電磁気学にはMKSA単位系(SI単位系)とCGS単位系(ガウス系)があります。
一世代前にはCGS単位系が使われていましたが、今ではMKSA単位系が用いられています。少し古い本を読むとCGS単位系が使われているので、CGS単位系とMKSA単位系の関係について知っておくと便利です。以下CGS単位系の物理量にはプライムをつけて区別します。
<CGS単位系とMKSA単位系の違い>
MKSA単位系では、ク-ロン力Fは
・ F=(1/4πε0)・Q1Q2/r2
ですが、CGS単位系では
・ F= Q’1Q’2/r2
とシンプルになります。
MKSA単位系では、電束密度と電界の関係は
・ D=ε0E+P
ですが、CGS単位系では
・ D’=E’+4πP’
となります。CGS単位系はよさそうに見えるのです。
しかしマクスウエル方程式に関してはMKSA単位系の方がすっきりしています。MKSA単位系では、マクスウエル方程式は
・ divD=ρ、divB=0、rotH=i+∂D/∂t、rotE=-∂B/∂t
ですが、CGS単位系では
・ divD’=4πρ’、divB’=0、rotH’=(4π/c)i’+(1/c)∂D’/∂t、
rotE’=-(1/c)∂B’/∂t
となります。CGS単位系はマクスウエル方程式に4πが出てきて目障りなのです。
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<CGS単位系とMKSA単位系の関係>
電場の場合、次の3つの関係
・ Q= root(4πε0)Q’
・ D= root(ε0/4π)D’
・ E=E’/ root(4πε0)
を使えば換算できます。分極P=rQなので、P=root(4πε0)P’の関係です。
・ DS=Q(MKS系) →root(ε0/4π)D’=root(4πε0)Q’ →D’S=4πQ’(CGS系)
・ F=QE(MKS系) →F=root(4πε0)Q’ E’/ root(4πε0) →F=Q’ E’(CGS系)
・ D=ε0E+P(MKS系) → root(ε0/4π)D’=ε0E’/ root(4πε0)+root(4πε0)P’
・ → D’=E’+4πP’(CGS系)
が得られます。分極率αは
・ P=αε0E(MKS系) → root(4πε0)P’=αε0E’/ root(4πε0)
→ P’=(α/4π)E’(CGS系)
と変換されます。