0.動物と植物の元素構成はどのようなものでしょうか?

ヒトは重量換算で61.5%が水分で、タンパク質は17%、脂質が14%、糖質が1.5%、ミネラルが6%です。C、O、Hの3元素だけで全質量の94%を占めます。体重70kgのヒトの場合、水分は42kgで、その中にO(37.3kg)、H(4.7kg)が含まれています。水分を除いたヒトの固形分にはC(16kg)、O(5.7kg)、H(2.3kg)、N(1.8kg)、Ca(1.0kg)、P(780g)の多量元素が含まれています。多量元素には筋肉や骨を構成する元素が多く含まれています。さらにS(140g)、K(140g)、Na(100g)、Cl(95g)、Mg(19g)の少量元素が含まれています。少量元素の多くは細胞の浸透圧を調整するアルカリ金属です。それ以下の微量元素にはSi(18g)、Fe(4.2g)、F(2.6g)、Zn(2.3g)、Cu(72mg)などがあります。SiとFの他に数十mgのRb、Sr、Br、Pbなどの非必須元素も含まれています。微量必須元素としてはFeとZnの量が多いことが分かります。これらはタンパク質と結合して代謝反応を促進する酵素として働きます。

典型的な植物は90%が水分で、10%が固形物です。植物の固形物の90%はC(40%)、O(40%)、H(4%)、N(4%)、P(1%)、S(1%)の6元素から成ります。残りはK(0.4%)、Ca(0.3%)、Mg(0.3%)で、その他は僅かです。植物は、デンプンやセルロ-スが多く、筋肉や骨がないから、殆ど炭水化物でできており、タンパク質に含まれるNやS、骨の元になるPやCaは少ないのです。S(硫黄)は土壌に比較的多く含まれているので、土壌に不足しやすいN、P、Kが肥料の三要素となっています。Caは細胞壁のペクチンに、Mgは葉の葉緑体に含まれています。Ca、Mgはミネラル肥料として施肥されます。

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