グルコ-ス解糖系の第1過程

グルコ-スは6個の炭素原子を有する6単糖です。解糖系は細胞質内でグルコ-スを2分子のピルビン酸にする生化学的なプロセスです。2分子のATPと2分子のNADHが得られます。
その後、好気的な生物では、ピルビン酸は細胞のミトコンドリア内に送られて、クエン酸回路に入り、様々な有機酸に変換されます。その過程でATPやNADHが発生します。生物はATPのエネルギを使って、代謝に必要な様々な物質をつくり出しています。

解糖系は10個の反応過程から成ります。解糖系の第1過程は、ATPによるグルコ-スのリン酸化です。すなわち図1に示すように、グルコ-スとATPが反応し、グルコ-ス6リン酸とADPとH+が生成します。6は6番目の炭素にリン酸が結合していることを意味しています。ATPはPO32–ADPと書けます。反応を促進させる酵素はヘキソキナーゼというリン酸転移酵素です。

ATPのリン酸には、Pと二重結合しているOがあります。この酸素は電子を引っ張るので、P=OがP-O-となります。Pは、5本の結合手を持つので、結合手をもう1本受け入れられる状態になります。

グルコ-スの6番目の炭素はCH2OHに含まれています。その酸素O:には孤立電子対があり、ATPのPと求核反応を起こします。ATPとグルコ-スがヘキソキナーゼに結合すると、グルコ-スのCH2OHはPの近くに配置されます。CH2OH はPと結合し、H+を放出します。P-O-がP=Oに戻ると、PとADPの結合が切れます。ADPは結合に使っていた電子を引き取り、ADP-となります。結局、反応は

・ グルコ-ス + PO3-ADP → グルコ-ス6リン酸 + ADP- + H+

となります。解糖系の第1過程ではATPを1個消費してしまいます。10個の反応過程で用いられる酵素はすべて異なりますが、有機化学の基本知識があると、複雑な生化学の反応を理解することができます。