MKSA系の電磁気学には、電流の強さを表すアンペア[A]が登場します。
1[A]の定義は何でしょうか?
1[A]は、真空中に1m(=r)間隔で平行に張られた2本の導線に同じ電流を流した時に、1m(=L)あたりの長さの導線に働く力Fによって定義されています。
・ F=μ0HIL=μ0(I/2πr)IL=μ0I2L / 2πr
・ F=2×10-7[N]=(μ0/ 2π)1[A]2・1[m]/1[m]
2本の導線に働く力が2×10-7[N]となる電流の値を1[A] と定義しました。その結果真空の透磁率μ0は
・ μ0=4π×10-7 [NA-2]
となりました。真空の誘電率は、必然的に
ε0=1/c2μ0=1/{(2.99792×108m/s)2・4π×10-7 [NA-2]}=8.85419×10-12[F/m]
となります。1クーロンは、1アンペアを用いて
・ 1[C] =1[A]×1[m2]×1[s]
で定義されます。電圧[V]は、1クーロンを用いて
・ 1[V] =1[J]/1[C]
で定義され、1[F]ファラッドは、1ボルトを用いて
・ 1[F]=1[C] /1[V]
で定義されます。 1[A]を定義することで、電磁気学のすべての定数や単位が決まるのです。