28種類のコラーゲンが見つかっています。それらは発見された順番にギリシャ文字の番号が付けられています。それらは異なった性質や役割があります。最初の6種を紹介します。 Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、V、Ⅵは繊維型コラ-ゲン、Ⅳ、Ⅷ、Ⅹはネットワーク型コラ-ゲンです。その他に膜貫通型コラ-ゲンなどがあります。
・Ⅰ型コラーゲン
Ⅰ型コラーゲンは皮膚、腱、筋膜、骨などに見られる基本的なコラ-ゲンです。2本のα1鎖と1本のα2鎖がラセン構造をとっています。3重らせんの間に水分子を溜めることができるため、保水効果を持ち、化粧品などに広く利用されています。
・Ⅱ型コラーゲン
Ⅱ型コラーゲンは軟骨や眼球の硝子体、脊索にあるコラーゲンです。同一の3本のα鎖からなるホモ3量体構造からなる原繊維ですが、会合して細長い繊維を形成しません。
・Ⅲ型コラーゲン
Ⅲ型コラーゲンは、血管、真皮、リンパ組織、脾臓、肝臓、平滑筋などに見られる細網線維や胎生期・創傷治癒の際に出現するコラーゲンで、大量の糖質を含みます。ホモ3量体構造をとります。
・Ⅳ型コラーゲン
Ⅳ型コラーゲンは血管内皮基底膜(血管壁)や腎糸球体をつくるシート状のコラーゲンです。トロポ・コラーゲンが重合せず糖タンパクと結合して網目構造の膜を作ります。
・Ⅴ型コラーゲン
Ⅴ型コラーゲンは角膜をつくるコラ-ゲンです。Ⅰ型コラーゲンと共存し64μm周期の横縞を示す極めて細いコラ-ゲンです。
・Ⅵ型コラーゲン
Ⅵ型コラーゲンは軟骨細胞や基底膜をその下のⅠ型・Ⅲ型コラーゲンの線維に結びつける四量体のミクロフィブリル線維を作ります。64μmの周期性を示します。