日本では、氷河期の終わり1.6万年前に気温が上昇し、森は落葉樹も交じる森林へと変化しました。その結果、ドングリが大量に手に入り、そのアク抜きに必要な容器として、土器が生まれたと考えられています。エジプトやメソポタミアでは小麦でパンを焼いていたので、土器は必要なかったのでしょう。西アジア最古の土器は9000年前であるのに対し、日本最古の土器は1.6万年前であり、世界的に最も古い部類のものです。1.45万年前には粘土ひもを張り付けた隆線文土器が広まりました。
火焔土器は、見た目が派手ですが、一般住居で見つかる事が多く、日常生活の中で使用されていたと思われます。狩猟採集民が実用性より装飾性を重視していたというのは面白いことです。もしかしたら、どんぐりの粉があるので、生活に余裕があったからなのでしょうか。日本が誇るべき土器だとすれば、2020年東京オリンピックの聖火台に火焔型土器を採用してもいいのかもしれませんね。