2022.4.24投稿
NHKの「心の時代」で法然院31代貫主の梶田真章さんが、森の子クラブの一年間の活動の最後に子どもたちにお話をしました。生き物観察学習の真の意味を説いておられます。
昔の日本は農業とか漁業をしている人が多くて、生き物の暮らしみたいに、人間も毎年同じ事を繰り返して多くの人が生きていました。
今はここに来ておられるテレビ局の人みたいに来年は今年とは違う事をしなければならないと思って、頑張っている人が多い。来年は今年とは違わなければ意味がないと思っている。新しい番組や製品をどんどん作らなければならないと思って頑張っているのだけれども、新しい事がなかなか考えられずに苦しんでいる人もいるのです。
皆さんも10年後、20年後、色々な暮らしをされていると思いますけど、来年も今年と違うことをしなければならないのに、なかなか見つからないなと思ったときには、生き物のことを思い出して下さい。
毎年同じ事をしていてもいいんや。そういう時間があってもいいんだと思ってもらえたら、ここで一年間いろんな生き物を観察してもらったことも、只々生き物の事をよく知った事だけではなくて、皆さんの人生に活かすこともできるんじゃないかな、と今私はそう思っています。どうでしょうか。。
今皆さんにはいろんな夢があって、ああなりたい、こうなりたいと思っている人も多いでしょう。しかし人生には思い通りにいかないことも多くて、その時も「生きていさえすれば変わるかも知れないよ」と思えるかどうか。そういう意味で苦しくなったときには法然院の生き物の暮らしを思い出して下さい。「ただいま」と言って下されば、私が居れば「おかえりなさい」と言います。
梶田貫主は、お寺とは日本人が、同じような季節の営みに身を浸し安らぎを覚え、本来の姿に帰ってくる所だ、というお話をされています。