ACE2はどのような受容体でしょうか?

ACEとはアンジオテンシン変換酵素(Angiotensin Converting Enzyme)のことです。「Angio」とは「血管の」という意味です。ACEはRAAS(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系)という血圧制御システムにおいて、血中のアンジオテンシンⅠをアンジオテンシンⅡに変換する酵素です。アンジオテンシンⅡは血管の内皮細胞のAT1受容体に結合して血管を収縮させ、血圧を上昇させます。高血圧の人はACE阻害薬を処方されます。 

ACE2はアンジオテンシンⅠやⅡをアンジオテンシン1-7に変換する受容体です。血中のアンジオテンシン1-7は血管の内皮細胞のMas受容体に結合して血管を拡張させ、血圧を下げます。ACE2はACE阻害薬によって抑制されません。ACE2活性化剤としてはオルメサルタンがあります。

レニンというのは腎臓から分泌されるタンパク質分解酵素で、肝臓から分泌されるアンジオテンシノーゲンというタンパク質(452個のアミノ酸)を10個のアミノ酸からなるアンジオテンシンⅠに分解する作用があります。アルデステロンとは副腎皮質から分泌されるホルモンで腎臓の尿細管でNa+とH2Oの再吸収を促します。これによって血圧が上昇します。高血圧で心機能が弱ると、腎臓の血流量が低下するので、RAAS機構が働いて血圧が上がり、副腎髄質からアドレナリンが分泌されて心拍数が上がるので、心臓に負担がかかります。血管、腎臓、心臓に基礎疾患のある人は、血圧を下げる薬を処方されます。呼吸器疾患のある人、健康な人でも喫煙習慣のある人はACE2受容体の発現リスクが増します。

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