[9][Ⅵ] θ(x)~x の証明

[Ⅵ] θ(x)~x の証明

 θ(x)~x の定義は、lim[x→∞] θ(x)/x=1 です。これは、任意のε>0、∃x>0に対して、

  1-ε<θ(x)/x<1+εと同値です。あるいは

  • 任意のλ>1に対してθ(x)<λx かつ
  • 任意のλ<1に対してλx<θ(x)

と同値です。この命題を否定して、

  • λ>1に対してθ(x)≧λx かつ
  • λ<1に対してλx≧θ(x)

なるλが存在するとして、矛盾を導きます。

(1)λ>1に対してθ(x)≧λx なるλが存在するとして、矛盾を導きます。

 λ>1のとき、x≦t≦λxなるtに対して、θ(t)≧θ(x)であり

  • θ(t)≧θ(x)≧λx → (θ(t)-t)/t2 ≧(λx-t)/t2

 であるから、

  • [x,λx] [(θ(t)-t)/t2] dt ≧∫[x,λx] [(λx-t)/t2] dt=∫[1,λ] [(λ-s)/s2] ds=δ(λ)>0

 が成り立ちます。ここでt=xsとおいて、積分変数をtからsに変換しました。

(Ⅴ)より積分

  • F(x)=∫[1,x] [(θ(t)-t)/t2] dt → F(∞)as x→∞

は収束するので、x→∞で

  • 0<δ(λ)≦∫[x,λx] [(θ(t)-t)/t2] dt=F(λx)-F(x) → 0 as x→∞

となり、矛盾することが示せました。

(2)λ<1に対してλx≧θ(x)なるλが存在するとして、矛盾を導きます。

 λ<1のとき、λx≦t≦xなるtに対して、θ(t)≦θ(x)であり、

  • θ(t)≦θ(x)≦λx → (θ(t)-t)/t2 ≦(λx-t)/t2

 であるから、

  • [λx, x] [(θ(t)-t)/t2] dt ≦∫[λx, x] [(λx-t)/t2] dt=∫[λ,1] [(λ-s)/s2] ds=δ(λ)<0

 が成り立ちます。ここでt=xsとおいて、積分変数をtからsに変換しました。

 (Ⅴ)より積分

  • F(x)=∫[1,x] [(θ(t)-t)/t2] dt → F(∞)as x→∞

 は収束するので、x→∞で

  • 0>δ(λ)≧∫[λx, x] [(θ(t)-t)/t2] dt=F(x)-F(λx) → 0 as x→∞

 となり、矛盾します。よって背理法より、lim[x→∞] θ(x)/x=1 が示されました。

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