安全で栄養価の高い動物性タンパク源であり、アレルギー患者が安心して食べられる代替タンパク源です。クジラ肉には血液の流れをよくするDPAが含まれています。

・クジラ肉の利点3 ~ コラーゲン

クジラのベーコンにはコラーゲンが多く、その原料となる畝須(うねす)には28%ものコラーゲンが含まれています。畝須とは、クジラの下あごから腹部にかけての畝状の部分です。上部の脂身をウネ、肉部をスノコ と呼ぶので、「うねす」という名前になったそうです。クジラのベーコンは畝須を塩漬けにしてから燻製にしたものです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。